完結したマンガの感想・レビュー16083件<<304305306307308>>むすびちゃんの熱血演劇活劇まくむすび 保谷伸さいろく一昔前に名付けたら「えんげき!」かも、と安直に思って読んでたけど熱血系で天然のちびJKがとある電波な先輩に巻き込まれて熱血していく演劇部物語。 ボンボン坂高校演劇部のようなギャグテイストではなく芳文社っぽいテーマでもあるのにふんわりしてなくてむしろ少し漢を感じる。 1巻だけ読むともっと風呂敷広げても良かったのにーと思ってしまうのだけど面白かった。「となりのヤングジャンプ」はノーチェックだったから新鮮だったかも。令和のソーシャルディスタンスラブコメ? #1巻応援はやくしたいふたり 日下あきsogor25高校2年のJK・長谷川結理は、近くの男子校に通う同学年の男子・葛城慶一郎に告白し、付き合うことになる。その告白の流れで慶一郎にキスをしようとする結理だったが、なぜか慶一郎から拒絶されてしまう。「完全にキスの流れだったじゃん」という結理に対して慶一郎は、告白にOKはしたが「性的な接触については同意していない」という謎の回答をする。 実は慶一郎は祖父・父ともに元内閣総理大臣と言うエリートで、さらに"葛城家のしきたり"として「十八歳まで異性との性的接触を禁止されている」という厳格な家庭に育った人間だった。結理と同い年である慶一郎が18歳になるまではあと1年半。つまりそれまでの間、結理が慶一郎に気安く触れることは許されないらしい。 それからというもの、結理が不意打ちで彼に触れようとしたらまるで痴漢を撃退するかのごとく関節を決められたり、2人でいるときも実は葛城家のSPに監視されているということが判明したりと、なかなか恋人として(物理的に) 距離を近づけることができない。 そんな、恋人同士のイチャイチャに夢を持っていた結理と、何よりも自身の家柄としきたりを重んじる慶一郎との交際を描いた作品。 あらすじを見ると、アプローチを仕掛けて行く結理に対して慶一郎があしらっていくという形のラブコメのように見えるのだが、実際にはそれだけではない作品。というのも、導入部分からは読み取れないのが、読み進めていくと結理が慶一郎のことを好きな以上に慶一郎が結理のことを大好きで、彼自身も結理に近づきたい、触れたいという感情を我慢しながら彼女に接しているということが分かってくる。 そんな彼が、基本的には葛城家のしきたりを第一に行動し結理との距離を保とうとするが、ある時には正攻法で、ある時にはしきたりの隙を突いて結理の期待に応えようとしてくれる、そのギャップが可愛らしい。 ただ、そんな慶一郎の行動が若干的外れだったり、そもそも結理の期待しているようなイチャイチャとはかけ離れていたりして、なかなか結理自身が満足する交際はできない、その様子もラブコメとして楽しい作品。 1巻まで読了井浦秀夫先生が3D…!?スティグマ 井浦秀夫さいろく著者名を見てびっくりして読まずにはいられなかった。 大ベテランが3Dに手を出したの?と思って興味津々。そして本当にすごい使われ方をしていて呆気にとられてしまった。 といってもほとんど冒頭カラーの部分や、背景とも言えるようなモブだけがそういう3Dモデリングのキャラになってるようで(しかも全部ではない)使い方が面白いというかなんというか、なんで?と思う感じではあった。 でも井浦秀夫先生と言えば「弁護士のくず」などで有名な人だけど、たしかに女体を描く人でもあった。弘兼憲史先生よりちょっと深いところというか。 今回は新連載ということで気になっているけど、1話目で割と変な方向に話が進んでいるような気がして初めて読むパターンだなーとこれからに期待を持ってしまった。クラス30人全員百合!!!ゆりづくしの教室で しーめANAGUMA『in YURIFUL classroom』という英題のとおり30人のクラスメート全員が百合!!というパワフルな設定が魅力の本作、大盤振る舞いにもほどがある。 目まぐるしくキャラクターの視点が変わっていくプロローグに最初は面食らうかもしれませんが、本編は基本的にふたりずつオムニバスのエピソードが展開されていくので安心して身を任せてください。一通り読んでから見返すプロローグはかなり充実感があります。