ビームコミックスの感想・レビュー475件<<1617181920>>クレヨンと鉛筆の跡があるマンガ春山町サーバンツ 朝倉世界一南 光裕ひとりで、アナログで描いたことが大事な漫画。 子供が画用紙にひいたような地平線。テクニックをあえて無視したゆがんだ背景。 技術をあえて封印して、苦労の末に手書き風に描いたのかもしれないけど、読者の目には楽しく自由な感じしかしない。 子供のときノートに描いて友達に見せたマンガ。がそのまま凄くなった。 主人公のつるこが公務員として、さまざまな職業の人と出会っていくストーリーだけど、話の展開よりも次々出てくる登場人物、会話のふわっとした感じがいい。恋愛の表現とか連発されるダジャレが、子供の感性。 同僚はタヌキさんで、お父さんは挫折した小説家で、イタリア人のすし職人は店を出す。 いちおうテーマは仕事。 仕事に夢中になっている人はりりしくなる。 息詰まったら、やつれて幽霊みたいになる。 この漫画自体も、漫画家という職業の人が仕事で描いたものだ。 全部きっちり緻密に描かれると、働くことの楽しさを描いた作品なのに、やっぱり苦労が伝わってしまう。 楽しそうに描かれた漫画で、働くことのポジティブな面を描いているから納得できる。この描き方だから伝わる。 スピリチュアルでスプラッタなニューヒロインが誕生!三家本礼新連載アイアン・ゴーストの少女 三家本礼地獄の田中コミックビームで新連載がスタートした。最初のカラーページからさっそく不気味すぎる儀式&スプラッタな展開で三家本ファンとしては最高。どんな話になるのかはたぶん次の話くらいではっきりわかると思うが、表紙にもなっている人形が敵をなぎ倒していく話になるんだろう、きっと。 世界観的にはサバト・悪魔崇拝・降霊術っていう要素があったので、「ゾンビ屋れい子」よりももっとスピリチュアルに方面に行った設定になりそう。「血まみれスケバンチェーンソー」は、改造死体っていうやや科学的だったから結構ギャップを感じる。 また、これまでの三家本ヒロインは、爽快なスプラッタ展開を支えるだけのサバサバしていてやや男勝りなヒロインが多かったけど、「アイアン・ゴーストの少女」の甘里ミオはどこか妖しい雰囲気のある感じ。これまでにないヒロイン像になりそうなところも注目したい。一番アホらしいグルメ漫画目玉焼きの黄身 いつつぶす? おおひなたごう冷やしタンタン誰かと一緒に食事をして、こいつ育ちわるいなぁっておもったことありませんか?僕は細かい性格のせいか、自分と違う食べ方をしていたら、こいつ育ち悪いなーとすごく思ってしまいます。というような自分と食べ方が違うことで主人公がめちゃくちゃショック受ける漫画です。 目玉焼きの黄身をいつつぶすかに始まり、ショートケーキの苺いつ食べるかや、カレーをぐちゃぐちゃにして食べるとか、いろんなことにショック受けて、彼女と別れたりもしてアホやなぁ、、、クスッと笑えるとこも好きです。 三家本礼を知るならうってつけの1冊マジョンナ 三家本礼 Extra Works 三家本礼地獄の田中三家本礼ってどんなマンガを描くの?っていうのを知りたければこの1冊がおすすめ。 自殺をした娘のためにいじめっ子家族を懲らしめる「クレイジーママ」や給食費を払わない家族を懲らしめる「給食の飯田さん」なんかは、世間でまかり通ってしまっている不条理や不義理に行きすぎた制裁を加える三家本作品的な勧善懲悪具合がよく現れている。 単なるスプラッタホラーではなく、独特の価値観のもとにスプラッタが展開されるのが三家本礼作品の魅力で、三家本作品に出てくるヒロインたちの魅力だと思うので、これを読んで気になったら、「ゾンビ屋れい子」とか「血まみれスケバンチェーンソー」とか「サタニスター」とかを読んでもらいたい。厳選!読んでほしいこのマンガ魔王城の料理番 ~コワモテ魔族ばかりだけど、ホワイトな職場です~著者:ワイエム系2巻まで刊行作品情報はこちらずっしりとした読後感の作品集伊図透作品集 伊図透なまこデラックス『銃座のウルナ』『エイス』『おんさのひびき』などの伊図透の作品集。 短編ながらどれもずっしりとした読み応えがあってとてもいい。