六文銭
六文銭
1年以上前
同著者の「いぶり暮らし」が好きで、その作家さんの新作ということで読了。 いぶり暮らしでは、グルメ漫画の面よりも、燻製生活を通しての同居人二人の関係や周囲の人間とのやりとりーーいわゆる「人間模様」が好きだっただけに、この作品はよりその点にフォーカスした作品で、個人的にドンズバでした。 綿谷さんは、周囲とあわせられず、空気も読めず、冗談も通じない、不器用な人間です。 「シャーペンの芯ちょっともらえない?」 と聞かれ 「ちょっとって、具体的にどれくらい?」 と聞き返すような感じ。 言葉通りにしか受け止められず、本音でしか生きられない。 皮肉も通じない。 なんと生きにくいだろうなぁと思いながら、どこか彼女を羨ましく思えてしまう。 周囲にあわせるだけの、風見鶏になっている自分としては。 最初は一人だった綿谷さんも、徐々に理解され、また綿谷さんも理解し(学習とも?)、友だちが増えていって、その過程も読んでいてい気持ちいいです。こういう人が報われるのって、嬉しくなるのです。 また、人間関係うまくいってそうなクラスメイトも、内面では色々問題を抱えていて、今後それがどう展開されていくか楽しみです。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
土曜日の朝寝を満喫する草壁さんを起こそうと、学臣は毎週、様々な趣向を凝らす。しかし草壁さんの睡魔には通用せず、逆に同じ布団に誘われて一緒に寝るはめになる。 学臣は毎週、ものすごく手の込んだ仕掛けを用意して、草壁さんの気を引き、覚醒させ、デートに連れ出そうとする。そのネタのバリエーションは幅広く、面白い。 時に知的興味に、また時に羞恥心に働きかけ、ロジカルかと思えば時に情緒に訴える彼のプレゼンは、草壁さんも、読者も飽きさせない。 なのに。 それでも草壁さんは、起きてはくれない。 草壁さんの最終兵器は、学臣を容易に屈服させる。 その最終兵器「一緒に寝る」は、学臣にとって敗北であるはずなのに、学臣に幸福感を与えてしまうという点において、誰も不幸にしない、究極兵器である。卑怯だ。だがそれがいい。 果たして彼は、一度でも草壁さんに勝てるのか、よしんば勝てずとも、2巻を通して、学臣のネタは枯渇しないのか……。女の子の寝室で尖ったネタと豆知識を繰り広げる、良質なバラエティ漫画を、お試しあれ。 【教えてください】 2巻真ん中あたりで終わった後、ちょこっとキャラが変わった、ダイジェスト版みたいなのが始まるんですが、これ何ですかね? だんだん違うネタになっていって、これはこれでいいのですが、説明がないんです……。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
秋★枝先生の初期作品集。恋愛が中心テーマだが、そこは先生のこと、一筋縄ではいかない。オモロイ切り口の物語に、読んでいて思わずえっ?と言ってしまう。 ●『伊藤さん』クリスマスに失った恋から始まる、新たな恋の歳時記。育まれる恋にトキメキが止まらない。 ●『先生+』女性教師が手違いで魔法使いに!彼氏にそれをバラそうとするところから始まる切ない恋の顛末。切なさが急に来て辛い… ●『はじまり』母親の再婚相手の連れ子に、お兄ちゃんと呼ばれてドキドキするけれど……。この変身はズルい! ●『ハイ&ハイ』背の高い女の子が、初めて自分より背の高い男の子と付き合ってみたら……。なるほどそういうこともあるのか… ●『憧憬の家』夫がノリノリで買った忍者屋敷。彼は買ったきり興味を持たないが、実は私は……。これ一番好き。妻かわいい。 ●『Chocolate Cake』結婚記念日を忘れた夫の、お詫びのケーキに悪態をつく妻。夫の気持ちは……?表情を見せない夫の演出が意味深でニクい。 ●『ふたりの出会いのお話』現実のカップルの結婚式のパンフレットに寄せた作品、ということらしい。特別変わった話ではないが、番う二人のやりとりの「ときめき」を美しく描く。 ●『ブラフ』バレー部の引退試合に向けて、次期キャプテンは3年の先輩達に厳しく当たる。先輩達は怒るが……。悪役の不器用さ。最後にニヤッとさせられる。