ギブギブの悪魔

自己犠牲の強い主人公に強い共感 #1巻応援

ギブギブの悪魔 四ツ原フリコ エイタツ
兎来栄寿
兎来栄寿

刺さる人にはとても深々と刺さりそうです。 競争が嫌いで、自分が得をするために他人を蹴落としたくはない。 自分が得られないことで、他人が得られて幸せになるならそれもまた良い。 小中学生の頃から自己犠牲や譲ることが基軸にあり同級生から「もっと強欲になっていい」と言われて生きてきた私は、かなり深い共感を得た作品です。 常に自分より他人を優先してきて、作曲家崩れのヒモと暮らす女性・ひろ野が、ライトノベル作家・涼と出逢ったことでその考え方や生き方を徐々に変えていく物語です。 本作で、特に印象的だったのはバイト先の後輩である友枝とのエピソード。 ひろ野が慎み深さとは裏腹に「人のために何かをする」という相手の喜びを取り上げているのではないか、という部分は考えさせられました。 相手の好意への遠慮は、語弊を恐れずに言えば相手の好意を摘むこと。遠慮せずに受けた方が良い好意も、世の中にはままあることでしょう。大事なのは、それをしっかり見極められる目を持っておくことでしょうか。 自己評価がとことん低いところも共感してしまうのですが、相手が気に入ったり認めてくれていたりする自分という存在を自分で貶めるということは、相手の考え方をも貶めるということに繋がっています。 謙虚さは、時に自分に優しい者を傷付ける悪魔となってしまう。肝に銘じておきたいです。 程よく笑いも交えながら大事なことをしっかり描いている素敵な作品です。

花恋つらね

同級生でライバルの源介と惣五郎が惹かれ合う

花恋つらね 夏目イサク
るる
るる

とても面白い。 源惣カップル、祖父の代の(決別した) 源惣カップルが実は存在した。 孫の代になって偶然にも源惣が結ばれた。祖父2人がそう決断しないと今の源惣は存在しないわけで何とも複雑。 2人ともこの先家を継ぐ人間になっていくわけで、世襲制が厳しい世界でこのまま子供を作ることなく2人で生きていけるのか、話は面白いけど着地点が見えない。どう解決するんだろう。2人が一緒に幸せになって欲しいからハピエン希望だけど正直言って不安。 9巻読んだ。 2人の間に邪魔入らないのが好き。 仕事がメインになりつつある9巻。 これはきっと思いまで一緒に蘇った源惣カップルの再来となりそう。 ひとまずの区切りに向けてってことだけど、 やっぱり跡取り問題が気になる。 2人に傷ついて欲しくないよ。 10巻完結。 後継問題はオープンのまま終了。 でも周りはこのまま静観する、2人の意思に任せる方向になった。 養子の選択肢もある。(と話題に出ただけでも進歩) 2人の与三郎とお富を見た菊右衛門さん、自分の代の源惣コンビの再現を見たようで嬉しかっただろうなーと涙出た。 なにが正しかったんだろう。 寿一郎さんと貫く選択だったらと思い、でもそうすると今の源惣コンビは存在しない。 せめて最後に一度2人で舞台に立ってて欲しかった。 でもそれも全て今の源介と惣五郎が叶えてくれるだろうな。

息もできないほど

途中まで好きだっただけに3作目の拒絶で読み返せなくなった。

息もできないほど 天咲吉実
るる
るる

「息もできないほど」シリーズ1作目。 とても良かったー! 加賀くんの過去が悲惨で泣いてしまった。 (まあ最初は問題アリだけど)長年の片思いが実った。 玲也も「息もできないほどメチャクチャに愛されてる」ね。 「瞬きもできないほど」シリーズ2作目。 今回は凛太郎が自分のトラウマと向き合う巻。 当時はあの香水の中、虐/待の言葉に1人で耐えなければならなかったけど、 今は玲也が側にいて見つめてくれて必要としてくれて愛してくれる、あの頃とは違う。 もらい泣きしてしまった。 「キスじゃ足りないほど」シリーズ3作目。 今回は無理。いや、話も凛太郎と玲也も好き。 だけど拉致からのギリ救出であって欲しかった。 玲也が性犯罪の犠牲になる手前だったら良かったけどそれ以上は行き過ぎ。 読むに堪えなかった。 「恋に囚われたいほど」シリーズ4作目、最終巻。 シリーズが終わってしまった。 恋愛を知らなかった玲也がここでドス黒い嫉妬を初経験。 どの巻も何かしら問題が起こるけど、この2人がひたすら溺愛執着してる1冊も欲しかったな。 3作目のせいで読み返したくないシリーズになってしまった。 それくらいあのパートが無理。