sogor251年以上前大柄でコワモテな男子高校生、静河大吾。初めて会う人には怖がられるけど、実はとっても心優しいというギャップの持ち主。今作はそんな静河くんの日常の物語。 …そして、彼を全方位から見守り愛でる、同級生の葉崎祐介と静河くんの義理の妹・はずみの物語。 もちろん静河くん自身が周囲の人々と繋がっていくんだけど、それ以上に"静河くんを愛でる"という共通の目的のために同盟関係に入っていく祐介とはずみ、その関係性が面白い。そしてどんどん出会う人々を巻き込んでその同盟の輪が大きくなっていきそうな予感。なんだろうかこの幸せな空間は。 1巻まで読了僕らは静河くんを愛でているコワモテだけど優しいギャップ男子…を愛でるコメディ6わかる
名無し1年以上前ちはやふるの作者、末次由紀の前作。 短編がうまい…! 天才って最初っから天才の片鱗が見え隠れするんだなぁ、と。 芝居がうまいのもそうですが、主人公を中心に置いて人と関わりあうことで本人の心情が上向きになるその過程がうまいと思うんですよね。 押し付けがましくもなく、読み手として見ていて恥ずかしくなったりもしない。 同じくショコラティエ漫画に西洋骨董洋菓子店も失恋ショコラティエもありますが、テーマ同じで別の作者に描かせるとその人の得意な部分、もとい、味が出ますよね…。 クーベルチュールちはやふるの作者、末次由紀らしいショコラティエ3わかる
TKD@マンガの虫1年以上前様々な形で思春期から大人に変わっていく途中の女の子を描いている大島弓子だが読んだ中では一番わかりやすく、エンターテイメントに振っている作品だと感じた。(余談: 少女の変化していく内面、精神は萩尾望都や竹宮恵子などの他の24年組作家にも同様のテーマを見ることが多い。) 幼女期の段階のロマンをいつまでも信じている主人公 衣良を中心に女友達、王子様、そして王子様に恋する男の子など複雑に入り組む人間関係を独特のタッチで基本コミカルに時々詩的に表現しているので、つまることなくスルスル読めてしまう。そして人間関係のもつれが極限達する中盤に突然差し込まれる見開きのカットには呆然とさせられてしまった。「誰かこの絡み切った糸をスルッと解いてくれればいいのに」と天使のような存在が上から糸を引いている絵の力は凄まじいものがあった。そしてこれは男女問わず思春期の人ならば誰しもが体験する人間関係のもつれを煩わしく思い、誰かに助けを求めてしまう瞬間を見事にビジュアル化している。バナナブレッドのプディング少女の変化していく内面をコミカルに描いた傑作5わかる
やむちゃ1年以上前タイトルからして、子供が手に負えなくなった親の話って思ってしまうけど、子供は親の影響下で育つってことも忘れちゃいけないよね。 親も対処できなくなった子を専門施設に入れたり、行政や医療機関との仲介役となるトキワ保健事務所。ここの押川という人物が原作者で、ノンフィクションで構成されているというのが本当に驚き。タブー視されがちな精神疾患の世界、こうして「漫画」というエンターテイメントとして拡がるのは、興味本位であっても良いことなんじゃないでしょうか。「子供を殺してください」という親たちこういうのを読みたかったんだよ13わかる
名無し1年以上前おっさんで冒険者ものだと〜!? もしかしたらもうそういうジャンル確立されてるのかもしれませんが初めて読みました。 おっさんでファンタジーで冒険者ものずるいですね。 どこか抜けてるけど大人の包容力にみんな惹かれてしまうってやつです。 タイトルでもう惹かれてしまうおっさん冒険者ケインの善行おっさん主人公1わかる
猫あるく1年以上前人種とか戦争とか重めのテーマなんですけど、そこをじっくり掘り下げてるわけではなくて、派手なアクションとかノリとかセンスを楽しめる漫画なので、テンポよく読める。 かといって1つ1つのストーリーは軽くなく濃密な物語がラストまでしっかり読ませてくれる。そして出てくるキャラクターは敵も味方も一筋縄じゃいかない連中が揃っていて魅力的だった。 色々な特殊技能を持ったスペシャリストが個々の能力をフルに活かして戦うのが好きなので、そういう感じの物語、攻殻機動隊なんかが好きな人にはかなりおすすめです。 戦闘シーンの時に線が濃くなるのってめちゃくちゃ良くないですか? ヨルムンガンド武器のない世界なら、少しは好きになれるかもしれない6わかる