ほかにもキャラを知らないうちは見過ごしている各話の背景でも注視すると百合が発生してたりしてね…。 あなたのお気に入りの百合を見つけよう!!! 非日常は永遠には続かない閏うこの月【電子特装版】 木村イマ野愛付き合って10年、同棲して5年、結婚するでも別れるでもなく、特に喧嘩もなければセックスもない里と光のカップル。 里が起こしたある行動がきっかけで、年下の青年・俊と出会う。 そのまま俊と付き合っちゃえばいいじゃん、めんどくさいことはそれから考えればいいじゃん、と安易に言えるほど無邪気なままではいられないんだよなあ…となんだか寂しい気持ちになった。 今が幸せであろうがなかろうが、ここにあるものを手放すのは勇気がいること。閏月のような非日常は永遠には続かないこと。 そういうことを知ってしまっているのが寂しいし、悲しいなあと思ったけれど。 知っているからこそ里は前を向けたんだとすれば、大人になるのも悪いことばかりじゃないなあと思えた。 終わるきっかけもはじまるきっかけも結局は自分が動かないと見つからないんだなあ。本当の話かと思うくらいリアルだったおやこっこ 武田一義名無し生まれた時から父子家庭で育ったものの、高校卒業後に上京してからはアルコール依存症になってしまった父親と会わないようにしていた主人公。しかし父親が危篤だという連絡があったので久しぶりに故郷に帰ることになった。病院でほとんど意識がない父親と再会したことで、今まで考えないようにしていた自分と父親の過去に向き合っていくことになる物語。 上巻のあとがきを読むまで実話かと思ってたくらいリアルでした。お父さんがアルコール中毒になってしまったのも彼自身が家族に恵まれなかった子供時代があったからということが分かったり、バックボーンの汲み取り方がすごく丁寧で読み応えがありました。お父さんの最後のセリフがすごくよかった。この人が描いてるなら「ペリリュー ─楽園のゲルニカ─」も読まなきゃダメだなって思わされた。初めて読みました!ママレード・ボーイ 吉住渉かしこ第一印象は「遊ってママレードに似てる。ほんとはすっごく苦いとこあるのに、みんなうわべの甘さにだまされて気づいてないの。ママレード・ボーイ!ね、ピッタリでしょ?!」だったけど、一緒に過ごしてるうちに好きになっていって「だって遊はかんじんな時はすごく優しかったもの。クールなふりしてるけど、ほんとはすごく優しい、思いやりのある人だもの…」に変わっていくんですね。タイトルの「ママレード・ボーイ」にはこんな意味があったんだなと今更ながら気づきました。 実写映画を観たことはないんですが、どうしても遊が吉沢亮に見えてくるので自分でもびっくりしました。遊って男の子キャラだけど下まつげがあるんですよね。現実にそれを再現できる人が登場するなんてすごいな。やっぱり映画も観てみようかな。 選曲がすごい神童 さそうあきら狐優曇華※ネタバレを含むクチコミです。全一巻で描かれる競走馬との暮らしサラブレッドと暮らしています。 田村正一なかやま現役厩務員の作者 田村正一 さんが厩務員の仕事をしながら描きあげた一作 馬の世話をする厩務員の目線で生き生きとかつ人間臭く描かれる競走馬たち。 物語を面白くするためのギミックとして人間臭く描かれるのでは無く、馬たちと一番多くの時間一緒にいる厩務員だからこそ自然的にこの様な表現になったのでは?と思っています。 わずか一巻ながら、競走馬たちの人生(馬生)が濃縮されて、非常に濃い作品 馬好きだけど、馬作品は大作が多いので躊躇している方は是非!ラスト3編が特に面白かった!太田基之 傑作短編集 太田基之かしこ小学館から出てる本だけど色んなとこで掲載された短編が収録されてるんですね。描かれた順番に収録されてる訳でもないんですがラスト3編が特に好きでした。アパートの隣の部屋にバラバラ殺人事件の犯人が住んでた漫画家と編集者が会話する話、古本に挟まっていた写真に写っていたお尻にアザがある女の人を探す話、自分がどうして幽霊になってしまったのか分からない男に取り憑かれちゃう話、この3つです。途中の小ネタには笑わずにいられないしオチもよかった。 老いるからこそ外見を磨け!すぐ死ぬんだから くさか里樹 内館牧子名無し内館牧子さん原作の小説をコミカライズしたものです。