芳文社マンガの感想・レビュー415件<<1415161718>>等身大の食エッセイしょうゆさしの食いしん本 スケラッコnyae美味しいものは美味しい!そうでもないものにはそうでもない反応をする(なら美味しくなるにはどうするかを考える)、とても等身大で親近感がわくエッセイでした。今まで読んだ食エッセイ漫画の中でいちばん好きかもしれません。 大げさに表情だけで美味しさを表現する漫画よりも、リアルな生活感が伝わってきて好印象です。 スケラッコさんは「自分で作る」ことにこだわりがあるようで、食べたいと思った時に食べたいのもを作る!という率直な行動は憧れるのですが、ブリトーやピザを生地から自作したり、小豆を炊いてあんこを作ったりとなかなか真似するにはハードル高いぞというものもあります。 ただコンビニのブリトーにハマってた時期は自分にもあったので、一話目から共感指数がすごい高かった。笑 料理という行為が、必要に迫られてするものではなく自分の欲を満たす手段というか、好きな時に好きなものを…という気持ちの良い素直さの先にあるんだなと読んでて思いました。自分は特に、料理は年に数回しかしないもののストレス発散になるのですが、この漫画を読んでいると自分は料理してないのになんだかストレスが軽くなるような気がします。 あくまでも姿をしょうゆさしで描いているだけなので、手巻き寿司の回で醤油を忘れてしまい、買いに行っている姿は矛盾してるんだかしてないんだかわからず、シュールでした。ひとり暮らしも、二人でみんなで!ひだまりスケッチ 蒼樹うめあうしぃ@カワイイマンガ高校前の「ひだまり荘」でひとり暮らしする、新入生のゆの。同じ屋根の下の同級生、先輩達、翌年には後輩達と、女子だけの賑やかな日々に笑いっぱなし!ちょっと独特な「美術科」で、技を磨いて未来探し……は、もうちょっと先かも。 ……という感じで、基本はまったり進行の四コマコメディ。見所は何と言っても、六室あるひだまり荘の、同学年同士の「バディ」な関係。 例えば、ゆのの一つ上のヒロと沙英は、ほぼ「夫婦」。阿吽の呼吸で互いを補う関係は、「恋愛」を既に終わらせたような安心感を周囲に与える。 そんな先輩達に憧れるゆのと、同級生の宮子の関係は「持ちつ持たれつ」。宮子は生活面ではゆのに頼りっきりな反面、精神的には楽天的な性格で、自信がないゆのを支える。 一つ下のなずなと乃莉は「振り回し/され型」。乃莉は気弱ななずなのサポートに奮闘しながら、なずなの愛らしさに癒されて安心する。 様々な形の「バディ」が表現され、更には学年も飛び越えて、彼女達が支え合う日々のエピソードが少しずつ、積み上げられる。その先には、ひだまり荘でしか育めない、大きな友情が待っていて、節目節目に訪れる感慨に、思わず泣けてしまうのだ。 この先、ゆのと宮子に訪れる進学という試練が、どのようなエピソードとして彼女達の人生に積み重なるのか、乃莉・なずなと新入生の茉里と共に、見守りたい。 四コマ漫画として整理された背景は、連載当初から読みやすく、更に3、4巻辺りで現在の蒼樹うめ先生の、『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクターデザインや『微熱空間』で見られる、究極に可愛いキャラの完成形が発現する。 8巻から登場のぶっちゃけ系新入生・茉里ちゃんが可愛くて、今までにない展開が新鮮なので、沙英・ヒロ卒業後も安心の面白さ!ニッチな題材だけど唆られる…本日のバーガー 花形怜 才谷ウメタロウ名無しハンバーガー漫画ということで範囲狭くない?と思ってしまう。 いやいや、ハンバーガーってアメリカのみのカルチャーフードじゃないそうなのです。 それは食べてみたいと思わせるハンバーガー多数。着眼点がニッチだけど唆られるのです!"やり直せない過去"を取り戻す物語妻、小学生になる。 村田椰融sogor25タイトルだけ見るとちょっと勘違いされるかもしれないけど、この作品は主人公の妻が"若返って小学生になる"という物語ではない。