がんばれ!キッカーズ

キャプ翼と違ったのはチーム名があるところ

がんばれ!キッカーズ ながいのりあき
さいろく
さいろく

その昔、私が小学校の頃は各地に小学生のサッカーチームがあったんですが、割と「キッカーズ」という名前は全国どこにでもいたと思う。 自分もキッカーズというサッカーチームに所属していたことがあるのでちょっと馴染み深い名前でしたが、当時は全くコミックの存在は知りませんでした。もしかしたらコミックからの引用じゃないかもしれない(笑) とはいえ本作は割と全国区で人気を博した作品でした。 ジャンプで大人気だった「キャプ翼」を、コロコロでやれないかというコンセプトから始まった(安易にパクリとか言わないように。内容も全然違いますし時代的なサッカーマンガ人気にあやかっただけです。)もので、小学生達は兄弟がいない子たちはどちらかというとコロコロの方が手に取りやすかったのではないだろうか。 私自身はジャンプは小学6年からで、それまではコロコロ&ボンボンでした。 そんな頃にコロコロで連載していた本作、描いているのはゲームセンターあらしでおなじみのすがやみつる先生の一番弟子(たぶん)であるながいのりあき先生。 菅谷先生と比べてみても画力に劣ることもなく、No.1アシスタントだったながい先生の実力が遺憾なく発揮された作品といえると思います。 ただ、惜しむらくは表現などではさすがにあの「キャプ翼」に及ばなかった。。 マラカナン・スタジアムの上までオーバーヘッドキックで飛び出ちゃって降りてくるのに3週かかるなんてことは当時のコロコロでは出来なかったのです(ちょっと違うけど) とはいえ、サッカー愛という意味では抜群に小学生のハートを掴み、Jリーグが出来上がった頃の初代Jリーガーたちはきっとみんな読んでたんじゃないかな。 もちろん当時の事なので、キャプ翼並にサッカーのルール知らない可能性がすごく感じ取れるけどそれもまた良い味かなと。

まじめな会社員

どこにもいけないコロナ禍の我々に刺さりすぎる生き辛さ #1巻応援

まじめな会社員 冬野梅子
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

アラサー独身女性のどこにも着地できない居心地の悪い浮遊感を味わえる作品で、非常に興味深かったです。 30歳、契約社員の菊池あみ子。 世間の顔色を伺いながら、自分がどうしたいかという欲求に目を向けずマニュアル通り、立場なりの波風の立たない言動を繰り返す毎日。 自立してはいるが、どこか満たされず、彼氏でもいれば変わるのかとマッチングアプリでの出会いを機械的に1年こなすが、彼氏は5年いない。 そんなとき、職場に「仕事以外に何かやってる人」っぽい女性が気になっていき、交流が始まってから日々に少しずつ変化が生じていくのだが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496402490831 これを読んだ僕自身はアラサーの男性なんですが、3話あたりまで読んでグゥーっとみぞおちのあたりが冷え込むような、ジェットコースターで落ちるときの内臓の居心地悪い浮遊感を味わいました。 普段はあえて言葉にしてないような漠然とした小さな不安や、こう振舞っておけば波風立たないだろう、本心でなくとも上手く会話が回るだろうという人をなめた浅ましい考えがすべて言語化されて目の前に差し出されたようで、すべて見透かされてお前はこういうところがあるよなとチクチクやられているような、あの感覚。 どこにもいけない。どこにも着地できない。そして目的地もないが、どこかにはいきたい。 頑固にもなれなければ、道化にもなれない真面目さ。 すべてが中途半端で自分の欲求にも素直になれなければ、世間の「普通」にハマるよう社会生活を送るだけの個を消した状態にも違和感を感じてしまう。 否応なく現実を突きつけられているように感じ、背筋をひやっとしたものが走る。 こういう漫画って、必要です。 そういう気持ちになりたいときもあるんです。 生活、仕事、貯金、将来の不安、義務、責任、世間体。 隣の芝生の青さ。 自分は自分、強くやっていくって思えればいいんですけどね。 現時点での最新6話をポイントで購入して、ここまでは登場人物たちの関係性のこじれ具合や変化などのお膳立てが整うまでの序章に過ぎなかったのかもしれないと思わされました。 おや、と思って改めて公式のあらすじを見てみると、最初からそれが目的だったのかと。 面白いです! 演出次第だとは思いますが、ドラマ化してほしいと思いました。

