コミックDAYSの感想・レビュー525件<<1415161718>>償えぬ異次元の君に捧ぐ歌 #読切応援トラベラー 今井哲也あうしぃ@カワイイマンガ『ぼくらのよあけ』アニメ化で話題、『アリスと蔵六』連載中の今井哲也先生はアフタヌーン四季賞出身で、2005年にこの『トラベラー』で大賞を受賞されてから2008年にアニメ制作高校生マンガ『ハックス!』で連載デビューとなります。私は当時この『トラベラー』で注目し、『ハックス!』をリアルタイムで追っていた今井哲也ファンです。 四季賞審査委員のかわぐちかいじ先生が「憎らしいほど上手い!!」とプロ目線で絶賛されるのを、その通りやなぁ……と思いながら、素人の感想として「将来のために今を大事にしなきゃ」と、心の底から思ったものでした。 バンドも好調、彼女ともラブラブな高校生が、とある地震観測実験の不測の事態に巻き込まれる。気がつくと4ヶ月後。バンドは解散、彼女とは別れていた……という物語。どうやらタイムリープを起こしたようで、元の時間に戻る事を目指しつつ、そればかりではいられなくなる。 物語のキモは、この世界に自分は「一人しかいない」事。 タイムリープというとその世界に自分が「二人」いるパターンもありますが、ここではそうではない。必然的にこの時間軸で「自分が」やってきた事を、彼は全て被る事になる。 ちょっとした綻び、無気力、あるいは抗えない運命……きっかけは些細なものでも、状況は雪だるま式に大きくなり、そのうち自分では動かせなくなる、そんな恐ろしさがここにはあります。 別の「自分」が招いた事態に、誠実に対応する主人公が切ない。彼を見ながら、一時の負の感情に身を任せて全てをぶち壊しにする恐ろしさを、私は切実に感じたのでした。 最後のバンド演奏シーンと(元)彼女のビンタと共に、心に痛みの残る作品でした。曲からインスパイアされての漫画という…百年十色 鈴ノ木ユウ 向井宗敏む曲からインスパイアされての漫画ということでしょうか。 鈴ノ木ユウ先生得意な家族ものストーリーと絢香の曲、イメージがすごく合います! 父母両方いる家庭もあればいない家庭もあるし、皆それぞれ。 それぞれで誰が良いとも悪いともないんだよ、と人に優しくしたい気持ちになれました。壮絶 #読切応援幸福な蝉 鳥羽瀬七starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。ホロリとする「おかげ犬」人情漫画 #読切応援迷子の犬 笹井さゆりぺそコミックDAYSで見つけた読切。時代漫画か〜と思ったらまさかのおかげ犬漫画でした!(以前『ハチ参る』を読んでお伊勢参りを任された犬たちの存在を知りました) 少年漫画的でありつつ可愛らしさもある絵が可愛いですね。しろのつるつるモフモフぐあいが最高。「こんとあき」のこんみたいで抱きしめたい…! 江戸時代ならではのいい人情漫画でした。 #読切応援 https://comic-days.com/episode/3269754496788687155 90%実話らしい90年代のフィリピンの実態ココ・ロングバケーション 近藤令さいろく今でもデンジャーな香りがする東南アジア諸国、日本人からそう見えるのは90年代のイメージが強いからではないか。 私はいわゆる安旅行でタイの僻地やマニラなんかには行った事があるものの、物騒なのは間違いないし危ない目にも実際合う可能性はあった。といっても4〜5年前の話なので本作の当時の「錦糸町は危ない(フィリピンパブが)」という認識はもはやなかったし、描かれているほど引ったくりがいるイメージもない。 この20年ぐらいで変わったところなのかなーと思いながら読んでいた。 読了後に90%実話、というのを知りちょっと驚いているが、妙にリアルさはあったのでそういうことかと納得。 貧国の貧困層がどうやって生きていくか、その選択肢にある日本への出稼ぎという実態は、出稼ぎしてくる彼女たち本人の目にどう映っているのだろう。