女性マンガの感想・レビュー3218件<<8283848586>>アルコールを飲みすぎて入院したアラサー漫画家のエッセイ現実逃避してたらボロボロになった話 永田カビ名無し作者の「一人交換日記」のファンです。エッセイとして読み応えがあって面白いのですが、初めて外出許可がおりたシーンで筆者の顔が「ねじ式」になっていたのがいちばんツボでした。20代でなくても読んだ方がいいコミックでわかる 20代から1500万円!積み立て投資でお金をふやす 田中唯 西原朗hysyskタイトルの胡散臭さ、ニュートラルな絵の印象から、よくあるご都合主義的な学習マンガっぽさを感じるかも知れない。しかし内容としてはしっかりした(と思う)ファイナンシャルプランニングの本に書かれている内容と遜色ないうえに、投資と投機の違い、金融価値の下落がそのまま損にはならない仕組みなど、わかりやすく解説されている。他より突っ込んでいるのは40代〜50代は投資が絶対必須だと断言しているところ。 預金の金利ではいつまで経ってもお金は増えないにも関わらず、日本は今でも貯蓄信仰が高い。バブル時代のリスクなし年利5%(15年預けておくだけで約2倍になる)を引きずっているのだろうが、明らかに時代が変わっている。国も投資をして欲しくてNISAなどを整備してるはずだけど、投資信託であってもリスクはやはりあるので積極的には勧められないのだと推測する。その行き着く先が自己責任論になってしまうのは切ないので、何とか投資信託が普通のことになってくれるといいなぁと思った。子どもが健やかに育つには・・・つづきはまた明日 紺野キタnyae親をはじめとした身近な大人たちが全力で守ってあげなくてはいけない。しかし、過保護になりすぎてもいけないのが難しいところ。 少し子供を心配しすぎ?気にしすぎ?とも思える杳と清の父親。父子家庭になったばかりという背景ももちろんあるけど、子供がもし事故にでもあったら!?誘拐されたら!?クラスメイトに悪口を言われたら!?と心配で心配でならない親の気持ちが痛いほどにわかる。 この漫画はそういった、子どもを守る立場の大人たちの目線と、守られる子どもたちの目線どちらも真摯に描いた素晴らしい作品。子ども時代を思い出して懐かしさも感じつつ、大人の目線で子どもの成長を見つめる感じで読みました。 マンバでおすすめしてもらったんですが、こういう漫画、もっとくれ…!と読み終わった今なってます。 すべての子どもが健やかに育つには、大人はどうすればいいんでしょう。と考える。そうやって大人が悶々と考えてるうちに、子どもはどんどん大きくなる。 結局大人にできることって、あーだこーだ口は出しながらも、無事に育っていくところを見守り続けることなのかな。多民族国家マレーシアの日常マレーシアで子育てしてます~ぴのにっき~ 猫田ぴの字名無し面白かったです。いつか現地でナシレマッ食べてみたい。子供のおもちゃや知育教材になっている果物が南国のフルーツばかりで名前がわからないというエピソードがすごくマレーシアらしいなと思いました。 2010年から始めたブログをまとめたものだそうなので今より10年ほど前の事情のよう。娘さんがどれほど大きくなったのかも気になります。 何もかもメチャクチャで勢いが半端ない課金される男たち あああたか今日の新刊を見てて「!? 表紙にいらすとや使ってるヤベー漫画あるぞ」と思ったら『トリップした先がクリア済み乙女ゲームだったから推しとは絶対付き合える』の人で全部納得した。 読んでみると中身は正直想像を遥かに超えてやりたい放題ですごかった…wwまず設定がすごい。 ・表紙のいらすとやの人は弱小事務所のプロデューサー ・アイドル育成乙女ゲーアプリのキャラたちは実はみんな弱小事務所に所属するイケメンアイドルで、自分自身をLive2D化し撮影したものがゲームに使用されている ・アプリ起動中はユーザを見ることができる ・声優は別で居て声を当てている ・社員が居ないのでアイドルたちがTwitter担当したり、不具合報告に対応している ようはガチャで引かれる側のアイドルたちが自ら乙女ゲー&ガチャゲーの運営をやっているという話なんだけど、そのアイドルたちというのがクセ強すぎキャラ濃すぎのとんでもないやつら。 