アクション・バトルマンガの感想・レビュー4913件<<163164165166167>>設定も、演出も、物語も文句なしで面白い黒博物館 ゴーストアンドレディ 藤田和日郎ニワカ※ネタバレを含むクチコミです。男女混合オメガバース!名門一族後継争いオメガ・メガエラ 丸木戸マキたか 馬宮の『きれいなディオ様感』がいい。やはり顔の良い貧しい生まれの男が成り上がる物語は最高ですね…!丸木戸マキ先生のレトロな絵柄と、昭和の旧華族やら上流階級っぽい世界観がマッチしてて雰囲気が素晴らしい! 子どもを生むことができない「メガエラ」として蔑まれている主人公・犀門が、愛する夫の第一婦人の座に戻るために他人を利用していくさまに痺れました。 やはり愛憎と権力欲のドロドロは、ハズレのない面白さ。 馬宮とともに、日本有数の名家を欺く…それは日本の社会システムを覆すことそのもので震える…! 世界観が古めかしいのにときどき言葉遣いが現代すぎるところがすこし気になりましたが、ストーリーがおもしろいのでオッケーです! いつもBLを読みつつ「オメガバースに女性のαとかΩとか出てくれば面白いのに、なんで出てこないんだ?」と思っていましたが、よく考えれば女性にたくさん焦点が当たってしまうとBLじゃなくなってしまう!!…そりゃそうだ。 丸木戸先生いわく、この作品はBLではなく『BLみあるドラマティックな少女漫画』とのことです。 萩尾望都、古屋兎丸作品が好きな人はハマると思うのでぜひ読んでください! 【追記】 マンバのクチコミで知った杉山美和子先生の『Bite Maker ~王様のΩ~』も女性が登場するとのことです(気になりつつまだ読めてません) https://manba.co.jp/topics/16353「キルラキル」が好きな方におすすめですCLOTH ROAD 倉田英之 okama兎来栄寿最初に出会った時は、その圧倒的なデザインセンス・線の美しさに惚れ込みました。 作画を担当しているOKAMAさんは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で使徒やセントラルドグマなどのデザインもされている方。 その緻密な筆致により描かれる服飾や背景美術が、唯一無二の世界観を生み出しています。 独特のアーティスティックなセンスが一コマ一コマに行き届いて、画集のような楽しみ方もできる漫画です。個人的には、背景を眺めているだけでも十分に楽しい作品。 きっとこの世界が好きだけれど未読という人は、まだ世の中に一杯いる筈! 是非ともそういった人に届いて欲しいと願います。 又、キャラクターもとても魅力的。 元々女の子の可愛さに定評のある方で、事実可愛いのです。 でも、それだけではありません。格好良いおっさんだって沢山出て来ます。 感情が迸ってくるようなキャラの表情も良いですし、躍動感溢れる構図は画面の外まで突き抜けて来るかのよう。 そして、ビジュアル面のみならず物語自体も実に面白いです! 脚本を担当するのは、今季では『東京レイヴンズ』『サムライフラメンコ』に携わっていた倉田英之さん。 『R.O.D』で紙を用いて戦う少女を描いていましたが、今作では服で戦う少女を巧みに熱く描きます。 ここで、ちょっとばかりその独特な作品世界を説明しましょう。 ナノテクノロジーが極限まで進化し、産業革命ならぬ「繊」業革命が起きた時代。 ケーブルは繊維に、基板は布になり、コンピューターは服と一体化。 世間では服を作る「デザイナー」と、服を着こなす「モデル」が脚光を浴びる中、生まれてすぐ捨てられた双子、デザイナーの少年ファーガスとモデルの少女ジェニファーを中心に物語は進みます。 この世界のモデルは、デザイナーの作った服の驚くような機能を駆使してバトルを行う存在でもあります。モデル同士のバトルは人気の競技であり娯楽。 生き別れの双子が再会し、ファーガスが作った服をジェニファーが纏って戦っていくという大筋です。 そして、物語が進むにつれ話はどんどんスケールアップ。 それこそキルラキルばりに、星をも巻き込む物語になって行きます。 