矢野くんの毎日、痛そう。。矢野くんの普通の日々 田村結衣Pom 矢野くんと吉田さん、可愛いなぁ〜。 ウブすぎる二人の恋模様。 矢野くん、ちょっと抜けすぎ、そこで怪我?!と思うけど、だからこそ吉田さんが近くにいるのだろうし、手当してあげたくなっちゃうのだろうし、何だか読んでいて二人の距離が近づく度にドキドキしていた。笑 矢野くんは、本当に天然なのか、あざとい男子にも見えるのですが。。 ちょっとしか出てこなかったけど、矢野くんのお父さんもっと出てくれないかなぁと思う。パン生命体が家政婦に来るシュールで心温まる物語パンとメランコリー コモンオムstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)これまでも、そしてこれからもきっとパンの漫画だけを描きつづけるであろうコモンオム先生の新連載。 三男で中学生の山田コウメ(13)、次男で高校生のタケオミ(17)、長男で営業職のショウイチ(24)の父子家庭の三兄弟はある日、父をガンで亡くしてしまう。 亡くなってから三ヶ月後、生前の父に住み込みの家政婦を頼まれたという「パン生命体」が家を訪れる。 食物の研究者であった父に作られたというが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496663050741 父が亡くなってからというもの、少しずつ破綻していっていた三兄弟の生活にパン家政婦が加わり、くさくさした心が優しくほどかれていく。 めちゃくちゃにシュールでありながら、正統派の人間ドラマを描いてるのでいい話なのにちょっとニヤニヤしちゃう! だってこいつパンなんだよな、って…。 元からいなかったという母さんの存在も気になるので、もしや?と思わせる伏線かもしれませんね。 読切の『有頭パン』もぜひ。 https://comic-zenon.com/episode/13933686331617857890 ここまで読んでハマった方は、すべてパンの漫画で構成されている狂気の漫画『あるはずさ、胸の奥に、心のパンが。』も必見です。 https://manba.co.jp/boards/121350 ツッコミどころをついに公にツッコみまくる彼岸島スピンオフ彼、岸島 松本光司 佐世保太郎さいろくなんということでしょう、匠の技でついにここまで・・・ ちゃんと本編での謎要素をギャグに昇華してここまでやるとは思わなかった、素敵なマンガである。完結しちゃったけど彼岸島ファンは必読の内容で、渾身の一撃である。異世界転生ものだと思っているさよならキャンドル 清野とおる野愛異世界とかパラレルワールドとかって創作の中にしか存在しないと思っていましたが、あるんですね。 清野とおる先生は現実世界とヤバい世界を行き来できる能力をお持ちなんでしょう。そこで見たものを漫画に仕上げて後世に伝える使命をお持ちなんでしょう。 ちからもワニダも「こわいけど行ってみたい」要素はあったけど、キャンドルは完全に異世界です。ファンタジーです。近づいたら飲み込まれそうなので行ってみたいなんて口が裂けても言えません。 写真の多さが気になりましたが、証拠がなかったら完全に創作物だと思ってしまいそうです。 人間みんなもっと好きなように生きられるのかもしれません。カラオケの機械に放尿しても許される場所が世界のどこかにはあるのかもしれません。そう思うと明日も生きていける気がします。 とりあえず2巻を読むために生きます!亡くなった母の彼氏と結婚したい女の子の話【コミックDAYS読み切り】母の彼氏を押し倒したい 鹿目馬言名無しタイトルは勢い強めだが、実際はゆるめのラブコメ。 もう少し攻めて欲しかったというのが本音。絵もうまく可愛らしい読み切りというレベルで収まった。 取り返しがつかないということ【コミックDAYS読み切り】アリゲーター 飴井涼名無し皆がワニの容姿をしている世界で人の容姿をしているエイタ。