すべてが懐かしいのに新しい…。キャラのあったかい感じがたまらねえ。

ボーイミーツガールとスペースオペラのどちらかが好きなら
平成の最後にアップデートとして絶対読むべき一作です。

描き下ろしなんでしょうか、上下巻勢いが途切れることなく
一本の映画を観終わったときのような満足感があります。
ぜひ一気読みを!

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エロイーズ 本当のワタシを探して

物語の始まりのシーンが好き

エロイーズ 本当のワタシを探して
ANAGUMA
ANAGUMA

本作、ベンチに座っていたエロイーズがふと記憶喪失になっていたことに気付くシーンから始まるのですが、その自然さがなんだか巧みで、ピンク色のカラートーンとともに強く印象に残っています。 メインとなるストーリーラインはサブタイトルにもある「本当のワタシ」探し。 少ない手がかりを元に記憶を失う前の自分がどんな人間だったのかを調べていく…と書くと壮大なミステリーやサスペンスのようでもありますが、そうそう大変なことが起こるわけでもないのが人生というものかもしれません。 どこにでも居る女性だった(と思われる)エロイーズ・パンソンの身の回りも、世の人のご多分に漏れずありふれた出来事ばかりだったようで、一生懸命過去の自分の身辺調査を行うほどに些細でちっぽけなことばかりが判明していきます。そのようすは親近感やおかしみと同時に、どこか空虚さというか、切なさも感じさせたり…。 「記憶を失う前の自分ってどんな人間だった?」というのを入り口に「そもそも根本的に自分ってどんな人間なんだろう?」という二重の意味で「本当のワタシ」を探すことになるのが妙味です。 そんな深いテーマもありつつ、バンドデシネとしてはかなり読みやすい部類に入ると思います。エロイーズのちょっとした仕草がどれもかわいかったり、普段縁遠いフランスでの「フツーの」暮らしが垣間見えるだけでも面白いので、読む機会があれば気軽に手に取ってみてほしい一作です。

さざんとすいせいのしょうじょ
サザンと彗星の少女(上)
サザンと彗星の少女(下)
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ナイトメアバスターズ

ナイトメアバスターズ

美しくも残酷な「夢の世界」に挑む人々の物語。 2034年・東京……世界規模の異常気象や苛烈の一途を辿る軍拡競争によ時代の閉塞感はいよいよ高まりつつあった。そんな中、眠ったまま目が覚めなくなる原因不明の難病が猛威を振るいはじめる。東京に住むごく普通のサラリーマン・一条はある昏睡病患者との出会いを通して、人々を連れ去り生きる力を奪う「夢の世界」の存在を知り……

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