ユニークな要素が沢山詰まった作品ですが、大筋を辿れば実は正統派ビルドゥングスロマン。 少年と少女の成長、人と人との暖かい絆、熱い絆を感じられるようになっています。 この部分がしっかり創られているからこそ、私としても多くの人に呼んで貰いたいと思うのです。 『クロスロオド』が素晴らしいのは、全11巻で11巻が一番面白いということ。 序盤はもしかしたら乗り切れないものを感じるかもしれません。 が、尻上がりに面白くなっていきますので安心して下さい。 とりあえず、まずは4巻まで読んでみるのが良いでしょう。 最初は三流・二流モデル達がメインですが、トップモデルやトップデザイナー達のキャラ立ちぶりは凄まじいです。 中でもメイ様と呼ばれるモデルは非常にカリスマ性が高く、格好良いです。 『クロスロオド』自体名言が頻出する作品ですが、特にメイ様は名言製造機と呼んでも良いほど。 少々引用すると…… > どこで咲こうと花の美しさは変わらないよ > シャクナゲの花言葉は『威厳』『荘厳』君たちにはないものだ > そしてもう一つは『危険』 君たちが今味わっているものだ > 隣で世界が滅亡しても気づかない鬼の集中モードにいつでも入れるように > 風まかせかい? ……違うね > 勝利の風は自分で吹かせるものだっ! ああ、メイ様格好良いィッ! ちなみに、一番好きな名言はここでは伏せておくので、是非実際に読んで昂って下さい。 一部キャラの激しい狂気や、ページを捲った次の瞬間に起きる衝撃という意味では『HUNTER×HUNTER』を思い出す位の内容です。 ジェットコースター的な展開が好きな方にもとてもお薦めです。 『クロスロオド』の華やかな世界と凄絶なバトルシーンも、アニメで観てみたいなぁ…… この精緻さを動画でやるのは非常に大変だと思いますが、その分創り上げてしまえばアニメ史に刻まれる作品になると思うので、こっそり期待しています。 ビッグコミックの別の総務部漫画イリーガル 木村直巳 工藤かずやstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男ビッグコミックの総務部漫画といえば総務部総務課 山口六平太のイメージが強いけどイリーガルも好きだった。 一見ダメ社員が影では有能な社員という設定でよくある感じの内容だが「パイナップルARMY」の原作者 工藤かずやと「殺手」の木村直巳なのでいい感じで面白い。 最近読み直したがコンピュータ関係の描写が古いところはあるけどその辺は気にならなく楽しく読めた 最高の疾走感とB級感CANDY&CIGARETTES 井上智徳sogor25月刊連載なのに週刊かと思わせるようなテンポのよさ。そのテンポのよさのおかげで約束された展開がより一層爽快になる4巻。そして新章に入りながらもB級感漂う4巻最後のエピソードも最高。美晴の復活劇なんかは割とベタな展開にも見えるんだけど、それを力業で押し切るテンポ感と絵力、そしてキャラのの魅力がある。 多分気に入ってもらえると思うんで、BLACK LAGOONの最新刊を買った人の買い物カゴにこっそり差し込みたい。 4巻まで読了ちばてつや推薦!ペリリュー戦記ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 武田一義 平塚柾緒(太平洋戦争研究会) 太平洋戦争研究会名無し「世界中の人に読んでほしい」とちばてつやが推薦文を書いているようで、読んでみた。 なんか戦争ものって劇画タッチで火傷跡とか銃創とかもリアルに描かれて、痛くて辛そうって感じが多いイメージだけど、ペリリューはキャラクターがかわいいんだよね。 かわいいんだけど、やってることは戦争だから、悲惨さがリアルなタッチとは別の伝わり方がしてくる、気がしている。主人公よりも地球監視者に肩入れしたマーズ 横山光輝霧兵衛良かった点 ・横山光輝の書く六神体のかっこよさを堪能できる ・表紙もラストも衝撃的な内容 ・一番好きな神体はウラヌス 総評 ・このマンガに登場する地球監視者たちは自分の仕事に責任感を持ったプロ中のプロだ。 