全面に押し出しているわけではないんだけど、抑圧や不条理に押さえつけられている人間の姿が自然と描かれていて、じっくり読ませる力がある。 特に表題作にもなっている『辺境で』は重たい話が続いた最後に諦めに似た救いが用意されていてとても素晴らしいと思った。夜明けを取り戻す冒険夜よる傍に 森泉岳土名前はまだない森泉岳土先生の作品で初めて読んだ長編です。どの作品でも日常と空想世界の行き来がすごく素敵ですが、「夜よる傍に」もその行き来がすごくよかったです。 夜だけ視力が元に戻る女の子とトラウマ?で夜眠れない男が、絵本の世界を通じて夜明けを取り戻す話です。 絵に味わいがあるし、ストーリーもじんわりと染み入るものがあってオススメです。夢枕獏のSF時代アクション大帝の剣 夢枕獏 渡海starstarstarstarstarウマタロこの漫画、前半のドライブ感がすごい良かった。後半はアレだけど。 主人公の源九郎と、忍者の佐助の邂逅するシーンが特に好きで、何度も読み返した覚えがある。 2人の殺陣が格好良すぎて痺れたグラフィックとドラッグ要素が話題になりがちだけどウルトラヘヴン 小池桂一名無し近未来SFとしても十分面白い。複数人で共同幻想を作り出す共感覚トランスとかはVRの先の世界だし、スピリチュアルな要素が多いのも好み。現実なのか妄想の中なのかわからなくなる感覚はマンガならでは。20年くらい前の作品なんだな。。ワガランナァー 羽生生純名無し4人のホームレスが毎回くだらないことをする話。友達から借りて読んで面白かった記憶があったんだけど、改めて読むと当時を知らないと笑えないネタとか、今は陳腐化してしまったネタがあり、時の試練を感じた。まぁでもそんなことは気にせずに楽しめるし「わがらんなぁー」て言いたくなるよ。コミックビームで集中連載スタート甘木唯子のツノと愛 久野遥子りょー1ツノのある妹とツノのない兄の話。 お母さんがいなくて家族の方でもちょっとしたものを抱えてて、妹はなんでかツノが生えてて周りからバカにされたりするようで、その不安を兄妹が向き合っていくようなストーリーになるのかな? アニメーターとして活躍しているようで、絵も綺麗で間の取り方も上手で、面白かった。自身の性について考えさせられる一冊放浪息子 志村貴子さかえ「女になりたい」「男になりたい」 生きてきて一度は思ったことがあるそんな気持ちを、小学生のころから燻らせるふたりの男女が主人公。 またふたりの周囲の人たちもひとくせふたくせもある個性的なキャラクターが多いのに、登場人物の生活感や現実味が、隣町にいるのではないかと考えてしまうほどリアル。 題材としてはすこし特殊だけれども、こんな子いるよね、と思えるような作品でした。ちょっと残酷(かわいそう)なタイムスリップ漫画大人スキップ 松田洋子リョーコ※ネタバレを含むクチコミです。横山旬の最新作は人形?の冒険劇あらいぐマンといっしょ 横山旬なまこデラックス独特のタッチでかわいらしいキャラを描くけど内容に深みもあって「変身!」とか好きだった横山旬の最新作。 今度は雷に打たれた男が意識を取り戻すと、ちょうど雷に打たれた時に捨てようと思っていたアライグマのぬいぐるみに魂的なものが入り込んでしまっていた男が、なんやかんやあってパンクスっていう男(普通の人間)と一緒に結婚を申し込むはずだった婚約者を探す旅の漫画。 基本的に旅先で出会った人たちとの事件なり出来事があって、また次のところへ旅立つっていうのを繰り返して行く。あらいグマンが捕まったり、パンクスが問題起こしたりするけど、最終的に大団円みたいな感じでまとまる。ついでにパンクスは暴力的で何考えてるかわからないけどなんか変なところ優しくて憎めない。上巻だけ発売されているので旅の終わりが気になる漫画。出会いと別れの短編集 原百合子デビュー作熱海の宇宙人 原百合子レレレのおばちゃん1番古くてビーム2015年の5月号、最近ので2017年6月号だから2年の間に描かれたものをまとめた短編集。 どれも出会いと別れをテーマにしているように思います。世界観は現実感がありながらどこかファンタジック。 