探偵マンガの感想・レビュー212件<<45678>>美男美女版シャーロック!文豪ストレイドッグス外伝文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦 朝霧カフカ 春河35 泳与mampuku不敵な【殺人探偵】綾辻行人と、彼を危険人物として監視する内務省のエリート捜査官・辻村深月のスタイリッシュで凸凹なコンビによるサスペンス。 個人的な感想になりますが、辻村深月がバチクソ好みです。パンツスーツ姿の似合う理知的な女性が銃を持って大立ち回り。カッコいい!でも稀代の奇人・綾辻に手玉に取られてぐぬぬなところが可愛い! そして探偵がミステリアスなイケメンなら、悪の黒幕・京極夏彦もまたシュッとしたジジイでこれまたかっこいい。冒頭の滝壺のシーンからも、ホームズとモリアーティ教授をオマージュしていることは明らかです。綾辻も作中でパイプをふかしてますがコカインだったり……いや相棒が捜査官ならそれはないか。 ちなみに京極は和服に指ぬきグローブというあのお馴染みの出で立ちでしたw百鬼夜行シリーズのスピンオフ&名探偵・榎木津が主役百器徒然袋 志水アキ 京極夏彦マウナケアこんなふうに描かれると、榎木津って漫画チックなキャラということがよくわかりますね。原作は京極堂が活躍する「百鬼夜行シリーズ」のスピンオフで、名探偵・榎木津が主役の短編シリーズ。「百鬼夜行」がどっしりとした本格推理ドラマなのに対し、こちらはライトテイスト。そしてこの漫画版はさらにコミカル度がパワーアップしていて肩ひじ張らずに楽しめます。元子爵の父親からの依頼で砧青磁を探すことに…ということで、瓶や壺の分類など小難しい話もあるにはありますが、メインキャラの個性が思っていた以上に強調されていて、それを見ていると細かい話はどうでもよくなります。しょっぱなから「このぐぶぐぶ魔人!!」と言い放ってる榎木津をはじめ、へらへらしている益田君、眼を合わせたら殴られそうな木場刑事、まるで置きものみたいな古物商の今川。そして京極堂は額にしわを寄せて口をひん曲げ、不機嫌さを絵に描いたような感じ。そんな連中がわいわいと事件を片づける。名探偵とその下僕による「これぞ探偵活劇」という雰囲気がたまらないです。my name is JA. Jiro Asuka.秘密探偵JA 望月三起也さいろく望月三起也先生の代表作の1つであり「ワイルド7」の前にあたる作品。 秘密探偵を囲う組織「J」のエースだからJAなんだとか。飛鳥次郎だからだと思ってた(たぶん合わせたんだと思うけどどっちが元なのかわからない) スパイ物として世界を股にかける少年次郎が望月作品らしく活躍するんだけど、当時は007がブームだった頃だそうで影響が強いらしい。 少年なのだが飛葉ちゃん顔負けの危ない目に遭いまくる次郎ちゃんが主人公補正でゴリ押しで解決していく(望月作品らしくモブは死にまくる)のはワイルド7同様に圧巻。都市伝説問題処理係「とでんか」のスピンオフ作品とでんか 少年探偵団 大塚英志 樹生ナトマウナケア都市伝説問題処理係を舞台にした「とでんか」から飛び出したスピンオフ作で、こちらは少年・田村くんが主人公。口裂け女や人面犬など都市伝説なんてそもそも子供っぽい話が多いので、むしろこちらのほうがなじむかな、なんて思いましたがなかなかにハードな内容です。ストーリーがカードゲーム仕立てなのはイマドキの子供が主人公だからしょうがないとして、登場する都市伝説の中心は宇宙人関係。ミステリーサークルから始まりキャトルミューティレーションにアブダクトなどのフレーズが次々飛び出します。ロズウェルはともかく、フー・ファイター、フラットウッズ・モンスターにウンモ星人ってどれだけの人がついていけるかは疑問ですけどね。E.T.やMIBなど宇宙人映画ネタもちょこちょこ入っていてオチもあの名作なので、映画ファンも楽しめるのではないでしょうか。まあ、私は鈴木さんが登場していることで満足なんですが。NHKで『バリバラ』なんて番組もある時代ですから大丈夫ですよ、OVAくらいにはできる…かな?厳選!読んでほしいこのマンガきみの横顔を見ていた著者:いちのへ瑠美3巻まで刊行作品情報はこちら殺人ゲーム未来日記 えすのサカエマウナケア私が読んだときは、解説に「殺人ゲーム」なんて言葉があっても、ちょっと萌えっぽい絵柄に、ほわんとしたタイトルだから…、と常識的な見当をつけていたのです。