野愛
野愛
2021/06/30
美しければ幸せになれるのか
なかなか読んでいてしんどい作品でした。 男だから女だから美人だからブスだから、など。 他人には関係ないことなのに、見た目やスペックで好き勝手言われる世界。表面的なごく一部の情報をもとに自分という人間を品評される世界。美人でもブスでも地獄のような世界。 この漫画ほど酷くはないにしろ、そんな世界で私たちは生きているんだと痛感させられます。 主人公は自分の顔に絶望し、整形美人となった美玲。 綺麗になったんだからあとは楽しく生きたらいいじゃん!と思うのにそうもいきません。 人の顔をランク付けしたり羨んだり、人の好意を素直に受け止められなかったり、自分に自信が持てなかったり。 綺麗=幸せではないということをまざまざと見せつけられます。 もう一人の主人公(と言っても過言ではないと思う)天然美人で性悪・穂波の生き方にも苦しくなります。 美人でもブスでも整形してもこの世は地獄なのか…。 そんな絶望的な世界で、ゆっくりながら強く美しく成長していく美玲に心打たれます。 本当の幸せも美しさも、他人から決めつけられるようなものではないのです。 唯一読者が幸せになれるのは、美玲の過去を知るイケメン・慧との恋愛パートだけです。  ちなみに、まともな男性キャラは2人しか出てきません。あとはゴミです。