講談社マンガの感想・レビュー6231件<<157158159160161>>エネルギーがたぎってる初期作品集バシズム 日本橋ヨヲコ短篇集 日本橋ヨヲコ名無し「これを描き上げたら死んでもいいや」と思いながら描いているとコメントがありましたが、本当にその通りでどの作品にも気迫を感じました。鬱屈した学園生活を打破しようとする話が多いですが、悩むことも肯定してくれるような優しさもあります。ヒロインは女から見てもカッコいいと思う女達ばかりです。「バシズム」って「日本橋ヨヲコイズム」ということでしょうか。超ぴったりのいいタイトルですね。強面マスター繁盛記なごみさん 宮本福助名無し堅気じゃない顔をしている元・刑事の和(なごみ)さんが退職後の第二の人生としてシャッター商店街に喫茶店をオープンする。客達に顔が怖すぎるから店名を変えろと言われ「cafe和」を「極道珈琲店」にする程、見た目とは違って素直で心優しい和さんを中心に繰り広げられるコメディーです。そういや同じモーニングでは今もオジさん喫茶店マンガ『ミスターズ~私の町のおじさんたち~』が連載されてますね。こっちのオジさんはカッコ良くないけど渋さと癒しがあります。宮本福助さんのオジさんがわちゃわちゃするマンガは間違いなく面白い。あるきっかけで店が大繁盛してしまいあれよあれよとフランチャイズ化して全国展開し、まるで60歳で起業したカーネルサンダースみたいになるっていう最後の展開がめっちゃ好き。オチも和さんらしくて良かった。余談だけどネコのおにぎりも可愛い。主人公の成長と風変わりなキャラクターが魅力風子のいる店 岩明均名無し緊張すると吃音になってしまう高校生の風子が喫茶店でアルバイトを始める。最初は失敗ばかりでしたが徐々にひたむきに頑張る風子を目当てに通う客も増えてきて、自信を持って人と接することが出来るようになっていく。作者もコメントに書いてましたが初めは店を中心にした人間ドラマだったのが、途中から風子の成長物語になっていきます。それと同時に、最初から最後まで風変わりなキャラクターが多数登場します。個人的な見所としては風子がどんどん可愛くなっていくところと、もう一人のウェイトレス・みさ子の活躍です。ラストで爆笑してしまいました。今秋映画化される超猟奇殺人マンガミュージアム 完本 巴亮介地獄の田中※ネタバレを含むクチコミです。 VR能攻殻機動隊を見たんだが攻殻機動隊 士郎正宗名無しあんまり話題になってない感じでもったいない…。と思ったのでちょっとした感想とかプチ情報を書いてみます。 興味持ってくれる人がいれば嬉しいです。 https://ghostintheshellvrnoh.com ・物語は人形使い遭遇後の素子を捜索する流れ。驚いたのが原作2巻の魂合環(霊能局のひと)とか出てくる。居たな〜。 『ARISE』とか『2045』とかSF前面に出したリメイクが続いてたから新鮮でした。能にするなら原作のスピリチュアルな要素がマッチしてると思った。 ・開幕から「素子は何処(いづこ)…」ってバトーが出てくるのが面白かった。何の媒体でも全然ブレないな。 ・VR映像はすごい。舞台に居るのが役者本人なのか投影映像なのか全然判別できない。本物だと思って見てた素子がサァ…と消えていくところとか本当に光学迷彩みたいだった。 ・能なのに「ゴースト」っていう横文字のセリフが出てくるんだけど、これはバトー役の川口晃平さんのこだわりだとアフタートークでお話がありました。ちなみに川口さんはかわぐちかいじ先生の息子さんだそうでこれもビックリ。 自分は能まともに見るの初めてで知識もなかったんだけど、能に詳しい人が見たら引用元とかもっと楽しめるんだろうなと思った。能・VRの時点で超先鋭なのに更に攻殻が加わって、それでも見事に「攻殻」として成立してたのが一番感動でした。 