落ち着いた雰囲気や細かな職人技からなる時計修理を生業とした名作【冠さんの時計工房】で有名な樋渡りん先生の新作が始まり遂に単行本が発売したので感想を書いていこうと思います

まずこの作品のストーリー内容ですが、高校卒業後伊豆諸島の青ヶ島(有名なあの八丈島から更に南にある島)へと遥々やって来た主人公が慣れぬ離島生活に一喜一憂しながらも懸命かつゆったりとした生活をしていくと言うのが大まかなストーリー内容ですが、離島ならではの強風や大雨の影響からなるヘリ+船の欠航や大自然の魅力溢れる島の雰囲気を描いた日常の描写1つ1つが凄く丁寧に描かれており良い事も悪い事も含めたこれぞ離島日常作品だと言わんばかりの素晴らしい作品に仕上がっており、久しぶりに樋渡先生の新作が読めて大変満足出来たと強く実感しましたね

読みたい
一難去ってまた一難な離島日常系作品 #1巻応援にコメントする
今日からここで暮らシマす!?
まったり?島ライフ
今日からここで暮らシマす!? 樋渡りん
六文銭
六文銭
伊豆諸島南部の青ヶ島に引っ越してきた、高校卒業したての少女が主人公。 まず、どこだ?と興味本位で調べみたが、 東京から飛行機で八丈島にいきソコからヘリで20分(ヘリ!?) もしくは、 船で八丈島までいき、ソコから乗り継いで合計13時間 しかも、天候や海の状況によっては上陸が困難になるというから、なかなかにハードな場所だということがわかる。 そして、日本一人口が少ないのも特徴。 さて、そんな島での生活だが・・・ 「絶海の孤島」という地形から自然の脅威をもろにうけて、思い描いていたまったり島ライフとは無縁な感じ。 そんなところで若い娘が生活していくというのだからすごい。 そのあたり、良いところだけ描いている感じじゃないのが、リアリティがあって個人的に好感がもてます。 数日の観光ではなく、住むとなったら色々不便になるだろうなと思いながら読むのも一興。 自分の環境が恵まれていることを痛感しますね。 また、島民の人たちとのやり取りや、豊かな自然の描写が読んでいて小気味よい作品です。 現実に疲れたらぜひ本作の過酷な島ライフを読んで、どこも大変なんだと思いなおしてください。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
何度読み返しても面白いクロボンシリーズ屈指の神作品 #完結応援
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
カワセミ㌠
カワセミ㌠
前作にあたる【機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人】から約17年後のUC:153が舞台となっており、あのVガンダムと同時間軸の作品が誕生した事により ・Vガン本編とどう絡ませるのか? ・一応は完結したクロボンシリーズをどう復活させるのか? ・あの名作鋼鉄の7人のハードルを前にどんな作品を見せてくれるのか? 等読む前から様々な疑問や不安そして期待を持たれたガノタや長谷川先生ファンは多かったかと思いますが読めば読む程 ①Vガンダム要素(ザンスカール帝国の組織図やゾロ系MSの魅力に加えリガミリティアとの関わり合い)の取り入れ方 ②再建した木星圏ならびに新主人公フォント君の人間臭さや兄貴分カーティスさん等各陣営キャラの魅せ方の素晴らしさ ③無印~鋼鉄の敷居の広さを活かした旧陣営キャラの再登場やMS類の発展や海賊らしい戦法や武装等読めば読む程ファンが感動や脱帽する場面の嵐が巻き起こる 等々これでもかと言わんばかりの長谷川先生が送る熱量や画力が展開され様々な考えていた感じた気持ちを良い意味で覆した神作品に仕上がっている神作品だと強く実感した作品なんですよね
解体屋ゲン
これぞ、お仕事系のお手本と言っても過言ではない知る人ぞ知る神作品
解体屋ゲン
カワセミ㌠
カワセミ㌠
「派手な発破や重機をガチガチに使った珍しいお仕事系作品」 「あるあるネタからトレンドや風刺ネタに加え異世界ネタまでありとあらゆる引き出しが用意された圧倒的ボリューム」 「稀に一冊辺り5~11円で買える破格の大セールを仕掛けてくるメチャクチャな作品」 etc……… 調べれば調べる程気になって来る情報しかない上に丁度11円セールが始まっていたので既巻100巻を購入し、最近は解体屋ゲンばかり読み進んでおりましたが上記の情報に偽り無しと強く実感した神作品でしたね そんな神作品をざっくり説明しますと日本では珍しい爆薬を使った発破解体等を生業とする主人公:朝倉巌【通称解体屋ゲン】が様々な建築物や大自然はたまた黒い噂のある大企業等々を相手に奮闘するお仕事系作品になりますが、どの物語も練りに練られた内容に仕上がっており ・同僚や仲間との成長やすれ違いや恋愛事情からなるエピソード ・主人公ゲンの過去や知識力から生まれた奥深いエピソード ・財政や地方特有+人には言えない程の事情を抱えた問題絡みのエピソード ・談合や違法な取引等を汚職まみれの企業を相手に死闘を繰り広げるエピソード ・この仕事をしていて良かったと思わせる涙無しには語れない心暖まるエピソードetc… 読めば読む程お仕事系のお手本と言わんばかりのエピソードが盛りだくさんとなっておりますので少しでも気になった方は大セール期間問わずご購入されてはいかがでしょうか?
