KADOKAWAマンガの感想・レビュー2722件<<678910>>本屋さんのあれやこれやを描いたドタバタお仕事系作品 #1巻応援まちの本屋の御書山さん いずみせらカワセミ㌠図書館で働く司書さん達や紙や本等の印刷物を扱う印刷業界作品等最近本や紙に携わるお仕事系作品が増えあの人達はこんな仕事をしている・こんなトラブルやあるあるに対して奮闘しているんだと言う姿への理解や関心が高まって来ていますが、その例に漏れず本作品も大変素晴らしいお仕事系作品に仕上がっており中々に楽しめましたね そんな本作ですが、ざっくり説明しますととある感情的トラブルが原因で漫画本を汚してしまいその本の弁償をするべく大学生主人公が本屋を訪れ、本とは漫画本とは何たるかをとある書店員さんから説かれ感銘を受けた結果その本屋さんで働く事を決意した所から物語が始まります そして本や読者や同僚への思いやりや苦労からなる主人公の心境の変化は勿論ですが、書店員さんの仕事内容のリアルさ・多忙さや実りある成果から来る楽しさに加え、個性豊かな登場人物が生き生きとしたキャラクター性等他のお仕事系作品にも通ずるストーリー性や見せ方がしっかりと練られておりこう言った素晴らしいお仕事系作品がまた1つ増えた喜びを強く実感できましたので気になって方は一度読まれてはいかがでしょうか?一難去ってまた一難な離島日常系作品 #1巻応援今日からここで暮らシマす!? 樋渡りんカワセミ㌠落ち着いた雰囲気や細かな職人技からなる時計修理を生業とした名作【冠さんの時計工房】で有名な樋渡りん先生の新作が始まり遂に単行本が発売したので感想を書いていこうと思います まずこの作品のストーリー内容ですが、高校卒業後伊豆諸島の青ヶ島(有名なあの八丈島から更に南にある島)へと遥々やって来た主人公が慣れぬ離島生活に一喜一憂しながらも懸命かつゆったりとした生活をしていくと言うのが大まかなストーリー内容ですが、離島ならではの強風や大雨の影響からなるヘリ+船の欠航や大自然の魅力溢れる島の雰囲気を描いた日常の描写1つ1つが凄く丁寧に描かれており良い事も悪い事も含めたこれぞ離島日常作品だと言わんばかりの素晴らしい作品に仕上がっており、久しぶりに樋渡先生の新作が読めて大変満足出来たと強く実感しましたね 衝撃の冒頭だけじゃないお見合いにすごいコミュ症が来た 矢野としたかstarstarstarstar_borderstar_borderalank話題の冒頭は、確かに衝撃でひとコマで吹きました。がそれだけじゃない内容です。なんなら伊丹がコミュ症なんじゃないか?と思いながら読んでます。二人ともピュアな感じでかわいい恋愛模様。若者の初々しい恋愛兄貴の友達 はなげのまいstarstarstarstarstar_borderるる最初は世界観がちょっと苦手だった。 柿本くんもゆうやもよく分からんなーと思ってた。 そして同性愛でもこんなにオープンなの?ってことも驚いた。 どこででもイチャついてるけど偏見描写が無い。 でもそんな雰囲気を読んでいるうちに弟特有のゆうやの可愛さだったり、カッコつけてるけど不器用で間違った愛情表現ばかりしてゆうやを傷つけちゃう柿本くんとか、若い初々しさがあってとても良かった。 (個人的には高良くんが好き😻 そしてどうも舞台が地元近辺かもしれないw) 社会人+大学生の続編も楽しみ😊 まったり?島ライフ今日からここで暮らシマす!? 樋渡りん六文銭伊豆諸島南部の青ヶ島に引っ越してきた、高校卒業したての少女が主人公。 まず、どこだ?と興味本位で調べみたが、 東京から飛行機で八丈島にいきソコからヘリで20分(ヘリ!?) もしくは、 船で八丈島までいき、ソコから乗り継いで合計13時間 しかも、天候や海の状況によっては上陸が困難になるというから、なかなかにハードな場所だということがわかる。 