ある日、同じ外見のみぃが近所に越してくるが....という話。 窒息しそうな空気感が上手い。エイタにとってみぃは救いになり得ただろうし、みぃにとってもエイタは救いになりえた。そこの微かな希望の見せ方が上手い。 自業自得だが、みぃを突き放したエイタには相応しい最後だった。でもエイタの気持ちもちょっと分かる。だから辛いし、そこがいい映画とビンタと【コミックDAYS読み切り】A SUMMER VACATION 2 阿瀬悠人名無し安全に無難に学校生活を送ろうとしていた女の子がイジリの延長から映画に出ることになった話。序盤流されることを選んでいた彼女が徐々に生き生きしくるのがいい。最初のビンタのシーンと終盤の連動が来るのはわかっていたけれど、よかった。 ちょこちょこポーズ取らせてるとこも可愛くていいな。いい読み切りだった作風が変わった恐怖!!断捨離エロメイド 散田島子名無し作者さんの過去作は読んできたんですが、今作でだいぶ作風が変わったんだな~と思いました。 萌え漫画・日常漫画としては内容はちょっと薄いし、エロメイドってタイトルのわりにキャラの露出が多いだけでエロくないし…不思議な漫画です。 あの課長が帰ってきた!激辛課長 NEW EDITION 前田悠名無し※ネタバレを含むクチコミです。どこにもいけないコロナ禍の我々に刺さりすぎる生き辛さ #1巻応援まじめな会社員 冬野梅子starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)アラサー独身女性のどこにも着地できない居心地の悪い浮遊感を味わえる作品で、非常に興味深かったです。 30歳、契約社員の菊池あみ子。 世間の顔色を伺いながら、自分がどうしたいかという欲求に目を向けずマニュアル通り、立場なりの波風の立たない言動を繰り返す毎日。 自立してはいるが、どこか満たされず、彼氏でもいれば変わるのかとマッチングアプリでの出会いを機械的に1年こなすが、彼氏は5年いない。 そんなとき、職場に「仕事以外に何かやってる人」っぽい女性が気になっていき、交流が始まってから日々に少しずつ変化が生じていくのだが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496402490831 これを読んだ僕自身はアラサーの男性なんですが、3話あたりまで読んでグゥーっとみぞおちのあたりが冷え込むような、ジェットコースターで落ちるときの内臓の居心地悪い浮遊感を味わいました。 普段はあえて言葉にしてないような漠然とした小さな不安や、こう振舞っておけば波風立たないだろう、本心でなくとも上手く会話が回るだろうという人をなめた浅ましい考えがすべて言語化されて目の前に差し出されたようで、すべて見透かされてお前はこういうところがあるよなとチクチクやられているような、あの感覚。 どこにもいけない。どこにも着地できない。そして目的地もないが、どこかにはいきたい。 頑固にもなれなければ、道化にもなれない真面目さ。 すべてが中途半端で自分の欲求にも素直になれなければ、世間の「普通」にハマるよう社会生活を送るだけの個を消した状態にも違和感を感じてしまう。 否応なく現実を突きつけられているように感じ、背筋をひやっとしたものが走る。 こういう漫画って、必要です。 そういう気持ちになりたいときもあるんです。 生活、仕事、貯金、将来の不安、義務、責任、世間体。 隣の芝生の青さ。 自分は自分、強くやっていくって思えればいいんですけどね。 現時点での最新6話をポイントで購入して、ここまでは登場人物たちの関係性のこじれ具合や変化などのお膳立てが整うまでの序章に過ぎなかったのかもしれないと思わされました。 おや、と思って改めて公式のあらすじを見てみると、最初からそれが目的だったのかと。 面白いです! 