女騎士とケモミミの子
魅力が溢れ刺さりに刺さりまくった話題の百合ファンタジー作品 #1巻応援
女騎士とケモミミの子
カワセミ㌠
カワセミ㌠
この物語はガチガチの鎧を身に纏った女騎士【オリビア】とその女騎士の弟子にして獣人の【ノア】の二人が共に成長し絆を深めていく旅路を描いた物語となっておりますがその1つ1つの描写や書き込みの情報量に加え独特なファンタジー世界の設定がTwitterやpixiv等で話題となり書籍化まで果たした話題の作品なんですよね そんな作品の特徴としまして普通のファンタジーや百合作品とは一味も二味も違った点が多く ・鎧や甲冑の重装備のガチガチの騎士や中世要素 ・獣人×年のさ×主従等の百合要素の塊 ・禍々しい魔物や独特な生き物達がいる広大な世界観 ・二人の心暖まる日常回や営みの数々 ・2刀流の構えが岸田◯ル先生のあの構え etc… と言った数々の要素が混ざりありながらもどれもが洗練されたシーンと呼べる程の高水準となっております そんな神作品を私は書籍化になる前の頃からSNS上で齧り付くようにイラストを拝見していましたが改めて1話1話を手に取って読むと鍛練や日々の営みと言った日常回は尊くも百合に彩られ、禍々しい魔物と戦う様や剣術の動きやアクションや独特なファンタジーの世界観に至るまで何もかもが素晴らしい完成度を誇っていると再認識した作品となっておりますので皆さんも一度手に取って読まれてはいかがでしょうか?
ポラリスは消えない
歪んだ愛×夢×嘘から始まる異色アイドル系作品 #1巻応援 #マンバ読書会
ポラリスは消えない
カワセミ㌠
カワセミ㌠
グループ名:ポラリスに所属していたセンターの"但馬ソラ"が亡くなり崇拝していた彼女が人々の記憶から忘れさられていく事に疑問を覚えていた主人公の【橘ミズウミ】はそのアイドルになりますし人々に己の歪んだ愛や夢を世間に動画としてアピールする所から物語は始まりますが、今まで読んできたアイドル系作品のストーリーとは全く違い予想外のストーリー展開や異質なまでの主人公の行動の数々にただひたすら圧倒された作品だと強く実感しましたね そんな主人公や物語ですがそこに加え、物事や他人の感情には無関心で自身の人生に退屈し、とある変わった悪癖を持った同級生の【郡山レンジュ】の存在が作品の面白さに拍車をかけているのも大きな要因でしたね そのミズウミのなりますし動画や悪癖が原因で起こったアクシデントによりレンジュ自身もこの騒動に巻き込まれて行きますが彼の言動や心境等も中々に歪んでおりそんな似た者同士の二人が魅せて行くストーリーや読者や世間に対する問いかけや疑問に考えさせられた作品でもあり続きが気になり過ぎて仕方なかった作品で皆さんも是非一読してみてはいかがでしょうか?
