鬼滅の刃

鬼滅ミリしら状態で一巻だけ読んだ感想

鬼滅の刃 吾峠呼世晴
野愛
野愛

ジャンプの漫画ってマサルさんとジャガーさんとアイズしか読んだことない気がするし、流行りすぎちゃって乗っかるタイミングを見失っていたのですが読む機会を得たので読んでみました。一巻だけだけど。 ・強くなりたい、が目的ではなく手段なのがよい 妹を助けたい優しい子っていうのがとてもよいですね。このままでは妹を守れないという気づきを最初に明示するのも素晴らしい。覚悟とか強さとか守るとかフワッとしているけれど物語の根幹になる概念を明確に示しているので、炭治郎とともにこちらの心持ちも変わっていけるのがよいなあと思いました。 ・死はいつだって辛く悲しいもの 結構グロテスクな描写が多いなあと。敵を倒すことはただの過程として捉えてしまうけれど、命を奪うってとんでもないことなんですよね。敵とは言え鬼とは言え、命を奪うことがしっかり悲しみを持って残酷さを持って描かれているのがかえって優しいなあと思いました。 ・単純にグッズとか売れそう アイコニックな色合いがいいですよね。緑と黒のあの色合い見るだけで鬼滅だって思うもんね。天才。 ほぼミリしら状態で読んだけど確かに面白いなあ、売れる理由もわかるわあと思ったんだけど、これが鬼滅だけのものなのか売れてる少年漫画あるあるなのかはわからないのでなんとも言えないのが困ったところ。でもわたしくらいの知識しかないひとも読んでハマってるんだろうからやっぱり凄いんだろうなあ。

ロケットでつきぬけろ!

ネタ化されているが、正統派な少年漫画だった

ロケットでつきぬけろ! 松井勝法
六文銭
六文銭

ネット上で一部ネタ化されているが、自分自身思春期にリアルタイムで読んでいたこともあって思い出深い作品でもある。 ・・・思い出深いというか、色んな意味で衝撃的な作品だったというほうが正しいかも。 電子化されていることにたまげて、懐かしさに思わず読んでしまった。 読んだ感想なのですが・・・あれ?意外とまともな少年漫画じゃん、ということ。 昔、感じた衝撃とは別に、通して読むと至極真っ当な感じをうけました。というか、ちょっと面白いぞとすら思った。 本作は当時、週刊少年ジャンプで連載されていて1巻完結ということは「お察しください」の類なのは周知だと思いますが、内容もその感じで、超展開が凄まじいのです。 特に7話→8話。 なんの前置きもなく数年後の世界へといざなわれ、謎のヒロインがさも当然のようにいたり(そう、いるのです。登場シーンも紹介もなく「いる」のです。知らないこっちが悪いみたいな勢い。)世界線が変わった感じで、読んでいて混乱をきたすでしょう。 初見なら特に。 二回目の自分ですら、やばかったです。 当時、これを雑誌連載で追っていたので、 あれー1号飛ばしたかな? みたいな感覚におちいって、前号を読みなおし、 ・・・やっぱ、これ続話だ!? の突き抜けた衝撃はハンパなかったのです。 友人とこの衝撃を共有したメモリーが色鮮やかによみがえりましたよ。 懐かしい。 この突如現れたヒロインについては、作品内で作者から補足があり、20年越しに真実を知れて、それもまた感慨深かったです。 (単行本欲しかったのですが、田舎では品薄で手に入らなかったので。) さて、内容なんですが、端的にいうとレース漫画です。 レーシング能力に才能ある主人公が、日本で最高峰だった赤城選手に触発されてF1を目指していく王道の少年漫画。 ただ、上述のように、超展開につぐ超展開で、努力・友情的なものはざっくり削除され、勝利だけが残って、あっさりF1選手になって終了します。(これがタイトルとともに、ネタ化されているわけですが、通して読むと・・・そこまで違和感がないか?と思います) いわゆる、ルフィに代表されるジャンプの主人公っぽい描写は、個人的に嫌いじゃないんですけどね。 竹を割ったような性格で、仲間思いで、勝つことよりも、競技自体を純粋に楽しむ姿勢とか。 また、最終話の最後、謎のノスタルジーがあって(思い出補正とも)、このキャラたちがどうなっていったのかなぁとか、描かれなった行間に思いを馳せてしまいました。 余談ですが、同著者は「NUMBER10」という作品で、本作同様に宇宙の法則が乱れたような展開で、光の速さで終了しましたが、ソムリエールで長期連載しております。 何が起きるかわからないものです。