演出次第だとは思いますが、ドラマ化してほしいと思いました。まとめて読んだらむちゃくちゃ面白い新・信長公記~ノブナガくんと私~ 甲斐谷忍starstarstarstarstarマンガトリツカレ男ヤングマガジンで連載中にずっと楽しみにしてよんでいたがWebに移籍してから読んでいなかったが完結巻が出たので今回まとめて読んでみた。戦国時代は好きなので登場人物に関しては全く問題なく理解できてエピソードもあったなという感じで読んでいたが、「旗印戦」が始まったあたりからルールが曖昧でなんとなく流れで読んでしまったが今回まとめて読んだがむちゃくちゃ面白い。戦国武将の出来事や性格などを元にした行動から予想や読み合いや学校側の思惑も含めてよかった。 甲斐谷忍のマンガは「ONE OUTS」と「翠山ポリスギャング」ぐらいしか読んでいなかったが他のも読もうと思う 「殴られソムリエ」の宇喜多が好き グロいけれどスケールや面白さは無限大デガウザー 渡辺潤名無し海の上の大型船という逃げ場のない場所での パニックサスペンスかと思ったら、そんなもんじゃなかった。 まさに世界規模「以上」の壮大な物語だった。 正体不明のうえに巨大組織らしき敵になぜか命を狙われる。 状況が理解できずに翻弄されながら逃げ惑う主人公。 なぜ自分が狙われる?どうすれば助かる? なんでこんなに人が死ぬ?こんな死に方をする? 敵の正体は?狙いは?どこが安全で何が危険なんだ? 誰が味方で誰が敵なんだ? 誰を助けるべきなんだ?誰を殺さないといけないんだ? 勿論、読む人により好き嫌いが判れる物語だと思う。 嫌われるだろう部分は、かなりグロイ物語だということ。 残酷で凄惨な大量殺戮シーンが山盛り。 SFチックな話が絡んでくるのも好みじゃない人もいるだろう。 だがそれらの要素はあるものの、主人公たちが ちっぽけな存在でありながら巨大組織と戦っていくことには かなり説得力というか整合性があった。 戦う理由も、死にたくないからだけではなくなっていったし。 とかくこのての話は非力な主人公が巨大組織と 互角以上に戦っていくことに無理が生じたりするものだ。 大量殺人が行われたなら普通は世間でも大騒ぎになって、 物語の進行に非現実的なところがでてくるものだ。 けれど渡辺潤先生って、その辺にちゃんと理由付けをして リアリティを残しながら描くのが上手いですね。 好みは判れると思いますが、私は面白かったです。謎と狂気が入り乱れるタイムリープサスペンス #1巻応援カイロスの猟犬 長田龍伯sogor25この作品は恋人である小鳥遊双葉を失った主人公の高校生・幸春道が、過去にタイムリープすることができる謎の鍵を手に入れたことで双葉を助けるために過去への跳躍を繰り返していくタイムリープサスペンスです。 物語のキーとなる春道が双葉を失う原因となった事件ですが、ただの事件ではなく、2人の担任の教師・岡が生徒30人を殺害するという大量殺人事件。 タイプリープ前の最初の事件では、春道自身も半身不随となる大きな傷を負います。 その事件を回避し、そして最愛の彼女である双葉の命を救うため、心身ともに傷つきながら春道が同じ時を繰り返していき、そして1巻終盤にはある衝撃的な事実が判明する、謎と狂気が入り乱れるタイムリープサスペンスです。 1巻まで読了『我らコンタクティ』の森田るり先生の新連載はスケボー(?)漫画!自転する彼(女) 森田るりstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)森田るい先生が森田るり先生へ改名されたのってもう2年以上前だった気がしますが、連載できるようになってなによりです! https://comic-days.com/episode/3269754496561298337 まさか縦読み漫画での復活とは思いませんでした! 高校の入学式中にスケボーをやっていた「久作」と「みはる」に、「ハジメ」と不思議な出会いが訪れて…。 