いま、インドによばれて
新天地インドで生きたいように生きていく #1巻応援
いま、インドによばれて
兎来栄寿
兎来栄寿
宮川千賀 現在、世界で最も人口の多い国はどこでしょうか? 中国。 と言えたのは去年までの話で、2024年現在はインドが中国を抜いて1位となっています。数学に強い国民性もあり、今後インドから超巨大IT企業も続々と誕生していくのではないかと期待されています。私自身もインドの将来性に期待して少しばかり投資をしていたりもします。 本作は、そんなインドに恋人の都合で連れてこられた漫画家志望だけど、28歳フリーターのなつめの物語。 なつめの彼氏は、なまじ稼ぎが良い出世頭なだけに、なかなか芽の出ないなつめに対して家事を無意識的に強要してしまう前時代的な価値観の持ち主。 もやもやとした感情が蓄積していたところにアニメやマンガが好きで日本語を覚え、タクシードライバーとして働いているルビーとの出逢いが彼女の人生に大きな転機をもたらしていきます。 「女だから」という理由で未来を閉ざされてしまい、自分が本当にやりたいことをやれない悩みや辛さは万国共通。日本にいると自由奔放に見える国であっても、蓋を開けて見ると思いもよらないきつい縛りがあったりします。まだまだ古い価値観の残るインドでは、女性の権利や立場は今後の変化に期待するところも大きいです。 中盤で登場するアニメ制作会社のCEOビジャヤや、インド在住25年目のさつきらもまた社会において女性であることから抑圧を受けてきた者たち。そうした逆境に立ち向かって戦ってきた彼女たちの姿に勇気づけられる人も多いことでしょう。女性はもちろんですが、さまざまな理不尽を押し付けられてきた人は共感できるのではないでしょうか。 インドマンガとしても楽しめる部分がたくさんあります。 先日、『地元最高!』の作者の方がガンジス川に入って倒れたというニュースがありますが、作中にまさにこれではないかという描写が登場します(お大事にして続きを描いていただきたいです)。 またチャパティを使った家庭料理を作るシーンや、盛大に行う結婚式での写真など文化を感じられれるところもあれば、世界遺産のタージマハルにまつわるエピソードも印象的でした。クトゥブ・ミナールやアグラセン・キ・バオリなどの名所、インドのアニメ・マンガイベントの「デリーコミコン」なども行ってみたくなりました。 前を向きモチベーションをもらえる本筋と、濃厚なインドの香が立ち上るような描写が上手く融合している作品です。
あのときのこどもさん
ノストラダムス、ビーダマン、ミニ四駆、エスパークス…… #1巻応援
あのときのこどもさん
兎来栄寿
兎来栄寿
1990年代に子供時代を過ごした30代にダイレクトクリティカルヒットする、筆者のカメントツさんが幼いころの思い出を描いた作品です。 ノストラダムスの大予言、恐怖の大王、流行りましたよね。『MMR』などによって極限まで終末の恐怖を煽られていた私も多分に漏れず、世界の終末がどのように訪れるのか戦々恐々としていました。今考えると、人間がいかに踊らされやすい生き物か解る事例であると思います。 ビーダマンも流行っていましたね。カメントツさんによる「なぜビーダマンが流行ったのか? それは『飛ぶ』『光る』『かわいい』という人間の根源的欲求をすべて満たしているから」という説には思わずなるほどと首肯してしまいました。キラカードや宝石を集めたり、ラピュタやピレネーの城に無性に惹かれたりするのもそういった類の理由なのかもしれません。付け加えるなら、投擲や射撃に類する行為というのは狩猟時代の本能的な名残りもあるのかもしれません。ともあれ、小島さんの改造ビーダマンなどには「やるやる!」と頷くことしきりでした。 バトル鉛筆はうちの学校でも禁止されてしまいました。バトル消しゴムまで使っていたドラクエ神推し小学生としては切なさ乱れ打ちでしたが、しかし私たちのバトエン熱はそんなことではかき消すことはできませんでした。通常の鉛筆に1〜6の数字を振って、ノートに数字に対応する効果を記すことで「脱法バトル鉛筆」を嗜んでいました。そうすると自然とオリジナル能力を考え出すことにも繋がり、ゲームとして更に進化していったのですがそうした部分でもカメントツさんのエピソードと通ずるところがあって深い共感をしました。 