それだけを念頭に置いて、まずは試し読みで1話を読んでみてほしい。今作は「ネーム大賞」という、読み切りのネームのみで評価を行うマンガ賞で入賞した作品を元に連載が開始された作品で。1話はその際に入賞したネームがベースとなって描かれている。そのため、1話自体が読み切りとして非常に完成度が高く、1話を読んでもらえれば作品の魅力は十分に感じ取ってもらえると思う。 私個人としてはこの作品は"やり直せない過去を取り戻す物語"だと思っている。主人公の圭介と一人娘の麻衣、そして"小学生"の妻、貴恵。どうやっても過去は元には戻らないけど、今からならまた3人での幸せを見つけることができる。この家族には"奇跡"が起きてその幸せを掴むチャンスを得たわけだけど、"奇跡"なんかがなくても未来はいくらだってやり直すことができる。そんなことをこの作品、そして"小学生"の貴恵から言われているような気がする。 3巻まで読了 題材が今風のおとぎ話彼女ガチャ 吉宗六文銭タイトルどおりで、付き合う彼女をソーシャルゲームのガチャのように引き当てるというお話。 お金で彼女を手に入るという非道徳的な内容なのですが、そこから関係がうまくいくかどうか引いた本人次第。 ここがポイント。 ラクしたり悪いことしたら報復されるおとぎ話のように、なかなかうまくいきません。 大抵男のほうがロクでもないことして、最後にちょっとした教訓とともに酷い目にあう2話完結方式の展開で、テンポよく読めます。 恋愛マンガというよりもミステリーに近い内容。 まだ、N(ノーマル)とR(レア)しかでてきてませんが、SSRとかアイドル・芸能人が出てくるのかしら?アイドル事務所ってブラック芸能事務所ですが何か? usi名無しこういう話よくあるけど、実際どうなんだろうね。都市伝説みたいになってるけど真面目にやって下さい、先輩方!的中!青春100% 秋★枝あうしぃ@カワイイマンガ新入生の毛利と楠が入部した弓道部は、ふざけた先輩の巣窟だった!今日も用具を手に、モノボケに興じる面々。ウケた時の合言葉は「射!」……それでいいんか? 思考戦と人間関係のドラマを紡ぐのが「陰」の秋★枝先生だとしたら(『純真ミラクル100%』『Wizard’s Soul』『恋は光』など)、『煩悩寺』や『起きてください、草壁さん』のような、細かいネタを詰め込むシチュエーションコメディを繰り出すのは「陽」の秋★枝先生。この『的中!青春100%』は、「陽」の作品に分類されるだろう。 (やや強引に分類しましたが、がっつり秋★枝先生ワールドに引き込まれたい方は「陰」の作品、気軽にコメディ+恋愛を楽しみたい方は「陽」を読むといいかも、くらいの気持ちです) 弓道部の先輩達は、なかなか部活をしない。用具を手にモノボケに興じ、別のスポーツで遊び、真面目な毛利(本名は杉本)を呆れさせる。 特にシリアスなドラマもないので、おかしな面々に振り回されるうちに、状況に染まりそうになる毛利(本名は杉本!)の行く末を、気軽に眺めていたい、そんな作品が、およそ100ページ。 後半は、恋愛のかけらの4ページが少しずつ積み重なってゆき、幾つかの愛になる約70ページの作品群『ワンシーン』。どちらかといえば「陰」の秋★枝先生だが、短い瞬間の恋心を切り取り、ドキッとさせられて終わるのが気持ちいい。 クサい台詞が芸能界を動かす!純真ミラクル100% 秋★枝あうしぃ@カワイイマンガ弱小芸能事務所の所長・高杉は、新人ミュージシャン・木村の恥ずかしい顔、困った顔にゾクゾクする。変な芸名、衣装、仕事を木村に与えて楽しもうとするが、それが次第に妙な方向へ盛り上がりを見せ……。 この作品で常にネタなるのは「クサい」「恥ずかしい」という言葉。 例えば大人の高杉がわざと「恥ずかしさ」を木村に与えようとしているのに、それをポジティブに捉える未成年の木村=モクソンは、却って大人が吐くには「恥ずかしい」言葉を高杉に与え、狼狽させる。 