無冠の傑作イレブンソウル 戸土野正内郎兎来栄寿タイトルだけ見ると、11人で闘うサッカー漫画? と思うかもしれません。ただ、残念ながらそうではなく21世紀中盤を舞台にしたSFバトルアクション青春群像劇です。 しかしながら、ある意味でサッカーとも共通点がない訳ではないのです。それは、まさしくサムライの心、志を描いているという一点。 サッカーの日本代表は、サムライブルーと呼ばれる「現代の侍」。そして『イレブンソウル』で描かれるのは、「近未来の侍」。やることは違えど、その根底に流れるソウルは同じ。イレブンは漢字にすれば十と一で「士」となる点からも、サッカー選手をサムライと呼ぶのには理が感じられます。 この作品では、常に死と隣り合わせという状況の中で、「心とは何か」、「愛とは何か」といった哲学的な問い掛けが度々なされ、その度に名言が頻出します。 その流れの中で、「幸せとは何か」という問いに対する、ある人物の答。 > 士(もののふ)とは… > 「十」の経験を「一」に帰結させる人種だと…… > (中略) > 一つのことを成し遂げるその瞬間… > そこに心の全てを傾けて生きる… > それが「志」ある生き方なんだと…… > そんな生き方ができるなら…… > 俺は「幸せ」だな…… この台詞を放った乃木玄之丞という男、あまりに格好良過ぎてシビれ憧れ尽くします。彼の「生きるとは何か」という問への答には思わず唸らされましたので、是非読んで確かめて頂きたいです。 ワールドカップ前にサムライとしての心構えを再認識させてくれるこの作品を読むことで、熱く闘う男たちの姿により一層感銘を受けることができるようになるかもしれません。 ■イレブンソウルの世界の魅力 2051年、遺伝子技術の発達によって不老不死に肉薄した人類。しかし、バイオハザードが発生。実験サンプルは自然界から遺伝子を取り込み急激に進化。「シャヘル」と呼ばれるようになったそれは、2年で南北米大陸を制圧。歴史上に初めて現れた自らを超える種に対抗すべく、人類は外骨格兵装を纏えるよう身体強化と訓練を施された「侍」と呼ばれる少年少女の部隊を結成。未曾有の進化を遂げる正体不明の敵を相手に対峙して行きます。 今作の主人公・塚原武道、通称たけちーは、およそ軍人には向かない穏やかな性格で、入隊前の適正検査でもEランク。特Aランクの秀才ヒロインに罵倒されながら、それでもある「志」を持って必死に地獄の訓練に喰らいついて行きます。 今作の魅力は幾つもありますが、まず上で挙げた乃木も含めキャラクターが実に魅力的。普段は軽口を叩き合う彼らですが、それぞれが抱える様々な凄絶な過去や切なる想い、そして迎える運命に胸が熱くなります。常にいつ誰が命を落とすか解らない極限状況の中で、重厚ながら人の温かみを感じるドラマに思わず涙してしまう箇所も。 「あいつらにもつまらない大人になる権利はあった」と語る渋い上官の言葉に、何とも言えない想いを噛み締めます。そう、このマンガでは美男美女だけでなくおっさん達も実にイイ味を出しています。おっさんが格好イイ作品は良い作品です。 強化外骨格による、シャヘルとの戦闘シーンの迫力も圧巻。中でも、前半の山場でもある7巻において、ある理由から自ら窮地に飛び込んだたけちーが地平線を埋め尽くすおびただしい数のシャヘルに対して単騎駆けを敢行する場面の盛り上がりは特筆すべき物。シチュエーション的にも、そこで飛び出す数ページにわたる名言も、あまりに熱すぎます。これに燃えずに何に燃えろというのか! 必見です。できれば序盤では切らずに、ここまでは読んでみて欲しいと思います。 又、最終15巻収録の一切セリフなしのサイレントで描かれる、サブタイトル「真空(オトタチ)」は、SFアクションマンガ史に強烈な一撃を斬り刻みつけたと言っても過言ではありません。『スラムダンク』の山王戦を髣髴とさせる、この圧倒的なクライマックスが語り継がれないなんて、そんなオカルト有り得ません! ■進撃、シドニア、オルタ、ガンパレが好きな人はイレブンソウルも読むべし! ある時「『ガンパレード・マーチ』や『マヴラブオルタネイティヴ』のような漫画がある」と聞いたのが、その両作品が死ぬほど好きな私と『イレブンソウル』の出会いの始まりでした。