この上なくせつなく深淵。皇(すめらぎ)なつきの愛恋絵巻。“女子は才なきを徳”とした時代。祝英台(シュクエイダイ)は変装して通う書館(じゅく)で梁山伯(リョウサンパク)と遭遇。胸、締めしめつける想いを秘めて義兄弟となる。画匠・皇なつきが古都杭州を舞台に綴る美しき恋心!
けなげにも父、判官・長綱の言いつけ通り、武士の誉れに十七歳で殉じた小太郎。素晴らしき死に様に心痛む長綱。一年後、戦場で敵将を組み伏せ、兜を取ると……。長綱は父として、わが子への自責の念、若者への憐憫が激しく交錯する。※電子化に際して潮出版刊行のコミックスを分冊し、再構成しております。
息を呑むほど美しい。皇(すめらぎ)なつきの京劇絵巻。当代の花形役者(メイオヤマ)・楊洛仙(ヤンルオシエン)。彼と京劇に激しく魅せられていく若者。なぜか複雑に揺れ動く女心。美匠、皇なつきが1920年代の北京を舞台にかなでる愛と哀しみの奏鳴曲(ソナタ)! ※電子化に際して潮出版刊行のコミックスを分冊し、再構成しております。
熱原の凱歌
熱原下方(あつはらしもかた)の庄の名主・神四郎(じんしろう)は、年貢米を出せない一家が心中したり、赤ん坊が間引きで殺されてしまう現実を憂いていた。そして、その一方で滝泉寺(りゅうせんじ)の僧達が、夜ごと酒を飲み、遊び女(あそびめ)達とたわむれる姿にも……。仏の教えに疑問を持ちはじめた神四郎の前に、青年僧・日秀(にっしゅう)が現れる。日蓮(にちれん)の弟子・日興(にっこう)に仏法の正義を説かれ、法華経に帰依する決意を固めた日秀は、滝泉寺を追放されたものの、いきいきと遊説していた。そんな日秀の姿を見て、神四郎は法華宗に興味を持ちはじめるのだが……。
レ・ミゼラブル
1812年、ナポレオン一世はオランダ・ドイツ・スペイン・イタリアを支配し、ヨーロッパの王となったが、ロシア遠征に失敗。エルバ島に流される。そして1815年、再び皇帝の座に返り咲いた頃、フランスのディーニュにジャン・バルジャンがやって来た。だが、前科者の彼を誰も受け入れてはくれなかった。たった、ひときれのパンを盗んだだけなのに…。世界の名作『レ・ミゼラブル』を、物語の軸はそのままに、巨匠・みなもと太郎が独自のギャグでかき乱す!
メガクロス
鬼才・星野之宣が、壮大なテーマで描くSFロマン大作! 巨大コンピューター・オーバーロードに支配された地球。その支配に属さない、小惑星の人々・ベルター。彼らの闘いは、やがて全銀河をも巻き込む秘密へと結びついていく。すなわち、メガクロス(巨大交差)へと――。
1787年、オラトワール修道院付属学校の物理教師・コティの部屋から飛び出した気球。その気球を見つけ、コティのもとへ届けた青年こそ、若き日のナポレオンであった。そんなある日、技術や学問が活発な都会アラスの学院の教官に任命されたコティ。着任までの休暇を利用してパリへ寄り道することにしたコティだが、そこで待っていたのは…。
無面目・太公望伝
比翼鳥が飛ぶ高山の頂で碁を打つ、神仙・南極老人と東方朔。宇宙の始まりについて疑問を抱く朔は、昔、天が崩れかけた時、女かが五色の石を練って天の裂け目を塞いだことを老人に聞くが、遠い昔のことなので、天窮山の無面目、またの名を混沌という古い神に教えを乞いに出かける。だが、天地開闢以来動いたことのない無面目は、二人の話を聞くと下界に興味を持ち、仙廊を通って地上へ向かってしまい…。
天使の時空船
SFコミック界の巨星・松本零士が天才レオナルド・ダ・ヴィンチの謎多き生涯に挑戦する!!幾世紀もの未来。人類の生存する大銀河系は宇宙の「崩壊断面」へ遭遇していた。そこからすべり落ちれば「無の暗黒」へ飲み込まれすべてが終わる……。破滅までに残された時間はあと30年!リサーチの結果、これを救える人物はアインシュタインでもキューリーでもフォンブラウンでもなく、天才レオナルド・ダ・ヴィンチのみ!1452年夏、寒村ヴィンチを飛んでいた“蚊”の吸った血液から「彼」を再生させるプロジェクトが、ミナミ教授指揮のもと行われようとしていた。ミナミ教授の考えに反対するマミア・ルナ・螢子(けいこ※螢の文字虫→火)は、計画実行の直前、復元機(レプリカートパンドラ)を破壊し時空船(タイムクルーザー)でレオナルド・ダ・ヴィンチの生きていた時代へ向かう。彼女はレオナルドのそばでそのすべてを学び、もう一度未来に戻ると言うのだが……。
真説・土方歳三伝
幕末が生んだ、もっとも恐れられ、もっとも愛された勇将・土方歳三。新しい時代の到来を見抜きながら、それでも彼は自らの信じるところに生きた!! 1867年10月、大政奉還が行われ、江戸城が無血開城した。6月に幕臣に取り立てられていた土方歳三は、最後まで徳川家への忠義を尽くす。──三百年の恩顧がある徳川幕府が倒されるという時に死を賭して抵抗するは当然のことではないか だから俺は戦うのだ