登場する大人達は皆それぞれに、仕事でも恋愛でも何かを隠しながら、捻くれた行動しか取れないのだが、モクソンの才能と嘘のない真っ直ぐさには、照れながらも自然と心を寄せ、協力を惜しまなくなる。 時に彼女のパチモンとも心を通じ、ウザいっす、と言われながらも大切に思い合う関係を築き、友情のドラマを紡ぐモクソン。彼女は敵を作らずに、みんなを繋ぐ中心となる、タレントとしては最高の「人たらし」の才能を持ち、音楽の才能も相まって大きなムーブメントを形成していく。 モクソンの描く理想は「ずっと事務所のみんなと仕事したい」というもの。大人たちのグチャグチャの人間模様は、それを安易に許さない。しかしそれでも「モクソンのため」という大人達の思惑の一致がどのようなラストを見せてくれるか、最終5巻の最後の最後まで、目が離せない。猫飼いの良さが詰まってるねこだまり 郷本nyae普通のOLと3匹の飼い猫の日常を綴っただけの漫画なのに、飽きずにイッキ読みした。 猫を飼ってない自分でもなんとなく「これが猫との暮らしのリアルでは」と感じる。 一巻のあとがき?に“3匹のうちの1匹は著者の飼い猫をモデルにしている”とあり「やっぱりな」と思うほど猫の描き方がかなり上手いし、説得力がある。 全部読むまで気づかなかったけど、主人公の名前が一切出てこない(猫の名前はある)。 いわゆる年頃の女の子のひとり暮らしだけど、将来の夢とか結婚願望とか別にない。今が幸せだからそれでよし。 自分も早くこうなりたい。 お客様は神様だった神客万来! ねむようこ名無し一日一組限定で心こもったおもてなしをするホテルに客室係として働くことになった主人公は、勤務初日に「お客様は神様です」と教えられるけど、実は… まさかのお客様はマジの神様だった!というはなし。 従業員はみな普通の人間だけど、“見える”特別な人達だけが働くことができる特別な場所。 千と千尋のようなファンタジー感あり 凪のお暇のような人生心機一転感あり ねむようこ先生が週刊連載?と思って3話まで読んだけど、次からは月イチ連載になるようですね。 お笑い女子高生の青春!チェルシー シバユウスケあうしぃ@カワイイマンガ女子高生四人組、お笑いに挑戦! 一年生からの仲良し三人組 ●突っ走りボケ・ユキ ●天然斜め上ボケ・サチ ●いじられ担当・シノブ 面白い事がしたくても、ツッコミ不在ゆえかどこか空回りしていた彼女達。そこに二年生から加わった仲間 ●鬼ツッコミ・ユウ そしてユキは思いつく。 「お笑いやるよ!」 授業も遊びも面白おかしく笑いにして、最初は学園祭のステージから、遂には… 最初は無軌道だった彼女たちの行動は、人を笑わせる喜びを知ったことから急激に輝きを増し、ゾクゾクする盛り上がりと愉快な行動に目が離せなくなる。 お笑いというと「漫才」を考えがちだか、彼女達の形態は「コント」。それがお笑いの要素と、四人の関係性コメディの漫画を綺麗に両立させた。 さらにライバルとの因縁の対決や、彼女達に勇気をもらって挑戦を始める子も現れて、世界観が広がったところで、2巻での終了。もっと見たかった! 『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のシバユウスケ先生の、爽快なデビュー作。この時すでに絵は最高に可愛い。 電子化望む!表現力がすごい夜と海 郷本ANAGUMA女性の間にある「感情」を描くのが百合だと聞きますが、まさに感情をそのまま絵にズドンと描き起こしたようなマンガです。 ミステリアスな美人転校生月子とちょっと抜けている自然体女子の彩。 印象正反対のふたりが出会い、惹かれ合っていく過程が繊細かつエネルギッシュに表現されていくのですが、正確なボディブローを連続で叩き込むかのような“重み”と力があります。ぶっ倒れそうになる。 ふたりのちょっとした喜びや苛立ち、親愛やすれちがいの気持ちが水や魚の形をとって描かれるのが本当に絶妙で、どのページにもずっと見ていたくなる魅力が詰まっています。バリスタを目指したくなる爽やかな物語!