新書館マンガの感想・レビュー147件<<34567>>クロネコ彼氏シリーズ 4作目不機嫌彼氏のなだめ方 左京亜也starstarstarstarstarるる圭市兄のユージンと秘書高見沢さんがメイン。 自分は英への気持ちを我慢して血を残すために結婚して子供作ったのに、 もっと血が濃い圭市が子孫無視して真悟と幸せなのが許せないのね。 まあ八つ当たりだ。(しかも同時期に高見沢は結婚するかも?だったし) 2人両思いで落ち着いたら真悟への風当たりも落ち着いたwクロネコ彼氏シリーズ 3作目クロネコ彼氏の愛し方 左京亜也starstarstarstarstarるるどこかのBLで見るような「飲んだら男でも妊娠できる薬」が存在する世界線なら良かったのに(涙)と思わず考えてしまう展開。 圭市の兄から子孫について指摘されて傷ついて不安になって、 自分が持っていない「家族」への憧れと絆を求めて気持ちが落ちてしまう真悟を見ているのは辛かった。 兄ちゃん、そんなにいじめないでくれ😭(実は良い人なんだけど) そういうの全部分かってて受け入れるほどに圭市が溺愛なんだなぁ。クロネコ彼氏シリーズ 2作目クロネコ彼氏の甘え方 左京亜也starstarstarstarstarるるカラーのイラストがなかなかの破壊力です。 エッチいです。そしてキレイ。 今回は2人の気持ちが通じたもののそれが固まるまで、かな。 度々捨てられた過去があるから好きだけど終わりありきの気持ちでいる真悟と、 そう思われていることが信頼されてないと思い込んで傷つく圭市。 すれ違うのは読んでてシンドかったけど、そこにはお互いに対する「溺愛」があるから読めたかな。クロネコ彼氏シリーズ 1作目クロネコ彼氏のアソビ方 左京亜也starstarstarstarstarるる捨てられたくないから最初から踏み込まないクロネコ真悟。 遊びのつもりが本気になる圭市。 黒猫に戻った真悟が最高に可愛い! そして全てを持っている圭市の執着と独占欲と溺愛。 続きが気になるけど・・家族ごっこ りさりstarstarstarstar_borderstar_bordermotomi絵が好みだったので試し読みしてみました。 児童養護施設で育った姉妹の話。はじめは施設内で楽しく過ごす姿が描かれているけど、どんどん読むのが辛くなっていきそうな予感が・・幸せになってほしいなと続きが気になるけど、子供たちが犠牲になるなら見たくないなと考えてしまう。。。男子大学生可愛すぎて助かるタカラのびいどろ[コミックス版] 鈴丸みんたstarstarstarstarstarNanoいや本当に終始めちゃくちゃ可愛くて尊い。田舎っ子大進くんはまっすぐで素直で方言可愛くて、宝先輩はすらっとしてかっこよくて、冷たいかと思いきや優しくて。少しずつ距離が縮まっていくのが最高…。というか先輩かっこいいだけじゃなくてどんどん可愛いとこ見えて…あ~~~…尊すぎて涙が…いい恋愛してるなぁいいなぁ…。 周りの友達もいい子たちで大進くんとの掛け合いが可愛い。描き下ろしの初めて話も最高でした…エエン二人一生幸せでいてくれ…。ネタっぽく描いていますが、農家の人って改めてすごい!!百姓貴族 荒川弘starstarstarstarstarあいざっく荒川弘先生やそのご家族が牛のキャラクターとして描かれていて、 出来事もネタっぽく描かれているので、笑えるしすごく面白いのですが、 農家の人って大変だなと改めて思いました。 しかし、そんな大変なお仕事も面白おかしく描けるのが荒川先生の才能であり魅力だと思います。 あと、シンプルに荒川先生のご家族もみんなパワフルで面白い方々だなと思いました。 農家の生活をこんなに面白く読める漫画は他にないと思いますので、 みなさんにおすすめしたいです。