sogor25
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1年以上前
海面上昇で陸地が海に沈み、人類が人工地盤の上で生活する世界。旧時代の遺物が遺る海底遺跡へとダイブして探索を行う"アトラダイバー"の物語。新人のナギサは実技の成績はいいけどその他はまるでポンコツ、実際の遺跡へのダイブでもドジばかり。でも優秀な先輩のハルカとバディを組むことになり、持ち前の明るさと切り替えの早さで"アトラダイバー"として成長しながら未知の世界へと足を踏み入れていく―。 という物語なんだけど、物語が進むにつれて徐々に作品の様相が変わっていく。元々海底遺跡へのダイブは危険が伴うという描写が描かれているけど、ナギサが学校で学んできたものとは明らかに違う"危険"が物語の端々で映るようになり、そして1巻の最後でそれは正体不明のままナギサの目にもはっきりと見える形で顕現する。 公式のあらすじにも「ナギサの未知との出会いが始まる」とあるが、果たしてナギサの出会う"未知"とは何なのか。1話からは想像できないような物語が今後も広がっていきそう。 「がっこうぐらし!」を例に挙げると極端かもしれないけど、この作品も実際に手にとってもらった人に最高の形でストーリーのサプライズ感を楽しんでほしい意図があって表紙や帯・あらすじをデザインしてると思う。だけど、逆にそのために本来のターゲットに届いてないとすれば勿体なさすぎる作品。ぜい、騙されたと思って1巻を読んでみてほしい。 1巻まで読了
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
例えば友人と話していて、とりとめのない話をしてしまうと、「オチがない」と叱られる。何故、彼は怒るのか。それは、辻褄のあった、納得出来る結末に安心したいからだろう。 では、彼に怪談をするとしたら? 怖い体験談に「オチ」をつけようと語り続けるうち、ふと口をつぐむ時が、恐らく来る。見えなくなった者達、常識の埒外にいる者達を、語り続ける事は出来ないからだ。 「え、結局なんなの……?」 「よく分からないんだ……」 というやり取りに至り、はじめて相手は、ヤバい事を聞いていると気付き、ゾッとする。 「現代の」民話集と言える『はなしっぱなし』。幻想的な物語は、根源的な理解の及ばなさに終始する。不可思議で恐ろしい出来事が、異形の存在が、微細で遠大な世界観が、語られるままに描かれ、「はなしっぱなし」のまま、オチなく放り出される。 脈絡などない。語り手は豊かで生々しい体験だけを語ると、そこから先は踏み込めない、と急に口を閉ざす。 そうして語られる現代の幻想譚には、ペンのストロークを緻密に重ねる絵の美しさと相まって、まるで見世物小屋のような恐ろしさと、妖しい魅力、そして妙な懐かしさがある。嵌る人は本当に癖になってしまう、珠玉の不思議世界。 理解するのではなく、画面をそのまま味わいたい。