バリスタ 花形怜 むろなが供未ななしきょう10月1日はコーヒーの日ということで思い出した作品。主人公の香樹はコーヒーに並々ならぬ想いを持っていて、中学生の頃からコーヒーをイタリア風に「カッフェ」と呼んでいたほど。 https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/144679/63981935-64e7-4f2e-b842-fc7065f68baf.jpg 最初は本場イタリアで働いていた香樹が日本のカフェで働くことになるのですが、雑用メインの見習いから上り詰めていきバリスタの大会に出たり、新店舗の参考に京都でお茶や焙煎について勉強したり、とある事件を受けて仕事もコーヒーもやめて知らない町の場末のスナックで働いたり…。 **マンガらしくドラマチックなストーリーではあるけれど、コーヒーの文化や知識は本物が描かれ決して非現実的ではないところが魅力的。**主人公が前向きで爽やかで熱い性格なので、読んでいてすごく安心できるし気持ちがいいです。 バリスタという職業・コーヒー・コーヒー文化を具体的に知るのにもってこいの1冊です…!! https://piccoma.com/web/product/6706?etype=episode https://www.bookbang.jp/article/531741 沖縄の文化や歴史、気質はいさい新聞文化生活部 ひらまつおさむ 高津太郎マウナケア観光ガイドっぽい作りか?などと思ったら、これがかなり読ませてくれる、若者の成長物語でした。就職に失敗した主人公・我如古(がねこ)六郎が母の勧めで沖縄旅行に行き、ひょんなことから地元の弱小新聞社で働くことになるというストーリー。この六郎が少しずつ成長していくきっかけになるのが、沖縄の文化や歴史、住民の気質。文化部の一員として自分で取材し、考えることで、自分の中の何かが変わり、沖縄の本質も見えてくるという筋立てが絶妙です。基地の問題や、離婚率の高さ、仕事の少なさなどに首をつっこんでも、これが沖縄だ、引っ込んでろと言われることも度々。それに対処する六郎の立ち位置も考え抜かれています。また、取り上げる風習も、キジムナーが住むガジュマルに対する地元民の想いだとか、一見ゴミのように見えるけれど魔よけの”さん”だとか、女性の手に入れる”ハジチ”という刺青の意味など、沖縄に精通していないとわからないことばかり。沖縄について知る意味でも、単なるガイド本より、よっぽどこの漫画のほうがためになるんじゃないでしょうか。チーズの漫画チーズの時間 山口よしのぶ 花形怜マウナケア漫画TIMESってオヤジ漫画誌なのに、こんなキュートな絵柄の作品も連載しているからあなどれません。またテーマがラーメンや寿司じゃなくてチーズですよ。こんなオシャレ感全開でいいの?と思いましたが、なかなかの人情話になっていて、オヤジにもしっかり読ませてくれる王道漫画に仕上がっていました。主人公はフランス生まれの日本人・レミ。20歳でチーズ鑑評騎士(シュバリエ)の称号を受け、意を決して日本へ。その理由とは、日本でチーズの素晴らしさを広めるため、そしてまだ見ぬ祖父母を探すため…。その過程でさまざまな人との出会いがあり、そこにチーズが絡んでくる。うんちく漫画にはありがちな展開かもしれません。ですが、身近でありながら、日本人に知られていないことの多いチーズという素材を、うまく人生に結びつける構成はなかなかなもの。チーズの種類や歴史の説明もさっぱりしていて嫌味もなし。知識もつきますから、BARでのネタにしているオヤジもいるかもしれませんね。ポプテピと覇権を争うダークホースゆるキャン△ あfろmampukuアニメの出来が素晴らしいので読んでみたら漫画も素晴らしかった! キャラクター萌えを控えめにナチュラルに、背景や食べ物などの絵と併せて雰囲気が最高。 前期アニメの少女終末旅行を少し思い出す空気感の良さだが、画面の雰囲気がちょっと違うかな。