サイコ×パスト 猟奇殺人潜入捜査
シリアルキラーを分析するという題材が面白い
サイコ×パスト 猟奇殺人潜入捜査 本田真吾
六文銭
六文銭
警察官である主人公が、過去にタイムリープして、シリアルキラーを止める話。 タイムリープするためには、同じ課にいる上司、父親が警視総監で人の意識?を過去に送れる特殊能力をもつ「飛高紫苑」の力が必要。 え?過去に意識を飛ばす? しかも被害者の体に入る? と、リアルな犯罪ものかと思いきやSFも入って良い感じ。 シリアルキラーに殺される前の被害者を体験することで、シリアルキラーの動機なり人物像を把握したいっていう飛高の魂胆。 被害者を体験・・・と言えば軽い感じですが、そこで死んでしまえば終わりらしいので、被害者の体を使って主人公は殺されないように闘うのがスリリングです。 飛高も作品内で言及してましたが、 確かに海外の無差別殺人鬼とか、英雄とまではいいませんが、サブカル雑誌とかでカルト的な人気誇っている人物いますよね。 常人じゃ理解できないからこそ、謎の魅力があるんだと思いますが、その点は自分も共感したので、興味深く読んでおりました。 実際は目も覆いたくなるような残虐性だったりしますが、 どうしてそんなことしたのか?どういう精神なのか?と、ロジックでははかり知りないからこそ、好奇心が駆り立てられる感じです。 本作で、それが少しでもわかると題材として面白いなと思いました。 そして、飛高紫苑がなんとも怪しすぎる。 何か裏がありそうで、その点も注目ポイントです。
来陽と青梅
「中学時代」と書いて「地獄」と読む。最悪すぎて最高なジュブナイル・ストーリー
来陽と青梅 深山はな
たか
たか
2021年12月、半年ほど前に知り合いからおすすめされたものの積んでいた『来陽と青梅』をついに読みました。ヤバすぎますねこれは……!なんでこんなに知名度ないのか不思議。ある意味『チ。』ばりにエグくてぶっ刺さる話だからもっと話題になっていいはずなのに。 狭い世界。 未熟な男女交際。 男に媚びて友達を陥れる一人称が名前のクソ女。 シンプルに頭が悪い同級生。 陰口。 同調圧力。 とにかく中学生の最悪なところが全部ブチ込まれています。 私は中学時代「ねぇ〜たかは好きな人いる〜?⤴️」と恋愛体質の女子に絡まれて死ぬほどつまらない恋バナに巻き込まれるのがだ〜〜いっ嫌いだったので、「あはは…今は好きな人いないかな〜」と愛想笑いで流しながら 「なぜ常に好きな人がいる前提で聞いてくるのか」 「仮にいたとして、おめーに話したら確実に次の日には学年の無数の女子にバレるのにそんなリスク犯すわけねえじゃん」 「そもそも対して仲良くもねえお前にそんな大事な情報話すわけねーべ馬鹿か?」 と内心罵詈雑言を浴びせかけつつ、全力で恋バナを回避する努力していました。 本当に仲のいい友達には話しても良かったかも知れませんが、その当時読んだ小説で読んだ「誰が1人に秘密を言うことは世界中に向かって言うのと同じだ」という言葉を噛み締め、『身の安全』には充分気をつけて学生生活を送っていました。 だからこそこの漫画はゲボ吐きそうなくらいしんどい。 自分もほんのすこし何かが違ったら、主人公と同じこの地獄にいたかも知れない……。 「存在しない中学時代の記憶」を眺めているかのようなおぞましさがこの作品の魅力だと思います。 中学時代に味わわされた嫌〜な気持ちがブワーーッと全部まとめて甦ってくる最悪すぎて最高なジュブナイルストーリーです。メンタル元気な時にぜひ……!
きみのご冥福なんていのらない
体を動かすためには"接触"しなければいけない!?ラブコメマンガ #1巻応援
きみのご冥福なんていのらない 松尾あき
sogor25
sogor25
仲はいいけども付き合っているわけではない、"友達以上恋人未満"な関係の高校生・小野と篠原。 ある日、何気ない会話の流れから小野は篠原に告白してしまうのですが、あまりに突然の告白だったために篠原はその場を逃げ出してしまいます。 次の日、小野に合わせる顔がないと思いながらも学校に向かった篠原なのですが、そこで彼女は小野が交通事故で亡くなってしまったことを知ります。 その後、悲しみに暮れていた篠原が小野の眠るお墓を訪れるのですが、そこでなぜか彼が"ゾンビ"として蘇ってしまいます。 ゾンビではあるもののちゃんと自分の意思を持って蘇った小野なんですが、どうやら一定時間が経過すると身体が動かなくなってしまうようで、再び身体を動かせるようにするには 篠原と接触して"胸を鳴らす"必要があるらしいということが判明します。 この"胸を鳴らす"という設定が絶妙で、小野が活動を続けるために必要な"身体的接触"がそのまま"恋のドキドキ"へと結びついていくという、実は最高にラブコメしてる作品です。 もちろん小野はゾンビであり、今の身体の状態がずっと続くという保証はないのですが、それはある意味では「思春期の淡い恋模様」と同じだと捉えることもできると思うので、純粋にこの2人の関係を見守っていきたい、そんな作品です。 1巻まで読了