先読み2話まで読んで、とりあえずみんなめっちゃいい子だって分かりました! なんかみんないい子で愛おしいです! 今日公開なのでまだ伏せときますが、あの「ブリャペー!」の子もかわいくて賢いのいいですね。 スケボーの描写もかなりしっかりやっていたので、1話のあとがきで「ちゃんとスケボー漫画にしたかったのにこうなりました。」と書いてて笑いました。 スケボー描写もかっこいいので、スケボー漫画としても読んでいこうと思います! https://twitter.com/moiritarurib/status/1464093988319756288?s=20 このときの構想?から登場人物は残ってそうでいいですね。 https://twitter.com/moritarurib/status/1211307266516762625?s=20 「ぐらんぶる」よりラブとお色気強めてんぷる 吉岡公威六文銭好色な父親のせいで、不遇な毎日を送っていた主人公。(主に女性からの偏見) 結果として、 人生に女性など不要 豪語し、煩悩を断ち切る。 が、偶然出会った女子高生に一目惚れしてしまい、 今まで抑えてきた情欲がふつふつと沸き起こってしまう。 そんな自分にたえられず出家を決意するも、 その寺が「尼寺」で、件の女子高生がいたという流れ。 ここまでハイテンションかつ怒涛の展開に、 「ぐらんぶる」を彷彿とさせます。 ただ先方がサークルを通した男子高的なノリに対して、 本作はより女性陣が際立った感じがしますね。 作家さんがとても魅力的で可愛らしいキャラを描くので、個人的にはとても好きです。 「ぐらんぶる」 青春+ギャグ強め としたら 「てんぷる」 ラブコメとお色気強め といった感じでしょうか。 尼寺には妹たちがいたり、留学生(こちらも主人公同様、煩悩が強めで克服するため)がいたり、お約束的に容姿・性格ともにバリエーション豊富に攻め立ててくれます。 上述のヒロイン女子高生の蒼葉結月(あおばゆづき)が、修行をし1人前になってお寺を継ぐという本筋がありながらも、基本ドタバタしたラブコメ展開は読んでていた飽きないです。 「ぐらんぶる」好きな人は、もちろんですが、ラブコメ(ドタバタ的な)が好きな人も楽しめる1冊だと思います。 ゴミ清掃員から見た地域への視点が興味深いゴミ清掃員の日常【電子版限定特典ゴミ清掃員のつぶやき170P超収録】 マシンガンズ滝沢秀一 滝沢友紀マンガトリツカレ男発売当時気になっていましたが読む機会がなかったが今回読んだ。お笑い芸人のマシンガンズ滝沢が「ゴミ清掃員」を仕事としてやっていった時の出来事を奥様がマンガ化した作品で印象に残っているのは「ゴミ清掃員」から見た場合の地域の問題点やゴミの捨て方の人の生活の予想などが面白かった。朝出勤途中にゴミ清掃車を見かけるが車に乗らず走っている人が気になっていて何となく洋装していた通りの内容だったがこのマンガを読むことにより完全に解決した 怪我と学ランのハーモニー矢野くんの普通の日々 田村結衣たか今日コミックDAYSのトップを見てたらバナーに怪我でボコボコの男の子がいて、気になって開いたら「えっ!もしかしてBL?」と思ってしまうほど繊細かつ色気のある扉絵が待ち受けていてまんまと読んでしまいました(スニーキーレッド好きな人) https://comic-days.com/episode/3269754496323056140 矢野くんマジで毎日ビビるほどボッコボコで吉田さんと同じく悪い想像をしてしまい心配だったのですが、単にドジっ子なだけらしく(それはそれで逆に心配だけど)ひと安心。 「怪我だらけの男子高校生は見たいけど、暴力はちょっと…」という複雑な乙女心にこたえてくれます。 和山やま先生の色気&ユーモアと舟本絵理歌先生のフェチズムをフュージョンさせたような作風でどひゃ〜とあっさり好きになり予約購入してしました(明日発売) ギャグシーンのデフォルメがレトロな感じで特に笑ってるときの三角形みたいな口の描き方が好き。