富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病因はわからないまま事態は悪化の一途をたどる。それが、内科医・玉木涼穂が彷徨うことになる「煉獄」の入り口だった。生活感溢れる緻密な描写が絶望を増幅する。医療サスペンスの新星が描くアウトブレイク前夜!!
1巻の最後で予見されていたように、恐ろしい速度で死者が出始める。横走市が封鎖され、さまざまな問題が巻き起こっていく。過酷な医療活動はもちろんのこと、物資の不足、風評被害、脱走者などなど。すでに極限に近い状況だが、ここからさらに悪化しそうな流れだ。
原神は住民の2/3を殺してでも日本全体への感染拡大を食い止めるために、住民を閉じ込めるしかないと言う。平静を装いつつも恐怖感を持って。
感染したとある親子が病院へやってきたが、治療のためにどうやら別々にされた様子。母親がか細い声で子を呼ぶ姿に玉木が気づき、同じベッドに寝かせることができた。そして間をおかず空いたベッドのシーン……。医者としてこれほどつらいことはなかなかないはず。
「絶望に慣れることは、絶望そのものよりもさらに悪いものである」
おそらくさまざまな状況、各々の立場ごとに、主要人物たちが絶望に抗う姿が今後描かれていくのだろうな。
富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病因はわからないまま事態は悪化の一途をたどる。それが、内科医・玉木涼穂が彷徨うことになる「煉獄」の入り口だった。生活感溢れる緻密な描写が絶望を増幅する。医療サスペンスの新星が描くアウトブレイク前夜!!