2018年10月17日(水)、渋谷マンガサロン『トリガー』にて
「マンバ読書会 〜知られざるコンビニコミックの世界〜」が開催されました。
https://peatix.com/event/442441
単行本未収録作品が掲載されているもの
コンビニコミックでしか単行本化されていないもの
貴重な作者や関係者のインタビュー・コラムやデータが載っているもの
コンビニコミックから生まれた名作
虚実入り混じった実話系マンガ
出版社の垣根を越えたコラボ
時事を感じさせる広告
などなど……
コンビニコミックならではのコアな魅力を語り合うべく、様々な作品が持ち寄られました。
「こんなイベント二度と開催されないのではないだろうか」
「あまりにテーマが特殊すぎてお客さんは来るのだろうか?」
などの懸念もありましたが、蓋を開けてみればとても熱く濃いイベントとなりました。
うずたかく積み上げられたコンビニコミックタワー!
明らかに今までの読書会史上でも最多の量を持ち込まれた方も。
ニッチなテーマなだけに、参加者一人一人の熱量が非常に高かったです。
最初に参加者同士で簡単な自己紹介を行った後は、本を持ち込んだ参加者が
それぞれの作品について説明するプレゼンタイム。
非常に興味深い話が沢山登場しました。
この時プレゼンされていたのは 『吼えろペン』。
サンデーGXコミック版とは全く違うボツになった最終回が
こちらのコンビニコミック版にだけ収録されており、
島本和彦ファンの方は必見です。
現場にない本についても、適宜プロジェクターに投影して補足されながら
終始和やかなムードで進行しました。
普段は全く耳にしないような情報が次々と飛び出てきて、完全な聴衆として
遊びに来た方の満足度も高い内容でした。
プレゼンタイムの後は、一時間ほどの読書タイム。
話された作品を読んだり、またそれについて語り合ったりしていました。
この日、話題になった作品をいくつか紹介します。
『ねこだのみ』
少年画報社の『ねこぱんち』で有名な、猫まんがアンソロジーの小学館版。
それだけ聞くと「パクりではないのか?」と思ってしまいそうですが、中を見ると
萩尾望都、雁屋哲、谷口ジロー、高橋留美子といった錚々たる面子。
神保町のにゃんこ堂(猫書籍専門店)で入手したとか。
『ねこぱんち』のパンダ版で、パンダマンガばかりが載っており懸賞ページの景品もパンダ一色。
始まった瞬間にパンダが死んだ話が話題に…。
作家陣の中で特筆すべきは角光先生。
かつて少年チャンピオンで「パンダのこ」というマンガを描いていた筋金入りのパンダ好きだそうです。
現在は『BEASTARS』のお手伝いをされているそうで、パンダキャラのゴウヒンさんは角先生が描いているのでは?というお話がありました。
『まるごとあさりちゃん』
全表紙を並べた巻頭のおまけページが素敵な1冊。
単行本未収録の第1話が載っていて非常に貴重だったのですが、
最近電子書籍で読めるようになってしまったそうです。
『解体屋ゲン』
「解体屋」と書いて「こわしや」と読む本作。
内容としては土建業者版『こち亀』。500話以上描かれながら、
単行本一冊とコンビニコミック二冊しか出ていなかったものの
最近ようやく電子書籍化が本格化してきた知る人ぞ知る名作です。
『映画原作ドラえもん大全集』
今回持ち込まれた中でも、最厚の1000ページ超えのコンビニコミック。
『ドラえもん のび太の恐竜』から『ドラビアンナイト』まで、
11編の『大長編ドラえもん』シリーズ+『ぼく桃太郎のなんなのさ』を収録。
当時の映画ポスターなどのカラー資料も貴重な一冊です。
『コアコミックス あなたの知らない闇世界』
空間が歪みそうな圧を表紙から感じます。
裏社会系マンガもコンビニコミックの特徴。あるシリーズを
コンプリートしているという方もいました。
『ブルース・リー物語』『与沢翼物語ー平成の肉食主義ー』
「この二冊が並べられるイベントなんてここだけだ!」
という、今回のイベントの特異性を如実に示す二冊の並び。
読んだ方によれば、内容としてはどちらも非常に面白かったとのことです。
『バカ潜入!』
現在『バスタブに乗った兄弟~地球水没記~』を連載中の櫻井稔文先生の
以前の名義で描かれた、体を張りすぎたルポマンガ。
風俗店の体験ルポに始まりホームレスとの飲み会や宗教施設への潜入など、
大手ではなかなかできないハードな内容で、現在はプレミアがついています。
こちらが、この日集められたコンビニコミックのすべてです。
「持って来るのが重かった」
と口々に言われたり、
「臭いので気を付けてください」
と独特の臭いを放つ本もあったりといった
”コンビニコミックあるある”もあり、笑いを誘っていました。
全体的に普段の読書会にはない、独特の雰囲気に包まれた会でしたが
「今日は本当に素晴らしかったです」
という参加者の方もいらっしゃいました。
今後も多くの方にご参加して頂ける広いテーマの読書会も行っていく傍らで、
こういった独自性のあるテーマでの読書会も引き続き開催できればと思います。
なるしまゆりを読もうとして、色々調べていたところだったのでありがたいです。
少年魔法士から読もうと思ったのですが、ちょっと巻数がおおいので、躊躇していたところでした。ぼくと美しき弁護士の冒険は完結してるようなのでこれから読んでみます。
潮見知佳のも面白そうですね。
クジラの子らは砂上に歌うは読んでいます。昔チャンピオンで連載していた「幻仔譚じゃのめ」を読んで面白かったので、チェックしていました。
「王国の子」は2巻まで読んで、完結してから読もうと思っていました。
田中相は好きなので「LIMBO THE KING」は読んでいます。他の漫画も面白いですよね
少年チャンピオンの「出陣★昆虫武将チョウソカベ!」をお願いします
ビックコミックスピリッツ
週刊少年チャンピオン
週刊少年サンデー
週刊少年マガジン
とかもですね
杉浦洸「My Sweet Bōkū Zukin」(別冊少年チャンピオン2018年4月号)
空襲を描いたマンガは多くあるけど、これほど異色の作品はそうない。
「目玉」の描かれた防空頭巾をモチーフに、悪夢のような体験が見事に描き出されている。
作者を調べてみたら以前チャンピオンで「投棄区画」を描いてた人だった。
そちらはハードSFな内容で結構面白かったんだけど、短期連載で単行本にもなってないんだよな〜。雑誌を捨ててしまったことを悔やむばかり…