祥伝社マンガの感想・レビュー458件<<1415161718>>喜怒哀楽の描き方がうまいグッド・バイ・プロミネンス ひの宙子名無し喜怒哀楽、彼、彼女の描き方がうまい! 告白とか葬式とか結婚、ターニングポイントの人間の感情その機微をかき表すのが上手い方だな、と。 一冊で満足しました。毎日読んできた大好きなweb漫画の2度目の単行本化サチコと神ねこ様【フルカラー】 wakoさいろくなんと祥伝社からフルカラーで出し直しになった『サチコと神ねこ様』、私が日課で読むようになったのは60話ぐらいだったけど今や1000話を越えてホノボノした世界を届け続けてくれています。好き。 著者のwako先生が面白い人なので(女性らしいというか)基本は4コマなのだけどちゃんと展開があって次を待つのが楽しみな毎日を過ごせる。web連載とかアプリ連載って読み続ける習慣になると幸せかもしれない。 サチコもイイけどクロちゃんとジロー&銀狐もよい。木下くんはウジウジ系美形なので私は好かん。部長(おじいちゃん)もイイよ!純粋で醜く軽妙で切実な世界の断章グッド・バイ・プロミネンス ひの宙子兎来栄寿間違いなく2019年で最も注目すべき新人作家の一人でしょう。 世界はこんなにも多彩な感情が幾層にも折り重なり、互いに響き合って混在しながら今日も回っているのだなあとしみじみ思わされる物語たちが集まった短編集。その中では、世界におけるその総量など全く意味を持たずそれぞれに切実さを持ちながら発露したり秘められたりしているあらゆる感情が豊かに描かれています。非常に令和感のある、鮮烈な一冊です。 個々の背景から生じる種々の強い想いは、人によって共感したり辛くなったり、愛おしくなったり嫌悪を催したりすることでしょう。 一冊の本としての満足感がとても強いストーリーテリング・構成力もさることながら、端然とした絵もまた実に魅力的です。 また一人素晴らしい描き手が現れたことに乾杯しましょう。ひの宙子さん、今後の活躍が楽しみです。大切な人との出会いに気付くって大切。真夏のデルタ 綿貫芳子starstarstarstarstar干し芋高校生のひと夏のお話。 だけど、・・・。 それだけじゃない。 そのひと夏で、人との出会いで、人って代われる事。 素敵です。 終わり方が好き♡厳選!読んでほしいこのマンガ鮫島、最後の十五日著者:佐藤タカヒロ20巻まで刊行作品情報はこちら岡崎京子のハッピーな作品もオススメ岡崎京子未刊作品集 森 岡崎京子名無し巻末の解説でも表題作の『森』ばかり取り上げられてたけど、他の読切も面白いよ。岡崎京子のハッピーな作品もいいよね。17歳の誕生日を迎えた女の子が幼なじみで片思いの男の子に無理やり迫ろうとする『やさしくしてね』がコミカルで好き。男の子の「オレの少年心 ふみにじりやがってー!!」が名言だなと思った。けどなんかこのフレーズを前にも読んだことがある気がした…。 岡崎京子は文章もよく書いていてエッセイ集『オカザキ・ジャーナル』を愛読してるんだけど素の彼女もとっても面白い。おちゃらけたり真面目になったり悲しくなったり作品そのままの人だなぁという印象。1991年4月のエッセイ『ナニが「少年の心」だッ!!』で、とある雑誌で若い男の子が「いくつになっても男は少年の心を持っていたほうがいいと思います」と発言しているのを読んで「本当の少年は自分が少年であることにうしろめたさとごうまんさと恥ずかしさを持っているはずだから」と憤慨したと書いていた。 このエッセイの4年後に『やさしくしてね』を描いてるんだよね。本人は忘れてるかもしれないけど。でもこの岡崎京子の言葉を踏まえると「オレの少年心 ふみにじりやがってー!!」の感じ方も変わってくる。男の子にも女の子にも『やさしくしてね』のダブルミーニングなのかもな。後ハッピーマニアが話題なので読んでみたハッピー・マニア 安野モヨコ名無し※ネタバレを含むクチコミです。読み応えある良作真夏のデルタ 綿貫芳子む3人の学生を軸にストーリーが進むんですが、読み応えあって内容も面白いです。 歯並び悪い子から始まります。 容姿のコンプレックスから内面的なコンプレックス。人間関係のわだかまりとかこの人といると解放される、とか! 3人どれも悩み、考えがあって絡み方がうまい…! ラストも気持ちがいい 久々に漫画一冊で満足しました、是非オススメ! 完結!シェアハウスの女たちは…地獄のガールフレンド 鳥飼茜バナ全3巻。若い子にはわかるまい、自立した女たちの現実。悲壮感や絶望感を共感するものではなく、人間関係をじっくり味わいながら生きていきたいと思わせてくれる、前向きな一冊。