NHKでもドラマ化されていて、オシャレで若々しい78歳の主人公を三田佳子さんが演じられたそうです。やっぱり内館さんの人物描写に魅力があるからなのか、主人公のハナさんの人間臭さが嘘っぽくなくてとても面白かったです。作画を担当されたくさか里樹先生の絵柄もピッタリで、すごくいいコラボだったと思います。 「終活」というか、人生100年時代になった現代の「老い方」について学ぶべきところがたくさんありました。読んでいると「年を取れば内面が老成するなんて綺麗ごと、老いるからこそ外見を磨くべき!」という主張に、ものすごく説得力があるんです。それって若返りたいという気持ちではなくて、どうせすぐ死ぬんだから…って自暴自棄にならない為の手段なんですね。でもこれって高齢者だけの話じゃない気がします。誰だって老いてる訳だから…。 主人公のハナさんは同窓会でも一人だけ浮いちゃうくらいオシャレで若々しいですが、特にお金持ちという訳でもないんです。下町の酒屋さんを夫婦で営んできた苦労人なんです。読んだら共感する人がたくさんいるんじゃないかなと思いました。あえてインフルエンザにしていますねカバチ!!! -カバチタレ!3- 東風孝広 田島隆名無し※ネタバレを含むクチコミです。「クジラの子らは砂上に歌う」アニメ化!クジラの子らは砂上に歌う 梅田阿比つのしまくじら舞台化に続いて今度はアニメ化かー。 この世界観の映像化は喜ばしいな。 https://www.youtube.com/watch?v=aKgYiCjRg_w トキメキが欲しかったので読みました!ママレード・ボーイ little 吉住渉かしこトキメキ…トキメキが欲しい…しかも純粋で上質なやつ…こういう時は何を読めばいいんだ…そうだ!吉住渉先生だ!ということで読んでみました「ママレード・ボーイ little」。実は前作の「ママレード・ボーイ」は昔アニメを観ていた記憶があるくらいで未読なんですけど、なるべく最近の作品が読みたいなと思ったので読んじゃいました。もちろん前作を読んでいた方が楽しいのは間違いないですが、あの複雑な家庭事情を知ってれば読んでいて困ることはなかったです。 今作は「ママレード・ボーイ」の主人公カップルの両親ズにそれぞれに産まれた女の子と男の子が主役になります。2人は同じ家で姉弟のように育ったけど血は繋がっていないので、あとはご想像どおりの展開に…♡という感じです。すっっっっごくキュンキュンしました。中学生の恋愛にこんなにキュンキュンして自分は大丈夫なのか?!と心配になるくらいでしたが、求めていたトキメキを得られたので大満足です。順番が逆になってしまいましたがこれから「ママレ」を読もうと思います!かつて愛した女性を追う電脳回収者の物語ブレイン・トラッカー リピート・ユーフォリア 多田乃伸明ANAGUMA異常をきたした電脳を回収する「ブレイン・トラッカー」の男が主人公。サイボーグが当たり前の世界での人のあり方、倫理観を問う物語です。 『銃夢』や『攻殻機動隊』が好きな方はピンとくる設定かと思います。両作はアクションが魅力ですが、本作は電脳を介した愛のかたちに焦点があたっていて主人公・カーボンがかつて愛した女性に何が起きたのかという謎がページをめくらせる原動力になっています。 見た目にも画面いっぱいに「これよこれ!」というフェチがあふれていて、それも大きな魅力です。超ハイテク世界なのにパンチカードで情報管理してたりとか。 1巻で完結しているのでこうしたジャンルに馴染みのない方でも手に取りやすいはず。シブいSF、ミステリーが読みたいときにオススメです。単行本が発売に!白木蓮はきれいに散らない オカヤイヅミ名無し3月25日に発売されるって‼️ これは楽しみです。 https://www.amazon.co.jp/%E7%99%BD%E6%9C%A8%E8%93%AE%E3%81%AF%E3%81%8D%E3%82%8C%E3%81%84%E3%81%AB%E6%95%A3%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%A4-%E3%82%A4%E3%83%85%E3%83%9F/dp/4091793487 辺境の地に住まう人々と"伝承"が織り成すハイファンタジー #1巻応援世界の果てにも風は吹く ハズミツカサsogor25辺境の地を旅するラル・ビエントとジレ・クラッヒトの2人組。 