でもそれは大間違いでした。この作品、私が今まで読んだ漫画の中で5本の指に入る凶悪な漫画といってもいい。主人公・雪輝の仮想世界に居るはずだった神=デウスが仕掛けた、未来を予知する日記を巡る12人によるサバイバルゲーム。勝ち残れるのはたったひとり。味方も信じられない闘い、というのはよくある設定ですが、特筆すべきは雪輝の絶対的な味方である由乃という女性。彼女がこの作品のキーパーソンであり、めっちゃクセモノなのです。こんなヒロインみたことない。イッちゃってるどころではない。具体的なことはばらさずにおきますが、首が飛んだり串刺しになる描写よりよっぽど怖い。心して読むべし。黒幕を予想するトピ名探偵コナン 青山剛昌のの※ネタバレを含むクチコミです。今までの推理ものとはパターンが違う探偵プロビデンス 迷宮事件解明録 外木寸starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。全2巻なんでサクッとよめる犯罪捜査物ハイリコ 坂本光陽 箸井地図マンガトリツカレ男主人公はコンビニ店員で店先にいる女の子を興味をしめすがその女の子は探偵事務所の調査員。特殊能力のハイパーリコグナイザ(超絶記憶認識能力)を使って犯人を見つけ出す。 実際主人公はなんでいるんだろうと途中まで思っていたが話が進むにつれ展開に必要な人物というのはわかる。 1巻の方が雰囲気はすきかな。 最近のコナンは殺人事件をゲーム感覚で楽しんでるよな名探偵コナン 青山剛昌名無し人が死んでるというのに… いつからこんな子になっちゃったんだろう世界中のクリエイターに影響を与えた傑作中の傑作!アンカル アレハンドロ・ホドロフスキー メビウス書肆喫茶mori店主世界中のクリエイターに影響を与えた、SF海外コミックを語るうえで避けては通れない傑作中の傑作! 息をつかさぬストーリー展開、常人の想像力を凌駕する世界観、魅了されるメガストラクチャーの数々と生命体…いまさら語ることもないほどの傑作です! SFがお好きで未読のかたはぜひぜひ読んでいただきたい! SFが好きでなくもこの溢れ出すイマジネーションを感じ取ってもらいたい! そんな作品です!!上手くハマったコミカライズ魍魎の匣 志水アキ 京極夏彦マウナケア本格小説のコミカライズはたいていがっかりさせられます。なので本作を読むにあたっては少々慎重になりました。なにせ京極夏彦の傑作が原作。どうなることやらと思っていましたが…意外とうまくはまりました。事故で重傷を負い治療中の少女が忽然と消えた。事件の背後に絡みつく憑き物を落とすため、京極堂こと中禅寺秋彦が重い腰を上げる…と、端折ればこんな話ですが、本来は相当入り組んだストーリー。これを、ひと目見ればわかる漫画の利点を生かして、うまくまとめています。また描写で感心したのが、探偵・榎木津礼二郎の容姿。原作では超のつく美男子で、いまひとつイメージしにくかったのですが、なるほど少女漫画的なアプローチだとしっくりくるなぁと目からうろこでした。さらに思い切りの良さにびっくりしたのが、全5巻の3巻で犯人をばらしてしまうこと。で、残りの2巻はまるまる憑きもの落とし。読者の興味を冷ますことなく、ちゃんと見せ場へ導いてしかも枚数かけている。単純な推理小説じゃないこと、わかっておりますな。完璧な第1話から始まる最高の妖怪譚百鬼夜行抄 今市子starstarstarstarstarたかこれを超える妖怪・怪奇漫画はなかなか無いと思う。まずとにかく第1話「精進おとしの客」が最高すぎる。 「小説を書くために妖魔と取引していた」と言われた主人公の祖父は、自分の死後にすべき事を言い残して死ぬ。精進落としの日、幼い主人公は魔除けの赤い着物を着せられ、客間には7つの膳が用意された。すると家に8人の妖怪が現れて…というあらすじ。 http://sonorama.asahi.com/comic/post.html 強い力を持っていた祖父。 身を守るための迷信。 妖怪との約束…。 妖怪話に求めるロマンがここぞとばかりに詰まっただけでなく、衝撃の事実が明らかになったり、主人公がうまく立ち回ったりカタルシスも大きい。 「この物語はこういう話ですよ」と簡潔に自己紹介するかのような見事な導入で、ガンガン読み進めて気づいたら全巻買っていた。 