タフな男たちもよい。妖怪カメラと旅する2人のフランス人鬼火 ―フランス人ふたり組の日本妖怪紀行 駒形千夏 アトリエ・セントーたか海外の反応まとめサイトで知り日本語版が出てすぐに購入した作品。見てもらえればわかるけど、とにかく絵がメチャクチャ良い…! ジブリを思わせる可愛らしい絵柄と水彩の色使いが超最高。PVもメッッッチャいい…! https://youtu.be/o3k8TlaOX38 妖怪の姿を写すカメラを持ってフランス人のセシルとオリヴィエが日本を旅するというストーリー。日本の日常生活とともに神道・信仰・妖怪が描かれていて、すこし不思議でとても心地よい。 バンド・デシネということで、「読み心地」は妖怪や神霊をテーマにした日本の漫画とはぜんぜん違う。 でも何かに似てるんだよなあ…と、あらためて振り返ってみて気づいた。この不思議な感覚は、荒木飛呂彦の「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を読んでるとき同じだ。 バンド・デシネというスタイルがそうさせるのか、「現実の舞台を旅して不思議な体験をする」内容がそうさせるのかわからないけど、とにかく似てると思う。 「妖怪」、「旅行記」というワードにワクワクするタイプの人はぜひ読んでください。 『海外マンガの人々―アトリエ・セントーインタビュー』 https://comicstreet.net/interview/author/atelier-sento/ https://www.shodensha.co.jp/onibi/about.html 人と人との繋がりを再認識できる短編集グッド・バイ・プロミネンス ひの宙子nyae誰もが持つ人生のドラマを描くオムニバス短編集。 ある話では脇役だったキャラが主役になったりと、すべての話が繋がってます。 考えてみれば当たり前だけど、あの時のこの台詞にはこういう背景があったのか、というのが違う話で判明したり、友達・親兄弟など辿れば無限に広がる人と人との繋がりを改めて認識できる構成になってます。 かなり内容を練ったうえで描かれてる印象があって、完成度も画力もかなり高いのでこれがデビューコミックスだとあとがきに書いてあるのをみて驚きました。 次の作品を読めるのが待ち遠しいです。男女の性差は定期的に投下したいテーマ瞳 多田基生名無し世の中の女性全員が主人公の瞳のような考えではないだろうけど、AVでやってるから君もできる、好きならやれるでしょ、という認識は改めたい。 定期的にこうして世間に発信しないとつい忘れてしまいそうになるテーマだと思う。 娯楽としての漫画というより、啓蒙に近いものを感じた。 これを読んで、自らの行動を改める人もいれば、そんなことないだろと流してしまう人もいるかも知れないけど、個人的には瞳が出した結論を尊重できる人が増えればいいなと思いました。「モンプチ」の嫁・カレンさんの物語!!私はカレン、日本に恋したフランス人 じゃんぽ~る西たかFEEL YOUNG 2018年3月号より連載している、じゃんぽ~る西先生の奥様でジャーナリストのカレンさん視点で描かれるエッセイ漫画。 ▼西先生のTwitter https://twitter.com/JP_NISHI/status/963802145672724480?s=20 第1話は、1996年、当時26歳だったカレンさんがどうして「リュウイチ・サカモトの国」日本に来ることになったのか。どんな少女時代を過ごしていたのかが語られるのですが、これが最高に面白い…! **「フランスのど田舎の生まれで自然に囲まれて育ち、中学生の頃からラジオ局でバイト。高校生のときには友達とイギリスに1カ月留学しパンクファッションを楽しみまくり、大学時代はボロアパート暮らし」と、エッセイ漫画なのに生い立ちがまるで漫画!!** このように育ったことで「全身真っ黒な服に黒いアイライン、真空パックのご飯を食べて、自分でオーディオを組んだり、スマートウォッチなど最新のガジェットを愛好する(モンプチ1話より)」女性ができあがったんだなと納得。 日本の田舎に生まれた自分にとって、「高層ビルがバンバン建っている大都市へバカンスへ行きたい」というカレンさんの気持ちはすごく共感できました! 毎月楽しみにしている連載もついに2019年8月号で18話目。モンプチは1巻15話ほど収録されているので、そろそろ単行本が出るのではと期待しています。 