バグ、詫び石、ルビーばらまき、イベント、改悪アプデ etc…。サービス終了回避のために軽率にいろんなことをしでかすのでしょっちゅう炎上してて笑う。 (乙女ゲーなのにある重課金ユーザに肩入れしてその人の名前を言いまくるアイドルがいたり、男キャラしか出てこない乙女ゲーなのに面白半分に「枕が2つ並んだベッド」をアイテムに追加したり…。超えちゃいけないラインを全力の走り幅跳びで超えていく) 「炎上してて笑う」って書いたけど、思ったよりしっかりアプリゲー運営を描いていてリアリティレベルが高いのに、そこへ想像以上にとんでもない展開をぶっこんでくるから読んでて笑っていいのかちょっと心配になった。 作中ではアプリの運営もメチャクチャだけど、それ以外も色々すごい。 いらすとやに留まらず「戦国IXA」を良アプリゲーの例として出したり、著者のBL作品『だって騙されるほうが悪い』のキャラを登場させたりと、作品と次元の壁をぶっ壊しまくり。 自著のキャラはともかくとして、「戦国IXA」は唐突すぎて新手のマーケティングの一種かと思った。これはマジで何だったんだ…? 面白いかどうかは人によると思うけど…ヤベー漫画だっていうのは満場一致する漫画だった。みんな百合同棲で幸せになろうぜぇ同棲生活 さつま揚げあうしぃ@カワイイマンガいゃぁ、ぶっちゃけ出生率が下がろうが「私」の幸せには関係無いじゃないですか?だから百合同棲で幸せになれるならガンガンすれば良いと思うし、足立区は滅びれば良い※(追記あり) 『同棲生活』の社会人女性カップルは、少しのすれ違いや言い合いなんかはあるけれど、深刻な対立にならない。なので、現実の荒んだ日常に疲れた人の癒しになるし、なんなら女性同士の同棲に夢を見られる。 ……百合同棲で、自分も幸せになれるかも?って。 ただ難易度高いと思うのは、お互いを「責めない」事。例えば片方は料理苦手だし、仕事のコトをグジグジ愚痴る。方やタバコを吸ったりして、互いに喧嘩になる要素はありそう。それでも互いに「愛されている」という自信(作中では「慢心」)があるので、逆にどこまでも相手を赦し愛する。 大きな情動は少ない代わりに、どこを切り取っても楽しさしか無い。良いパートナーに巡り合えた二人の、日常の遣り取りをただただ眺めて、幸せになる作品です。 攻め受けがくるくる入れ替わるエロ要素も、トキメキいっぱい!(俗に言うリバですが、二人の関係は対等なので、割と自然です) ※「足立区は滅んでしまう」発言については下記記事を参照下さい。 https://www.google.co.jp/amp/s/www.tokyo-np.co.jp/amp/article/61336 ※追記:その後2021年代4月1日に、足立区でパートナーシップ・ファミリーシップ制度が施行されました。カップルに子供がいる場合、家族として証明するという、もう一歩進んだ制度となっているそうです。 区の真摯な取り組みに敬意を表すると共に、足立区が全ての人にとって住みやすい地となる様、祈ります。 https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/95246?__twitter_impression=true玉緒の可愛さ、やばたん。スーパーベイビー 丸顔めめPom 黒ギャルの玉緒ちゃん、言葉も行動も可愛すぎますね。どハマりしました。 自分の気持ちに素直で、とっても素敵な女の子。 玉緒とらくぴ(彼氏)とのお話です。 見た目ギャルなのに、内面はとっても古風で真面目で、らくぴ一筋で、友達にいたら好きになりますね。 玉緒の友達のさわちゃんも玉緒思いですごく素敵。 トラブル解決するたびにみんなの絆が強くなるし読んでてこちらも元気になれる。 好きな顔して生きようねだから私はメイクする シバタヒカリ 劇団雌猫野愛100のリアルと100のわかるが詰め込まれている…!! メイクって自分のためにするんです、そうじゃない人もいるだろうけどわたしはそうです。なのでこの作品のすべてにわかるわかると頷いてしまいます。 