「好きこそものの上手なれ」の極致 #1巻応援Mizuka バレリーナ 上野水香ものがたり 松本花兎来栄寿2004年、初めて日本人女性ダンサーとしてモーリス・ジャベールの『ボレロ』を踊ることを許され、2023年現在もいまだ日本人女性唯一である上野水香さん。その、上野水香さんのバレエ人生を描いた伝記的作品です。 漫画を担当する松本花(まつもとかずら)さんの絵がとても良く、冒頭の『ボレロ』のシーンから迫力と美しさを感じられますし、その後も人間の身体を駆使するバレリーナの姿を巧みに描いていきます。そして、日常のシーンもときにコミカルに、ときに感情を猛々しく表しながら、丁寧に読みやすく描写されています。ナレーションが多いため文字数も多めなのですが、それを感じさせずにスムーズに読ませるネーム力があります。 物語は、上野さんが鎌倉に住んでいてまだ2歳の明るい少女だったころから始まります。本来活発な性格であるにも関わらず、幼稚園で友達を作れず通園を渋るようになってしまっていたところで出逢ったのがバレエ。生来の体の柔らかさがあることが解ると、それが自信にも繋がっていき友達もできるようになっていきます。 バレエが理屈抜きで楽しくそのお陰で自分の人生が豊かになったという原初の体験はとても大きいもので、その後の人生をずっと支えてくれるものになっていたのだということが読んでいて伝わってきます。 そして、程なく小倉佐知子バレエスタジオに通い始め、5年生のころにはあの草刈民代さんも在籍した牧阿佐美バレヱ団の公演にも出演するように。最終的に170cmと女性では高身長になるものの、当時は背も低いままで伸び悩んでおり、さまざまな逆境があったことも綴られます。それでもバレエを心から愛する気持ちが原動力となり、苦しい瞬間を乗り越え跳ね除けながら目標へ向けて少しずつステップアップしていく姿には勇気やモチベーションをもらえます。 中学生のころから、厳しいレッスンのみならずおやつを控えながら栄養バランスの整った食事をよく咀嚼しながらゆっくり食べ、体のケアを怠らなかったというプロ意識の高さは見習うべきものがあります。 上野さんはたくさんの人々への感謝を口にしながらも、インタビューでは「自分自身の人生は孤独」とも言っています。それは、表現者特有の境地でしょう。しかし、『ボレロ』を踊っているときは孤独でありながらも限りなく自由であるともいいます。それを描き表したシーンも、この作品でも屈指の力の入れ具合ですのでぜひ読んで確かめて欲しいです。後輩×先輩BLちょっと待とうよ、春虎くん あめきり名無し猫目でゲイバレしてトラウマ持ちで常にマスクで顔を隠しちゃってる先輩に後輩がぐいぐいくるBL〜! デフォルメになった時の絵がかわいいです 話も幸せになるし後輩先輩の組み合わせ好きな人には王道なのでおすすめ少年よ、境遇にあらがえ!そして恋もせよ!三番町萩原屋の美人 西炯子starstarstarstarstar_borderママ子西先生の絵の感じって男性も女性も色っぽいんですよねぇ。 時代の変わり目を感じる設定で、亡くなった奥様を「カラクリ」で蘇らせようとする呉服屋のご隠居と、恋愛ごとより理論が気になる理系青年のお話。 着流しのご隠居が、息子より若く美しくこれがまたセクシー。でも時々作画壊れたかなって思うぐらいのアホ顔書かれます。 それなりに巻数出てますがオムニバス形式なので、重くなく読めますね。美男子だらけプリンセス・プリンセス つだみきよ 蔵王大志名無し懐かしい! 友人の部屋で読んだ記憶あります。 男子校で男だらけの環境に癒しを与えるため、美男子が女装する…という今の時代だとちょっと色々問題になりそうな話です。 「ホモ」とか気持ち悪いとかちょっと差別的な表現もあるので今の時代にはそぐわないかも。。 が!