正直1回見ただけだと「なんかすごかった…」っていうのが大半の感想になっちゃったから繰り返して見てみたい。また上演してほしいです。 他にも見た人居たら色々お話したいです!著者が定時制高校出身らしい最後の鍋パしようぜ! 福園名無し童顔の教師が担任で、色んな事情を持った老若男女の生徒たちが集う定時制高校のクラスって設定はかなり好き!ただ短いから仕方ないけどもう少し各キャラの人となりが知りたかったな〜。今こそ栄光を掴みに行く! 熱きジジイたちの陸上物語!マスターズ・ハイ 岡本圭一郎たか※ネタバレを含むクチコミです。 大人のジャズ漫画!!スインギンドラゴンタイガーブギ 灰田高鴻starstarstarstarstar干し芋おとなの楽しめるジャズ漫画が始まった。 これからの展開にワクワクが止まらない。 訳ありな人たちの集団、戦後の混乱、そして、英語(スラング)の勉強にもなるかも? 巻末についているQRコードを読み込むと作品に関連した曲や、当時の流行りの曲まで聴けるサービスも素敵♪今敏の連載デビュー作海帰線 今敏名無し漫画家としての今敏ってちばてつや賞を受賞してヤンマガで連載してたんですね。アニメ監督としてのイメージが強いのでなんかピンとこないですが、漫画家としても優秀な人だったのは間違いないです。大友克洋っぽさがありますが、インタビューを読むと第1話は「AKIRA」のアシスタントをしながら描いていたらしいです。女の子は今敏の方が可愛いですね。師弟関係とその後の活躍を抜きにしても「海帰線」は全1巻の作品として面白いと思いました。ツボすぎて一気読み…デビルズライン 花田陵nyae今連載中のブラックガルドが好きなので、こちらも読んでみようと思ってとりあえず試し読みしたら、あまりにツボすぎて一気読みしてしまった。 血に反応して変異する体質をもつ「鬼」が、現代社会でどう生きていくかというような話なので、そんなにファンタジーを進んで読まない私にもハマりました。 各キャラの恋愛の部分にも惜しみなくページを使って描いているのが特徴的で、とくに安斎とつかさの揺るぎない愛を存分に見せつけられました。良かった。 ゴールデンゴールドの伏線ぽいものあげてくゴールデンゴールド 堀尾省太名無し※ネタバレを含むクチコミです。熱いです伴走者 浅生鴨 斉藤羽凧starstarstarstarstarひさぴよ原作小説は未読ですが、一巻でスッキリまとまっていて読みやすかったです。盲目のランナーの併走者って選手ではないけどアスリートというユニークな存在ですね。単に一緒に走っているわけではなく、相当な技術と信頼関係を持ってレースを共に戦う特別な存在なのだと理解できます。この作品のように現実のランナー達にもきっとそれぞれドラマがあるのだろうと思うと熱くなりますね。マラソン競技は好きですけど、恥ずかしながらブラインドマラソンについて何も知識がなかったので、健常者のレースには無いような駆け引きの仕方を見ると純粋に面白い!と感じます。人間ドラマのみならず白熱のレース描写も素晴らしかったです。絶滅危惧職…!講談師の世界修羅場の人 久世番子 神田伯山ななしすごく面白かった!講談のこと全然知らなかったから、史実を元にした話をするとか女性が多いとか勉強になった。 そしてなにより講談で儲けたから「講談社」なの!?全然知らなかった 今夏モーツーで連載開始とのことなので楽しみにしてます! 何曜日に読んでも良いハヴ・ア・グレイト・サンデー オノ・ナツメかしこあまりにも面白くて読み終わるのがさみしく、1巻を読んで二日あけて2巻を読みました。 明日からまた頑張るぞ〜!と思えるような充実した3人の日曜日。 大人になっても子供でいさせてくれる懐の深いリンジさんは、チャーミングなところも魅力的で、私もマックスのようにダッドに憧れます。もちろんヤスもいいキャラしてる。 