そして、日本一人口が少ないのも特徴。 さて、そんな島での生活だが・・・ 「絶海の孤島」という地形から自然の脅威をもろにうけて、思い描いていたまったり島ライフとは無縁な感じ。 そんなところで若い娘が生活していくというのだからすごい。 そのあたり、良いところだけ描いている感じじゃないのが、リアリティがあって個人的に好感がもてます。 数日の観光ではなく、住むとなったら色々不便になるだろうなと思いながら読むのも一興。 自分の環境が恵まれていることを痛感しますね。 また、島民の人たちとのやり取りや、豊かな自然の描写が読んでいて小気味よい作品です。 現実に疲れたらぜひ本作の過酷な島ライフを読んで、どこも大変なんだと思いなおしてください。ベランダ女どころか全員やばい!ベランダに潜む裸の女 妹に夫も人生も奪われました サレ妻サヤカポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。コメのセンスが良すぎるラブコメ #1巻応援星の謳歌 りべるむstarstarstarstarstar兎来栄寿『三十路とレディ』や『そうしそうあい』のりべるむさん最新作。 たまにいらっしゃるんですよね。ただの日常会話だけを延々と描いていてもひたすら面白いという類稀なセンスをお持ちの方が。りべるむさんは正にそうです。 本作は、都会で青春を謳歌していた女子高生の星野逢架が両親の離婚により田舎の祖父の家で暮らすことになり新たな学校生活をスタートしていく物語。 スタバもアイスクリームショップもなく、制服もダサく、ショッピングするには3駅離れたところまで行かねばならない土地でやっていけるのか。不安に駆られる逢架ですが、幸いにしてどんどんと友達ができていきます。 この友達たちが皆キャラが濃く、楽しいわちゃわちゃ感にまみれます。 目がぱっちりしてかわいい白石夏鈴は、一人称「かりん」。優しくて明るいけどドジで、一緒にいると水難に遭いやすい。 尾崎天真(てんま)は初対面で「胸鎖乳突筋が素敵だね」と言ってくる変態。自称「人のいいところに気づける才能」。 関岡山登は名前に反して海が好き。小学生のころに学校に生えてる木の実を全部食べても何ともない強靭な胃腸持ち。道に落ちてるピザは食べるし「マーマレードおにぎり」や「そばレタスおにぎり」、「たくあんレーズンサンド」など奇妙なものをよく食べている。 古川実智加(さねちか)は、動物が寄ってくるディ◯ニープリンセスのような体質。水族館に行くとスナメリに求愛されるレベル。人の色恋沙汰が好き。 松枝十夢(トム)は、逢架から見てもイケメン。顔面国宝だけれど、顔が浮腫むと美術工芸品くらい。 生活委員の牧野千由紀さんは真面目な普通の子で、この面子の中にあってはひと匙の清涼剤的存在です。 この愉快な仲間たちが、ただ駄弁ってるだけで既に面白くてずっと読んでいたくなります。 「見てみこのほどよい腓腹筋及びアキレス腱と覗くヒラメ筋」 「わかんないけど今イギリスの正式名称言った?」 とか 「出た食物連鎖の頂点としての自覚ある態度」 などのような、どこから出てくるのだろうと思うような面白いセリフの数々は中毒性があります。 制服アレンジによる教師との攻防など女子高生あるあるも散りばめられており、人によっては懐かしく思ったり共感したりすることでしょう。 コメディ色は強いですが、逢架と祖父の心温まる交流であったり、かりんの訳アリ感やそれを陰ながら支えていそうな天真であったり、ハートフルな部分も見え隠れしておりそこも美点です。 そしてラブコメのラブの部分もばっちりで、コメが強いこともあって落差でキュンがまた引き立っているようにも感じました。見ていて幸せになる組み合わせなので、掛け合い漫才をしながら仲睦まじい姿をずっと見せて欲しいです。 総じて大好きな作品で、2024年のラブコメでは一押しです。 