「バクネヤング」読んでみた
自伝小説の「邪宗まんが道」を読んで執筆中に色々あったことを知った上で読んだので「あ、ちゃんと完結してる…」と安堵しました。でも、やっぱり大阪城に篭城している辺りの描き込み具合がすごくて一番印象に残るのはそこですね。このままの勢いで最後まで描くことが出来てたら、みんな「ワールドイズマイン」じゃなくて「バクネヤング」を読んでいたんじゃなかろうか。「邪宗まんが道」を読んで「こんなにブチギレてる人を今まで見たことない」と思ったんだけど、作者本人と主人公の馬久根昭一は何だか似てますね。バクネの最期と「邪宗まんが道」のラストもダブって見えました。
池球(地球のこと)征服をするというバクネが大阪城を占拠し100兆円をよこせと籠城する話。完全版では蓮華編が加筆されて完結をしている。
とくに見ものなのがバクネがパチンコ屋でヤクザを殺してから、大阪城で籠城するまでのあいだ。幼稚だが狡猾で、容赦無く人を殺すのに自分ルールで目溢しもする、チグハグで狂気的な悪が凝縮していて圧巻。
セリフやコマ割り、感情表現も独特でこの漫画でしか見られないようなものも多い。雰囲気としてザ・ワールド・イズ・マインとかに近しいものがあるが、もっと人の理解を拒むようなものがある。