俺の新選組

唯一無二、だなあ。

俺の新選組 望月三起也
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し

望月三起也で一番好きな漫画、というと、どうしてもこれが思い浮かんでしまう。 キャリアの長いかたで、ぶっ飛んだ名作・傑作・異色作がたくさんありますし、なんと言っても自動拳銃の排莢を描かせたら、まったくもって誰もマネが出来ないほどカッコイイ漫画家さんですから、そりゃあ『ワイルド7』も最高に決まっているのですが(「排莢の瞬間」がカッコイイんですよ。これは映画とか他媒体では描写不能。漫画だけに、望月三起也だけに可能だった絶品のアクション描写です。鳥山明も排莢描くの上手いけど、別にカッコよくはない)、なんか、この、銃も戦車もバイクも出てこない「チャンバラ時代劇」が、すごく好きなのです。 ぞろっとした新選組の段だら模様に、ギラっと冷たく光る本身…いやあ、良いなあ、チャンバラだなあ! 巻数も5巻で長くないですし(いや、打ち切りなんですけどね)、癌で余命宣告された時、「『新撰組』のつづきを描く!」と宣言なさっていたくらいですから、ご本人としても思いの強い作品だったのだと思います。(その望みが果たされることは、残念ながらありませんでしたが) 唯一無二の望月ワールドを堪能するのに、実に好適な名作ですよ。 もしそれで気に入ったら、そこから先は、『ワイルド』でも『JA』でも『JJ』でもヨーロッパ戦線物でも『ジャパッシュ』でも、なんでもドンドンいっちゃいましょう!

ガラスの仮面

「こんにちは、あたし」で鳥肌

ガラスの仮面 美内すずえ
ばにゃにゃんだー

ガラスの仮面って月影先生の「恐ろしい子」って台詞があまりにも有名で、ガラスの仮面を読んでなくても、パロディでよく使われてるから有名ですよね。 でも、私が1番すごいと思ったセリフは北島マヤの「こんにちは、わたし」というセリフです。役者としての技術も未熟で、バレエなどの下地もない彼女は、それらを持つ姫川亜弓に憧れていますが、その姫川亜弓が嫉妬するレベルで忘我し役になりきる北島マヤの天才性を端的に表しているセリフ・シーンだからです。役の仮面を脱ぎ捨て「こんにちは、わたし」と鏡に映る自分に対して言い放つ姿はまさに狂気ですし、「恐ろしい子」です。 この漫画の魅力のひとつに北島マヤと姫川亜弓の立場の逆転があると思います。物語の序盤は天才として扱われた姫川亜弓も今は努力の人として定着し、役者としての未熟さを笑われていた北島マヤは無二の才能で他者を圧倒する恐ろしい子になっていきます。最近では、主人公の北島マヤよりも姫川亜弓を応援したくなることもしばしば。姫川亜弓の「ガラスの仮面をつけているのは、わたし」というセリフなんか泣いてしまいます。 紅天女を演じるのは誰になるんでしょうか。気になりますね。この物語の終わりをわたしは読みたくてしょうがないです。