宇宙人が出てきたり、違う惑星に不時着した青年の話だったりするSF的なものから、バレエダンサーの青年が指人形みたいな妖精と出会う話まで、ちょっと不思議な話。 心理描写が繊細でまた描き方がとても独特なので読んでいてすごく引き込まれます。優等生の女の子と死んでしまった愛犬のハートフルな話わずかいっちょまえ 星里もちるりょー1母子家庭で一人っ子で優等生の遊川和好(わずか)と和好の心の支えだった犬のマッハ号の話。 死んでしまったマッハ号が幽霊的な感じで天界に止まって和好のことを見守っていたり現世に戻ってきたりするから、孤独感に苛まれる和好をマッハ号が幽霊パワーで助けるって漫画かなと思っていたらそういう訳でもなかった。 マッハ号は直接和好に関わることはほぼなく、マッハ号に頼りっきりだった和好がマッハ号から自立してちょっと大人になる話でとてもよかった。『ハルはきにけり』も収録祈りと署名 森泉岳土名前はまだない「ハルはめぐりて」を先に読んでいたので、祈りと署名に収録されている「ハルはきにけり」を見つけた時は驚きました。 「ハルはめぐりて」でいろんな国を旅していたハルの物語で、これまたとてもいいです。 アルゼンチンの反対のナイゼンチンを探すために図書館で地図帳を広げながら、行ったこともないナイゼンチンに思いを馳せて空想が広がっていく、森泉岳士らしいファンタジックな漫画でとても面白いです。 普通はもう読んでいるのかもしれませんが、「ハルはめぐりて」を読んだなら、こちらも読んでほしいですし、どちらも読んでいないなら、「ハルはきにけり」から読んでほしいです。『カロリーファイターあいちゃん!』谷口菜津子 月刊コミックビーム 2017年6月号カロリーファイターあいちゃん! 谷口菜津子名無し食べるのが大好きな女の子が、怪獣から街を守るためヒーローに変身(巨大化)! ヒーローとして人命救助をこなしつつも、ダイエットやDV彼氏のことで悩むアンバランスさが面白かった。 怪獣にネイルを剥がされれてメッチャ怒るところなどは、等身大の女子すぎる。。 ちなみに谷口菜津子作品といえば、トーチで連載していた「人生山あり谷口」や『わたしは全然不幸じゃありませんからね!』『さよなら、レバ刺し〜禁止までの438日間〜』の単行本もおすすめだ。 http://www.to-ti.in/product/?id=5『○休SF大会』 コミックビーム2017年6月号夜は千の眼を持つ 上野顕太郎地獄の田中久正人パロディの「イッキュウガン」 永井豪パロディの「トンチーイッキュー」 三部けいパロディの「一休だけがいない街」 石ノ森章太郎パロディ「イッキュウの道」 一休さんでここまでパロディするか?ってくらい盛りだくさんで面白かった遠くに行きたくなるハルはめぐりて 森泉岳土西野特に上がるでもなく下がるでもない、疲れた時にいい漫画。扉のコラージュも洒落てる。クローヴィス・サングレールのコミカライズクローヴィスのクロニクル 二宮亜子マンガトリツカレ男モットー通りの、「価値ある嘘は上手につくべし」の物語 適当な嘘つきっぽいけど感じだけど、最終的には人の悩みを解決したりして面白い。 サキという小説家は初めて知った。 『漫画屋稼業』谷口ジロー追悼漫画夜は千の眼を持つ 上野顕太郎地獄の田中今発売中のコミックビーム5月号に掲載されている『漫画屋稼業』がすごい 『事件屋稼業』の1話目をオマージュから始まるんだけど本当にすごい。 扉絵からすごい。時代の空気耳は忘れない 森泉岳土名無しオアシスとブラーが全盛期だった時、僕は中学生だった。大人がこんな感じの生活を送りながら聴いてたのかと思うとちょっと羨ましい。『葡萄の記憶』の空間感耳は忘れない 森泉岳土名無し水で描いて墨を落として、細かい部分を割り箸とか爪楊枝で描いてるらしいんだけど、しっかり空間を感じる絵になってるのがすごい。ぱっと見は平面的なのに、ある点を注視してると吸い込まれるようにして奥行きを認識する。ワインの瑞々しさとか、ビンのつるっとした質感もたまらない。ゆるふわな上巻どこか遠くの話をしよう 須藤真澄鳥人間※ネタバレを含むクチコミです。<<1617181920>>