エスパークスに関しては、しっかり公式の許可を得ているようで綿密なストーリー解説がなされており、当時は断片的にしか知らなかった物語やキャラクターを今改めて知ることができて感謝しています。 2巻で出てくる、カードダスやそこから派生するオリジナルゲーム作りのエピソードも大好きです。冨樫義博さんなどもそうですが、ああいう時に異様に高いクリエイティビティを発揮していた人は何かしらの人物になれている気がします。遊びって大事だなぁと。 読んでいる間だけ、あのころ小学生だった自分に戻れる作品です。直撃世代の方にはもちろんですが、世代から外れている方にも「ああ、こういうものがあったんだなぁ」と楽しく読める歴史的な知識を学ぶ資料として面白く描かれているのではないでしょうか。
終末の箱庭
新たなる恐怖の幕開け! 連作ディストピアホラー #1巻応援
終末の箱庭
兎来栄寿
兎来栄寿
バズりにバズった「笑顔の世界」を始めとするホラー短編で『ちゃお』読者にたくさんのトラウマをもたらしたホラーの名手・岬かいりさんの新作です。 今回も、1話ごとに恐ろしい世界をたっぷりと見せてくれます。あたかも『世にも奇妙な物語』の怖い回のような、さまざまな設定がなされた世界における恐怖の数々。本作の特徴としては、単話ごとに楽しめるように描かれているのですが、それぞれのお話ごとの繋がりが明確に描かれておりやがて収斂していくことを仄めかす構成が挙げられます。 短編としても楽しめながら、大きな設定がもたらす謎やサスペンス性により1粒で2度美味しい作品です。 『笑顔の世界』のクチコミにも書きましたが、岬かいりさんの描く歪んだ世界はただ露悪的なだけではなく現実世界と地続きなのが印象的です。 さまざまなディストピア感が描かれますが、それらは決してファンタジーではなくややもすれば現実で人間の愚かさや弱さが引き起こしてしまいそうなものでもあります。逆に言えば、人間が愚かであるからこそこうした物語による警鐘が必要であり、それを浴びて生きてきた血脈がこうした物語に対して悍ましくも目が離せないという感情を抱かせるのかもしれません。 岬かいりさんは、個々のシーンにおいても「通常であれば読者はこういう感情を持つから、こういう反応を期待するだろう」という部分をそのまま描かず、たくさん裏切ってくれるのもまたホラーに合っています。 終わったときには近年のホラー系作品の中でも一際名作として聳え立っていそうです。
ういちの島
#1巻応援
ういちの島
兎来栄寿
兎来栄寿
文化人類学者であり漫画家でもある異色な経歴を持つ都留泰作の最新作です。『ナチュン』、『ムシヌユン』、『竜女戦記』ときて、この『ういちの島』。 海洋学。 謎が謎を呼ぶ展開。 咽せ返るような欲望の描き方。 冒頭のコンゴ・スーダン地域に実在するアザンデ族の妖術師の逸話から始まる辺りも含めて、純然たる都留泰作さんを感じられる作品です。 サバイバル・パニック・ホラーという人気ジャンルの中でも、少し変わった要素も取り入れつつ独自の持ち味をしっかりと出しています。 タイトルにもなっている「ういち」とは一体何なのか? 読み進めていくとそれも少しずつ解っていきますが、単なるファンタジーではなく学術的な裏付けや現代社会における批評性も伴ったものとして提示されていくのであろうという期待感が湧きます。 また、サスペンスとして見たときには主人公の立ち位置が面白く、引きが強いです。この辺りにも、さまざまなエンターテインメント作品を研究している都留泰作さんらしさが感じられます。 84ページから感じられるアーティスティックさなどは、絵の魅力もますます増しているなと思わされます。 果たして、どのような展開と結末が待ち受けるのか。都留泰作ファンとして純粋に楽しみです。
マツケンクエスト~異世界召喚されたマツケン、サンバで魔王を成敗致す~【電子単行本】
すべては咲顔のために #1巻応援
マツケンクエスト~異世界召喚されたマツケン、サンバで魔王を成敗致す~【電子単行本】
兎来栄寿
兎来栄寿