彼らは「聖府」の命により諸国各地を周って伝承を蒐集・検証し、史実と比較しながら「聖誌」の編纂を行っていました。 この作品はそんな2人が各国で伝承にまつわる事件と出会を様子を描く作品です この作品は架空の世界を舞台にした、俗に言う「ハイ・ファンタジー」でありながら、その世界における各国の歴史や伝承に触れながら物語が進んでいく、 歴史ファンタジーのような雰囲気も帯びている作品です。 そして 岩石地帯や草原を基本とする風景に人々が纏う架空の民族衣装、 さらに竜や鳥獣などの架空生物を高い画力で描き出すことによってその世界観を生み出しています。 ラルとジレが立ち寄った国ごとに物語が描かれる1話完結型の作品ですが、1つのエピソードに数話を費やして描かれており非常に読み応えのある作品です。 また 2人の表向きの目的は「聖誌」の編纂ですが、どうやら裏に別の目的があるようで 物語が進むにつれてさらに壮大な物語になっていくことも予感させます。 1巻まで読了一夜にして故郷を失った魔女たちの旅立ちの物語 #1巻応援十五魔女の最後の旅 宵町めめsogor25舞台は聖なる泉から生まれる子供を魔女になるまで育てている、盃島という空に浮かぶ島。 300年続くこの島では魔法学校に通う魔女見習いたちが年に1度の祭りの準備に勤しんでいました。 しかし、穏やかな時間が流れていたこの島は、その祭りの日に15人の魔女見習いを残してその歴史に幕を下ろすことになる、という物語です。 島の中で育ち、外の世界を全く知らなかった魔女見習いたちが一夜にして故郷を追いやられることになるという導入から始まる、苛烈な世界観の作品です。 タイトルからも『十五少年漂流記』のオマージュであることが感じられ、ここから彼女たちが力を合わせて生き残っていく様子を描いていくのだと思うのですが、この作品はそれだけではなく、彼女たち(正確には"魔女たち")の「加害者」としての側面も描いていきます。 ここに盃島が滅ぶことになった理由が隠されていそうですが、故郷を追われた魔女見習いたちがいかにその事実を知ることになるのか、単純な物語では終わらない深い世界設定が伺える作品です。 1巻まで読了"どうしようもない賭け"から始まる社会人ラブコメ #1巻応援賭けからはじまるサヨナラの恋 わたぬきめん ポルンsogor25どんな時もクールかつ事務的に仕事をこなすことから「氷鉄の女」というあだ名で呼ばれるOL・吉永奈央。 ただ、彼女はもうすぐ会社をやめて地元に帰る予定でいました。 そんなある日彼女は、先輩の男性社員たちが自分を落とせるかの賭けをしようと彼女の同期・里村紘一に無理やり告白させる相談をしているのを聞いてしまいます。 本来なら先輩たちに怒るべきところなのですが、実は吉永は長年密かに里村に片思いをしていて、その賭けの通りに里村に告白してもらい、地元に帰るまでの思い出として彼との交際を楽しめればいいと考えていました。 その後 実際に里村が吉永に告白し 吉永がOKすることで交際が始まりますが、吉永は里村が先輩たちの賭けに付き合わされていることを知っているため、里村が自分に好意を持ってるわけではないという考えが根底にある中で純粋な気持ちで交際を楽しもうとします。 一方の里村は 最初は吉永に対する後ろめたさのほうが強いのですが、少しずつ彼女に好意があるかのような振る舞いを見せるようになります。 そんな"どうしようもない賭け"から始まった2人の交際が時間が経つにつれてどう変化していくのかを描く作品です。 1巻まで読了 『変身のニュース』以前の、殺伐とした宮崎夏次系夕方までに帰るよ 宮崎夏次系名無し※ネタバレを含むクチコミです。短い短い上質な百合私をひとりじめにして 金子ある野愛密やかで、少しだけ後ろめたくて、清らかに見えるのにどろどろとした感情。そういうものを百合には求めています。 見事に刺さりました。求めているものがありました。 人気者の深月をひとりじめにしたくて、盗聴器をしかけたプレゼントを贈るひな。 それに気づいたひなが想う、深月への密やかな感情。 本当にひとりじめしたいのはどっち? 