さもえど太郎先生とかたなと先生っぽい。 巨匠に似てる似てる言いまくってしまったあとに恐縮ですが、この作品はなんといっても絵が素敵なんですよ…! すべすべお肌に桃みたいなほっぺにちょっぴりしかない鼻……!愛らしすぎる。 私は存じ上げなかったのですがもともと有名なイラストレーターさんとのことで納得です。 明日の1巻楽しみ! #1巻応援ココ・ロングバケーション 近藤令名無し実録物は数々あるが、どれだけディープな事象に出会い、 何を感じたかに作家性というか価値があると思う。 その点、今作はフィリピンでのダンサー斡旋業という 割とよく知られた稼業ではあるが、そこに深くかかわった 体験を日本人の青年の視点で描いているのが新鮮であり スリリングだと思う。絵柄も疑似4コマだが丁寧に描かれていて 読みやすい。楽しみな作品です。聴覚障害者と心通わす百合 #1巻応援雨夜の月 くずしろあうしぃ@カワイイマンガ女子高生が聴覚障害者のクラスメイトと心を通わせる過程を描くこの作品。ライトなノリの台詞の遣り取りの中に心の揺れを幾重にも描いて、ハッとさせられる事の多い内容となっています。 聴覚障害の描き方がステレオタイプで無く(参考文献の多さからも窺えるのですが)一人の「その人固有の障害という特性を持つ」女性のリアルが見えてくる様です。そしてその特性故に周囲と壁を作り、入学早々孤立する彼女に、懸命に、悩みながらもきちんと意思を確かめながら接する主人公。 彼女固有の障害についてストーリーの流れで分かりやすく描写されていて、孤独を深める理由が心に響く。それ故に真摯に関わってくる主人公に、彼女が少しずつ心を許す描写にも説得力が生まれるのです。 しかしここで、一つの謎が生まれます。 なぜ主人公は、彼女に関わろうとするのか。 正義感や同情ではない。ただ相手を知りたいと強く願う主人公の動機は……私は誰かと仲良くなりたいと思う時、実はその人に理由無く、目を惹かれてはいなかったかと思い返す。 彼女との出会い、習いに行っていたピアノの女性教師の結婚……そう、これは間違いなく、百合の物語なのです。<<1415161718>>
『ぼくらのよあけ』アニメ化で話題、『アリスと蔵六』連載中の今井哲也先生はアフタヌーン四季賞出身で、2005年にこの『トラベラー』で大賞を受賞されてから2008年にアニメ制作高校生マンガ『ハックス!』で連載デビューとなります。私は当時この『トラベラー』で注目し、『ハックス!』をリアルタイムで追っていた今井哲也ファンです。 四季賞審査委員のかわぐちかいじ先生が「憎らしいほど上手い!!」とプロ目線で絶賛されるのを、その通りやなぁ……と思いながら、素人の感想として「将来のために今を大事にしなきゃ」と、心の底から思ったものでした。 バンドも好調、彼女ともラブラブな高校生が、とある地震観測実験の不測の事態に巻き込まれる。気がつくと4ヶ月後。バンドは解散、彼女とは別れていた……という物語。どうやらタイムリープを起こしたようで、元の時間に戻る事を目指しつつ、そればかりではいられなくなる。 物語のキモは、この世界に自分は「一人しかいない」事。 タイムリープというとその世界に自分が「二人」いるパターンもありますが、ここではそうではない。必然的にこの時間軸で「自分が」やってきた事を、彼は全て被る事になる。 ちょっとした綻び、無気力、あるいは抗えない運命……きっかけは些細なものでも、状況は雪だるま式に大きくなり、そのうち自分では動かせなくなる、そんな恐ろしさがここにはあります。 別の「自分」が招いた事態に、誠実に対応する主人公が切ない。彼を見ながら、一時の負の感情に身を任せて全てをぶち壊しにする恐ろしさを、私は切実に感じたのでした。 最後のバンド演奏シーンと(元)彼女のビンタと共に、心に痛みの残る作品でした。