キャラ絵可愛すぎません?世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する 皇ハマオ 月夜涙 れい亜starstarstarstarstar_border宮っしぃ個人的に皇ハマオ先生好きなんですよね、君あるとかマジ恋の漫画とか好きでした 生前は最強の暗殺者だった主人公は、転生先で勇者を暗殺するためにスキルを神からもらって転生 転生先の異世界で暗殺者として成長していき、仲間とともに冒険したり、勇者暗殺のための情報収集や資金繰りで商売したりなどなど、色々な要素もりもりで飽きずに楽しめる そして、とにかく女性キャラクターが可愛いです 何というか世代なのか分かりませんが、昔の美少女ゲームを連想しそうなというか... 個人的に推せる漫画家というのもありますが、異世界ファンタジーとしてもしっかりボリュームある内容で、バトルに冒険にお色気にコメディなどなど、昨今の異世界転生ものの中でもクオリティ高い良作なのでオススメです対魔王軍、最終兵器「異世界から勇者召喚」治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 九我山レキ くろかた KEG KeG KeGstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ回復魔法を使って、肉体を無理やり鍛え上げて(物理)、戦場で逃げて走り回って負傷兵を助けて、まるでゾンビのように倒れた兵士を次々と復活させる役にする。魔力の続く限り。 なるほど、その手があったかと思ったものの、読んでみるとそんな芸当ができるのは一人だけらしい。 いるのかよ! 逃げ回るだけでなく、戦えるようになっちゃえば?と思うものの、鍛え方がまた別になるんだろう。突貫工事は逃げて、走って、助けるほう。 巻きこまれ召喚されて、意外と性に合った先に配属されて生き生きとした主人公は楽しそう。 せっかくできたお友達と離れてしまったのはさみしいけれど、10代半ばの学生に世界を救ってくれと話す王様もどうかと思うけれど、それ拉致ですよねだけど、元の世界に戻れるかもわからない困った状況だけれど。 タイトルの前提以外は「小説家になろう」あるあるが詰め込まれているけれど、このまま出落ちにはならないよう、さらなる「間違った使い方」の展開を期待して読んでいる。絡み合い重なり合う群像百合 #1巻応援私の女神が今日も推せる ~これからも、いつまでも~ 川内兎来栄寿昨年、電子書籍のみで発刊された百合オムニバスがこの度新装版となり再構成されて紙・電子で発売となりました。 1話だけ切り取ってみても相当に満足度の高い百合短編が、相互に絡み合う群像劇として連作短編で読めるこの幸福感。 嘉神さんへの好意がクラスメイトにバレてしまい本人にまで伝わって困惑する大宮さん。 隣の席にいる多賀さんが逆隣にいる諏訪さんに向ける強い視線に気づいている、大宮さんの友人の匙本さん。 同じ塾に通う1位と2位で、それぞれの学校では1位の「最強」を目指す澄海(すみ)と尊(みこと)。 おのおの異なるさまざまな関係性から生じるストーリーは、それぞれに魅力的で胸を高鳴らせてくれます。 個人的には傍観者としても当事者になった瞬間も完璧な匙本さん、好きです。 西大路かれんさんはもっと好きです。 最初は高校生同士として出逢って絆を育みだした彼女たちの、その先の物語が描かれるのも味わい深いところです。共に過ごした時が積み重なるからこそ生まれる酸いや甘い。感情や、振る舞いに凝縮されたものが百合好きを幸せにしてくれます。 帯を缶乃さんが書かれているのもむべなるかな。百合好きの方はマストバイです。 話し重た...