メイクが濃いと言われてもそんなん好きにさせてって思う。すっぴんが千原ジュニアって言われて喜べるかはさておき、すっぴん変わらないねって言われるよりもメイク上手いねって言われたほうがテンションあがる。推しの色でメイクしたりネイルするの楽しい!! 100わかる!10000000わかる!! モテるためにとか好感度狙いのメイクもいいと思うんですよ、どう見せたいかっていうのは個人の在り方なので。 つまりはどんなメイクであれ自分のテンションが上がればそれでもう勝ちなんですよね。 メイクなんてしたくない鬱陶しいという人はしなくていいし、ゴリゴリにしたい人はそれでいいし、みんな髪の色も目の色も肌の色もなんでも好きなようにできる世界になってほしいです。 みんな好きなことしたらいいですよね、なんてでかいこと考えちゃうくらいには素敵な漫画だと思います。将棋のルールを知らない人にこそオススメ!ひらけ駒! 南Q太かしここれって南Q太先生の初めての週刊連載だったんですね!その週刊連載が大変だったことは「ひらけ駒!return」のあとがきに書いてありました。力作揃いの週刊モーニングでは不評だったかもしれないけど、私としてはすごく面白かったので8巻で完結されてしまったのは残念です。まだ幼稚園に通ってるくらい小さい子がとっても強かったり、ふんわりおっとりしてて美人な女流棋士さんがめっちゃ強かったり、印象的だったあのキャラクター達はあれからどうなったんだろう…と気になってしまうことはたくさんあります。でも、今までルールも知らずに色んな将棋マンガを読んできた私にとって、初めて自分も将棋をやってみたいと思った作品でした!主人公の宝くんのママが見よう見まねで将棋を覚えてハマっていく姿を見ていたらマネしたくなり、今はアプリをダウンロードして勉強しています。将棋が強い子は「算数が得意!」とか「頭がいい!」なんてイメージがありましたが、宝くんを見ていてそういう自分の思い込みが払拭されていくのが快感でした。何かに熱中することのドキドキと挑戦することのキラキラを味わえます!幸か不幸かは自分が決めること兄帰る 近藤ようこnyaeある日突然、何も言わずに婚約者の功一が失踪。その3年後、主人公のもとに事故で死んだという連絡が来るところから物語が始まります。 なぜ・どこに・なにをしに、が主人公も功一の家族も分からないなか、わずかな遺品を頼りに、彼が失踪してから亡くなるまで何を思い生きていたかを辿る旅に出ます。 面白いのが、神奈川→和歌山→埼玉→沖縄→東京と渡り歩くのに、目的地ごとに主人公含めた家族がバトンタッチしながら行くところ。それぞれに生活があるため、その旅に没頭するわけにはいかないのです。そこがとても現実的で良いのと、その場所に赴いて功一のことを知る人と話をすることで、それぞれがそれぞれの功一に対する思いの変化を見ることができます。 この作品が何を言いたいかは、あとがきにしっかり記されてます。父親が失踪してから自分を犠牲にしてずっと我慢をしながら生きてきたように見える功一の人生が幸か不幸かは、功一にしか、決められないのです。 吹奏楽部の甘くなる前の青い春レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015 鶴谷香央理さいろく吹奏楽部の白井くん、とてもいい雰囲気で高校生になったばかりっぽさが伝わってくる。アダチさんもとてもかわいい。 おおきな台所、子供たちの大冒険はここでも…という感じで、親の大変さがわかる日常の小さなお話。おじいちゃんと犬が良い。 ル・ネ、文字通り嗅覚が鋭いJKの話。嗅覚って遺伝もあるんだろうか?全然知らなかった単語(ミドルノート、とか)もあり、香水好きな私としては興味深かったしもっと続き読みたかった。 鶴谷香央理先生の作品はもっと続き読みたいなぁ、が多すぎて辛いなぁー日常系でほのぼのした空気で、安心して見ていられてすごく好きです。2ヶ月連続!!読切連載!!シャパリュ 青化名無し青化先生が描く新作読切! 今回は、化粧品会社を経営するリチャード・パーカーの経営戦略や猫たちの社会進出を自社で模索しながらダイバーシティに活躍する猫社長!! パワフルギャグのマッスルドッキングや〜!