オノ・ナツメさんの作品もっと読みたい!と思いました。岩明均のデビュー作も収録されている短編集骨の音 岩明均名無し岩明均のデビュー作「ゴミの海」も収録されている短編集。普通は何編か読んだ後に忘れてしまうような話もあるんだけど、これはどの短編も印象に残るのですごいなと思った。面白い面白くないというよりも読んじゃう覚えちゃうって感じです。荒削りなところはありますが手に取ってみて損はないんじゃないでしょうか。 個人的には「和田山」が好きですね。男女問わず油性ペンで顔に落書きをしてくる男、和田山。誘ってないのに同窓会に現れて次々と元クラスメイト達を襲っていく話。驚くようなオチがないのが逆に新鮮でした。あと上村一夫先生のアシスタントをしていた頃のエッセイ「アシスタントで覚えた事」が面白かった。生きとし生けるすべてのLadyへ...はたらく細胞LADY 原田重光 清水茜 乙川灯名無しはたらく細胞シリーズ最新作は「女性の体内」が舞台。 見た目はまるきり眼鏡執事のマクロファージさんを中心に、免疫細胞たちが毎日身体を張って女性特有の身体の変化や不調から守ってくれているようです。 第一話は「冷え性」によって免疫力が低下したところに侵入してきたウィルスから守ってくれました。 というより生姜ドリンクの即効性がすごい。 個人的には中性的なヘルパーT細胞さんが好きです。 https://twitter.com/saibou_lady/status/1219915929464651776 本物の哲学漫画現象学の理念 須賀原洋行 エトムント・フッサールhysyskあらすじに「現象学的還元ラーメン」なる言葉が出てくるように、何故かラーメン屋が蘊蓄を語るように現象学を解説してくれる。一見ふざけてるように思えるけど作者は哲学科卒でこの漫画のために1年近く準備したというガチのやつ。ラーメンで説明してるのにもちゃんと意味がある。「Noesis-Noema構造とは〜」みたいな用語の説明ではなくて、タイトル通り「理念」について掘り下げている。 それまでの哲学や科学との違いなど、文字だけでは掴みにくいイメージが視覚的に整理されていて分かりやすいし、登場人物の対話によってさまざまな角度から議論がなされていくので、漫画であることの良さも活きている。 内容の教えを尊重するとしたら、上で書いたようなことはいったん忘れて試し読みして欲しい。とんでもねぇ最高のアンソロ企画始動!傀儡戦記 吉川景都 蛇蔵 おかざき真里 白浜鴎 中田春彌 高殿円 山本亜季 山本小松名無し※ネタバレを含むクチコミです。ノラ猫のような少女と刑事が出会ったノラと雑草 真造圭伍名無し※ネタバレを含むクチコミです。 連載再開!!サガラ~Sの同素体~ かわぐちかいじ 真刈信二名無し正直結構忘れてたけど、分かりやすいあらすじがあって、良かった。国を変えるようとする者と、それを追う者。なかなかグッとくるな豪華作家陣が描く『かのかり』彼女、お借りします 公式アンソロジーコミック 宮島礼吏じょうじ 豪華すぎる作家陣が描く、『かのかり』アンソロジー本です。一つ一つのページ数は少ないものの、思い入れが込もった作品揃いで『かのかり』人気の高さが伺えます。印象的だった作品を挙げると、桜井のりお氏、五十嵐正邦氏、川村拓氏の作品。 ・今をときめく漫画家・桜井のりお氏は、更科るかがお気に入りのようで、和也が自宅でAV鑑賞している所へ、るかちゃんを乱入させてとんでもないハプニングを起こすという内容。まさに桜井のりお氏にしか描けない持ち味が発揮されています。 ・五十嵐正邦氏は、作者の宮島礼吏氏と”師匠・弟子”の関係だけあって、作品世界の再現度が誰よりも高いと感じました。それでいて『川柳少女』っぽさも感じさせてくれるから凄い。メインキャラもほとんど登場させるほど気合が入ってます。 ・川村拓氏 単純に『事情を知らない転校生がグイグイくる。』