回復術士のやり直し 羽賀ソウケン 月夜涙 しおこんぶstarstarstarstarstar_border宮っしぃ勇者の1人として旅に出た主人公は回復術師という不遇と言われた職業で、他の勇者達に薬を飲まされ奴隷の様に扱われ、殴られては無理矢理男に犯されたり残飯食わされたりなとなど、かなり虐待を受けていた ふとした時に毒物耐性のスキルを得て薬の中毒から脱却 復讐を誓って魔王戦で手に入れた賢者の石を使って時を巻き戻して人生やり直しを図るお話 なんですけど、登場人物はほぼ全員クズ、主人公もかなりのクズ、まともな奴があまりいなく胸糞悪くなるキャラばっか それでもしっかりと物語が骨太でファンタジー作品としても楽しめ、復讐との仲間たちとの葛藤など主人公の成長や改心も見え隠れするなど、異世界ファンタジーの中でもかなり楽しめる要素がもりもりです ただ全員胸糞悪いクズばっかなので、あまりそういうのが好きじゃない人にはオススメできません 耐性ある人は楽しめると思いますよよく食べよく飲みよく働くランチ酒 高田サンコ 原田ひ香starstarstarstarstar_border野愛頼まれたワンちゃんや赤ちゃんやおばあちゃんを一晩中見守って、仕事終わりにランチ酒。 大変なお仕事だし、手放しでいいなあとは言えないけれど明るいうちから飲んであとは寝るだけって気持ちいいだろうなあ。 見守り屋さんとして働くバツイチでアラサーの犬森さんが気持ちよく働いて気持ちよく酒と飯を楽しむお話。 毎日を楽しんで生きる犬森さんだけど、何かしら抱えてそうな雰囲気もある。そんな彼女だからこそ、お客さんも心を開いて見守りを頼めるのかもしれない。 定食や丼やハンバーガーといったボリュームあるランチに日本酒やビールを合わせる豪胆さも素敵。 よく食べよく飲みよく働く、見習いたいものです。 酒漫画としてもお仕事漫画としても楽しめる、大人に読んでほしい作品です。ある意味では、ふつうの話。甘い沼は地獄の味がする ゆいじ ミカンポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。 ちゃんとホラー天井裏に誰かがいる サイトウマド名無しサイコホラーかとおもいきや、ちゃんと幽霊でてくる。3話で終了みたいだが、このキャラクターや設定は奥が深そうなのでもっと読んでみたい。BAMBiBAMBi カネコアツシshoiroカネコアツシはじめての連載漫画。バイオレンスなロードムービー。普通銀河の死なない子供たちへ 施川ユウキ名無し色んな情報源で名作と言われていて読んでみたが、面白くないわけではない程度でした。 まずこれから読んでみたけども…いましろたかし傑作短編集 いましろたかしかしここの春はいましろたかし作品をとにかく読もう!と思い立ったので、まずこれを手にしてみましたが、一番最初に読むべきなのはこれじゃなかったかもな〜と思いました。取り留めがなさすぎると感じてしまった。勉強不足です。もっといましろ作品を読み込んでいかなければ…。「勇者、刑に処す」かと思ったら、「勇者刑に、処す」だった。勇者刑に処す 井上菜摘 ロケット商会 めふぃすとstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ勇者とは罰に値する生き方らしい。 たしかに、そうかもしれない。 勇者と言わず、ヒーローはそういうものかもしれない。 普通に生きたいよね、みんな。 敵にミンチにされて、肉片集めてまた復活させられて戦って、なんて嫌よね。 死刑より強い罰なので、勇者刑に処せられていると知られると皆反応が良くない。 さらに死刑より強い罰なので、ろくでもない奴らばかりが出てくる。 主人公が真っ当な、いわゆる勇者に見えるのは、周りがろくでもなさ過ぎるからだろうか。 そして13番目の女神がかわいい。 承認欲求の塊が女の子の姿になると、こんなにかわいいのか。 