「マヴラブオルタネイティヴ」は、あの『進撃の巨人』の諫山創先生自身が「物凄く影響を受けた」と公言している作品。そして、「ガンパレード・マーチ」はその「マヴラブオルタネイティヴ」が大きく影響を与えているのではないかと言われている作品です。あるいは更にそれらの大本である往年の名作SF『宇宙の戦士』的な物語です。 又、現在アニメも放映中の『シドニアの騎士』の原作である弐瓶勉先生も、諫山創先生が敬愛し影響を受けている一人であり、『シドニア』もまた類型的な世界観を持つ作品です。それらの作品が好きな方には、特に強くお薦めしたいです。 『マヴラブオルタネイティヴトータル・イクリプス』や『シドニアの騎士』のBD/DVDが5000枚以上売れる今の時代、『イレブンソウル』も然るべきクオリティでアニメ化すれば、必ず世に受け入れられると確信しています。強化外骨格での迫力ある戦闘シーンを動画で見られる日が来ることを願って止みません! ■SF好き・ロボットアクション好きにも、そうでない人にも 絵に関しては、序盤クセがあると感じられるかもしれません。ただ、物語と共に後半になるにつれて顕著にスタイリッシュに進化して行きますので、ある意味そこも見所と捉えられます。逆に、読み終えるとこの作画を全て一人で行っているという事実に驚かされます。 かなり濃厚なSF設定や兵器描写はニッチさを醸し出しているかもしれませんが、この作品が持つ心を揺さぶる人間ドラマは多くの人に届くはずです。何より、純粋に続きを渇望するほど面白いのです! これから『イレブンソウル』を読む人が羨ましい限りです。一気に全巻揃えて、続きが気になって狂おしい夜を過ごすことがないのですから。そして、たとえ夜中であっても、Kindleで全部買えてしまうのですから! どうぞ、心行くまで熱き士魂の活劇に酔い痴れて下さい。早く続きを!平穏世代の韋駄天達 クール教信者 天原starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)傑作web漫画。 10年近く前にwebで読んでいた面白いマンガが違うweb漫画発の作家の手で改めて漫画にされるということで、懐かしさ半分楽しみ半分で手に取ったけど、やっぱり結構好き。 神とも言われる存在「韋駄天」が数百年に一人の割合で世の中に誕生する。 かつて魔族との大きな争いがあった以後に誕生した「平穏世代の韋駄天達」と、新たに発生し始めた魔族の脅威の話。 「韋駄天」や「魔族」という存在に対するトライアンドエラーの末に至る考察や、その応用、バトルなどスピード感もある見どころがたっぷり。 懐かしさ補正もあるかもしれないが、面白い。 というか刷新されて読みやすくなっているのもいいが、早く更新が止まったwebの続きを読みたい。 原作はコチラ→http://amahara.bob.buttobi.net/Мая великая Катюша!ガールズ&パンツァー プラウダ戦記 ガールズ&パンツァー製作委員会 吉田創Junoロトチェンコをパロディした店舗特典のポストカードに惹かれて購入。 TVアニメ本編では語られることのなかった『プラウダ高校がいかにして黒森峰を破ったのか』を描く物語。 何故カチューシャがプラウダ高校の面々に『カチューシャ様』と呼ばれ慕われているのか。その所以が分かります。 ノンカチュ、プラウダが好きなら絶対面白い。 プラウダ高校のモデルがМГУで安直だけどスターリン建築カッコイイ。 馬鹿馬鹿しい。けどすごい。喰いしん坊! 土山しげる名無し人によっては大食いシーンを不快に感じるかもしれない。が面白い。きちんと主人公サイドには大食いに関する哲学があり、敵のただたくさん食べられればいいというスタイルとは一線を画している。やっていることは大食いだが、主人公が師匠ともいうべき人物に会い、成長していく様はジャンプ漫画のようである。また、ラストバトルの展開や、海外編のライバル達など、シリアスなシーンの中に笑いがあるのもポイントが高い。