今読んでも絵が綺麗だし読みやすくてびっくりしました。もう十数年前に読んだはずなのに! 女顔にもなれる美男子っていいですよね…きっとジャニーズ系。 イケメンで嫌々で女装するんだけど家庭環境が重かったり時にシリアス、時にギャグ。 さらっと読めます。博多弁BL、悪くないタカラのびいどろ[コミックス版] 鈴丸みんた名無し読みました 博多弁BLだ! 絵がうますぎますね 顔が良すぎる攻めと博多弁の純粋無垢すぎる受け ビー玉見たいな目をした学生が泣いていたところ慰めてもらった恩義を忘れず大学まで追いかけてきてしまうピュアさ 綺麗な話、素敵でした社長秘書で潔癖症×心理カウンセラーテンカウント 宝井理人名無し宝井理人作品の中でもわかりやすく美しく、お手本のようにエロいBL。 潔癖症、というのは色々種類がある。 自分の友人にも少し似た癖がある人がいて、自分が汚いという感覚、他人や触れてしまうものを汚してしまうという感覚があり、本作にシンクロするところが強かったらしい。 その話を聞いて初めてまともに読んでみたものの、全6巻があっという間に過ぎていった。とてもよかったです。"恋多きマンガ家"のままならない恋愛を描くコミックエッセイ #1巻応援女×女のうまくいかない恋愛エッセイ parlor 藤生sogor25この作品は恋愛対象が女性である著者の藤生さんが日常のいろいろな場面で遭遇する恋の様子を描くコミックエッセイです。 自らのことを"恋多きマンガ家"という藤生さんが様々な場面で出会うトキメキの数々を、最短で2ページのマンガでテンポよく、でも彼女の恋や人生の核心にある部分は逃さず描いていく作品です。 また、彼女がルームシェアしている"同居人先生"やこの作品の担当編集、彼女の夜遊び友達の先輩など様々な人物が登場し、彼女の恋についてあれやこれや語り合う、そんな様子も楽しい作品です ちなみに前作『えりちゃんちはふつう』を連載していた関係だと思いますが、同時期に楽園で『ろみちゃんの恋、かな?』を連載していた武田春人さんとのエピソードも登場するというちょっとしたサプライズもあります。 1巻まで読了花々が織りなす秀逸なオムニバス #1巻応援星降る花屋 平澤枝里子兎来栄寿流れ星が落ちたある夜から開店した、選ばれた人しか辿り着けない不思議な花屋の物語。 1話ごとに登場するさまざまなキャラクターの悩みや課題が、カトレア、フリージア、アネモネ、チョコレートコスモスといったその人に合った花々を贈られることで解決に導かれていきます。 悩みの内容も恋愛に関することから作家としての悩みまで十人十色ですが、かなり現代的なものも多く、人によっては人一倍共感してしまうキャラクターもいることでしょう。読んだ後はとても優しい気持ちに浸れます。 物語は1話完結の読み切りとしても読めながら、キャラクター同士は連綿と繋がりを持って展開していく構成が巧みで面白いです。 全12話で1冊完結ですが、最後まで読むことで大きな満足感を得られます。 端的に言って、好きな物語でした。人が3人に獣が3匹、魔女の家で過ごすほのぼの日常ファンタジー #1巻応援東の森の魔女の庭 越田うめsogor25ある魔女は森の中の洋館で長い間1人で暮らしていました。 しかし、その魔女の家にいつの間にか1匹の黒猫が寄り付くようになり、 さらに黒猫がいろいろな人や動物を拾ってくるようになり、 気付けば魔女と子供2人、そして獣が3匹という大所帯になっていました。 この作品はそんな魔女の家の日常を描く物語です 魔女の家に住んでいるうちのほとんどが黒猫に"拾われてきた"ということで誰1人として血の繋がりのない3人と3匹なんですが、長年一緒に暮らしているうちに"家族"のような絆が出来上がっています。 