アニメ化予定でおもしろいよ、とのことで読んでみたら、設定がなかなかおもしろく、キャラクターたちもおもしろい。 原作を一気読みしちゃおうかしら。今後にめっちゃ期待お見合いにすごいコミュ症が来た 矢野としたかstarstarstarstarstar_border宮っしぃうだつのあがらない主人公の男性は婚活しても失敗に 次ぐ失敗 色々と相談所で話した結果は上手くいかず、社内の部下の女性の紹介でその友達と会うことに 友達はコミュ障らしく、待ち合わせ場所にいったら虚無僧がいた、というお話 初手からかなり独特で迫力ある掴みで、ラブコメとして新しすぎるかなり斬新な作品 実際の虚無僧の中身は読んでお楽しみですが、掴みもバッチリ、物語まラブコメとして楽しいしと、今後にかなり期待できる良作でした 個人的に隠れた秀作世界の果てで愛ましょうシリーズ 武田すんstarstarstarstarstar_border宮っしぃ当時武田すん先生の本に出会い、人生初めてのTS物を知りかなり楽しめた記憶がありました 当時だとあまり無かった?TS物で、異世界の王子を救った女の子っぽい主人公兼ヒロインは、王子に見初められてTS薬を飲まされ女の子に変身 周りのキャラ達とのドタバタコメディや、王子に気持ちが傾いていく元男の子の主人公のラブコメなどなど、コメディ色強めで、でもちょっとエッチな要素もあってなお話 ただ合間に入る王子同士の冷酷な権力争いなど、重い話もありつつ、それでも最後で綺麗にラブコメを貫いてくれたのが印象的だった 結構古い作品ですが、今なお楽しめた良作ですので、未読の方はオススメです青 オールー青 オールー 羽生生純starstarstarstarstar_border寸々漫画家と編集者が沖縄を舞台にヤクザと殺しを繰り広げる話…なのだが、途中でこれ漫画家と編集者の設定いる?と感じ始めた頃にどんどん「フィクションである漫画とノンフィクションである人生」や「物語の幕引き」みたいな話になっていき、漫画家が自分の人生にオチを付けに行くメタ的な話になっていくのが凄まじい。 全編通してドライブ感があって先が読めない展開が続くが、線子とかいう最強ババア殺し屋の存在が強烈。殺し屋史に残る殺し屋なのでは。YouTube発のラブコメが漫画化!一軍男子は恋してる 本田もなか名無し元ネタ(原作?)の知らなかったですが、もしかして動画の制作者と漫画の作者、同じ方ですか!?今までずっと漫画描いてきたかのような雰囲気だったので、それに一番驚きでした。動画も見たいですが、ネタバレしたくないので悩んでます。 るろうに剣心×ドラクエ? 主人公は少女異世界サムライ 齋藤勁吾名無し表紙が好みだったので、何の情報もなく表紙買い。 最新刊まで読みましたが、どこかで見た事のある感じが多数ありました。色んな剣豪と戦うのかなと思いきや違いました。個人的には最強の剣士のるろうに剣心とファンタジーのドラクエをかけた様な感じがしました。 今現在の内容の評価としては普通です。絵は好きです。これからの展開次第で化けるかどうかです。モデルを持たない僕達の、たとえ稚拙な芝居でも…機動戦士ガンダム THE ORIGIN 安彦良和 矢立肇 富野由悠季 大河原邦男starstarstarstarstar阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)2024年3月17日 「また、死ぬよ!」(伝説の大根役者ロバート・コーツの「迷演技」,リーダーズダイジェスト『世界不思議物語』より引用) 安彦良和による表情がコミカルでいいんだけど、一年戦争後期のギレンとかシャアが中々しやがらないんだ、これが。仏頂面や一物抱えた薄笑いばっかりでさも自分等をアレクサンダー大王やナポレオンと思ってるんだろうね。あの芝居がかった態度は。それが大変不気味であるんだが、不気味ゆえに彼らは強い。