歴史マンガの感想・レビュー1574件<<5859606162>>遠征版 別冊マガジン2017年8月号将国のアルタイル カトウコトノ名無し『将国のアルタイル』遠征版が別マガ8月号に掲載されていた。この前、マガジンに掲載されていた出張読み切りと同じく十人長時代の話だが今回は盗賊ではなくひったくりを捕まえる話。 ただ、出張版ではマフムートが1人目立つ感じだったが、遠征版ではカリル・パシャとの交流がメインの話だったので、懐かしかったし、いい話だったのでどちからというとこちらの話の方が好きだった。 戦国乱世を舞台にした妖怪バトルファンタジー戦国妖狐 水上悟志名無し戦国の乱世(だいたい室町の後期)を舞台にして初めは人間に悪さをする妖怪を懲らしめる妖狐・たまと仙道・迅火の旅という感じの話だったが、だんだんストーリーが次元をまたぐほど大きくなっていく。 1部・2部とあるんだが、どちらの主人公も別の仕方で人の道から外れてしまっていて、それが妖怪や道しるべとなる人との出会いで成長していくところや、妖怪や妖怪の力を得た人間との戦いも激しくてとても良い。 水上悟志のマンガの中ではバトル要素が多いと思うがかっこいいので、いわゆる少年漫画好きにはおすすめ。古今東西人類の偉人が異世界の命運をかけて戦争をするドリフターズ 平野耕太名無し古代ローマから第二次大戦まで人類史上の偉人や英雄たちが、異世界に集まり、2つの陣営に別れて戦争を繰り広げる。 別世界の技術を伝達する異世界ファンタジーの鉄板な展開もあるし、偉人が超能力的なのを身につけていたり、凄まじく武に秀でたりもしているのでそこも魅力だが、様々な地域・時代から流れ着いてくる彼らは「思考の差異者である」だから世界を変える力があると説明しているシーンがあって、異世界へ渡る物語の本質を付いているなと思った。 古今東西の人間と技術が一つの世界に集まって戦争をする異世界ファンタジーの一つの頂点になりそうな漫画。ちなみに、敵方の首領はどう考えてもあのお方。まだ名前は明らかになっていないけど、絶対にそう。早く前線?に出て欲しい。犬鷲使いの少年将軍の戦記将国のアルタイル カトウコトノ名無し将国という将軍が政治も行う国の最年少将軍になった犬鷲使いのマフムートが、侵略してくるバルトライン帝国を相手に戦う。 スタートから将軍だが、前半早々降格の憂き目にあい中盤くらいまで将軍とは?と見つめ直し続けている。そこからの成長がたくましくのがアルタイルの面白い場面の一つ。 戦いは軍略を巡らせた軍と軍の戦いで、拠点を奪い合う戦争である。マフムートの鷲が活躍したり、海戦では天才的な船乗りがいたり個人の武が軍や軍略で重要な位置を占めるような戦いも描かれる。そして、政治的な話・戦争の話、どちらもわかりやすく読みやすかった。 『鉄血のブサー』村上もとか グランドジャンプNo.14(2017年)鉄血のブサー 村上もとか地獄の田中あらすじは「戦後、米軍占領下の沖縄。鍛えた空手の技を武器に闇世界で米兵を倒し続ける少年だが、ある日「拳聖」と呼ばれる老人と出会い?」というもの。 沖縄戦の終盤、洞窟に追い詰められた少年と少女とその祖母のシーンから始まるんだがショッキングだった。どうやらその少年がこの話の重要人物になるらしい。 今回掲載されている前半は、たぶん少年の導き手となる船越義珍の登場と紹介、そして少年がやや屈折して成長してしまった姿を描いている。出張読み切りが週刊マガジンに掲載将国のアルタイル カトウコトノ名無し将国のアルタイルの出張読み切りが週刊マガジン(2017年31号)に掲載されている。マフムートがイスカンダルと一緒に盗賊を捕らえる話で、ページ数も短くさくっと読める感じ。 ただ、マフムートが十人隊長なので、本編よりも昔の話と思われる。普段から大人!