自分をかまってくれる優しいことちゃんが大好きな犬飼。 ずっとずっと変わらない関係でいたい犬飼が思わずことちゃんにぶつけた気持ち。 本当に変わらないものはあるのだろうか? 収められているお話は2つとも、すごくすごく短いです。でも、揺れ動く少女の繊細な気持ちはしっかり描かれています。 正直もっともっと読みたい…!この手のお話をあと7つくらい読みたいし、2組のカップルのその後も知りたいです。 短いけれど、いい百合です。 ラストの演奏シーンが神がかってるマエストロ さそうあきらかしこラストのたった2日間の演奏会の為に3巻分の物語がある訳ですが、このラストがマジで神がかっていて腰抜かしました。正直に言うとそこに到るまでのストーリー展開は「神童」の方が面白いな〜という気持ちで読んでいたし、音楽の天才っていうキャラクターもジジイの指揮者より女の子のピアニストの方がやっぱり華があるよな…と思っていたのです。でもラストの演奏シーンは「神童」を超えてましたね。もうジジイなんて呼べない。彼は正真正銘のマエストロです…!さそうあきら先生の描く音楽シーンは本当にすごいなぁ。読んでて興奮しました。 闇のSHIROBAKOTHIS IS IT! 制作進行東雲次郎 犬威赤彦 百瀬祐一郎名無し近年『SHIROBAKO』や『バララッシュ』をはじめ、アニメ業界の素敵さが強調される作品の発表が続いていますね。そうした光の作品群とは対照的に本作は業界のダークサイドへのフォーカスが強いです。いうなれば闇のSHIROBAKOです(帯にBLACK BOXって書いてあった)。 矢継ぎ早に描かれる初給が13万円、飛ぶ制作、レイアウトを上げない原画マン、声優へのセクハラなど絶妙なリアリティを持った最悪のできごとたち…。 「クソッタレで最高なアニメの世界へようこそ!」とは言いますが、業界の過酷さ描写とアニメを作ることの素晴らしさ描写の釣り合いが取れてない感がすごい。おまけに「描かれている出来事は8割が実話」という原作者のあとがきが強烈な味わいを与えてくれています。 正直読んでてスカッとはしないですがこれも「どこかにあるアニメの現実」なんだと思って読むのが正しいのかも。一方でこれだけで「アニメ業界ってやっぱ最悪!!」っていうのも極端な話だとも思います。難しいですね。 ひとまずどこまで闇を暴いてくれるのか、東雲次郎くんがBLACK BOXのなかから何を掴み取るのか見届けたいです。吸血鬼の廃墟世界〈永遠〉百合生活道割草物語 武川慎あうしぃ@カワイイマンガまず表紙絵が、とても美しい。全面にカラフルな一枚絵を敷き、タイトルはごく小さく。私は通販で買ったので店頭映えは分からないが、コレクション欲を唆るデザインであることは間違い無い。 本文もまた美しい。描かれるのは人類が滅び、朽ち行く退行世界。文明に自然の浸食する様は、廃墟マニア垂涎。 そんな世界を生きるのは、吸血鬼達。しかも女性が圧倒的に多い。この辺の理由は、吸血鬼の繁殖に関わる面白い設定が待っている。 古い吸血鬼と彼女の護衛、それぞれのパートナーの四人家族は、パートナー同士で血を与え合う「食事」の一方で、様々な食料を「楽しみ」として生産し食する。パートナー同士の食事は必然的に百合的行為となり、強い繋がりの表現となっていく。 吸血のエロスは、定番だが鉄板! 様々な確執もあるが、吸血鬼物としては意外な程、暴力は無い。似た雰囲気の『BLOOD ALONE』(高野真之先生)と比べても大分平和的だ(反面時々あるバトルの格好良さは近い)。 なかなか死なない吸血鬼が、朽ち行く世界でのんびり過ごす様は究極のスローライフ?美麗な絵で綴られる百合百合しい彼女達の日々を、こちらものんびり堪能したい。<<304305306307308>>
一昔前に名付けたら「えんげき!」かも、と安直に思って読んでたけど熱血系で天然のちびJKがとある電波な先輩に巻き込まれて熱血していく演劇部物語。 ボンボン坂高校演劇部のようなギャグテイストではなく芳文社っぽいテーマでもあるのにふんわりしてなくてむしろ少し漢を感じる。 1巻だけ読むともっと風呂敷広げても良かったのにーと思ってしまうのだけど面白かった。「となりのヤングジャンプ」はノーチェックだったから新鮮だったかも。