sogor251年以上前活性化した太陽のフレアによって発せられた強大な電磁波により、電子機器に頼っていた文明は崩壊、生命の遺伝子も変質をもたらし、そして「色素」までも奪われた世界。"祖先病"と呼ばれる異形の姿となった人類が暮らす極東の町・リクドウを舞台に、世界が変質する以前の人類の姿を保った少女と「色の力」を巡るハードボイルド・SFアクション。 会話劇は「ノー・ガンズ・ライフ」のような硬派な雰囲気を漂わせつつ、そのインパクトに負けないくらい重厚に作り込まれた世界観とSF的設定。そしてマンガという元来白と黒で構築される媒体で「色」が失われた世界を最大限のリアリティをもって描きながら、要所で用いられる二色刷りにより「色の力」を作中で説明される以上に効果的に読者に印象づける。設定・ストーリー・キャラクター・表現と、どれをとっても一級品のとんでもない作品が現れた。 1巻まで読了。カラーレス「色のない世界」と1人の少女を巡る極上のSFアクション4わかる
六文銭1年以上前同著者の「いぶり暮らし」が好きで、その作家さんの新作ということで読了。 いぶり暮らしでは、グルメ漫画の面よりも、燻製生活を通しての同居人二人の関係や周囲の人間とのやりとりーーいわゆる「人間模様」が好きだっただけに、この作品はよりその点にフォーカスした作品で、個人的にドンズバでした。 綿谷さんは、周囲とあわせられず、空気も読めず、冗談も通じない、不器用な人間です。 「シャーペンの芯ちょっともらえない?」 と聞かれ 「ちょっとって、具体的にどれくらい?」 と聞き返すような感じ。 言葉通りにしか受け止められず、本音でしか生きられない。 皮肉も通じない。 なんと生きにくいだろうなぁと思いながら、どこか彼女を羨ましく思えてしまう。 周囲にあわせるだけの、風見鶏になっている自分としては。 最初は一人だった綿谷さんも、徐々に理解され、また綿谷さんも理解し(学習とも?)、友だちが増えていって、その過程も読んでいてい気持ちいいです。こういう人が報われるのって、嬉しくなるのです。 また、人間関係うまくいってそうなクラスメイトも、内面では色々問題を抱えていて、今後それがどう展開されていくか楽しみです。綿谷さんの友だち正直に生きにくい人間の清涼剤3わかる
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前土曜日の朝寝を満喫する草壁さんを起こそうと、学臣は毎週、様々な趣向を凝らす。しかし草壁さんの睡魔には通用せず、逆に同じ布団に誘われて一緒に寝るはめになる。 学臣は毎週、ものすごく手の込んだ仕掛けを用意して、草壁さんの気を引き、覚醒させ、デートに連れ出そうとする。そのネタのバリエーションは幅広く、面白い。 時に知的興味に、また時に羞恥心に働きかけ、ロジカルかと思えば時に情緒に訴える彼のプレゼンは、草壁さんも、読者も飽きさせない。 なのに。 それでも草壁さんは、起きてはくれない。 草壁さんの最終兵器は、学臣を容易に屈服させる。 その最終兵器「一緒に寝る」は、学臣にとって敗北であるはずなのに、学臣に幸福感を与えてしまうという点において、誰も不幸にしない、究極兵器である。卑怯だ。だがそれがいい。 果たして彼は、一度でも草壁さんに勝てるのか、よしんば勝てずとも、2巻を通して、学臣のネタは枯渇しないのか……。女の子の寝室で尖ったネタと豆知識を繰り広げる、良質なバラエティ漫画を、お試しあれ。 【教えてください】 2巻真ん中あたりで終わった後、ちょこっとキャラが変わった、ダイジェスト版みたいなのが始まるんですが、これ何ですかね? だんだん違うネタになっていって、これはこれでいいのですが、説明がないんです……。起きてください、草壁さん睡魔にプレゼン。勝てる気がしない戦い。3わかる
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前秋★枝先生の初期作品集。恋愛が中心テーマだが、そこは先生のこと、一筋縄ではいかない。オモロイ切り口の物語に、読んでいて思わずえっ?と言ってしまう。 ●『伊藤さん』クリスマスに失った恋から始まる、新たな恋の歳時記。育まれる恋にトキメキが止まらない。 ●『先生+』女性教師が手違いで魔法使いに!彼氏にそれをバラそうとするところから始まる切ない恋の顛末。切なさが急に来て辛い… ●『はじまり』母親の再婚相手の連れ子に、お兄ちゃんと呼ばれてドキドキするけれど……。この変身はズルい! ●『ハイ&ハイ』背の高い女の子が、初めて自分より背の高い男の子と付き合ってみたら……。なるほどそういうこともあるのか… ●『憧憬の家』夫がノリノリで買った忍者屋敷。彼は買ったきり興味を持たないが、実は私は……。これ一番好き。妻かわいい。 ●『Chocolate Cake』結婚記念日を忘れた夫の、お詫びのケーキに悪態をつく妻。夫の気持ちは……?表情を見せない夫の演出が意味深でニクい。 ●『ふたりの出会いのお話』現実のカップルの結婚式のパンフレットに寄せた作品、ということらしい。特別変わった話ではないが、番う二人のやりとりの「ときめき」を美しく描く。 ●『ブラフ』バレー部の引退試合に向けて、次期キャプテンは3年の先輩達に厳しく当たる。先輩達は怒るが……。悪役の不器用さ。最後にニヤッとさせられる。秋★枝短編集恋愛マスター始まりの書4わかる