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ナベテツ
ナベテツ
2021/01/12
ネタバレ
2021年、最初の宝物。(完)
連載終了の知らせを知った時、深い喪失感に包まれました。何故という思いとともに、緊急事態宣言下での売上の厳しさによるものだと容易に察することが出来て、コロナを憎む気持ちがまた強くなったものです(それはコロナが影響した自分の失業よりも強かったかもしれません)。 連載で読んでいた時から毎号楽しみにしていましたが、最終回も含めて宝物と呼べる作品であり、この作品を届けてくれた増村さんに感謝をしています。 この作品には、「悪人」は存在しません。悪意を感じる発言や行為はあるかもしれませんが、それは当人にとっては決して「悪」ではありませんし、恐らく自分のような凡人が日常的に感じたり発したりしていることでもあると思います。作者の増村さんのまなざしは、決してそれを責めたりはしませんし、だからこそ自分達にとって身近に感じたり、「何か」を残してくれます。そしてそれはバクちゃんにとっても一緒なのだろうと思います。 最後にもう少しだけ。バクちゃんとおじさんが一緒に遊ぶ場面も見たかったなあ。増村さんが今後それを描く機会をもたれることを、首を長くして待ちたいと思います。
ナベテツ
ナベテツ
2021/01/11
究極のマンネリズム
ミニマルミュージックというジャンルがあることを知ったのはいつだったか思い出せないのですが、その概念で語り得るギャグマンガというのは恐らくいしい先生のこのタイトルなのではないかと思います。 いしいひさいちという人がギャグの世界における革命者であるというのは、愛読者にとって今更語る必要もないことですが、この作品のおかしさというのは多分古びることなく笑い続けることが出来るのではないかと思います。 一見すると、同じフォーマットで繰り返されるマンネリのネタに感じるかもしれませんし、下らないと切って捨てられるかもしれません。ただ、読み続けていくうちに、恐らく読者にはクスリという笑いから始まって最終的には爆笑がもたらされると感じています。 くどいようですが、反復することによって生じるダイナミズムというものは存在していますし、いしいひさいちという天才は、その効果を自覚的に自らの手法として取り込んでいます。 河出書房新社のいしい読本において、大友克洋さんがこのタイトルを大好きだと答えていて、いしい作品をきちんと読んだことのない人に勧めるのに良いのかも知れないと思ったりもしました。