(とりあえず)名無し
1年以上前
楳図かずおの漫画について書くことなど、まったく意味がない。
ただ読めば良いのだ。
まったく独自で、比べるものがない作品、しか描いていないのだから。
少女漫画時代の怪奇物でも、少年誌の『漂流教室』や『まことちゃん』でも、青年誌に活動の舞台を移した『わたしは真悟』や『14歳』でも、なんでもいいんです。
全部、この人にしか描けない、世界にひとつだけの特別な「なにか」ですから。
とはいえ、個人的にお薦め、というなら、『神の左手悪魔の右手』でしょうねえ。
この、言葉の正しい意味での真の「鬼才」が、キャリアを経て自らの資質と感覚を完全にコントロールし、脂の乗りきった技倆を自在に操って、「手頃」な異界を描いてくれています。(でも、ホントにすんげえ怖いよ。総毛立つよ)
『漂流教室』や『わたしは真悟』は、巻数多いしあまりにも圧倒的すぎる…というかたがもしいたら、ここから入って、とんでもない深みにハマり抜けられなくなってみるというのは、いかがでしょうか?