圧巻のクライマックス無限の住人 沙村広明ぱにゃにゃんだー漫画の終え方は難しいとよく聞きます。しかしながら、ムゲニンの終盤は美しくてため息がこぼれます。物語の佳境と長期連載で培われた作画技術があわさり素晴らしい出来です。 一方で、物語の序盤は、そんなに私の好みではありませんでした。主人公が不死身の侍と聞けば、捨て身の特攻無双のチートキャラをわたしは思い浮かべるのですが、ムゲニンではそうはいかない。万次さんは不死身だけど微妙に弱い。いえ、弱いわけじゃないんだけど、自分より強い敵には普通にガチ苦戦する。きっと登場人物を強さでランキングしていったとき、上の下くらいになりそう。だから、根性と策略でなんとかやり過ごしていく。その泥臭さたるや、愛想がいいキャラではないのに応援したくなるほど。 そういうのが好きな人はきっと序盤から楽しいはず。なんやかんやで主人公が圧倒的なほうが好きだとヤキモキするかも。けど、前述の通り、最終的には圧巻のクライマックスです。読んで良かったーという感想しかありません。 「アカメ」作者による待望の新作怪人麗嬢 田代哲也mampuku「アカメが斬る!」作画の田代哲也氏による完全オリジナルの新作。前作は終盤へ向かうにつれ元から高かった画力がどんどん洗練されていったのが見応えでしたが、今作では初回からバトルに美少女にと発揮されまくりです。 「アカメ」もただのバトルファンタジーじゃないユニークな作風だなという印象がありましたが、あれは実は作画担当の田代氏のセンスによるところも大きかったのではと今になって思います。 前作の二人の主人公・タクミとアカメはどちらも「ド硬派」でストーリーもストイックなダークヒーローによる懲悪モノでした。今回は打って変わって軟弱でドスケベな少年が主人公。ただし、美少女度とグロ度は増しています。 ちょうどいいとんでもスキルで異世界放浪メシ 赤岸K 江口連 雅starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)ストレスなくゆるく読めるから、そんなガッツリ読みたい気分じゃないときにちょうどいい。 「ネットスーパー」という謎スキルのおかげで異世界でも余裕で生きていけるという話。 いいなー便利だなーと思ったけど、確かに現代人には必須のサービスで普段から恩恵受けまくり。 そんな「ネットスーパー」の能力を要所要所で使いながら、基本的にはわりと自分で頑張っているから好感度が高い。 無双しすぎないのは読んでいて気持ちがいい。 味気ないご飯しかない異世界では美味すぎるご飯を作れることで超協力モンスターや神との契約もできてしまうあたりはもとろん無双しているのだけど、本人自体はいたって弱いまま。 そう考えると直接の肉体的・物理的な強さじゃなくて状況の変化にスキルを有効に使えるのが工夫の見せ所で面白い。 目を付けられないように放浪しているが、本人も修行しながらの旅だし、いまのところ基本的に一話完結だけどこれからストーリーに進展はあったりするのかなと楽しみ。 ちゃんと異世界から持ち込んだゴミをどうするのかという問題にも配慮していて、スライムに全部食べさせるという力技で、しかも食べまくるとレベルアップする。 便利~。 料理するのは楽しいけど、片付けってめんどうだったりするもんね、特に油使ったあとのフライパンとか皿とか。人魚の変奏らんま1/2 〔新装版〕 高橋留美子影絵が趣味今でこそ、もう珍しくはないのかもしれないが、高橋留美子といえば女性の漫画家としてイチ早く少年漫画の分野を開拓したひとでしょう。そんな性別の垣根を越えて活躍した漫画家が『らんま1/2』という水と湯をかぶるだけで男性女性の垣根をいとも簡単に越えてしまうマンガを描いている事実はたいへん興味深いことだと思います。 1/2という言葉のとおり、主人公の早乙女乱馬は男性とも女性ともつかない実に中途半端な存在として私たち読者の前に姿をあらわします。そして、まさしく、この中途半端な有様こそが高橋留美子という漫画家の特異な作家性だと思うのです。 