くらまし屋稼業

骨太な時代劇、されどスタイリッシュで現代的 #1巻応援

くらまし屋稼業 ユウダイ 今村翔吾
兎来栄寿
兎来栄寿

魅力溢れる主人公が、バッサバッサと悪党を斬り倒していく。正に時代劇の真骨頂と爽快感がここにあります。 本作の主人公・堤平九郎が営むのは表向きは飴屋、しかし真の姿は「くらまし屋」。高額な報酬と引き換えに人間を「くらます」ことを生業としています。手練れが跋扈する江戸の街でそんな芸当を可能にするのは驚くべき彼の設定。現代的に言えば「チート」とも表現できるその部分はぜひ読んで確かめてみてください。男の子はこういうの大好きなんですよ。 また、本作は『Driving Doctor 黒咲』でも秀逸だった、ユウダイさんの画力の高さが非常に光ります。男は格好良く、女の子はかわいい。そして、江戸の街の風景や小道具までが非常に写実的に描かれていて目だけでも楽しめます。 ヒロインの七瀬はかわいいだけではなく頭も切れて参謀役となっているところも非常に魅力的です。派手な殺陣もありつつ、頭脳的にピンチを切り開いていくシーンもあり、抑揚のついたエンターテインメントとして楽しめます。 非常に上質な時代物で、このまま実写化されてもまったくおかしくないなと思える作品です。