作中には様々な霊や妖怪が登場するけれど、そのどれもが「本当に郷土史に残ってそう」と思わせる説得力があるのがたまらない。 間違いなく少女漫画の名作なので、まだの人は死ぬ前に読んでみてください…! ▽『百鬼夜行抄』今市子 第1話(このページだけでもう好き)藤田和日郎のデビュー作を含む短編集藤田和日郎短編集 夜の歌 藤田和日郎マウナケア今でも理由はわからない。20年ほど昔、私がまだ大学生だったころ。読んだこともない「増刊少年サンデー」を買ってしまった。そしてある漫画わざわざ切り取ってファイリングしたのだ。人に見せたとか、レポートの参考にしたとかの記憶は一切なく、なぜそんなことをしたかは不明。しかしその作品で賞をとったその著者は、今では大人気作家として雑誌を支える存在になっている。その漫画とは『連絡船忌奇譚』であり、藤田和日郎のデビュー作だ。表題の短編集に収録されているこの作品を読むと、何が目にとまったのかはよくわかる。全体的に薄暗いトーンに目に見えない悪魔的な存在、そして魔を断ち切る妖刀。著者もインタビューで語っているが、当時私も傾倒していたスティーブン・キングの影響がありありとでている。それに漫画的な狂言回し役を放り込んで一丁上がりという、デビュー作ならでは荒削りな作品ではあるが、シンパシーを感じるところがあったのだろう。だが結局、短編集としてのコミックスは買わずにいた。なぜならいまだにファイルが手元に残っているから。不思議な話である。お、面白〜〜!黒×羊 木根ヲサム名無し男でも女でも、何者にでもなれる主人公、角坂翔が密かに組織からの依頼で誅戮をする話! 誰にでもなれる俳優が、別人を演じてターゲットに近く…っていう設定は誰でも考えつきそうなもんですが気づいたら夢中で読んでる!絵もうますぎて到底真似できない作品。 最初もおもしろいし後になるに連れて主人公の秘密が明らかになっていって益々面白くなって行きます。一読してみて〜〜頼む!もっと読んでいたかったあしあと探偵 園田ゆりstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。わかるのよ、冷蔵庫を見ればね冷蔵庫探偵 佐藤いづみ 遠藤彩見名無しまさかの冷蔵庫から問題となった事柄を見破り解決する! 探偵っぽくないのに足跡を辿るように分析する様はちゃんと探偵です。 人間は食べ物で出来ているので理屈としては頷けます。それでもほのぼのとした気持ちになってしまう不思議な漫画。 一味違った事件解決漫画を探されてる方にオススメです 「ハード&ルーズ」/「探偵物語カブ」とは一味違った探偵物探偵ハンマー かわぐちかいじstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男八百長を嫌って、リングを降り探偵になった元全日本ミドル級チャンピオンが主人公。原作なしの探偵物のせいか「ハード&ルーズ」/「探偵物語カブ」とはちょっと違う感じになっている。「ハード&ルーズ」より明るくて「探偵物語カブ」より素直じゃない内容と言えばいいのかな 「ボクサーくずれ」/「デスマッチ」/「かませ犬」はすげー好き。どの回も主人公に人間性がわかりやすくて面白い。 だいたい1話に一回人を殴るんだが律儀にグローブをはめてから殴るところが妙にいい 好きな作家が組んだ短編集探偵物語カブ かわぐちかいじ 林律雄starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男好きなかわぐちかいじと「総務部総務課 山口六平太」や「おやこ刑事」の原作を書いた林律雄のコンビ。 かわぐちかいじの他の探偵物に比べてなんというか明るい感じがして読後感も重くないのでちょうどよかった表紙が超かっこよくて手に取りました紅色魔術探偵団 山田章博ANAGUMA山田章博作品、本作しか読んだことがないのですが、まずもって硬質で精緻なペン運びが見事です。(改めて見返すと、イタリアのマンガ家セルジオ・トッピっぽい妖艶さがありますね) 絵の魅力はもちろんのこと、セリフ回しやキャラクターの造形も洒脱! アーティスティックなだけでなく、ちゃんとキャラ芝居のカワイさも同居しているのが達人技です。 話の筋も「イケメン小悪魔がマッドサイエンティストと美少女チャイナ娘にこき使われて不思議な事件に巻き込まれる」というキャッチーな作りでとっつきやすい。 