あるいは地球を侵略しにやって来たはずなのに、そのまま居着いてしまった宇宙人は中途半端な存在ではなかったか(うる星やつら)。あるいはうら若い未亡人のアパート管理人と、大学浪人から就職浪人までしてしまうアパートの住人は、どちらとも中途半端な存在ではなかったか(めぞん一刻)。あるいは妖怪と人間とのあいだに生まれた半妖の少年は中途半端な存在ではなかったか(犬夜叉)。あるいはあの世でもこの世でもない境界に連れて行かれた過去をもつ少女と、人間と死神との混血の少年はどちらとも中途半端な存在ではなかったか(境界のRINNE)。 高橋留美子のマンガには、このようにして、どちらともつかない中途半端な存在がまず必ずといっていいほど見られるのです。それはあたかも女性漫画家の身でありながら少年漫画の分野に進出した作者自身のように。そして手塚治虫の『火の鳥』のように高橋留美子のライフワークであるように思われる『人魚シリーズ』、人魚とはまさしく中途半端な存在の代表格でしょう。古来よりどちらともつかない中途半端な存在としてよく知られる人魚は、高橋留美子の特異性にもっとも相応しいアイコンだったのではないでしょうか。音楽のようで、舞踏のようで、格闘技な漫画バトゥーキ 迫稔雄名無し始まりの数話は、異様な雰囲気を持つホームレスの格闘技のような、踊りのような動きに少女が魅せられていくという捉えどころのない導入となっている。徐々に少女が家族によって行動を制限されているという背景が分かり、それがゆえに自由なその動き『バトゥーキ』と出会っていく。しかし、家族の『束縛』には理由があった。それが明かされた時に物語がフルスピードで動き出す。 この作者でないと描けないような『バトゥーキ』の不思議な魅力と、物語の緩急が堪らない。キャラも立っており、表情や動きに魅せられていく。 まずホームレスってこんな格好よく描けるか?というくらいに格好いい。ぜひ読んでほしい作品 藤田和日郎伝統の鬼カッコイイジジイが見れます邪眼は月輪に飛ぶ 藤田和日郎ANAGUMA米空母から脱走した殺人フクロウと人類が壮絶な戦いを繰り広げるという マックスB級感あふれるあらすじから繰り出される今作のジジイは 盲目となった伝説のマタギスナイパー!!もうカッコイイぞ!! 見るだけで人を殺せるフクロウのカジュアルな強さに絶望しながらも、 つらい過去をそれぞれに抱えた主人公たちが腕を取り合い、立ち向かう姿に自然と目頭が熱くなります。 藤田和日郎の描くジジイにハズレ無しです。 あと個人的にはX-FILESとか好きな人に読んでほしい。おもろかったGANTZ 奥浩哉名無しおもろいおもしろいドラゴンボール超 鳥山明 とよたろう名無しおもしろい おもしろいテラフォーマーズ 貴家悠 橘賢一名無しおもしろいおもろいGANTZ 奥浩哉名無しおもろかった 百合カップルが刀振り回して血しぶき舞うバトル凛としてカレンな花のように ヒロアキmampukuコミック百合姫でこのような血飛沫が舞い散るバイオレンスなアクションが見られるとは意外でした。 JK、ポン刀、絶望的に強い敵の和装美女。このあたりから「喰霊」を連想しました。百合要素は「ワルキューレのキコ」とも少し似ているか。彼我の圧倒的実力差を表現するにはやっぱり首ちょんぱが一番クールですよね!(喰霊並感 さて「スタイリッシュ」アクションと言えば聞こえはいいですが、実際ノリがかなり独特なのに加え書きなぐったような手書きのセリフや描き文字が多く、慣れるまで読みにくいです。しかし絵はカッコイイです。 好き好き大好き超愛してる。ねじまきカギュー 中山敦支ぱにゃにゃんだーとは舞城王太郎の小説のタイトルですが、カギューちゃんのカモ先生への愛情はまさにこんな感じだなと思う次第であります。あらすじには「“バトル×純愛×個性的キャラ”を最驚の表現で抉り出す!!!」と書かれていて、おおよそここから予想できる通りの内容で、だいたい想定外の作品になっています。なので、期待した通りの面白さは得られますし、期待を裏切られる楽しさも得られます。だから、読んでなかったら読むのをお勧めします。 