って感じではないが、いつもよりやや幼く描かれている気もしないでもない。 別冊マガジンの8月号にも「遠征版」が掲載されるらしい。講談社漫画賞&アニメで読者層拡大を狙っているんだろうな。本編も今とても盛り上がっているから追い風になってほしいな上村一夫の自伝的戦後史関東平野 上村一夫名無し上村一夫の半生がモデルになっている自伝的な戦後史。艶やかなタッチや仄暗い鬱屈さというのは健在だが、同時に激動の時代にまだ姿のはっきりしない希望を追いかけたパワーのようなものも感じるので、読後感は悪くない。 物語は小学生から、青年期までが描かれている。 幼少期は、戦後半ば狂った大人たちに、純粋な子供(金太と銀子)の夢が儚く裏切られてしまう様子が情緒的に描かれている。金太が母の影を求めて、蛇女のところへいく話はやるせない悲しみのようなものを感じた。夕日に照らされているところは特に印象的。 戦後は金太が何者かになろうともがく姿が色々な人たちを通して描かれる。これは現代にも通じるテーマであると思うが、銀子との対比でそれがより鮮明に描かれていると思う。育ての親でもあり師匠的な存在でもある柳川大雲が終盤になるにつれて老成した魅力を持ってきて、この漫画を好きになった大きな要因でもある。 とても面白いので読んでほしい漫画 平氏が勝利したパラレル鎌倉時代の妖バトル漫画うらたろう 中山敦支地獄の田中源平合戦で平氏が勝ったパラレルワールドの鎌倉時代を舞台にしている。(鎌倉時代とすら言えないが) 不治の呪いに犯された平家の姫さまが不死身の体を手に入れるため不死身の鬼神?うらたろうと旅をする。 展開の速さといい、見開き大ゴマの使い方といい、キャラクターの立ち方といい、勧善懲悪的なストーリーといい、少年漫画らしい少年漫画でスカッと読めて楽しい(ヤンジャン連載だけど) 5巻くらいで終わる月刊少年漫画のもの寂しさが好きてとくち 河下水希 大崎知仁mampuku いちご100%で知られる河下先生の新境地、というか 殺陣などのアクションにはそれほど見どころといえる箇所はないものの、さすがにキャラクターは魅力的。現代口調の主人公が浮いてて違和感を覚えるのも最初だけで、リアリティの線引きが分かりやすくはっきりしているので読んでてすぐ慣れる。 女剣士の里江にいちいちグッとくるというか、膝から下しか露出してないのになんでこんなにセクシーなのかと。てか3巻くらいからサービスカット増えた?テコ入れかな中華ロマンみたいなあおりで毛嫌いしてたけどめっちゃおもしろい女王の花 和泉かねよしひろりんぬなんか自分の国で冷遇されてた姫が、強くなって母国で母親の仇を討つためにいろいろ頑張る話なんだけど、うまく説明できないから読んでほしい。 亜姫がかっこよすぎる。 よくあるパターンかもしれないけど好き水滸伝 横山光輝starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男中国の有名な小説の水滸伝を漫画化した。 内容はわかりやすくて、お互い立場が違う剣豪/英雄/軍師/道士たちが、色々あって梁山泊に108人集まって世の中の為に戦う。 漫画版は小説に比べてスピード感があって読みやすい。ただだいぶ削っている部分や、最後の方がすごい簡単に終わってしまうのが残念 今更だけど、金瓶梅が水滸伝のスピンオフだったのに気づいたり、花栄の小李広ってキングダムの主人公李信の子孫の李広から取ってたりに気づいた。 大正ロマンあふれる理髪師マンガ燕のはさみ 松本水星名無し時は大正、東京銀座の片隅でただ1人の女理髪師が主人公。ハルタで連載中。 いつもはぼーっとしているんだけどはさみを持った時と、道ゆく人の髪型を見るときだけは目が変わる。お客さんが一癖ある感じできつい注文もあるんだけど、実は名のある人だったりして目をかけあげているみたいな感じ。