どきどきDO!れみ

少女漫画2000%!子々孫々に受け継ぎたい少女漫画 #完結応援

どきどきDO!れみ うえだ未知
たか
たか

マンバのKindleUnlimitedページにある「全巻読める3巻以下の作品」で見つけたのがこれ。表紙のそこはかとない洋風なテイストがキュートで読んでみると、中身も超かわいいお話だった。 主人公のれみちゃんはセーラームーンのうさぎちゃんぽいというか、一生懸命なんだけどそれが空回っちゃってすぐメソメソする子。でも泣いてもすぐ立ち直って元気100倍頑張る素敵な女の子。 物語は「小学4年生がドジをたくさん踏みながら、初恋の男の子に一生懸命自分の気持ちを伝えるだけのお話」で、腕に自信のあるシェフが1品だけで勝負するレストランのようなすごさを感じました。こんなにピュアなテーマをかけるなんて強い。小学生向け作品として王道を極めてる。 そしてまあ〜絵が可愛い!ギャグ顔がぴえんのお餅みたいになるところたまらない。着てる服も全部素敵! 初恋の男の子がくれたちっちゃな虹を作るスワロススキーや、そこに宿った恋の妖精など、女児の心をダイレクトにくすぐる要素がたくさんあるのも最高! あと美人の彼女がいる剣道部の高校生のお兄ちゃんがいるっていう設定もたまらない。高校生のお兄ちゃんほしい! 読むといつでも女児になれる、そんな作品です。

私のジャンルに「神」がいます

全ての創作物に感謝したくなる

私のジャンルに「神」がいます 真田つづる
六文銭
六文銭

話題になって読んだが、特定のコンテンツにのめり込んだような経験がある人にはあるある的な内容だと思います。 自分は創作まではいきませんが、のめり込んだ先に色んな人のレビューや別の角度でとらえた新説なるもののブログ、はては二次創作の作品まで深入りした経験があるので、よりしっくりきました。 さて、本作の内容ですが、二次創作(BLジャンル?)界隈で才能を輝かせる綾城(あやしろ)とそれに触発された読者をオムニバス形式で展開し、加えて「おけけパワー中島」というSNS上で綾城と絡んでくる謎の存在がシリーズ通してでてくるというのが基本の流れ。 綾城という彼女の読者(というか信者)にとっては神的存在に、「おけけパワー中島」が馴れ馴れしく接する姿が、良い感じでイラッとさせるんです。 特に、文面上でしか出てこないという、その不気味さも残しながら人間味もある感じが妙にリアル。 また 「おけけパワー中島」 という、一度聞いたら忘れられないネーミング! たまに、SNS上でセンスフルなネーミングの人いますけど、そういう感じなんだと思います。 綾城に触発され創作意欲を燃やす人、嫉妬する人、綾城に会いたがる人など色んなパターンの悲喜こもごもが描かれ、読んでいて自分の中にある人格の全パターンが網羅されている感じ。 オタクとしては共感の嵐です。 創作の苦しみや喜びを感じるとともに、作家様の創作物を拝ませていただけるということのありがたさを痛感する作品です。

本日は休診

受け継がれるもの

本日は休診 石川サブロウ 見川鯛山
野愛
野愛

『本日も休診』が素晴らしかったのでこちらも読んでみました。 那須高原で小さな診療所を営む見川センセが主人公…といっても、今度は息子の見川鯛岳センセが主人公です。お父さんよりは腕に自信がありそうですが、しょっちゅう休診にしちゃうところやお人好しなところはお父さん譲りのようです。 那須の大自然のもと、図太く生と性を謳歌する人々の描写には相変わらず胸を打たれます。 しかし、変わらないものだけではないのが『本日は休診』の魅力です。 これは見川鯛山センセ亡き後の物語なのです。 今作の主人公である鯛岳センセも、お父さんと同じように愛され頼りにされています。それでも、父親のように信頼されているわけではないと思案するのです。それもそのはず、お父さんを訪ねて来る人や昔から知る人に囲まれて診療所を営んでいるのですから。 しかし、鯛岳センセはお父さんの名残りに甘えず鯛岳センセとして人々と向き合っています。 命と命がバトンを繋いで新たな生を紡いでいくのだ、というのが『本日は休診』のテーマなのかなと感じました。馬の出産に立ち会うことになったのも、鯛岳センセだったからだと思います。 変わらないようでいて、変わりゆく新しい時代を感じさせるような作品でした。

何かを掴んでないとどこかに飛んで行っちゃうアザラシ

何かを掴んでないとどこかに飛んで行っちゃうアザラシの話

何かを掴んでないとどこかに飛んで行っちゃうアザラシ きくちゆうき
名無し

です(完)。これだけだとあまりにもなので本書の基本構成を補足すると以下の通りです。 ◯左ページ:オチでアザラシが飛んで行っちゃう4コマ漫画 ◯右ページ:オチを補足しつつなんかそれっぽいことをなんでか英語で言う扉ページ ◯左ページ左下:から徐々に浮上してくるアザラシのパラパラ漫画 この4コマ+トビラのコンテンツを基本にしつつ巻末ショートエピソードも読めちゃうという一冊。『100ワニ』のユルいノリと、たまに見せる鋭さが好きだった人にはこちらも読んでみてほしいです。英語の勉強にもなるし。 とにかくアザラシが何かの拍子に掴んでいたものから手を離して飛んで行っちゃうシチュエーションの豊富さが笑えます。そんなに手を離して飛んで行っちゃうことある?ってくらい飛んで行っちゃう。自分は燃え盛るビルから脱出するのが一番好きかな。 という具合に傍から見てると面白い生き物なんですけど、よく考えたらかなり悲壮な存在でもあることがふとした瞬間に感じられたりもします。 表紙でアザラシが掴んでいる「足を置く場所がないセグウェイ」みたいなやつも、何かを掴みつつ移動するための欠かせないアイテムなんですよね。そんなんお前以外に必要とするやつおる?みたいな「切実さ」が感じられるというか…。 思いを寄せるうさちゃんとも思うように一緒に居られないもどかしさが描かるなど、実は彼だけが感じる孤独が真のテーマ…なのかもしれませんね…わかりませんが…。 余談ですが私が調べたところ59話ある4コマのうちオチで飛んで行っちゃわない回が13回ありました。飛んで行っちゃわない回に遭遇するだけで「おっ、ツイてるな」という気分になれるのでちょっとお得です。