彼らの心持はナポレオン、カエサルであるからだ、英雄は容赦を知らない、それ故負けも知らない。 それに比べるとホワイトベースの乗組員はケツの青いひよっこもイイとこ。たかが仲間が将軍を尻に敷くと言う粗相をした程度で目を丸くして開いた口が閉まらない。彼らの振る舞いもまた芝居がかってるが、ギレンやシャアと違ってそこには英雄を憑依させた凄みなんか無い。あるのは一身上の苦悩と戦場での生の証を立てようと足掻く青臭さ、それだけだ。 然し、彼らはハムレットやヒットラーを憑依させて何かしらの大物になろうとしているシャアやギレンと違って自分を生きている。彼らが英雄にのめり込み過ぎて自分でも何でもない暴力の化身になり果てているのに対し、ホワイトベースの乗組員はちっぽけな自分でしかないが、それを貫徹していく最中に英雄に届かなくても何かしら自分を語るヒストリーを身に着けた。詰り立場は逆転したのだ、余りにも豊かな教養とバックボーンにより得た資格で歴史に寄り過ぎた男たちは、逆説的に歴史の中での自分の立ち位置を忘れて骸か神か以外の自分の存在を忘却した。これは結局誰よりも歴史と己の対比に自覚的であり、メタ的にシャアやギレンの思想的師となっていたマ・クベが結局不出来な部下一人教育できず、歴史のダイナミズムを意識したアムロたちに敗北を喫した(『アムロ0082』)姿を見ても窺えよう。 『ガンダム』は45年続くロングランのシリーズだ。その中で築き上げられた設定や歴史はとてつもなく膨大で長くそれを専ら漁るファンも大勢いる。然しそのような流れの中に於て『THE ORIGIN』はフラットな設定に紐づいた歴史に異を唱えるように、そこでの「健全なダイナミズム」を描き出す。勿論、これは安彦良和の一存の作品であり、とても「粛清」の域に至らないのであるが、それでよいではないか(安彦もそこまで考えてはいない)。 結局、こういう作品が打切にならず大団円を迎えた辺りに「ガンダム」は恵まれた作品であり、我々はそれを盲信の観念を払拭して健全に引き継がねばならない。これは『ガンダム』の意匠を用いた歴史漫画であり、この歴史に『ガンダム』が含まれているとの告白だろう。 P.S: 或いはジオンが、事故演出家した歴史とするなら彼らはヨーロッパで、逆に自分を規定する歴史を持たず力で押しがちな連邦はアメリカなのかもしれない。然し少なくとも作品の後者には、己を語る語彙を得ようとするチャンスがあるのだ。作品ラストにジオンの残党が連邦で再就職するオチは「何物でもない」余地、ナポレオンでもヒットラーでもないモデルをさがす余地をアメリカに求めた隠喩なのかもしれない。これは余談の通り、根拠の無いトンチキ歴史観だ。忘れてくれて結構。<<678910>>
図書館で働く司書さん達や紙や本等の印刷物を扱う印刷業界作品等最近本や紙に携わるお仕事系作品が増えあの人達はこんな仕事をしている・こんなトラブルやあるあるに対して奮闘しているんだと言う姿への理解や関心が高まって来ていますが、その例に漏れず本作品も大変素晴らしいお仕事系作品に仕上がっており中々に楽しめましたね そんな本作ですが、ざっくり説明しますととある感情的トラブルが原因で漫画本を汚してしまいその本の弁償をするべく大学生主人公が本屋を訪れ、本とは漫画本とは何たるかをとある書店員さんから説かれ感銘を受けた結果その本屋さんで働く事を決意した所から物語が始まります そして本や読者や同僚への思いやりや苦労からなる主人公の心境の変化は勿論ですが、書店員さんの仕事内容のリアルさ・多忙さや実りある成果から来る楽しさに加え、個性豊かな登場人物が生き生きとしたキャラクター性等他のお仕事系作品にも通ずるストーリー性や見せ方がしっかりと練られておりこう言った素晴らしいお仕事系作品がまた1つ増えた喜びを強く実感できましたので気になって方は一度読まれてはいかがでしょうか?