第一巻

自覚がないだけなのさ、人間はみんな何かの奴隷だ

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逃げて どこまでも逃げて
海の彼方まで逃げ切ったらそこには何かあるのかしら
水平線の向こうにもし
戦もなくて奴隷商人もいない
平和な国があるなら
ここではない どこかに・・・

もっともっと豊かな土地が南にある
風がそう告げていたのだ。

そして私はついに見つけた

果物が実り草原波に打つ
あの新天地をな

ワシは彼の地に小屋を建て名をつけた

ヴィンランドと。

鎖は人間に似合う唯一の首飾りだ

金でも銀でもねぇ
鉄の鎖だ

首につないだ鉄の鎖だけが
人間ってやつを少しゃァましなものに変えてくれる

そうかなあ。旦那様は「普通の人」だったなあと思います。

善良で小心で自己中な普通の人を描きたかったのかなって。

旦那様の囲っている客人達もこんな感じだし…(9巻)。これもなかなかの名言…黒い意味で。

そうかなあ。旦那様は「普通の人」だったなあと思います。

善良で小心で自己中な普通の人を描...

でも、トルフィンが目覚めたのって旦那様のおかげじゃないですか?この森を耕したらお前たちは自由になれるって、自由の対価と試練を与えたのはいいことだと思いました。

トルフィンが気力をとりもどしたのはエイナルと大旦那のおかげじゃないでしょうか?

旦那様は状況は作りましあが、心理的な影響は小さいような…。

確かに!エイナルと大旦那様の影響が強いですね。

私、けっこうトルフィンが「もう人を傷つけない」って心に決めたシーンすごく印象的に残ってます。

あそこから「この物語はどこへ向かうんだ?!」って思いました。

そうですね。奴隷編でもたびたびトルフィンの戦士としての強さを強調する場面があったので、「あれ、もう戦わないの?」とおもって意外でした。

でもその後もなんだかんだで戦ってはいますけどね。

確かに、なんだかんだ「平和を築くためには戦うことも必要」とかアッシェランドの亡霊(?)にそそのかされたりしてますね。

でもアッシェランドの「本当の戦士になれ」ってこの全体のテーマだと思うんですよ。トルフィンの目が変わったのも、トルフィンのお父さんが剣を再びとったのもお「守るべきもの」のために立ち上がったという共通点がありますよね。この物語のテーマってわたしそういうことだと思ってるんです。

ヴィンランド・サガ

贖罪の物語

ヴィンランド・サガ 幸村誠
toyoneko
toyoneko

ヴィンランド・サガは、ずーっと昔に最初のあたりを読んだきりだったんですが、機会があったので最新刊(26巻)まで一気読みしました いい作品でした…。本当に真摯な作品です 描かれているのは、主人公トルフィンの成長と、そして贖罪の姿 父の仇への仇討ちのためとはいえ、罪なき人々を殺し続けたトルフィンが、平和な国の建国を目指す物語です 本来であれば、多数を殺した人間は、死をもって償うしかありません しかし、逆にいえば、死をもって償えば、それで終わりです 本作は、トルフィンに対し、そんな安易な贖罪は許さず、もっとも困難な償いの道を選択させます これは、トルフィンにとっても困難な道ですが、作者自身にとっても本当に困難な道のはずです それなのに、作者の幸村誠先生は、その困難な道を、説得力をもって描き続けている それがひとつ結実するのが、26巻の最後に収録されている話で(191話「その日」)、いやぁもうたまらないですねコレ 敵を殺すという選択肢を排し、可能な限り敵対以外の選択肢を選び取って困難を乗り越えていくトルフィンは、本当に立派で、応援したくなります もちろん、物語は終わっておらず、贖罪も終わってはいませんし、トルフィンの贖罪は、どこかで終わりが来るという性質のものでもありません また、なんだかんだ描きましたが、結局、最終的にはトルフィンの死をもって全てを清算することになるのかもしれません しかし、だからといって、トルフィンのしてきたことが無駄というわけではありません 贖罪の本質というのは、結果ではなく、そこを目指す道筋そのものです トルフィンの生き方は、周囲の人々の生き方にも大きな影響を与えていますし、メタ的には、読者の生き方にすら、影響を与えているのかもしれません 本当に、素晴らしい作品です

どこも面白いんだけどこのシーンが最高だな
トルフィンのこの顔どこかでみたことあるなぁって思ったらアルチンボルドの絵に何処と無く似ている。...
そうかなあ。旦那様は「普通の人」だったなあと思います。

善良で小心で自己中な普通の人を描...
これでしょ。
アシェラッドが死んだ時の呆けた顔、これだね。

このまえのアシェラッドのセリフもいい。
...
少年編の最終巻(8巻)はいろいろ衝撃的だったねー。

アシェラッドが権謀術数をめぐらせて思...
ヴィンランドサガはこういう何気ない一コマが魅力的なんだよなァ。モブキャラ一人ひとりの息遣いを感...
14巻はほんと神巻だなー。戦場を生き抜き、奴隷を経験し、クヌートと戦って、最後にトールズのいう...
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ヴィンランド・サガ 公式ガイドブック

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うちの師匠はしっぽがない

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