そして、1人で暮らしていたときは静寂を好んでいたという魔女も、一見気難しく見えるのですが、"家族"の世話を焼くのにまんざらでもない様子。 そんなほのぼのとした雰囲気に癒やされる作品です。 また、日常を過ごしていく中で各キャラの成長が見られる場面もあり、ほのぼのとした中にもそこにはちゃんと物語がある作品です。 1巻まで読了続きは…続きはまだか!八百夜 那州雪絵さいろく2巻が出てから早1年。 まだ2巻なんだぞ!この物語はきっと長く、深いものになると思う。 不老不死の主人公がふらりと訪れたトオワの国は一体どうなるのか、本当に気になる。 久しぶりに良作を探し当てた気分。 マンバの「フォロー」や「また読みたい」ボタンはこういうときにこそ押すものなんだきっと。仕事とは苦労を笑うもの?ネタも休み休み言え! ~闘うグラフィックデザインの現場~ くつきかずや名無し漫画家でありグラフィックデザイナーでもある作者の くつきかずや先生が、雑誌や広告のグラフィック仕事での 実体験をもとにして描いた、 グラフィックデザイン・エッセイ漫画。 判っているようで実はよく判らない仕事というのが 世の中にはけっこう幾つもあるわけですが、 グラフィックデザインってのもその一つかと。 大まかにいえば編集とか構成とかの仕事なんだろうなあとは 判っていましたが、この漫画をよんで、 かなり大変な仕事なんだな、と判りました。 創作能力、デザインセンスを問われるのはもちろん、 作家やイラストレーターなどの仕事の遅れのしわ寄せを モロに押し付けられる大変な仕事なんだな、と。 そして努力が必ず報われるわけでもないし その逆も、あったりする仕事なんだなあ、と。 一般的なセオリーや王道的な仕事のこなし方はあるけれども、 必ずしもそれが絶対でもなく、結果や評価を出すのが難しい仕事。 そこを自ら漫画家でもある作者が自虐的なストーリーや ゆるい系の作画でグラフィックして(笑) 楽しく読める漫画になっていました。 一周まわったうえで「みんな仕事をがんばろうね!」と 思ってしまう漫画です。 タンスの引き出しがトラウマになるホラーヒキ 南国ばなな名無し※ネタバレを含むクチコミです。人は生きながらロジックツリーを広げてゆく #完結応援ロジックツリー 雁須磨子nyaeテレビでよくやる「大家族モノ」が大の苦手で、ああいう中でどうやって自分を保ちながら生きていけばいいんだと思ってしまうんですが、この漫画の主人公・螢ちゃんという高校生は8人兄弟のど真ん中にいる女の子。雁須磨子さんが描く8人兄弟ですから、個性の強さはもちろんのこともれなく美男美女です。こういう家庭だったらいいかもなとか思ってしまうくらいに。 ただ物語としては大家族ものというよりは、螢ちゃんの成長記といったほうが近いと思います。 大家族という大きな海から一歩外に出てみたら、いろんな人に出会って、いろんな感情を知って、いろんな自分を知ってゆく。最初は「それってどういうこと?」「なんでこうなの?」を繰り返していた螢ちゃんが時間が進むにつれ自分なりの生きるロジックを作り上げてゆく。読んでいてワクワクします。 頭のいい大人達が、壁にぶつかり悩み迷う子どもに、どうせ子どもだしと見捨てるのではなく、ていねいに教え、時には何も言わず見守る様子がよい。そういう意味で嫌な大人が出てこないので安心して読んでほしい。 群像劇っぽさもあるので、決して視点は螢ちゃんだけではなく悩み迷う大人たちも描かれます。柚木くん、お幸せにな…!! いやーでもあれですね、雁須磨子さんが描くちょっと陰気なこじらせ男子がほんとに私は好きですね。読んで一番言いたいことは結局それかもしれない笑 あとこの作品、2015年から連載してていまやっと単行本化されたと知りびっくりして腰抜けたお前のような総理大臣が居るか!世紀末プライムミニスター 影木栄貴ANAGUMADAIGOといえばおじいちゃんが総理大臣で有名ですね。