ジョジョの奇妙な冒険 第2部 カラー版

フーーー スッとしたぜ

ジョジョの奇妙な冒険 第2部 カラー版 荒木飛呂彦
さいろく
さいろく

エシディシの「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!おおおおおおれェェェェェのォォォォォ うでェェェェェがァァァァァ~~~!」というセリフはあまりにも有名。 第二部ではジョジョ(ジョセフ・ジョースター)とシーザー(ツェペリさんの息子)が波紋疾走(オーバードライブ)を操り、人智を超えた柱の男達との凄まじい闘いに挑む。物語の展開もさることながら登場人物たちの魅力たるや荒木飛呂彦の髄を味わう事が出来るパートである。 数ある「ジョジョの奇妙な冒険」においてもTOP3に入るのではないか(ここ数年で一気に増えた若年層ファンの女子の多くは5部推しのようなので数だと弱いかもしれない…) でもシーザーは女子ファン多いはずだぜっ!!かっこいいからなっ! かくいう私も第二部はリアルタイムではなくコミックスで知った層だけど、第二部はジョジョを読む上で外せない存在です。 そして何より今だとカラーで読める…! この荒木飛呂彦の作品がカラーで読めるというのは(最初は抵抗ありましたが)特に素晴らしいと感じています。 何故かって言うと、モノクロと比べて奥行き感が掴みやすく、複雑かつ芸術的な描写で織りなされている荒木飛呂彦作品の中により入り込めます。 既に読んだ人は多いでしょうし、カラーって言っても本人じゃないじゃんって言う人も多いのはわかってますが、一度見比べてみてほしい。こっちのほうがいいとは言いませんが、違いはわかってもらえると思います。 ワムウとの戦闘以降は特に奥行きが臨場感を増すというのはわかると思います。全体的に明るめなのも逆にGOOOOOD!

彼女の恋が叶えばいいのに

自分の想いを封じるために"彼女の恋が叶えばいいのに" #1巻応援

彼女の恋が叶えばいいのに 歌鳴リナ
sogor25
sogor25

モデルとしても活動している生徒会長のレンに恋をしている女子高生のミサキ。そんなミサキにはヨウという親友がいて、時々彼女に恋の相談をしている。ボーイッシュで自分とは全然違うタイプだけどいつしか親友と呼べる仲になっていたヨウのことををミサキはとても信頼していて、ヨウのほうもミサキの恋を応援してくれている。 しかし、実はヨウはミサキの恋を応援している素振りを見せながら、彼女のことを密かに想っていた…という物語。 この作品、同性相手に叶わぬ恋をする女の子が主人公の百合作品ではあり、タイトルの『彼女の恋が叶えばいいのに』という言葉から推測されるように、ヨウはミサキに対する想いを胸にしまい込んだままミサキの恋が成就すればいいと思っている、切ない恋物語でもある。 ただ、物語は2人の関係性だけでは収まらず、物語が進むにつれてミサキが恋をしている相手・レンが徐々に2人の間に入り込んでくる。それも、ヨウとミサキ、おそらくは2人ともが望まない形で。その結果としてどんどん人間関係が複雑になっていき、ヨウの想いも変化していく。 最初は「ミサキの恋が叶ってしまえばいい」と思っていたヨウが今後その恋心をどう変化させていくのか、目が離せない作品。 1巻まで読了

A・O・N

今夜「線」を超えろ!!!!

A・O・N 道元宗紀
みど丸
みど丸

プロレスをインチキと断ずる少年が最強のレスラー「アオン」になりすまし全国のレスラーに宣戦布告、真のファイトとエンターテインメントを追求する…というふうに書くとシンプルな話のスジにきこえますが、読むとなかなか曲者で独特。独特、というのが『A・O・N』に最もふさわしい言葉な気がします。 存在を知ったのもその手のマンガに詳しい友人から「パワーがすごい打ち切りマンガがあるから読んでみてくれ」と薦められたのがきっかけでした。確かに話の運びが強引すぎたり、主人公に気持ちが入りづらかったり、連載が10話で終わってしまった理由は正直言って読めばなんとなく察せます。 一方で全10話の全コマから気迫みたいなものが迸っているのも事実。クセは強いんだけど抜群にうまい絵とか、流れはなんか違和感あるんだけど勢いにあふれた台詞とか、「今それやる!?」っていう展開に全力振り絞ったりとか…。 このマンガにしか無いような圧力というか、エネルギーが備わっていて、これも読んだ方にはわかっていただけるはず…。 少なくとも自分は強烈なインパクトを受けました。気になった方にはぜひ今夜「線」を超えて読んでみてほしいです。

この世界は不完全すぎる

"不完全な世界"を探索する主人公の"本当の目的” #1巻応援

この世界は不完全すぎる 左藤真通
sogor25
sogor25

クレボーン島という島の辺境にある小さな村に住む、宿屋の娘ニコラ。 彼女が村の近くの平原で薪を拾っていると、本来山の奥深くに住むはずのドラゴンと呼ばれる巨大な生物が突然現れる。 身の危険を感じ逃げようとするのですが足がすくんでしまって動けなくなってしまうニコラを通りがかりの謎の男が助けてくれる。 ハガと名乗るその男はドラゴンのことを近くで観察していたといい、あまり自らのことを詳しく語らないのだが、村の人たちは彼は国内の調査をするため国王が極秘に派遣した調査隊「王の探求者(キングスシーカー)」なのではないかと噂をし始める。 そんな中、今度はそのドラゴンが直接村を襲い始めるが、ハガの奮闘によりドラゴンを討伐することに成功する。 その様子を見たニコラは、彼の弟子として冒険について行かせてほしいと懇願するが、ハガはその願いを受け入れることができなかった。 なぜなら彼の行なっていることは単なる冒険ではなくある"目的"があったためである。 この作品とにかく第1話の構成が素晴らしく、1話の中で世界観を見事に表現しつつ最後には裏切りを見せそして2話以降にもしっかり引きを作っていく。 2話以降で彼の本当の目的やかつて一緒に調査を行っていた仲間の話、そして何故か敵対している同業者の話などが徐々に加わり、1話のインパクトに負けずとも劣らない物語が展開していく。 物語の核心に触れて頂くために、まずは何も情報入れずに1は話を読んでみてほしい作品。 1巻まで読了