無茶に応えるために理髪師として成長して行く姿と、大正時代の街並みや文化、特に当時の流行の髪型などがみていて楽しい。滅亡した国の文字を守る、壮大な歴史ロマンシュトヘル 伊藤悠starstarstarstarstarひさぴよ現代日本の男子高校生が、13世紀初頭のチンギス・ハーンが生きた時代のモンゴルの世界へと繋がり、西夏文字をめぐる壮大な戦いに身を投じるお話。 祖国の西夏を滅ぼされた女、シュトヘル(悪霊という意味)と意識が同居する形で、当時のモンゴルへと接続する高校生スドー。 西夏の文字のすべてを記した玉音同を奪いたいチンギス・ハーンと、西夏の文字とシュトヘルに魅せられ、それを守ろうとするハーンの息子ユルールを中心に、登場人物の様々な思惑が複雑に絡み合う。 歴史モノとしての骨太さはもとより、戦闘シーンの迫力はさすが伊藤悠先生という他ない。 特にハラバルの戦いぶりは必見。ややファンタジックな弓使いであったが、個人的には一番カッコいいキャラだと思っている。 読みすすめるうちに、自然と文字が持つ「歴史の重み」のような物に思いを馳せるようになった。 ある意味「文字」そのものが主役とも言える異色の作品。 ぜひモンゴル人に読ませて感想を聞いてみたい。 明治・大正を強く美しく生きる女たちの物語明治姉妹と大正遊女 新装版 雪月花/大門パラダイス 松田奈緒子名無し2002年Vanillaに掲載された短編「大門パラダイス」と、2006年のFEEL YOUNGに掲載された短編「雪月花」を1冊にまとめた単行本。 タイトルは、それぞれの作品内容から新たに付けられたようだ。 どちらの作品も時代性をしっかりと捉えていて、大正の花魁と明治をまっすぐに生きた女性たちを、それぞれ見事に描ききっている。この二作品が一つの本となったことでより完成度が高くなったように感じる。宇宙戦争をモチーフにしたSFボーイミーツガールマンガ地球戦争 小原愼司名無しスピルバーグ監督の『宇宙戦争』が映画であるからそっちの印象が強い人もいるかと思うが、同名小説を原案にしたマンガ。『宇宙戦争』では宇宙からの侵略がメインになっていたと思うが、宇宙人からの侵略を契機に人間同士の醜い争いがこの漫画では主題になっている。 そういった醜い争いのようなものがありながら、オリバーとアリスが信頼を深めていく。人間模様・宇宙人からの侵略・恋愛模様、色々な面で面白さがある名作。牛股権左衛門について語ろうシグルイ 南條範夫 山口貴由マンガトリツカレ男このシーン最高に好き。 江戸時代の武士の生活がよくわかる武士のフトコロ 岡村賢二名無し江戸時代の武士の生活がよくわかる漫画。主人公は50俵3人扶持(今でいう年収114万円だとか)の次男。家を継ぐことはできないが剣の腕が立つため、どこかに士官して身を立てるつもりでいる。 剣術の試合の場面も多くそちらも面白いんだけど、下級武士がいかに困窮していたかというのが50俵3人扶持だけじゃなく札差やそばの値上がりやらリアルに描かれていく。 「ごっつあんです」も相撲でののし上がっていくところと金回りの話がうまくバランス取れていて面白かったので「武士のフトコロ」も楽しみにしている。女好きのする女イノサン Rougeルージュ 坂本眞一名無し「残酷でぐろい」をこんなに美しい絵で描かれてしまうと途端に芸術を見ている気になりますね。 気持ち悪がられるかなぁと思いつつ友達にイノサンを薦めますが、この世界観にすぐ惹かれてしまう人が多いです。そして、マリーちゃんのファンになる子がかなり多いです。男らしい潔い性格とやや壊れた人格、なんといってもヴィジュアルがかっこよすぎますよね。ロングの巻き毛に刈上げのツーブロックはマリーちゃんしか似合わないはず。