進捗どうですか?~アラサー漫画家(♀)と17歳の編集者(♂)~

喪女で萌えだがMではない(多分)

進捗どうですか?~アラサー漫画家(♀️)と17歳の編集者(♂️)~ 紺野ぱる みやお
名無し

自分は多少のオタク要素はあるかもしれないが、 男なので少なくとも喪女ではない。 スケベでないとも言い切れないが、 年増とロリなら年増のほうに許容範囲が広いので、 萌えという感覚もよくわからない。 (この考え方には色んな方向からの批判はあるだろうが) S嗜好かM嗜好かなら、少しだけMよりかも。 女性を鞭でしばきたいとは全く思わないが、 赤いハイヒールで踏んづけられるのも一度くらいなら いいかもしれないと思ったりするし。 そんな 「M嗜好はわからんでもないが喪とか萌えとかわからん」 という私だが、この漫画を読んで 「なるほど、喪とか萌えとかとMは違うのだな」 と感じた。 それが判ったからと言って私の人生に なにかメリットが生じたわけではない。 だが、喪とか萌えとかも、ギャグマンガのネタとしては 十分におもしろいものだな、と、いうことは判った。 嫌悪するようなものでもないのだな、ということも。 (誤解かも知らんが) 主人公は自らを「干物女」と自虐する三十路独身女性漫画家。 新担当になった編集者が、あまりに美少年で有能で、 漫画家としての仕事ぶりや趣味の世界に大きな影響が・・ で、その影響によるドタバタ・コメディが わりと明るくて喪とか萌えとかオタクとかからうける 暗いとか湿ったようなイメージをあまり受けない漫画で、 読みやすかったし面白かった。

ママ友がこわい

「ママ友」界という名の地獄

ママ友がこわい 野原広子
六文銭
六文銭

ニュース記事サイトで連載されていて、思わず読んでしまいました。 ママ友…。 本編にも記載ありましたが、 子供がいるから仲良くしているだけであって、子供がいなければ仲良くなっていない。 そんな関係でも、無理矢理付き合わなくてはいけないってホント地獄ですね。 めんどうな人間関係が苦手なタイプなので、読んでいて、主人公の心労に身につまされました。 しかも、本作は、最初は仲良かったけれど、ちょっとしたすれ違いからママ友界隈で仕切り屋みたいな人からハブられて、無視され、孤立していくという展開。 子供のような仕打ちですが、大人だから悪意が強い分(そして、色々仕上がっているから、子供ほど仲直りしにくい)、余計たちが悪いですね。 恐ろしいです。 もっとも、主人公は専業主婦からパートで働きはじめて、次第にその小さいコミュニテイとは違う世界を知ることで肩の力が抜け、いい感じに距離をとっていきます。 この終始ウツウツした展開ではなく、自ら解決していく様は良かったです。 ママ友で悩んでいる人にとっても良い処方箋になるのではないでしょうか。 三千世界で最も地獄なのはママ友の世界、そんなことを思いました。

ささめきこと

残酷な世界は二人を祝福するか?

ささめきこと いけだたかし
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

百合作品には大きく二種類あります。一つは女性ばかりの世界で、同性愛が当たり前とされる物。もう一つは異性愛者が多い世界での同性愛を描く物。『ささめきこと』は後者です。 『ささめきこと』は同性愛を「異質」とする、少し古く見えて今もそう変わらない現実世界を描きます。愛らしいコメディタッチの中に、時折キツい正拳突きを繰り出します。 女子に恋した主人公は、空手の猛者で可愛さとは無縁。主人公が恋した女子は同性愛者で、その事で傷ついた過去を持つ反面「可愛い女子が好き」と公言して主人公を傷つける。 さらに同性愛に理解の無い人、興味本位な人は二人を傷つけ、そして浮かれた味方も二人をかき乱す。しかしそんな人々は決して「悪い」とは描かれません。 一方傷つきたくなくて相手に踏み込まない二人はもどかしいけれども、その大きすぎる傷を想像すれば致し方ない。臆病な二人もまた「悪くない」のです。 誰も悪くないのに、無理解と無遠慮に満ちている。そんな現実世界を描く、残酷な作品です。でもその残酷さの果てにはどんな恋愛漫画よりも大きな感慨と、本当は「悪くない」周囲の人々の祝福が待っているのです。