齋藤なずな作品集

「オバサン文学」の傑作

齋藤なずな作品集 齋藤なずな
toyoneko
toyoneko

齋藤なずな先生は,ビッグコミック等で作品を発表している作家です。 代表作は「恋愛烈伝」など。 …などと書いてますが,私が齋藤先生を知ったのはごく最近で, マンバのこの書き込みで知りました。 https://manba.co.jp/topics/16647/comments/171559 ほうこれはどんな作家なのだろうと思って, とりあえず「齋藤なずな作品集」のうち一つである, 「迷路のない町」という短編集を読んだところ,大変な衝撃を受けました。 傑作!! 「迷路のない町」は,中年女性とか中年男性を主人公にして, ちょっとした日常の出来事を描く短編集です。 そこで主として描かれるのは,老いとか,加齢とか, コンプレックスとか,人間の心の弱さであり, それが鮮烈に切り取られて描写されます。 「中年ならではの心境」を,解像度高く描き出す作者の力量は, ちょっと只事ではありません。 特に,中年女性が主人公の作品群が凄い。 「彼岸花」「ごはさんで願いましては…」「花いちもんめ」「鴨居」あたりはどれも大傑作。 「ごはさんで~」のうち,「電気店の店頭にあるテレビにうつった自分の姿をみて, 自己イメージと現実の違いに気づいてしまうシーン」(添付)なんて, 本当に絶妙な切り取り方です。 私は,この作品集は, 他に類をみない,「オバサン文学」の傑作だと思っています。 「迷路のない町」は,kindle unlimitedに収録されていますので, 読んだことがない方は,ぜひご一読を。 なお,齋藤先生の作品はほかにもいろいろkindle unlimitedに収録されています。 そのほかに,数年前に発行された「夕暮れへ」という作品集もあります。 ほとんどが再録ですが,「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」は新作です。 前者は老人介護文学,後者は老人団地をテーマにした作品で, いずれも大傑作なので,この2作品のためだけに購入しても全然大丈夫です。 最新の作品集は「初期傑作短編集 ダリア」。 幻のデビュー作ほか,初期作品を収録した短編集とのことです(まだ読んでない)。 さらに,齋藤先生は,「ぼっち死の館」を今でも不定期連載中。 https://bigcomicbros.net/8276/ 70歳をこえてなおも現役で活躍中。応援してきたいです。

トイレット博士

信じられる?当時の「週刊少年ジャンプ」の屋台骨で一番人気作品

トイレット博士 とりいかずよし
さいろく
さいろく

当時といってもジャンプ立ち上げから2年目の話で、1970年のことだそうです。 1970年〜1977年の連載終了まで、当時としては異例中の異例である単行本30巻まで続き、累計1000万部を突破していた作品。 そしてなにより 「『少年ジャンプ』のモットーである友情・努力・勝利が初めて作品中で提示された作品と言われる」とある。(wikipedia調べ) 連載時には生まれてもいなかった自分は本作をほんの10年前ぐらいに知りましたが、ボンボンでやってた作品のような印象でした。 正直古いし、お下劣だし、決して絵が上手いわけでもなく、アニメ化などもされてない。 ただ、当時お下劣ブームを作ったのも本作の影響であり、アニメ化の話も来ていたけどTV向けタイトルへの変更を断ったが故に出来なかったのだそう。 とりいかずよしと言うと本作のイメージが強く、他の作品も気になって見てみたが、「くたばれ!とうちゃん」などタイトルの時点でぶっ飛びまくっていて笑うしかなかった。 こち亀よりも先輩で、紛れもなくジャンプの屋台骨だった超お下劣作品だが、ジャンプの勝利の方程式を生み出したのもまた本作であった、という事で興味を持たれた方は是非30巻買ってあげてほしい。(責任は取れないけど)

SD頑駄無 武者○伝

素敵に無敵に超ヤル気!!天衣無縫の武者奥義!!

SD頑駄無 武者○伝 一式まさと
サミアド
サミアド

現代日本に向かった闇軍団を追う正義の武者軍団! しかしワープ装置の故障で敵より半年も早く到着してしまう・・・ 人気シリーズ 武者○伝の第1作です。 絵は発展途上ですがキャラはシリーズで1番好きです。 前作「ムシャジェネレーション」が武者頑駄無(ガンダム )を魂の無いロボ扱いしてファン離れが加速。 俺達の武者は終わっちまったんだ・・・誰もが諦めかけた時、新主人公(単行本表紙)が発表されました! え…何コレ? 口あるし…… 丸いし… こんなの武者じゃない………(困惑) でも、意外と漫画が面白い。 新規ファン獲得のため物語はコミカルで解りやすく、キャラも可愛くなっています。舞台は日本で人間のパートナーも設定。過去作とは全然違います。 しかし既存のキャラを大量出演させて従来のファンにも配慮。あわよくば新規ファンを過去作に誘導する2段構えの戦略でした。 ギャグも面白いですが感動エピソードや必殺技の見開きも出来が良いです。何より武者に魂がある!(最重要) 滅びかけた武者ブランド中興の祖と言えるでしょう!!(個人の感想です) 半年で平和ボケした主人公「武者丸」は常在戦陣の猛者からタコ焼き大好き「武ちゃ丸」に弱体化。 他の英雄達もカステラ販売したり 伊万里焼職人になったり キムチ製造会社で働いたりと日本に順応。 それでも 日本とお世話になった人達を守るため、遅れてやって来た闇軍団と戦います。 47都道府県のご当地武者を調べるのも楽しいです。 (新装版だとオマケページが無いのでネットで調べる事になります) 日産公認でゴーン社長が出て「GTR最高!」したり、武者ザル大見参したり、女子中学生に告白して強敵を倒したりと名シーンが沢山あります。 画像は商売に成功して臆病になったシャチョー復活回です。