今風に線がスッキリしていて見やすいがしっかり描き込まれてもいるので満足度高い。いい意味できららっぽくない。 誰もが悩みを抱えながら生きているカラーレスガール 白野ほなみsogor25主人公のアオイは傍から見れば美人の美大生、しかし実は自分に自信がなく、我が身を取り繕う皮として女装をする男性であった。女装することで自らの内面を包み隠し他人と関わることが出来ていたアオイが、美大の中で友人たちと心を通わせる内に、化粧と服装で覆った内側の自分自身と向き合っていく物語。主人公視点でいうと「着たい服がある」などが近しい作品かもしれない。 しかしながらこの作品は主人公アオイの視点だけではなく、アオイの友人、またその友人と視点主を移しながら進んでいく。そしてその誰もが何かしらの悩みを抱えていて、その悩みを他者との関わりの中で少しずつ解消していく。 登場人物の悩みはアオイのようにジェンダーに関連の深いものもあれば、純粋な将来への不安や恋愛関係など様々。ジェンダーに悩みを抱える登場人物の物語は最近増えてきているが、表現の仕方によっては作品の中の人物と"当事者"ではない読者との間に距離が生まれ、どこか別の世界の物語を見ているような感覚を覚えることがある。しかし、この作品はより読者にも身近な悩みを持つキャラクターも織り交ぜながら描くことによって、本来読者が知り得ない悩みを持つアオイのような登場人物にも親近感を持って触れることができる。 また、本来"多様性"の塊のような空間である美大を舞台にすることで、その"多様性"の中でも色々な悩みを抱えながら日々の生活を送るアオイたちに共感しやすくなっている。 先に挙げた「着たい服がある」や「コンプレックス・エイジ」、もしくは「青のフラッグ」のような群像劇の要素も含んだ物語が好きな方にはオススメしたい作品。 2巻まで読了。可愛く心温まる…アタリ 琥狗ハヤテ名無し守り神が人間のすぐ近くにいる日常ファンタジー漫画 可愛いです… キャラクターが愛らしい 忙しかったりイライラしてたり対人関係にちょっと疲れてる時に読みたい漫画 こういう守り神が近くにいてくれたら…頑張れます( ; ; ) "アタリ"と人間の見えない交流に不思議と癒やされるアタリ 琥狗ハヤテsogor25守り神を創造し人間の世界へと送り出す"アタリ"という異形の存在。そのアタリがほんの気まぐれから現世に降り立ち人間の世界に触れるという作品。アタリは人間には見えず意思疎通はできないんだけど、現世の事象に無知でタブレットや駄菓子に興味津々だったり、悩みを抱える人々の傍に寄り添い届かない言葉をかけるアタリの様子に不思議とほっこりする。 また、ある理由からアタリのことが見える少年・仁の登場により、仁とアタリのエピソード回も時折挟まれる。見えるからといってアタリが問題を解決しようとするわけじゃないんだけど、アタリの言葉に不思議な力があるのがよくわかるエピソード。強く押し出してはないけど根底にあるメッセージは強い。 あと守り神かわいい。ただかわいい。それだけで癒し。 1巻まで読了 メッセージ性とストーリー部分のバランスが抜群の、ような。 麻生海sogor25見ず知らずの人たちがひょんなことから同居することになるという作品は家族ものとして古くからありますが、この作品は事故で両親を亡くした子供2人を付き合ってるけど未婚の2人が引き取るという、歪な中にさらに歪さを重ねたような設定。本質的には疑似家族ものなのかもしれないけど、子供たちはその経験からか精神的にかなり自立しており、かつ大人たちも基本的な自分たちの生き方を変えずに子供たちに接するので、家族というより純粋な"共同生活"のように映る。その中で個々の成長が少しずつ描かれていくので、これまでにはない新鮮さがある。 特に、彼氏が連れてきた子供たちと突然同居することになった主人公・希夏帆は、これまで子供と接する機会が少なかったためか、子供たちと接する際にも直球の正論で臨むことが多い。