木田敏郎(きだとしろう)、38歳独身。女性とつき合うことなく人生が終わってしまうことに絶望を抱いている男。そんな木田がある日、アパートの隣の部屋で日替わりで女の子が訪れるナチュラルなイケメン大学生・松岡悠太(まつおかゆうた)の身体に、何故か乗り移ってしまい揉めながらも二人の同居生活(ボディーシェアリング)が始まった。木田と松岡は、大学の同級生リエとツッチー、ケーコとの飲み会のあと、四人で旅荘に泊まることに。そんな中でも木田は、再びリエを口説こうと、暗闇作戦を始めるが…!? 松岡に“想いを寄せる女”ケーコの告白!! 木田の“初恋の女”山口さんとの再会!! “月曜日の女”ナオコの出現!! “不動産屋の女”昨日今日子が迫る選択!! 木田と松岡の“真の幸福”は…!? 愛と青春の日々に出会えなかった野郎どもに捧げる、2心1体コメディー完結!!
岡崎京子のあの名作が、電子版となって登場!2ヶ月連続(7月末、8月末)リリース。著者の普遍的テーマ「BOY MEETS GIRL」を描いた傑作。88年に『平凡パンチ』に連載、89年『pink』に先立つこと約半年前に刊行された同名タイトルの新装版。フツーの処女ハルコが優等生なのに高校をドロップアウトした「プー」のケンイチにひと目惚れ。そのケンイチは不良女子高生にひと目惚れ。その間、売春斡旋小学生や生き霊ばあちゃんに憑依されるなどのエピソードが盛り込まれる。思春期ならではのモヤモヤや、鬱屈とした気持ちを抱えたハルコとケンイチ。二人が出逢い、すれ違い、そして・・・純愛だけどエッチで、切ないけどどこかおかしい、普通だけどヘンテコで、甘酸っぱくてまどろっこしい、ザ・ラブ・ストーリー。岡崎京子作品の、初期群から『pink』以降の作品群へ移行するまでの、まさに過渡期的作品。