正統派「邪気眼」的中二病漫画SAMURAI DEEPER KYO 上条明峰mampuku私ことアラサーがこれを読んでいた当時ちょうど中学生だったんですが、控えめに言って最高でしたね。最高に中二。 ・ピンチになると凶暴な人格「鬼眼の狂」が現れて物凄い剣技でばったばったと敵を蹴散らす ・90年代っぽさを残すデザインで下卑た顔の雑魚キャラ ・必殺技を放った後の、「お前もきいただろ、神風(かぜ)の清響(こえ)を」というカッコいいんだかダサいんだかわからない決め台詞 ・1巻から充実したお色気要素 などなど Get BackersやRAVEとならぶ、マガジン黄金期の主力選手ですね。フェアリーテイルがそろそろ終わりそうなんで、ちょっと懐かしさに浸りたくなりました・・・ 画力高い新人作家さん多いなぁ(嬉女王陛下の補給線 カワグチタケシmampuku 最前線の兵士からは疎まれがちな「補給部隊」。高貴な身分の女主人公が世を忍び、伝説の重装歩兵「オールデッド・ワン」ことディズ伍長とともに悪を討ち命を運ぶ、人呼んで「女王陛下の補給線」。 パンプキンシザーズによく似た設定だが、パンプキンシザーズよりはライトに読める。ご都合主義とかお約束的展開がリアリティを犠牲にしてる感があるので、それを許せるかどうかって感じ。 それより何より、人物だけでなく鉄道をはじめとするメカの絵がとにかくクオリティ高くてかっこいい。3巻で終わってしまったのは残念だけど、この作者の絵でもっといろんな作品が読みたいと思った。惚れっぽい浪人紋子がイケメン伴侶を探して旅をするラブ&バトルマンガ恋情デスペラード アントンシク名無しイケメンにめっぽう弱い紋子さん(すぐトゥクンってなっちゃう)が、日本一の夫を探して旅をする。 道中で出会うイケメンに惚れては厄介ごとに巻き込まれて悪人やバケモノと戦う。絵も綺麗だし演出もうまいし、キャラクターやバケモノの造形も凝っている上に、世界観やネーミングセンス(ディキシーお猟とかアーサー・徳川jrとか)もとてもいい。 最新の4巻だと、世界観についてちょっと明らかになってきたし、紋子のバックグラウンドについても言及された。紋子の旦那は現れるのか、チラチラ出てくる敵とはどうなるのか、これからが楽しみなマンガ。アニメ化もしてほしい。つまり最高旅、戦、仲間集めが好きな方へ遮那王 義経 沢田ひろふみよそよそおとこ旅、戦、仲間集めって聞くと男はわくわくします。 話しは、義経の歴史ですが、実は、僕たちが知っている義経は本当の義経では無かった 頭の良い義経は、自分の体となる義経に戦の仕方を叩き込み、旅で力を貸してくれる5人の仲間を集めさす。きちんと歴史通りなのもいいです。 月刊エンタメに横尾公敏先生のインタビューが掲載仏像パンク 横尾公敏名前はまだないアイドルカルチャー雑誌月刊エンタメに横尾公敏先生のインタビューが掲載されていました。AKBやらのアイドル情報に紛れて「ウェブで読めるバイオレンス漫画」特集ということで。 「仏像パンク」を描くきっかけや意識していることや自分に設けてるルールなどが語られていました。とても面白かったですし、読者が増えると嬉しいです受けた恩は倍にして返せ、受けた恨みは三倍にして返せは名言だな昭和一代女 梶原一騎 上村一夫starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。<<5859606162>>
『将国のアルタイル』遠征版が別マガ8月号に掲載されていた。この前、マガジンに掲載されていた出張読み切りと同じく十人長時代の話だが今回は盗賊ではなくひったくりを捕まえる話。 ただ、出張版ではマフムートが1人目立つ感じだったが、遠征版ではカリル・パシャとの交流がメインの話だったので、懐かしかったし、いい話だったのでどちからというとこちらの話の方が好きだった。