生卵
生卵
6ヶ月前
この漫画は現在絶版になっていて紙でも電子でも基本的に読むことが出来ません。 唯一読む方法は中古で出回っているこの作品を購入することくらい。なのですが運良く1巻と3巻の新品を買うことができ 2巻は中古だけしか無かったので中古品を取り寄せ、ようやく読むことができました。 ストーリーは全寮制の高校に通う 高校3年生の主人公・小野が、片思い中の現国教師の池田が高校3年生限定で愛人を作っているという噂を耳にし 告白する所から物語がスタートします。 そして二人はセフレの関係性になるのですが池田の体には生々しい傷の数々 背中には大きなアイロンで付けられたような火傷の跡がついています。 誰かにつけられたであろう池田の生々しい傷の数々 俺だけは過去の奴らみたいに池田にはこんな事はしない!!と誓う小野でしたが、池田の数々の異常行動と一般的ではない激しすぎるセックスに普通の高校生の小野は疲弊しつつ戸惑っていきます。 高3限定とは一体何なのか? 池田の傷の謎とは? 高校で代々伝わる非合法のスナッフビデオの謎 これらを3巻でざっくりと紐解いていくのがこの高3限定という漫画で BL的な要素よりもサスペンスやバイオレンス表現の方がメインで描かれた作品となっています。 この漫画には作者が影響を受けたという実在の事件が存在していて(明言はされていないがおそらく女子高生コンクリート詰め殺人事件) 理不尽な暴力を受け続けた人に対して救いがあって欲しい、という作者が中学生の頃に感じたその願いを作品として昇華したのがこの作品らしく 主人公は暴力を一貫して否定し続けるし 池田は自分が受けた暴力に対して意味を持たせようと肯定的ですらあります。 暴力を極端に描くことで暴力を否定していると言う事はわかった上でキツイ表現の連続で 読んだことを若干後悔しそうになる作品ではありましたが この作品を読む事ができて良かったです。
六文銭
六文銭
6ヶ月前
自分の遺伝子に応じて、適職や配偶者までも 「iメンター」 と呼ばれるAIツールのようなものが判断してくれる世界。 しかも精度が高いからほぼ合っているという感じで、人類は無駄な努力というものがなく(例えば、野球選手になれる特性がなければ野球をしないとか)、効率的に人生を送れるというもの。 近未来では、わりとこうなりそうな感じで読んでてワクワクした。 しかも、1話完結のオムニバス形式ですが、徐々につながっていく感じはゾクゾクしました。 余談ですが、昔何かの本で、 パンドラの箱の中身にあった、すべての災いの正体は「自分の未来」 という解釈をした本があって、それを思い出しました。 つまり、将来自分がどうなって、いつ何で死ぬかを知ること以上の絶望はないという解釈だったのですが、確かに、どうなるかわからないから可能性にかけて頑張れるというのありますよね。 だから本作のように、生まれながらにして将来が決まってしまう世界は、絶望しないのかな?とか考えてしまった。 登場人物、意外と穏便に過ごしているので。 いずれにせよ、SFジャンルとして考えさせられる作品で、3巻完結なのも読みやすくて良い作品でした。