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少女終末旅行

「二人」だから悲しい

少女終末旅行 つくみず
六文銭
六文銭

久々に、この「衝撃のラスト」というワードを使いたい。 というのも、ある程度年代を重ねてくると、なんとなくオチに予想がつくので、そこまで衝撃がなくなってくる。 既視感が強くなると言っても良い。 だけど、本作は自分的にかなり衝撃でした。 正直言うと、最初は、絵柄に抵抗あったんですよね。 だけど知人に熱烈にすすめられて読んだら、上述のとおり衝撃的でした。 このゆる~い絵柄が過酷なストーリーに幅をださせて、とにかく圧巻でした。 内容は、文明が崩壊した世界で、バイクのような愛車に乗って「上層」を目指していくという話。 ほとんど生物がいない荒廃した世界。 明日も生きていられるかわからない世界で、少女2人はひたすら「上層」を目指す。 そして、最後に彼女たちがみたものは・・・という流れ。 とにかく、この2人というのが良いんです。 うまく伝えられる不明ですが、 1人ではなく、2人だからより物悲しさが加速すると思うんです。 荒んだ世界に1人っきりのほうが悲しいと思うかもしれませんが、 世界に自分1人しかいなければ孤独は生まれない という言葉があり、それに近い感覚なんです。 これまで2人でしてきた旅路。 色んなものと出会い、別れ、手に入れたり、失ったり・・・そうした過程を通して辿り着いた先が、絶望。 これが1人だったら、ただ、純粋にがっかりして終わりでしょう。 ところが2人だったことで、これまでの苦楽が、ある意味「思い出」になり、お互いに芽生えた感情から、複雑な気持ちになったと思うんです。 絶望を前にして、どうにもならないくやしさや、やるせなさが、相手を攻めることでより増幅し、反動で、その先にある「別れ」の悲しさが増してくる。 そう、1人では「別れる」ことができないから、悲しみも限定的になると思うんです。少なくとも自分はそう思います。 お互いに大事な存在になりつつあったからこそ、 あまりにも無慈悲な結末に、最初はとまどいましたが、 何度か読むと不思議と読後感は悪くなくなりました。 むしろ哀愁とも言える、切なさが心地よい。 キャラは萌え絵っぽく人を選びますが、 この世界観やストーリーは忘れられないものになると思います。

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊

なぜ人は物語を綴るんだろう?

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊
toyoneko
toyoneko

「今年読んでよかったマンガリスト」を作ったときに、今年読んだ読み切りで何が良かったかな…と思いだす中で、真っ先に思い出したのが本作だったんですよね というか、「ゼロ災でいこうっ」のシーンが思い浮かんだ(添付) 衝撃的なシーンでした 大人になっていく中で、飛行機事故を契機に、自分の「核」が創作ではなくなっていたということ(又は、自分の「核」は最初からそんなところにはなかったということ)、そして、現実を前に情熱は失われてしまっていたこと、そのことを自覚する物語 それが、本作に対する私の印象でした …が、読み返してみると、実はそうではなかった だって、主人公は、そのことを自覚しながら、それでも、創作をやめられないから 「他の選択肢がない」という理由で、やはり創作を辞めることができない 別の人生を歩めるなら歩みたいと泣くのに、それでも辞めることができない それどころか、キャロット通信は解散し、仲間もいなくなり、 誰も読んでくれない、読者すらいないのに、辞めることができない 「にもかかわらず…私は…懲りもせず」 「また繰り返す…どうして?」 「なぜ??」 たぶん、このセリフこそが、この作品の核心なのでしょう 主人公にとって、創作は、苦痛なのでしょう でも、主人公の救いは、もはや創作しかない だから、主人公は、創作に向き合い続ける 「赤羽」に登場するペイティさんが、 「やはり創らないと気が狂いそうだから創るってコトですね…」 と言ってました(増補改訂版4巻、ボーナストラック9話)、 「創作」というのは、もともと、そういうものなのかもしれないです あ、ところで、そんなふうに「創作」をやめることのできない綿本おふとん先生ですが、トーチwebで新連載とのこと!みんなで応援しようね! https://x.com/offton_w/status/1873197901478019149

しょうじょしゅうまつりょこう
少女終末旅行 1巻
少女終末旅行 2巻
少女終末旅行 3巻
少女終末旅行 4巻
少女終末旅行 5巻
少女終末旅行 6巻(完)
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