nyae
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2020/06/24
マトリョミン...
正直なところ、カレー美味しそう!食べたい!!っていう漫画ではなかったです。 「美味しいカレーを食す」漫画ではなく「カレー好きが色んなカレーを食べたりまつわるあれやこれやを体験し、思ったことや感じたことをそのまま描いた」という感じです。しかしこれが女性マンガ誌で連載していたというのはにわかに信じがたい。 主に東京と関西地方の店がたくさん出てくるんですが、調べるといまは閉店してしまっているところも少なくない。そしてこの作者はとにかく「激辛カレー」が好きで、自分はあまり辛いものが得意ではないことから、グルメガイド的には参考にならない部分が多いです。なんですけど、なんとなくダラダラ読んでしまう、クセになる漫画でした。 カレーって、知ろうとすればするほど好きになる料理だな、と知りました。好きになる、というか沼にハマって戻れなくなるイメージでしょうか。 この漫画を読んで、カレーと全く関係ないところで得たものは「マトリョミン」という楽器の存在を知ったこと。マトリョミン演りたい。演りたい演りたいめちゃくちゃ演りたい!!!気になったらYouTubeとかで見てみてください。
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2020/06/16
これぞいま読むべき青春群像劇の代表作 #完結応援
2巻で完結しているので、騙されたと思ってとにかく読んでみてください…とまずは言いたい。 これは恋愛のときめきを描いた青春というよりも、「自分らしさ」を見失わないように懸命に一瞬一瞬を謳歌する高校生たちの群像劇です。「自分らしさ」と一言でいうとなんだか薄っぺらい気がしてしまうのですが…。 例えば、あのときもっと信頼できる人が身近にいたら、もっと本心をさらけ出せていたら、好きなものを好きと言えていたら、人に合わせたり流されたりだけじゃない青春が送れたかもなあとか、そういう「あと一歩踏み出してればもう少し楽しかったかもしれない青春」に身に覚えがある人にとくに読んでほしい。 個人的な思い出でいうと、高校生活で出来た友人ほぼ全員と卒業式を境に一切の連絡を取らなくなり「そんなもんなの?」とちょっと思ったことがあります。当時は何も思わなかったんですが、今思えばどんだけ中身のない高校生活だったんだろうとゾッとすることもあります。なにかが違えば、そんな薄い関係の友達だけじゃなかったかもなーとか思ったりしましたね。 青春を描いたマンガは星の数ほどありますが、これはそのジャンルの中でももっと評価されるべきと思っています。 「捻くれた漫画しか読みたくねぇんだよ」という人にはオススメしませんが、それ以外の人にはオススメします。
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2020/06/06
ネタバレ
「人間入門」とは何だったのか #完結応援
決して最後までわかりやすく自分の感情を表に出さなかった青くんですが、まくびに出会い、まくびと自分の身に危険が及んだことで確実に心の持ちようが変わったと確信が持てるラストでした。 「人間入門」というタイトルにどんな意味が含まれるのか、人によって受け取り方に違いはあるでしょうが、「自分が悲しいと思うことはちゃんと悲しむ」という、生きる人間として当たり前のことのようで、意外とできていないことだと気付かされます。 また、まくびはペットとは違うけれど、命を預かることで「生命を維持する」ことの重要性と本質を知るというのは、この漫画のメッセージ性として少なからずあるのではと思いました。 本当に最後の最後、決してハッピーエンドとはいい難いあの終わり方に関しては色んな人の解釈を聞いてみたいところです。でもまくびの笑顔がすべてを物語っていると言ってもいい気がします。 どこか哲学的でひとつの答えにたどり着くものではないので、The・エンタメを望んでいる人には薦めづらいけれど、できるだけ多くの人に読んでほしい、感想を聞きたいと思える作品でした。
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2020/06/01
栗原まもる先生が描く素晴らしきエロコメのすべてが詰まっている至極の短編集
マンバで見つけた瞬間、懐かしすぎて叫びました。この表紙、今見ても悶絶するほど可愛いんだが…?本編の絵柄とちょっと変えてくるという遊び心よ… 昔持ってた単行本はどこへやったかわからなくなってるので、秒で電子をポチって秒で読みました。 いやあ素晴らしい。いま読んでも全部面白すぎて泣ける。こんなにもエロとギャグとラブのバランスを上手く描ける作家は他に知りません。わたしの中ではこれぞティーンの頃に夢中になった「栗原まもる」だ!!という感じです。この頃は「デザートはちょっとエロい雑誌」だと思っていましたが、今は全くそんなことないですね。 そしてこの年齢になって読み返すと気づくことがあって、ちょいエロコメな3編のあと、最後に掲載している全くエロコメではない「高尾山」という短編。これを最後に持ってくるということに昔はなんとも思わなかったというか、むしろエロくないじゃんと思ってそんなに心に残らなかったんだけど、今ならこの凄みというか実力というか、この1冊の完成度を最後にこれを持ってくることでガッと締めてる感がありますね。きっとある。何も伝わってない気がするが、それでも別に良いです。 この勢いで栗原まもる先生の電子書籍ぜんぶポチって一気読みしそうだわ…