mampuku
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1年以上前
 「色んな出版社で没になった」「一年間ネーム描き続けてボツになった」などの恨み節とともにWEB各所で無料掲載され、最終的にマイクロマガジン社から書籍化された作品。さぞやヤバイ内容で社会派すぎて敬遠されたのかと思いましたが、読んでみるとそこまでキツい内容というわけではなくどちらかというと、きっと自〇党が嫌いで、社会に対していきにくさを感じてるんだろうなぁとか、滲み出るルサンチマン的なフレーバーがどぎついなと感じました。  そんな読み手を選ぶ漫画ではありますが、読んでみると独特の楽しさがあり、展開はやや荒唐無稽な印象を受けますがその分息をつかせず先の気になるシーンを次々ぶっこんでくるあたりはこれがWEB漫画の醍醐味かなどとも思ったり。あとなんといってもさすがはエロ同人誌でその名を轟かせた木星在住先生、絵が素晴らしく魅力的。JK!ロボ萌え!褐色ギャル風のメカ娘とかその発想はなかったわ!  現在はアダルトからは足を洗ってしまわれたそうで惜しい気もしますが、本が売れず絵が上手いだけでは生き残れない今の時代を戦っていく新しいクリエイターとしての在り方を模索する彼の生き様は、同じクリエイターとして学ぶべきところがあるなと感じます。 http://mokusei2.blog46.fc2.com/
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前
スケラッコ先生の新作。 実在したとされるたくさんの怪異に遭う侍の話が現代版にされてすごくゆるくかわいくなっている。 広島でお好み焼き屋を営む16歳の平太郎の元に、ある日から妖怪たちが現れ始める。 何をするというわけでもなく、驚かせようとしたり、お店の邪魔をしたり。 その怪異、妖怪を流しながら近所の人や彼女、家族との生活を1日ごとに淡々と描いていく。 この淡々と、というのがみそで、恐怖心というものをあまり感じない平太郎は逆に執着みたいなものが無いように描かれるので、人間同士の関係性においてもどこか距離を感じてしまうのだ。 恐怖を感じる源ってやっぱり執着だよね、と思う。 何かを失うのが怖かったり、嫌われるのが嫌だったり、固定観念を壊されるのが怖い人もいると思う。 僕はお腹がすくのが怖いからご飯をできるだけお腹空いてなくても3食ちゃんと食べようとする。 それらは今まで自分が得てきたものへの執着からなんだろうなと思うんだけども、平太郎にはそれがない、ように見える。 日を重ねていくことで平太郎の中に何か芽生えるものがあるのかないのか。 執着を自覚できるのかどうか。あのかわいい彼女のことは。 後編が楽しみです。