が好きなので…。この人の描くラブコメは良いですね。 船津紳平氏のように、自らの土俵を100%活かしたギャグも面白い。他にも『寄宿学校のジュリエット』の金田陽介先生など、超絶上手い人が集まってます。 また、作者本人による"マイソロジー"なるエピソードも2本収録されているのですが、特に2本目には、本誌では絶対お目にかかれないようなお色気シーンが収録されていて驚きました。ファンならこのページの為だけにだけ買っても良いでしょう。 <作家陣> 宮島礼吏 赤信号わたる 五十嵐正邦 いだ天ふにすけ 植野メグル 金田陽介 川村拓 こげたおこげ 虎助遥人 梧桐柾木 榊カルラ 桜井のりお しろまんた 瀬尾公治 堂本裕貴 nonco 肘原えるぼ 船津紳平 ぶよ もすこ 矢神翔 山本崇一朗 若林稔弥 今の人気作家のインタビューが掲載されていたもう、しませんから。~アフタヌーン激流編~ 西本英雄マンガトリツカレ男「もう、しませんから。」のシリーズだからだいぶ古いのかなと思ったら2年くらい前まで連載されていた。 「青野くんに触りたいから死にたい」の椎名うみや「ブルーピリオド」の山口つばさのインタビューなどが掲載されていたが中でも市川春子の話が一番面白かった。 ボクシングマンガの最高傑作はじめの一歩 森川ジョージクロキ森川ジョージによる日本のボクシングマンガ。 圧倒的な画力、ストーリーテーリングで形成されたボクシングマンガの最高傑作。作者のボクシングの知識レベルが高いため、グイグイと作品に引き込む魅力を発している。 キャラクター造形がコレ程巧みな漫画は少ない。オススメである。突きつけられることコンプレックス・エイジ 佐久間結衣ナベテツ自分は確実におたくなんですが、コスプレという分野に興味はそれほどなくて、話題になっていたから読んだのですが、本当に色々考えさせられ、心に深く突き刺さりました。 もしこの作品を読んで何も感じない人は、幸運なのか無趣味なのか想像力がないのか、そのどれかだと思います。 コスプレイヤーがいつまでコスプレを続けるのか。その問いかけを「容姿」だけに限定して読んでいるならば、無縁に考えるかもしれません。しかし、この作品が問いかけ、そして考えさせるのは、誰にとっても「年齢」というのは無縁ではいられないからです。 例えば、身体を動かす趣味、ランニングやスキー、草野球やサッカーやフットサルを一番の趣味にしている人は、それを加齢によって諦める未来を想像してしまうと思います。あるいは、スタンディングのライブに行けなくなる年齢。老眼で文字か読めなくなる未来。この作品の表象はコスプレですが、読者は恐らく、自分自身にとって大事な趣味というものを諦める瞬間を、嫌でも考えてしまうのではないかと思います。 勿論、結婚や出産で趣味と離れてしまうことはあると思います(作中でも語られています)。しかし、多分我々の生きている「今」は、それらの人生のイベントの後でも趣味を続けられる環境がある程度整えられています。 かつて、「老いは恥ではないのだよ」と語って40歳を過ぎてからチャンピオンにカムバックしたボクサーもいました。しかし、どうあっても「老い」は現実に訪れるものです。寿命が伸びている今、自分が趣味を諦めることになる可能性について考えることは、体験として貴重なものなのではないかと思います。<<157158159160161>>
「これを描き上げたら死んでもいいや」と思いながら描いているとコメントがありましたが、本当にその通りでどの作品にも気迫を感じました。鬱屈した学園生活を打破しようとする話が多いですが、悩むことも肯定してくれるような優しさもあります。ヒロインは女から見てもカッコいいと思う女達ばかりです。「バシズム」って「日本橋ヨヲコイズム」ということでしょうか。超ぴったりのいいタイトルですね。