でも正論だけじゃ物事が上手く回らないことを他でもない希夏帆が自覚していて、かつ実際にトラブルの解決まで紆余曲折があるのを見せてくれるから、逆にその正論が際立って心に刺さる。伝えたいメッセージと物語とのバランスが抜群な作品。 2巻まで読了バズりにバズったシリアス家族物語妻、小学生になる。 村田椰融兎来栄寿ニコニコ掲載時にもTwitter掲載時にも大いに話題になった本作。 最愛の妻を若くして亡くしてしまう悲しみは如何許りでしょうか。そんな妻と10年ぶりに再び出逢うことができて、その手料理を食べられる喜びは如何許りでしょうか。 私はタイトルを聞いた時まったく違う内容を想像してしまいましたが、蓋を開けてみれば実に感動的でシリアスな内容でした。 妻の毅然としながらも根底に家族愛に溢れた性格がとても良く、運命がもたらした奇跡の再会に涙します。今後の物語を動かすピースが巧みに配置され、最終的にどうなるのか期待と不安が混じりながらも最後にはまた泣かされる予感がします。 単行本描き下ろしの結婚前の二人の姿もニヤニヤすること間違いなし。連載で読んでいる方にもぜひ読んで頂きたいです。「鬼剣舞」という岩手の舞踊を東京の高校で鬼踊れ!! 篠原ウミハルmampuku 1巻読了。 かなり面白いが、破壊の鉄球とおなべのふたタイプの漫画。メジャー誌ならもっと人気でたかもしれないものの、面白さのわりに大して話題にならないまま3巻で終わってしまったのもまぁ納得できなくはない惜しさがある。 「民俗芸能」というレアで興味深い題材(よさこいや盆踊りよりさらにマイナーな岩手の「鬼剣舞」←検索で出るw)。文化系漫画として貴重で雰囲気も良い一方、論理的な会話の構築ができていなかったり噛み合っていなかったり、稚拙さも目立つ。会話や言葉選びのセンスが悪いのは本人の能力なのか編集の質が低いのか…… おっさんが主人公だが、少女漫画かそれに類する畑の作者だと思われるのでどうしても「おっさん漫画」っぽくはないですね。逆に画面がキラキラしてるのが気にならない読者であれば、心情描写などを楽しむことができると思います。 キャッチーで読みやすく、面白い!机ノ上神話 幾花にいろにわか※ネタバレを含むクチコミです。美女バーテンダーのまんがまどろみバーメイド 早川パオmampukuいかにも漫画TIMESらしい小奇麗でさらっとした読み味の蘊蓄マンガです。カクテルのマニアックな知識がいっぱいです。お仕事モノ要素も。 1巻ではあまり活躍が見られませんが、派手なパフォーマンスをする「フレアバーテンダー」がとても漫画的というか、美女キャラクターと見栄えのシナジーが素晴らしいです<<1415161718>>
美味しいものは美味しい!そうでもないものにはそうでもない反応をする(なら美味しくなるにはどうするかを考える)、とても等身大で親近感がわくエッセイでした。今まで読んだ食エッセイ漫画の中でいちばん好きかもしれません。 大げさに表情だけで美味しさを表現する漫画よりも、リアルな生活感が伝わってきて好印象です。 スケラッコさんは「自分で作る」ことにこだわりがあるようで、食べたいと思った時に食べたいのもを作る!という率直な行動は憧れるのですが、ブリトーやピザを生地から自作したり、小豆を炊いてあんこを作ったりとなかなか真似するにはハードル高いぞというものもあります。 ただコンビニのブリトーにハマってた時期は自分にもあったので、一話目から共感指数がすごい高かった。笑 料理という行為が、必要に迫られてするものではなく自分の欲を満たす手段というか、好きな時に好きなものを…という気持ちの良い素直さの先にあるんだなと読んでて思いました。自分は特に、料理は年に数回しかしないもののストレス発散になるのですが、この漫画を読んでいると自分は料理してないのになんだかストレスが軽くなるような気がします。 あくまでも姿をしょうゆさしで描いているだけなので、手巻き寿司の回で醤油を忘れてしまい、買いに行っている姿は矛盾してるんだかしてないんだかわからず、シュールでした。