と思えばディティールの凝りもすごい(ソロモンの魔術書のくだりとか)ので、読み応えがあります。 もっとこの3人の物語が見たい…と思わずにはいられない快作です!「夢幻紳士」シリーズの中でも特に好きなのが「夢幻外伝」高橋葉介セレクション 高橋葉介名無しある時は、少年の姿で大人も目を背けるような猟奇的な事件を解決する少年探偵。ある時は太平洋戦争のまっただなかでガールフレンドのアッコと面白おかしく事件と解決するこれまた少年探偵。またある時は特別な“能力”を持ち、ご婦人とこの世ならざるものに好かれる美青年…。山高帽と黒い背広をトレードマークに、様々な時代に現れ事件を解決する夢幻魔実也。それが、高橋葉介さんが描く『夢幻紳士』の主人公です。 数多くの「夢幻紳士」シリーズの中でも特に好きなのがこの「夢幻外伝」。このシリーズでは、おそらく昭和初期と思われる時代を舞台に、美青年・夢幻魔実也が遭遇する幻想と怪奇が描かれます。 夢幻魔実也は風貌も含め立居振舞が超然としており、大概の事には動じたりしません。自然と、友人の頼み事や出会い頭の出会いからトラブルに見舞われる、巻き込まれ型の主人公となっております。 「人でなし」という話では、往来で痴話喧嘩をする男女を仲裁するところから、話は始まります。仲裁してしばらく後、スケコマシの男・大古木俊一が、修羅場を演じたのとは別の女と結婚し、その影でさらに別の女が面あてに自殺したことを知ります。自分でも理由がわからないまま、大古木の家に向かった魔実也は、そこで、人でなしを巡る女同士の怖ろしい戦いを目の当たりにします…。 一話一話は読み切り短編となっています。華やかな昭和モダンの風景とその輝きによって一際深くなる闇、そこに生きる夢幻魔実也がとても幻想的に描き出されるのです。 高橋葉介さんが書かれた『帝都物語』では“あの”加藤と共演しているので、そちらも見逃せません。簡潔に説明するなら「嘘を聞き分ける探偵助手のお話」だが嘘解きレトリック 都戸利津アファームドB※ネタバレを含むクチコミです。少年誌ハードボイルド漫画といえばこれかなDADA! 𠮷田聡マンガトリツカレ男俺の好きな義理人情とハードボイルドが混ざってる傑作。コメディ要素もいいし登場人物の全員に美学がある モンローの過去編はすげー好き 異端の探偵ゼノが“ 殺人密室”に挑む本格推理マンガ探偵ゼノと7つの殺人密室 七月鏡一 杉山鉄兵マンバ【掲載誌】 週刊少年サンデー2018年1号(2017年11月29日発売)より連載開始 【代表作】 『ARMS』七月鏡一/皆川亮二 『ジーザス』七月鏡一/藤原芳秀 【公式ページなど】 七月鏡一Twitter https://twitter.com/july_mirror 七月鏡一のプライベートサイト 酒場「雁の巣」http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nanatsuki/ バンドデシネの「イメージ」の根幹に関わる一作アンカル アレハンドロ・ホドロフスキー メビウスANAGUMA広大な宇宙の彷徨、発達した科学、自己精神世界への言及、哲学的な問い…。メビウス、ホドロフスキーの黄金コンビが手がけた本作はSFのジャンルでいうと「スペースオペラ」に当てはまります。 BD(バンドデシネ)でもよく見かける定番のジャンルです。 定番ではあるのですがやはり『アンカル』の絵と物語のクオリティは一線を画しています。 私立探偵ジョン・ディフールと謎を秘めた「アンカル」をめぐる冒険活劇がホドロフスキーの豊かなスペクタクルとメビウスの達者な筆致で描き出されていくと、途中で読むのをやめるのは難しいです。人間の想像力って無限なんだなと思い知らされます。 他にことばを絞り出すのが難しいくらい、端的に言って作品としての完成度が高すぎる。 よくもわるくもBDといえばSF・哲学的・アーティスティックというのが一種のステレオタイプとして今でも通用しています。 実際にはそれはBDの一側面に過ぎないのですが、この『アンカル』のような作品が存在しているために強固なイメージとして定着したのは間違いないように思います。 BDの世界に触れるとなったときに避けては通れない傑作のひとつであることは、これまでもこれからも変わらないでしょう。<<45678>>