小説家志望の主人公が変わり者の元同級生と衝撃の再会を果たす
おもしろすぎる1話だった。清掃業の傍ら「自分には他と違うなにかがある」と信じ小説家を志すも、賞にはかすりもせずすり減る毎日を送る主人公の黒川。ある日、仕事のために赴いた個人宅は憧れの作家の家だった。しかしその作家の正体は、高校時代変わり者で凄惨ないじめの標的にされていたクラスメイトの天野だった、という衝撃の展開。 高校卒業から10年。あまりにも違うふたりの状況、そして黒川が天野宅に呼ばれた理由がまたとんでもない。びっくりしすぎて笑ってしまった。屈辱とはこのことだなと。これからこのふたり、どうなるんだろう!?
話題となった『刑務所の中』の続編的企画に見えますが、いやいやいやいや、そんな俗な漫画ではありません。
著者が犯した罪についてと、服役中の話、中世物の、3つのパートが平行して描かれ、それぞれとても読ませますが、やはり圧巻は罪部分、手に入れた錆び朽ち果てている実銃を、徹底的に自力で修理していくところです。(刑は銃砲刀剣類不法所持と火薬類取締法違反)
そのディテールの官能的なこと!
これを読むと、花輪和一はまったく反省していないと思いますね!
…いや、当然花輪氏は服役し刑期を終えておられますし、自らが犯した罪を心から悔いていらっしゃると思いますが、それにしても、拳銃復元の細密描写が快楽的すぎる。
著者の歓びが読む者に感染してくる、最高の「趣味」漫画であり、ドラッグコミック。
すげえキモチイイです。
ガンマニアやミリオタに限らず、趣味に淫した経験のあるすべての人に、超オススメ!