美川べるのといかゴリラのまんが飯 美川べるの いかゴリラ兎来栄寿女性向けギャグマンガとしては異例の長期連載だった『ストレンジ・プラス』等で人気を博すベテラン漫画家、ミカベルこと美川べるのさんと、「力こそパワー!」と言いたくなる『オタクだよ!いかゴリラの元気が出るマンガ』の新進気鋭のいかゴリラさん。 この二人を掛け合わせた上で、飯マンガを描かせようとした企画の勝利です。 最初のお子様ランチ画力対決からして「角材にしか見えないポテト」vs「90年代にペイントで描いたクオリティ」でフルスロットルで飛ばし尽くすところは、お二方の作品を好きな人には馴染み深いテンション。 あまりにも壮大にかまされるボケも、切れ味鋭いツッコミのセリフひとつひとつも、思わず声を出してしまう面白さで人前で読むのはお薦めできません(不覚にも電車の中で読んでしまい、マスクが当たり前の社会で少し助かりました)。 お二方の暴走特急のような魅力が足し算、否、掛け算されている様はまさにキン肉バスターとキン肉ドライバーのドッキング。 そして、植田まさしさん(が描いたあるモノ)や、『水曜日のトリップランチ』のたじまことさんによる美味しい料理の描き方指導など、スペシャルなゲストによりこの空間は更に混迷を極めます。 こんなにお腹が空かない飯マンガは初めてです。むしろ笑いすぎてお腹が痛くなること請け合い。2020年でも屈指の、頭を空っぽにして笑える一冊です。 家を建てるという自虐プレイやっちまったよ一戸建て!! 伊藤理佐名無し世界に一つの自分の家を建てるのが昔からの夢だったの、 その夢をついに実現させる時が来たの、 という話かと思ったら 実は、今がおトク!の言葉にフラッときて、 気が付いたら1年半以内に家を 「建てなければならない」 という立場になってしまった話だった。 大慌てで自分に合った家を考えるはめになり、 それは自分はどういう人間か、を考えることになり、 結果、徐々に具体化していく家の設計図はなぜか 「一人用三階建て一軒家」 アレこういう家でいいのか、という思いは そんな自分でいいのか、という思いにつながり、 家が出来ていくにつれて自分の心が傷ついていくような、 まさに「やっちまったよ!」な、 ノンフィクション・エッセイ漫画。 成功した人ってよく「御殿みたいな家を建てた」とかの 話を聞きます。 漫画家でも小林まこと先生とか西原理恵子先生とかが ナントカ御殿を建てた、みたいに言われていたし。 伊藤理佐先生もヒット作を生み出しているし 売れっ子漫画家と言っていいと思います。 だから30歳バツイチ独身という立場であろうとも なんだかんだ苦労しつつも新築一戸建てを建てる財力もあり、 けして自分を卑下する必要はないし 自分は成功者だ、と胸を張って豪邸を建てもいいと思います。 それにこうして漫画ネタになったのだし。 まあ少しくらいは「どう転んでも漫画ネタになるし」 という目論見も最初にあっての家造りだったかも、 とも(それで数千万円かけるか?とも)思いますが・・ 一方で、これは読後に知ったのですが、 家を作り始めた時には 「30歳バツイチ独身女子」だった伊藤先生ですが、 この漫画を描いて数年後に同業の漫画家の 「吉田戦車先生」と結婚したそうです。 この漫画の伊藤先生と、あの吉田先生がご結婚って、 さぞかし楽しい幸せな家庭を築いているでしょう。 私は伊藤先生と知り合いでもなんでもないけれども 「人生いろいろあったみたいだけれど、 良かったねえ、伊藤先生。」 と誠に勝手ながらではありますが思ってしまいました。 異国情緒あるゆるーい日常ご飯Lazy Cooking Sibbil野愛タイに住む大学生の女の子がゆるーく自炊するお料理漫画です。 めちゃくちゃ美味しそうな料理や見たこともない斬新な料理が登場するわけではなく、等身大の一人暮らしの女の子のレシピって感じがリアルでよいのです。 漫画というより絵本っぽい優しい絵と、基本的に何もおこらないほのぼの感にすごく癒されます。 斬新さは無い言いましたが、ちょっとしたエピソードやレシピから見えるタイならではの空気に新鮮さは感じます。 