仄見える少年(読切)

2018年ジャンプで一番おもしろかった読切!!

仄見える少年(読切) 松浦健人
たか
たか

今週からトーキョー忍スクワッドが始まったので去年のはちゃめちゃに面白かった読切を再読。 絵の巧さ・キャラクターの個性・演出・コマ割り・カメラワーク・ストーリー。 どれもずば抜けていて何度読んでも面白い完璧な読切…! なんでこっちで連載しなかったのか謎なくらいひたすら最高。 この読切を読むために250円払って2018年39号を購入しても後悔はないのでぜひポチってください。 https://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2018035D01_57.html 物語の舞台が、学校から恐ろしい黒猫が現れるトンネルへ移ると、作者の素晴らしい演出で緊張感がグッと高まる。その緊張感が、主人公の能力が明らかになって一気に解放されるのが爽快…! あの猫は一体なぜ七瀬を守ってたのか。 お姉さんは一体何者なのか。 景はなんで電話をするときわざわざ右手で左耳に当てるのか。 景になぜクソやべーやつが憑いているのか。 読切で明かされていない、余白の部分にワクワクして止まらない。 「怪奇ホラー路線が呪術廻戦と被っていなければ、連載に採用されていたんだろうなぁ」と思わずにいられないほどの完成度。 今回読み直してみて、改めて新作への期待が高まりました。 (画像はトンネルに入るシーン。ここで飛び出し坊やをアップにするのすごい好き。このあと急激に緊張が高まってバーン! と景の能力が明かされるのが最高…!) 【追記: 2020/09/02】 連載版の感想はこちら↓ https://manba.co.jp/topics/25125

奈落の仔

四の五の言わずに読んでほしい名作…!! #読切応援

奈落の仔 辻田大誠
たか
たか

うおお〜〜! もう、とんでもないものを読んでしまった…凄まじい!! 扉絵を見た時点で「うわこれ絶対おもしろいやつ」と思ったし、実際半端じゃない面白さだった。 https://i.imgur.com/7aLgHGm.png (『奈落の仔』辻田大誠 週刊少年ジャンプ2020年19号より) まず何よりもこの作品について言いたいのが、絵の上手さ。 スタイリッシュなキャラクター、かっこいい構図、白黒ハッキリした塗り、世界の解像度を高める背景・小物の描き込み。 週刊少年ジャンプの名作に共通する「技術的な経験則」をすべて抑えてあって、紙面が完全に「面白い少年漫画」のそれで、もはや絵だけで「あっ面白い」と脳が認識してしまうレベル。 辻田先生の絵に関して、自分は全肯定大絶賛なんだけれど、仮にこの絵を「へたくそ」と言う人がいても、その言い分はなんとなくわかる。 辻田先生の画風はONE先生と共通するところがあると思う。 細かい描き込みや構図という、見せ方(表現)のセンスがずば抜けていて、かつ絵の線に『独特の歪み』があって素晴らしい味わいを生み出しているところが似ている。 そして2人とも、線の歪みが顕著なコマがある一方で、ここ一番の大事なシーンでは線を研ぎ澄ませ絵のクオリティを高めているところも共通している。 この『線の歪み』という一部分にだけに注目してしまうと「へたくそ」に見えるかもしれない。 https://i.imgur.com/CeNyIXl.png (『奈落の仔』辻田大誠 週刊少年ジャンプ2020年19号より) …………。 否定的な人を想定して、先回りして理解があるようなことを書いてみたけど、いやでもメッッッッチャ絵上手いでしょ…!?!!! 見ればわかるよな??? 最高だよ絵のセンスなにもかも…。 そして絵だけじゃなくて、キャラクターもストーリーももっと読みたくなる設定でたまらない。 キャラクターの設定も、クセが強すぎずベタすぎず(個人的に「ウジウジした弱虫」「明るさだけが取り柄の馬鹿」はもう見飽きてるので勘弁)ですごくいい。100万本の刀拾いをしていた少年が、死にかけの男から神の宿る妖刀をもらうっていう導入がクソ格好良い。 サイドキャラクターの魎も凶子も出しゃばりすぎず、しかしそのバックグラウンドを自然と想像してしまう存在感がある。そしてそんな2人との出会いで主人公は成長する。 はぁ〜! 良良良〜〜〜!!!! いや、ホント良さしかない…!! 本編の前に掲載されている「ご挨拶」によると、先生は1998年生まれで14歳から持ち込みをされているとのこと。ここらでぜひ連載していただきたい…!! 辻田大誠先生の次回作、『連載』を楽しみにしています!!