ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

ラノベ然としたラブコメ

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 ぶーた しめさば 足立いまる
六文銭
六文銭

文字通り、家出中の女子高生を夜中に拾い、 同居することになったサラリーマンの話。 主人公は女子校生に対して、文字通り何もしないし、むしろそういうことに嫌悪感があるタイプで、家事をする以外無条件で寝泊まりさせてやっている。 今までの男たちと異なるその様に女子高生はグッときて、どうやら惚れている様子。 一方主人公は、上司の女性に惚れているが「彼氏がいる」と言われ、フラれてしまう。 が、それは実は嘘で、「時期がダメ」とかワケわからん理由で上記の嘘をついたらしく、実際は主人公に好意を寄せている。 また、会社の後輩ちゃんからも矢印をむけられている。 もう、なんすかねコレ(憤怒) ラノベ系主人公の図式 「手をださない」→「安易に体の関係を求めない=やさしい」 「恋愛だけ鈍感」→「女子たちをやきもきさせる」 きれいにおさまってます。 手を出さなければ優しいんですかね? 優しいというか、都合が良いだけなような気がしますが。 そこは、まぁ、大人として処理するしかないです。(何を?) でもこれがいいんです。 時々、こういう無条件に好かれるハーレム系を読みたくなるんですよね。 なんというか、気楽な気分になれるんです。 色んな人間関係が少しずつわかってきましたが、コミック6巻までは女子高生の家出の理由はまだ明確にでてきておらず、ここらへんが気になりますね。家の都合か、友人関係かな? また、主人公を中心にむいている矢印をどう処理していくのか、 この手のハーレム系の醍醐味はむしろこっちなので、楽しみだったりします。

いばらの王

石化病と怪物の脅威から生き延びろ!SF古城サバイバル #完結応援

いばらの王 岩原裕二
ANAGUMA
ANAGUMA

モンスター映画やパニック映画の仕組みを考えてみると、多くの場合立ち向かうべき危機は基本的にひとつです。サメだったり災害だったりゾンビだったり。 『いばらの王』で最初に描かれる危機は石化病と呼ばれる奇病。主人公のカスミが石化病から逃れるための冷凍睡眠から目覚めるところから本作は始まるのですが、間髪入れずに第二のクライシスが発生。 恐竜みたいなモンスターが襲ってきます(マジで!?)。 病気と怪物、脅威がダブルで襲いかかってくるので単純計算で緊張感が2倍!おまけに古城もボロボロなのでそこかしこに死の危険が転がっています。(個人的に岩原作品で「必ず描いてるな!」と思っている水場の戦闘と潜水イベントもバッチリあります!) 命の危機に対処しながらも石化病の真実、登場人物たちの過去、カスミが抱えていた秘密が次第に明かされていくのがさながらハリウッド映画を見てるかのようなワクワク感。読み始めたら止まらなくなります。 長らく電子版が刊行されていなかったのですが、『DTB』や『ディメンション W』から岩原裕二を知った方はこの機会にこちらも読んでみてほしいです。 張り巡らされた伏線、ゾクゾクするような設定、起伏に飛んだ人間模様がスリリングなアクションとともに描かれる「岩原エッセンス」が本作にもたっぷり詰まってます。

パパはゲーム実況者

念ずれば通ずを地で行く

パパはゲーム実況者 トラちん ガッチマン
六文銭
六文銭

もう10年以上も前になるが、「ニコニコ動画」が違法動画ばかりから、徐々に市民権を獲得しはじめたころ、彗星のごとく現れた(と自分は感じた)「ゲーム実況」というジャンル。 海外ではもっと前にあったようだが、日本では権利まわりの関係のせいか、そういった動画は珍しく、当時の自分は夢中になって観ていた。 元々ゲームが好きだったこともそうだが、何よりも 「友人の隣で、ゲームをみている感覚」 は、不思議と面白く、特にEDを迎えた時などは、得も言われぬ高揚感があった。 その魅力にとりつかれ、学生時代、ずっと観ていたような気がする。 当時活躍していた人は、今となっては、引退だの失踪など見る陰もなく、浮き沈みの激しいインターネット界の闇を感じるのだが、 そんな中でも未だに前線で活躍されているのが、そう本作の主人公「ガッチマン」さんだ。 「ガッチマン」さん。 もはや、さん、づけだ。 私は昔から好きで。今も好きだ。 そして、今も続けていることに驚きとともに感動している。 今でこそ、youtubeなどで、ゲーム実況はお金が稼げるようだが、 10年以上前は、そんなの夢のような話だった。 せいぜいニコニコ動画が公式で、ゲーム会社から許諾をもらって宣伝でやる程度の仕事ぐらいしかなかった。 それも月1回あるかないかだ。 ニコニコにはyoutubeのような収益システムもなかったし。 プロゲーマーでもない、ただの素人が、ゲームやっているのを垂れ流しているのがお金になるなど誰も想像していなかったと思う。 自分も思っていた。 そんな状況だった上に、ニコニコが脂ぎった若者しかいないなかで、「ガッチマン」さん(敬称を外せないレベルで尊敬しているので読みにくくてもご容赦ください)は、彼らよりもひとまわりくらい年上で、しかも妻子持ちという、これまた色々ヤバい感じが当時からしていた。 端的にいって、 「食べて行けているのだろうか・・・」 と、大きなお世話ながら、1ファンとして心配していた。 何なら ゲーム実況なんて、若気の至りでやることだろ。 いい年した大人がやることじゃねーだろ、とも思っていた。(失礼) それでも、定期的に動画を上げる「ガッチマン」さんを陰ながらずっと応援していたし、少しでも貢献できればとクッズなんかも買った記憶がある。 それが10年経った今どうだろうか? バリバリ稼いでいる。 何なら、もうサラリーマンの生涯年収より稼いでいるのではないだろうか。 その姿に、嬉しさとともに、純粋に尊敬しているのだ。 念ずれば通ず。 意思あるところに道はあり、なのだ。 本作は、その裏側を奥さんである「トラちん」さんが描いている。 ゲーム実況一本でいくには、やはり色々葛藤や苦労があったようで、そこらへんも描かれているのが、ファンとしてはたまらない。 どれも成功したからギャグにして軽々しく言えることなのだろうが、 自分は「ガッチマン」さんが毎日のように動画を上げている、努力している様を知っているだけに、その重さを感じずにはいられないのだ。 ゲーム実況とはなんぞやという方、 youtuberのような若いノリについていけないが、ゲームが好きな方 本作も、動画もそんな人におすすめしたいです。 ■動画も貼っておきます https://www.youtube.com/user/Gatchman666 たんたんと、丁寧にクリアしていき、変に抑揚のない展開は疲れず、むしろ観ていて気持ちいいです。 飽きもせず定期的にちゃんと動画を上げる職人っぽさにも惚れます。 その裏側の努力も、本作では伝えてくれるので、よりファンになれると思います。 好きなことを思いっきり続けていれば、必ず道はひらける とリアルで教えてくれたと勝手に解釈して、いつも元気をもらっています。