どっから読んでも面白いので、気になった方はぜひ…!! ▼KarynさんのTwitter https://twitter.com/karyn_nishiライバルは花屋に居着く幽霊夏雪ランデブー 河内遙お茶花屋でアルバイトをしている青年・葉月くんは店長の六花に片思い中。 あるとき彼女の家に訪れると、知らない男が居た。 突然の失恋にショックを受けるが、その男は六花の亡くなった夫・篤であることが判明。しかもその姿は葉月にしか見えない。 夫の死後、恋愛から遠ざかっていた六花と、葉月を六花に近づけまいとここぞとばかりに邪魔をしてくる篤。篤の存在を尊重しながらもどうにか六花を振り向かせたい葉月くんとの少しオカルトな三角関係! 最初の方はわりとコミカルに話が進んでゆくけれど、篤が葉月の体を乗っ取ったり、もしかしてこの恋って命がけ?というような展開に。 というコミカルとシリアスが絶妙なさじ加減で描かれてます。4巻で終わるのでぜひこの夏に読んで欲しい… 自分は河内遙先生の描く三白眼男子が大好物なので、それだけでも読む価値があると思いました。傑作なのでヘルタースケルター 岡崎京子いい漫画読みまず読んでほしい! 岡崎京子どれから…と迷う人にはまずヘルタースケルターから読んでほしい 巻末に「著者がこの後交通事故にあってしまい…」というショッキングな後書きがあった気がするが、できるならこの世界もっと読みたいと思わせる。 読み終わると、鈍器で顔面を殴られるような衝撃を覚える。 煌びやかな世界の裏側には必ず混沌とした苦しみとか嘘とかがあって、人間一人を書き表すとしたらそういった部分も避けては通れない。 むしろ剥き出しにして描かれてる気がして衝撃を受ける。 この一巻は永久保存…30歳独身男、6歳の叔母?を引き取る。新装版 うさぎドロップ 宇仁田ゆみnyae主人公の大吉は祖父の訃報を受け訪れた祖父の家で出会った少女・りんが祖父の子どもであり、母親はりんを置いて失踪しているという事実を知り、半ば勢いでりんを引き取るところから独身男と6歳少女の同居生活が始まる。 りんはまわりに比べ比較的大人しいものの、独身一人暮らしの30男がいきなり子育てをすることになり生活が180度変わってしまう。しかし、大吉の表には出さないけど広い心と大きな優しさで、りんはすくすく育ってゆく。 小学生編まではあくまでも「りんの成長と家庭問題」にフォーカスしているが、中学生編・高校生編では、りんの思春期を中心に描かれ、恋愛パートがぐっと増える。 高校生にもなるとりんは大吉のことをひとりの男性として、一生添い遂げたいと思うようになり、その気持をストレートに伝えるが、はたしてその気持に大吉はどう答えるのか…。 大吉のだんだんオッサンになっていく姿、りんが美少女になっていく姿も見ものですが、りんの幼馴染のコウキがイケメンになっていく姿がいちばん「おお…」となります。安心のもふもふ&オッサン萌えラブコメダッドのごとく! 大谷紀子名無し大谷紀子先生の新連載。 ウサギと入れ替わってしまった堅物パパの悲哀がコミカルに描かれている。 「ファー!(毛)」という叫び声とか、いきなり動物と喋れるヒーロー登場(天敵のカラス使い)とか、本当にいろいろおかしい。 大人から子どもまで、安心して読めるラブコメになりそう。元カレの後輩に難有り…?こちらから入れましょうか?…アレを 松田環名無し元カレの後輩が胸糞悪すぎて、正直読んでいてうんざりする。飲み会のシーンでの他の男性社員も不快な発言ばかり。 感じ方は人それぞれだと思うので面白いと思う人には申し訳ないですが…… 面白いって思えないの私だけなのだろうか……間髪入れず被せてくる〝美〟に読者もノックアウトジェンダーレス男子に愛されています。 ためこう名無し気になってたので読みました。 一気に一冊読めます。 ジェンダーレス男子、実際SNSとかで最高に可愛い男の子とかいるのでわかるわかるという気持ち。 ジェンダーレス男子も可愛いですが恋人わこも可愛いので二人の世界が可愛くてキラキラしていればそれで幸福感に満たされるというか! 男性っぽい女性、女性っぽい男性に確実に世間様からの偏見はあるのですが作中では「そんなの気にしないよ!」と元気いっぱいなので全く気が重くならないですね! 読んでて元気になります。これは"普通の"恋愛を描く物語ジェンダーレス男子に愛されています。 ためこうsogor25タイトルに反して至って"普通の”恋愛模様を描く作品。でもそれがこの作品の真髄だと私は感じた。結局周りにどう思われようとも、自分たち2人が納得し満足してるのであればそれだけで充分なんですよね。 