野菜の色味が違ったり、レモンじゃなくてライムを使うあたりがタイっぽい気がする! 過剰なリアクションやアイディア料理が満載のグルメ漫画もいいけど、こういうゆるーいほのぼのしてるのも好きです。2巻からぐっと引き込まれるおいしいベランダ。 竹岡葉月 おかざきおかPom タイトルに惹かれました。 1巻はまもりと葉ニの出会いから、葉ニの変人(?)ぶりが明かされたりまもりの気持ちが恋なのか否か、、(?) 恋愛絡みじゃなくベランダで色んな野菜などを育てて料理する話かと思っていたら2巻から、まもりと葉ニの距離が縮まってより面白くなってきました。 酸味のあるみかんを甘くするには。など食に関する豆知識も豊富でした。 ファンタジーではあるもののちひろさん 安田弘之狐優曇華正直こんな女性いないだろと思いつつ、いたら面白いなぁとも思えてしまう、そんな女性が主人公 これはある意味男性の理想の女性の一形態であると思う。また、女性がこの漫画を読んだらどう思うかを知りたい気がする。二人の百合猛者に学ぶ人事のお仕事ヒトゴトですから! ユニあうしぃ@カワイイマンガ人事部の先輩後輩である二人の女性。彼女達が偶然出会うのは、ラブホの入口。お互いに「彼女」を連れて。なんてこった……。 □□□□□ 百合作品なのですが、主人公の先輩後輩コンビは、恋愛関係では無い。性格も恋愛感も好みのタイプも全然違う二人ですが、互いの秘密を知って以来、飲んでお話しする関係に。これは……百合同志ですね。 分かり合えたり無かったりだけれども、腹を割って話せる二人の関係が楽しい。そして互いの性格を掴みながら、先輩から次第に人事の仕事をレクチャーされてゆきます。 心理学的テクニックを仕事に活かしていく様子は、納得感が大きい。営業のエースだった後輩が人事の機微を学ぶ成長物語としても、二人が協力して問題解決するバディ物としても面白く、お仕事漫画として充実! そして忙しくお仕事しながら、それぞれの恋愛模様にも変化があり、人心掌握に長けた先輩のドライな恋愛の裏側など、これから話は重くなりそう。 この先輩後輩、恋愛関係では無いのに、その関係性はやはり良い感じで、新しい百合の形かもな……と思ったりします。 (2巻までの感想です。最終第3巻は2021年3月8日発売!)こんな風にDVの「後」を描くとは流石です。僕は先日死にました。【単行本版】 時計兎来栄寿時計さんの作品を読む度に、「絵も綺麗でお話も面白くて素晴らしいなあ……!」と満足感に浸れるのですが、本作も例外ではありません。 2016年〜2020年の間に発行した同人作品を3作品収録した短編集で、時計さんとしては6冊目の単行本となっています。 表題作の「僕は先日死にました。」は設定的にはよくある感じではありますが、中心人物となる占い師ちゃんの振れ幅が魅力的です。とても人間味があり、その感情を丁寧に掬い 「お父さん、私アイドルだったんだよ。」は自宅での介護士経験のある身としては非常に刺さるところの多いお話です。最近観たとある人気海外ドラマでも似た展開がありましたが、時計さんの方が4年早いな!と。 「元DV夫と私のその後」は、個人的にこの本の中でも特に好きな一篇です。『AV女優とAV男優が同居する話。』に収録された「一日一回、あなたを好きだと言わせて。」と繋がる物語。DV加害者である男がそれを悔いてカウンセリングに赴くところ、そしてまたDVを受けた女性の精神的な再起を丁寧に描いています。普通の物語においてはさまざまな事情によりクローズアップされない部分、しかし現実的には非常に大事なところを解像度高く描いた意欲作です。 幕間に各作品の解説も書かれていますが、非常に思考を巡らせた上で物語が構築されていることがうかがえて、この面白さにも納得です。こうしたことを明瞭に言語化できる、あまつさえ面白いマンガとして仕上げることができるのは本当に素晴らしいなと。私は時計さんの作家性に惚れ込んでいるので今後も作家買いを続けさせていただきます。 1冊で充実の読書体験ができるので、お薦めです(可能であれば先に『AV女優とAV男優が同居する話。』も読んでおくとより楽しめます)。 なお、表紙の菊の花は時計さんの御母堂が描かれたということで、美しいものを描く血筋を感じました。 