ねじまきカギューあるいは中山敦支という作家が好きなところは主に二つあります。一つ目は行間の使い方です。 言うまでもないことですが、一コマ一コマの枠線の外側には、小説では行間と言いますが、何もない空白がありますよね。彼はその空白の使い方が上手です。 この空白は漫画という表現の特殊性のひとつだと思いますが、考えてみれば不思議な存在です。見栄えとしては連続性が絶たれているのに、読むという行為によって自然と補完され、損なわれることがありません。きっと、一つのコマの意味を理解し、それまでの流れを汲み取り、行間という空白では描かれていない何かを補完することで、間隙の表現形態である漫画の読書体験が成立するのでしょう。 つまるところ、漫画を読むとはコマとコマの間に存在する空白を埋めつつ読書すること。しかし、中山敦支という漫画家は、それまでのコマが指し示した方向に沿って読者が埋めた空白をぶち壊して、全く未知の展開を次のコマでいきなりぶん投げてくるわけです。下手な例えで恐縮ですが、愛し合う二人が感動の再会を遂げた次のページで、出刃とドスで相手の腹を刺しあっている、みたいな。漫画家と読者の間のお約束的な予定調和を次々と破壊していく。それでいて物語の大筋は崩さず、むしろ深度を増していく手段としています。 漫画を描いたことがないわたしがいうのもなんですが、きっと漫画を描き始めたとき、このコマとコマの間の意味的距離感に戸惑うと思います。離し過ぎては伝わらないし、近過ぎては冗長になる。しかし、中山敦支は適度に伝えた上で裏切る。間隙の美とは(わたしが今思いついたのでこんなものがあるのかは不明ですが)、彼に与えるべき賛辞だと思うわけです。 さて、中山敦支の好きな二つ目。これはもっとシンプルで作画力です。美術的なことに明るくないのでわかりませんが、ねじまきカギューはポップな感じの絵柄でキャラクターが描かれています。パワーパフガールズをもうちょっと日本風に味付けし直した感じ。原宿っぽい気もする(よくわからないけど)。ですが、彼自身はおそらく割と正統派な漫画キャラも描けるし、あるいはもっと荒々しくも描けるはずです。全体的には和製パワーパフ(としておきましょう)ですが、要所要所ではそのスタイルも崩して多様な描かれ方がします。感心したのがキュビズム的なのも取り入れられていて、すごいなぁと思ったわけです。そういう意味でも見ていて飽きない作画力のある漫画家だと思います。 あとですね、雑誌派の方もいるとは思いますが、単行本の描き下ろしオマケ漫画でほっと胸をなでおろすことができるので、まぁこれを機に雑誌派も読んでもらえると嬉しいかな。 またもや、長々と書いてしまいましたが、ねじまきカギューは絶対個性主義(キャライズム)を校訓とする学園を舞台としております。そして、物語はトラウマイサーへと続くわけです。ぜひこちらも。紙で読めバトゥーキ 迫稔雄ぱにゃにゃんだーカポエラマスターと出会った女子中学生が闇社会の戦いに巻き込まれていく。たぶんこんな話になっていくと思います。 発売されている2巻までは、序盤かな。きっとこれから本格的に話が始まってくる予感。相変わらずアクションは派手でかっこいい。神の声的モノローグは単なるアクションに留まらない深みを感じさせてくれる。今後が楽しみ。 だからこそ、これから読む読者は紙で読むべきです。スマホが普及して、最近の漫画にはスマホファーストなコマ割りが目立つようになってきました。電子書籍は私も買いますし、あれはあれで便利なんですが、スマホに合わせるなんて表現の幅を狭めることになりがちで、残念な気持ちになることがしばしば。ところがどっこい迫稔雄です。 大胆な見開きや自由なコマ割り、もちろんその中身であるキャラクターの表情や動きも含めて、漫画で表現できることを詰め込んでいます。近視眼的な時代感覚には背く描き方なのかもしれない。でも、漫画の描き方としては正統派で革新的。紙で読むべきです。 まぁわたしが電子書籍で買って、失敗しちゃったなぁと反省したので、ぜひ紙で。<<163164165166167>>
※ネタバレを含むクチコミです。