「銀の匙」の原体験的な作品
百姓貴族 荒川弘
『銀の匙』の著者であり、『銀の匙』→本作という流れで読んだ身としては、漫画がリアルになった感じです。
『銀の匙』のエピソードって一部脚色ありのフィクションかな?程度で読んでいたのですが、どっこい、本作を読むとリアルのほうがもっとキツイ&生々しいのにたまげました。
あ、あの話マジなんだ
と、謎の説得力が増す。
そんな副読本として読んでも面白い作品でした。
農業、畜産の過酷さ。
特に、家畜を動物ではなく食料としてとらえて処理していく姿は、そんな感情はエゴだとわかっていても、胸にクルものがある。
時に面白おかしく、あっさりと書いているけど、だからこそ、読んでいて行間に残るものがある。
ただ切々滔々と農業の過酷さやエグさを語られるよりも、よっぽど残る。
普段の食卓にのる食材はすべて、農家の方々のおかげなんだとあらためて感謝したくなる、そんな本でした。
読みやすいし、小さい子供の食育にもいいんじゃないか?と思いました。