先日、家族がマツケンポストカードを買ってきて 「今年一番良い買い物をした! あらゆる魔を祓ってくれそう」 と、嬉々として保護ケースに収納していました。 最近では『なかよし』のふろくになって幼女たちの間でも人気と知名度が急激に上昇していたり、先進的すぎる「マツケンARパレード」が話題になったり、再ブレイクしているマツケンこと松平健さん。身近なところでも、その勢いを感じている今日この頃です。 そんな彼が異世界転生する本作、遂に待望の1巻が発売。 https://x.com/monthlychampion/status/1775084538932437272?s=46&t=S5wm4E-TmT39NBg4BgQsPA 掲載誌である最新号の『月刊少年チャンピオン』も大変なことになっていました。すべての闇を払拭する圧倒的な光輝のオーラを感じます。 そう、今世界には闇が満ちています。戦争や疫病や災害といった人類史上で常に人類を悩ませてきた大きな問題から、現代社会特有の家庭や人間関係、システムの歪みが生み出すものまで多種多様な闇が。 人々には、救いとなる大いなる光が必要なのです。こんな混迷の時代だからこそ、マツケンサンバが再び輝きを増すのです。 マツケンが求めるたったひとつのもの。 それは、人々の咲顔(えがお)。 苦しいことや辛いことが数多くあるこの世界で生きている人に、咲顔を生み出したい。取り戻したい。その純粋で強い想いが、彼の纒う煌めきとなって見るものに降り注ぎます。 仕事で、プライベートで、疲れたときに今必要なのは実はマツケンかもしれません。あなたもこの作品に触れて、一時難しいことをすべて脳内から取り払って、失ってしまっていた咲顔を取り戻してみませんか? なお、同時発売の『異世界小林幸子~ラスボス降臨!~』と一緒に買うと特典がつくキャンペーンなども行われているのでチェックしてみてください。
ガールズ・アット・ジ・エッジ
凶器は、愛と勇気 #1巻応援
ガールズ・アット・ジ・エッジ
兎来栄寿
兎来栄寿
一般的な作劇の教科書においてはやらない方が良いとされるであろう大胆な、それ故に印象的な構成で始まる1話目から、ただごとではないものを見せてくれます。 ポリバケツに収められたボーイの遺体。 それを囲んで見つめる5人の風俗嬢たち。 「で 誰が殺したんスかね」 というセリフと共に 「風俗嬢がボーイを殺して廃校でひと夏過ごす話」 と、提示される梗概。 少し変わったフーダニットなのかな? と読み進めていくと、どうやらそういう話でもないようだと解ってきます。ハウダニットでもなく、強いて言うならばワイダニットが一番近いものの、しかしながら本質はそこにない。設定や導入、徐々に明かされる情報や真実といった部分は驚きも含まれ非常にミステリ的なのですが、その上で描かれる現代社会で生きる女の子たちの心情やその動きがこの物語の核となっています。 ″愛したいし守りたいが 実際には憎んでいる この感情を知られたらと思うと気が狂いそうになる″ ″この人も私たちと同じだな 後天的に携わった喜怒哀楽の表現で 毎日をやり過ごしてるのが良くわかる″ ″自分の人生に熱中するには才能がいる (中略) ここはそうではない人間の方が多い 私の居場所な気がする″ 小説原作であることを強く感じさせる、心情描写の精緻さと言葉選びの巧みさ。心の奥底にある澱みを掬い取り言語化する能力の高さを存分に感じさせてくれます。 人を殺すというセンセーショナルな行為が行われますが、そこに至るのは個人の特質的なものではなく現代社会に遍く存在する歪みがもたらす外的な要因が大きく影響しており、誰しもが似た状況に陥ってしまう可能性、言うなれば負の再現性の高さを感じさせられます。 ″祈りが祈りとして機能するために必要なものは愛ではなく嘘だし 救済が救済として機能するために必要なのは 勇気でなく運だ″ 世間から付けられたかわいく扇状的なラベルの裏側にある、黒いマグマのように煮え滾る彼女たちの真意。愛や勇気が求められながら、それがただちに現実的な救いとはならないこの世界。こんな世界でどうやって呼吸を続けていくのか。苦もなく生きられて、呼吸の仕方に悩んだ人にはまったく理解もされない。でも、同じ立場になったことがある人なら痛いほどに解る。そんな物語です。 『真夜中の訪問者 -ハトリアヤコ作品集-』でも紹介したハトリアヤコさんが、このマンガ版を手がけたことも非常に良い選択だと思います。元々の作風とも絶妙にマッチした内容で、持ち味を最大限に生かしている良いコラボだと感じました。 一見ミステリ的な手触りで、その中には昏く濃厚なヒューマンドラマが渦巻いている名作です。
