第68回ちばてつや賞一般部門大賞!にコメントする
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ODD FUTURE

まだまだやってやる

ODD FUTURE 中島佑
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

僕はお笑い芸人だ。 7年目でもまだ若手で、まだ売れてもいない。 今年で30になるが、意識するとふと他の生活を考えてしまうことがある。 そんなとき、いつも思い出すのは僕がお世話になった先輩と、この読切漫画だ。 この漫画は、売れていくイケメン芸人と、真剣にお笑いに向き合っていたが苦悩の末にアイドルにハマって辞めていった主人公を描いている。 イケメン芸人は主人公・清水の才能を羨み、清水はイケメン芸人を妬んだ。 僕の先輩は、心底面白くて、芸人の誰からも愛されていて、でも地味で人気がなかった。 僕なんかのことを可愛がってくれた「大久保たもつ」さんという大好きな先輩だ。 深夜のバラエティに少しずつ出始め、ドラマ化した芥川賞受賞作の「火花」で売れていく若手芸人役を演じて、去年の冬に、突然芸人を辞めた。 「ODD FUTURE」の主人公・清水は、実はこの大久保さんがモデルだと聞いた。 当時、まだ芸人を辞める前に、この漫画を読んだ大久保さんがTwitterで感想をつぶやいたところ、作者から返信があったと喜んでいた。 この漫画がいいのは、もがいた闇の向こう側に一筋の救いを見せてくれているところだ。 僕たち若手芸人はその一筋の光にすがって売れるか辞めるまで、もがき続ける。 おそらく都内にいるであろう1万人ほどの売れていない芸人が抱えている苦しみ、葛藤、光と闇を生々しく描いてくれている。 主な収入はアルバイトで、睡眠時間削ってたくさんライブに出ていっぱいオーディションを受けても売れなければお笑いでの給料は雀の涙だ。 それでも頑張れるのはひとえにお笑いが好きだから。 しかし好きでも結果が出ないと疑念が首をもたげ、自身の才能を疑い、貧しい老後、孤独死を考えない人はいないだろう。 僕が大好きな先輩も芸歴10年目にして辞めてしまった。 夜道で泣きながら必死に自転車をこいで気持ちを紛らわせた記憶がまだ生々しく残っている。 しかし、実はいまその大久保さんは就職して幸せそうに暮らしている。 人生何が起こるか分からない。 この漫画はあくまで可能性だ。 再び立ち上がることもあるかもしれない、そうじゃないかもしれない、もっと向いていることがあるかもしれない。 この漫画を読むと、それでも自分が思う幸せに向かって頑張ろうじゃないか、少しでも報われることもあるかもしれないよね、と語り掛けてくる、気がするのだ。 そう思うとまだ頑張れる。 今年で30。 結構じゃないか。 80で死ぬとしてもまだあと50年。 余裕余裕。 折り返し地点にすら来ていない。 まだまだやれる。 やってやる。 読切がずっと読めるモアイさんはありがたい。 http://www.moae.jp/comic/chibasho_oddfuture

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

おっどふゅーちゃー
ODD FUTURE
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