ちょいちょい読んでたジェンダー的なテーマの作品に抱いてた僅かな違和感をこの作品は綺麗に払拭してくれた。"普通"とは違うことを周りにも認めてほしいなら外野へのアピールも重要だし、本人が望んで行動しているならばそれがベストだけども、自分たち、もしく近しい人たちが理解してくれてるならそれで良い、そういう考えだってアリなんじゃないかな、と思わせてくれる。 1巻まで読了FEEL YOUNG掲載、押見修造の切ない読切ワルツ 押見修造nyae学校で酷いいじめを受けている柏原くんは、化粧をして女性用下着を身に着けているところを同級生の尾長さんに見られたが、可愛くなりたいと願う彼に尾長さんはファッションとメイクの基本を教えてあげることに。 どんどん可愛くなって喜ぶ柏原くん。そんな彼を見て自分も嬉しくなる尾長さん。二人の距離はどんどん近づく。 ある時、柏原くんは女装のまま、ある人に告白をしたいと打ち明けるが、それをきっかけに二人の関係に決定的な変化が起きる。 彼の恋心は正直、読者としても理解し難いものですが、誰に恋しようが自由なわけで、でもそれに対して一番傷ついたのは尾長さんで、地方都市の退屈な高校生活にせかっく生まれた楽しい時間を踏みにじられたような気持ちになってしまったんです。でもそこには「私がしてあげたのに」という自分勝手な感情もあり…。 最後は続きが読みたい!となる終わり方になってます。 これは押見修造氏の女性誌初掲載作だそうなのですが、特のそのへんは意識せずに描いている感じがします。スタイリッシュなだけじゃない!短編集あたらしいひふ 高野雀starstarstar_borderstar_borderstar_borderかしこ言われてみれば服ってヒフだなぁと表題作に気づかされました。自分のテイストを変えてくれるヒフ、考え方ひとつで未来感が出てきます。登場人物が全員フラットな位置関係にあるのもいい。誰もが主役であり脇役である、そういえばそれって当たり前のことだった。高野雀さんって視点が新しい人ですね。 個人的に一番好きなのは、女の子にとってはホクロが多いことがコンプレックスなんだけどそれが宇宙の中の星みたいで片思いしてる男の子がいる話。コンプレックスはその人の個性だし抗えない程の魅力になり得る。見つけた人だけの特権のようなもの、という感じでドキドキした。少しのずれからとんでもないことにハウアーユー? 山本美希hysysk理由は分からないが突然夫が失踪する、という出来事が少しずつ人間関係を歪ませていき、やがて決定的な事件に発展する。登場人物の細かい心の動きから大きなうねりを生む物語のダイナミズムが素晴らしい。 巻末の作者による解説も「ここまで考えて描いてるんだ!」という驚きがあって面白かった。完成された2人の愛のかたちジェンダーレス男子に愛されています。 ためこうnyae一話目の、忙しさにかまけて身だしなみを蔑ろにしていたわこ(彼女)に対して、めぐる(彼氏)の「美しさは自分で間に合っているから」という発言、嫌味でも何でもなく二人の間の共通認識事項であると、その次のわこの反応を見ればよく分かる。 めぐるのプロデュースに余念がないわこと、忙しいわこの帰りを優しく迎えるめぐる。2人は間違いなく恋人同士で、誰も入り込む隙などないのである。 そんな2人を見ていると本当に楽しいし、なんか幸せになる。また自分の「当たり前」を疑わないとな、という気分になる。 あと単純に、ためこう先生の揺るぎない画力の高さが、説得力を生んでいることは間違いないと思う。1巻に載っている2人の出会いの話は色んな意味で衝撃。団地にロマンを感じる人は必読サザンウィンドウ・サザンドア 石山さやかnyae田島列島や入江喜和、今日マチ子に通じる優しい線が特徴の石山さやかさんのデビューコミックス。 あらすじにもあるように、読むとなんだか懐かしい感じに胸がキュッとなります。 子供の頃は家族の垣根を超えてご近所さんと交流があったこととか、当時は鬱陶しかった親のおせっかいの有り難さが今になってわかったりとか、今は空気みたいな存在だけど新婚当時は1分でも1秒でも長く一緒にいたかったな、とか ささやかだけど記憶の引き出しに入ったままにしている部分を引っ張り出されるような、当たり前のようで当たり前じゃない、人の営み、ドラマが描かれています。 何かでトップを取りたい!成功したい!とか上を目指すことをモチベーションにしてる人ではなく、地球のはじっこで一生懸命生きてる人に読んでほしい本です。<<1415161718>>