老境博徒伝SOGA
老人ホームに入居し暴れる西の怪物 #1巻応援
老境博徒伝SOGA
兎来栄寿
兎来栄寿
私は『天』が好きすぎて、このマンバでのクチコミなどを書く際にも何度名言やネタを引用したかわからないくらいです。 その『天』の東西決戦において、西代表の雀士として一際存在感を放っていた僧我三威を主人公に据えたスピンオフです。 『トネガワ』『ハンチョウ』『イチジョウ』などに連なる、コメディタッチを基調としながら部分的には感慨深いところもある内容となっています。 現代医療によって病から回復を果たし80歳を超えた僧我は老人ホームに入居して静かな余生を送ろうとするも、その老人ホームはボケ防止というお題目で麻雀やパチンコ・パチスロなどのギャンブルが横行し、「ペリカ」による経済活動が行われる安息とは程遠い場所でした。 赤木と僧我の最後の戦いを終えた後の余生がこうなることに若干複雑な想いはありますが、逆にあれだけ怪物然としていた人物が世俗に塗れる瞬間を描いているというところでの味があります。 老人ホームで暮らす主人公の作品もなかなかないので、そういう意味での面白さもあります。老人ホームに詳しくないですが、ジャージがゆるゆるなのは、あるあるなんでしょうか。 闘牌シーンもありますが、1回ツモって捨てるまでに何十秒もかかり、見せ牌のオンパレードな老人たちに、さまざまな玄人技を持つ僧我が負けるはずもなく。 ″僧我は深い森……… 漆黒の闇……… いないっ…! その闇を見通せるものなど… この老人ホームにはっ…!″ といった、原作を踏襲したナレーションには笑いを誘われます。 また、『ハンチョウ』でもコラボしていた雀魂を元にした雀天という麻雀ゲームアプリを遊び出すところでは、大槻や一条や利根川が美少女化されており笑います。 そうした笑える部分も良いのですが、余生という状況を振り返ったときや終わりの時を前にした人々の営みに、やがて誰にでも訪れる未来の一旦を垣間見れる瞬間もあり、何とも言えない感情に見舞われる部分があります。 『天』を読んでいない人でも楽しめるようになってはいると思いますが、読んどいたほうがいいですよ『天』は..!
オリオン明滅す
対人ゲームの根底にある最も強い感情 #1巻応援
オリオン明滅す
兎来栄寿
兎来栄寿
『HOTEL R.I.P.』の西倉新久さんの新作は、eスポーツ、より正確に言えばバトルロワイヤル系FPSマンガです。 FPSといえば『PUBG』、『Apex Legends』、『フォートナイト』、『荒野行動』、『VALORANT』などが有名です。 先日、とある付き合いで行ったお店で若い子に「L'Arc〜en〜Cielって何ですか?」と聞かれて衝撃を受けました。その子は、「ファイナルファンタジー、やったことないです。ゲームはエペ(Apex Legends)とかヴァロ(VALORANT)ならやります」とも。今はそういう時代なんですよね。 ともあれ、本作はまさにそれらバトロワ系FPSに類した作中作「PULSATE(パルセイト)」で最強を目指す27歳のプロゲーマー南条優人が主人公の物語です。 年齢的に周囲に引退者も出始め、家族にも自分の仕事を理解されない。チームメイトももっと強いチームへ行くと揉めて辞めてしまった。しかし、ゲームで負けた時の悔しさはずっと変わらない。 ″FPSは怒りだ″ の文言が表紙に、何ならタイトルよりも目立つくらいに印字されているのが好きです。 私は元々、対人だと長らく格闘ゲームを嗜んできましたが、周りにいた強いプレイヤーのモチベーションの源泉には純粋に上手くなりたいという想いももちろんありつつ、「あいつ絶対殺す!」という他プレイヤーに対する怒りや殺意が一番強い感情として存在したのは否定できません。「e殺し合い」とはよく言ったものです。 ギリシャ神話のオリオンは、「地上に住む全ての獣を殺す」と言い放ちました。その結果ガイアの怒りを買って殺されてしまうのですが、それにも似た猛々しい瞋恚がこめられています。 