つまりDAIGOのお姉さんである影木栄貴先生もおじいちゃんが総理大臣ということです。 そしてこの『世紀末プライムミニスター』は女子高生が弱冠25歳の総理大臣に街中で一方的に婚約者にされてしまうという漫画。この前情報だけで読みたくなってきませんか? 随所で「お前のような総理大臣が居るか!」と突っ込みたくなってしまいますが、どうも裏話としては影木先生のバックグラウンドが記事になってしまい政治ネタが書きづらくなったという向きもあるようです。そんなわけであくまでファンタジーとして読むのが正しいのでしょう。総理番の記者も官邸付きのSPも全員総理の幼なじみなところとか好きです。 一方でところどころの政治家ネタがその世界の関係者でないと出てこないようなリアリティを持っているのも面白い。イロモノだと思って読み始めたら真面目に日本の未来を憂いていたりして…という具合に終始情報量多めで圧倒されながら読んでしまいました。これが『世紀末プライムミニスター』…。謎の多い和風な世界八百夜 那州雪絵名無し2年位積ん読してたものを読んでみた。ファンタジーで和風な世界で800年生きている不老不死の男・ヤオが主人公。国同士の情勢やなぜ先王が女を皆殺しにしたのかなどとにかく謎が多くてすごく気になる。アケトには幸せになってほしい…。百合は不可解、こんなにも。女の子の設計図 紺野キタあうしぃ@カワイイマンガ紺野キタ先生の百合短編集。四つの物語は新書館の『ひらり、』『ウィングス』と一迅社の『百合姫』より。描かれる感情はいずれも、よく分からない所からやって来る不可解なものだ。 ①『女の子の設計図』…久しぶりに共に暮らす、年子で同学年の姉妹は容姿も性格も全然似ていないが、惹かれていく。恋が生まれ、育まれる様は美しい。なのに恋が生まれる理由は、まるっと欠落していて、それでいて自然。それが二人の、生まれ持ったprogramとでも言う様に。 ②『少年』…上級生から告げられるのは「私の中の少年が、貴女に恋した」という言葉。 当人にもよく分からない恋心と向き合い始める下級生もまた、上級生によく分からない感情を抱く。名も知らぬ感情への怖れと切なさに共感。 ③『wicca』…虐めていた女子と虐められていた女子が、一つ空間に繰り返し閉じ込められる。物語も放棄され、原因の分からない「憎しみ」は何処までも増幅されてから、鎮められる。憎しみの無人島百合は静かな恐怖。 ④『おんなのからだ』…義姉は兄貴と離婚する。恋を確かめ体を重ねる元・義姉妹。あんな兄貴を好きだった義姉、あんな兄貴と同じ好みの妹。どこに惹かれるとかではなく、ただ順番に巡り合った「何となく百合」はそれでも、やっと繋がった幸福がただ尊い。僕が在るべきは、彼岸の国?カナシカナシカ 紺野キタあうしぃ@カワイイマンガこの作品を読み始めて、最初に感じるのは、主人公の少年の「モブ」感。紺野キタ先生のいつもの美少年とは明らかに違う、意志の弱そうな、精気の無い目。主役感に欠けるのだ。 それは読み進めていくと納得いく。確かに少年は、この世に生きる自信に欠けていた。 ★★★★★★ 自分にだけ見える入口、話しかける動物、感じる気配……自分がここにいる事に不信を覚えた時、少年は彼らに導かれ、異界に足を踏み入れる。そこにはいつも側に感じていた、自分の分身の少女がいた。 彼女の存在に納得する少年。本当は自分が彼女の影なのだ、という諦めが悲しい。 あちらの世界は和洋折衷でヘンテコだが、なかなか美しい。不思議な異界の〈女王〉になるよう誘われる少年が、異界から出られない少女と対話し、自分の意思を示す物語は、最後まで切ない。己の居場所を知るための、ごく短い「神隠し」の時間を、惜しみ懐かしがりながら眺めていたい。<<34567>>