現代社会において本気で誰かと闘争するということを日常的に行なっているのはごく一部の体に恵まれたアスリート・格闘競技者くらいですが、ゲームの世界でも物理的なスポーツと同じくらいの熱狂が生まれ真剣勝負が日々繰り広げられています。 この『オリオン明滅す』には、その熱量が確かに宿っています。 ″このクソ田舎でオレだけが知っている一番熱い舞台を 冷やかし気分で汚すんじゃねえ″ という富山が地元の優人の言葉に滾ります。 本作は、優人が天才的なプレイスキルを持つダイヤと出会い新たなチームメンバーへと加えようとすることで物語が展開していきますが、ダイヤの天才性による気持ち良さと、一方でひとりの天才がいてもそれだけでは勝てないチームプレイの難しさや面白さも上手く表現されています。 eスポーツ好きの方はもちろん、そうでない方も読んでみると今非常に熱い世界の様子を垣間見ることができるでしょう。
オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~
剣と魔法の時代、でなく「銃」と魔法の時代。
オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~
ゆゆゆ
ゆゆゆ
なんかすごい話題になっている漫画なので、読んでみたらおもしろい! 人類の歴史を大きく変えたものの一つ、銃。 「銃・病原菌・鉄」を読んだ衝撃を思い出す、一字違い。 そして、その変化を表すかのように、オークがめちゃくちゃ文明化されているように見える。 ダークエルフの族長視点でも、戦った120年の印象と大きく異なるらしい。 120年(エルフからしたらほんの僅かな時間かもしれない)で、大きく変わったようだ。 それから、ダークエルフはエルフより下に扱われているとあるが、闇落ちしたとか、魔族よりの〜とかいう前提はないようだ。 きっかけは、あちら側が実行してきたジェノサイド。 小説家になろう原作の、あらすじには「異世界近代歴史絵巻」とあるので、展開がとても楽しみだ。 副題が、主人公側の視点から書かれていない点も、とても歴史っぽい。「オークの国は如何にしてエルフの国を焼き払うに至ったか」でよいのに。政治を感じる。 ちなみに、こちらの世界のWW2だは山砲はバラバラにしたものを数人で担いで、大変な思いをしながら運んだそうなのだけど、このオークたちならヒョイヒョイと運んでしまいそうだなと思った。 食べる量もすごいが、パワーもあるなら、やり方を変えたらそのものが恐ろしい平気となりそう。
オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~
剣と魔法の時代、でなく「銃」と魔法の時代。
オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~
ゆゆゆ
ゆゆゆ
なんかすごい話題になっている漫画なので、読んでみたらおもしろい! 人類の歴史を大きく変えたものの一つ、銃。 「銃・病原菌・鉄」を読んだ衝撃を思い出す、一字違い。 そして、その変化を表すかのように、オークがめちゃくちゃ文明化されているように見える。 ダークエルフの族長視点でも、戦った120年の印象と大きく異なるらしい。 120年(エルフからしたらほんの僅かな時間かもしれない)で、大きく変わったようだ。 それから、ダークエルフはエルフより下に扱われているとあるが、闇落ちしたとか、魔族よりの〜とかいう前提はないようだ。 きっかけは、あちら側が実行してきたジェノサイド。 小説家になろう原作の、あらすじには「異世界近代歴史絵巻」とあるので、展開がとても楽しみだ。 副題が、主人公側の視点から書かれていない点も、とても歴史っぽい。「オークの国は如何にしてエルフの国を焼き払うに至ったか」でよいのに。政治を感じる。 ちなみに、こちらの世界のWW2だは山砲はバラバラにしたものを数人で担いで、大変な思いをしながら運んだそうなのだけど、このオークたちならヒョイヒョイと運んでしまいそうだなと思った。 食べる量もすごいが、パワーもあるなら、やり方を変えたらそのものが恐ろしい平気となりそう。
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