バニーガール学科に通うJKの日常私立!星乙女学園バニーガール学科 没ANAGUMA「やべ〜〜〜!バニーガール学科ってなんだ〜〜〜!!」って思って読み始めました。結論としては読み終わっても「いやバニーガール学科ってなんだ〜〜〜!!」ってなりますが大丈夫です。彼女たちはプロのバニーガールになるために学校でお酒の作り方や接客のいろはを学んでいるだけなので。 メインの登場人物は元ヤンで気が強めのナギ、ちょっとおとぼけの三角、おっとりしているように見えて一番芯の通っている真百合(彼氏持ち)。 彼女たちのゆるい日常が独特の間合いで描かれるのが楽しくて、個人の感想ですがかわいいギャグマンガ日和みたいな空気が漂う瞬間がたまらないです。3人の距離感も付かず離れず仲良しで、百合の手の者たちも楽しめるんじゃないでしょうか。3人のバランスがいいぞ。 元々Webで連載されていた作品だったんですね。続きも読めるといいな〜。 http://bossanism.com/hosiotome.html ちなみに私が一番好きだったのは異常に寿司を握るのが速いのになぜか壊滅的にまずい寿司しか作れなくて困っているすし専門学校の学生・スシールを助ける回です。 これ→http://bossanism.com/bunny06.htmlそれぞれの愛の形椿-Camellia- ひうらさとる野愛その人がどうやって人を愛するかを本当に描こうとするならば、その人のルーツも描かねばならない。社会での在り方、家族との関係、どのように生まれどのように生きてきたのかまで描かねばならない。 などと、ひうらさとる先生が思っているかどうかは知らないけれど、短い作品の中でも人生を描こうとする気概みたいなものを感じた。 お話自体はすごく短いけれど、恋愛だけじゃない愛の形を見せてくれた。社会人百合は〈学生の様な〉恋定時にあがれたら 犬井あゆあうしぃ@カワイイマンガ同じ会社に勤める女性同士の恋愛作品なのですが、雰囲気も甘くふんわりしていて、内容も意外な程、初々しい恋模様でした。 二人の女性の、モノローグが交互に進行するのですが、見た目も性格も違う二人に共通するのは、本当の恋を知らない事。 最初、相手が気になるけれどこれは恋なのか?を確かめる所から始まり、付き合い始めても楽しいけれど、何処まで踏み込んでいいのか……とお互い遠慮してばかり。もどかしく初々しいオフィスラブ。 両想いなのに、不安に駆られる心。それは相手の為?それとも自分が苦しみたく無いから?変に予防線を張ってしまう恋愛の機微は、大人っぽいというよりは、実は高校生……もしかしたら中学生……いやいや小学生にも当てはまる、普遍的な物でしょうか。 社会人ならではの恋愛事情も描きながら、人が本当の絆を結ぶのに大切な事を描いた、恋する全年齢の心に刺さる百合作品です。 節度あるお酒の入門書35歳からのお酒デビュー おりはらさちこ野愛35歳までお酒を飲まずに生きてこれたなら、そのままの方がいいのでは…とついつい飲みすぎてしまう側の人間は思ってしまいます。 しかし、お酒は美味しいものですし楽しいものですし、生活を脅かさない程度なら飲めて損はないのかもしれません。 この作品はお酒が飲めない(好きではない?)おりはらさんが、お酒を好きになるべく様々なお酒を飲んでいく体験談です。 飲めないと言っても味が好きじゃないだけで弱いわけではなさそうなおりはらさん、割とサクサク日本酒やワインなど度数の高いお酒をクリアしていきます。 大人だからか取材だからか、とんでもない失敗を起こさないのがうらやましい限りです。 節度あるけどチャレンジ精神もあり、変わり種のお酒もたくさん登場するので、お酒の入門書として読んでみるのもいいかもしれません。 飲めない人や飲みたくない人がお酒を飲む必要はまったくないし、そういう人が無理してお酒を飲みはじめているわけではないのでポジティブな気持ちで読める漫画です!あと電気ブラン美味しいですよね。単なる胸糞女討伐漫画ではないのだ親友は悪女【単行本版(オリジナル描き下ろし付)】 和田依子野愛広告でよく見る漫画はなんやかんやで気になります。 特に嫌な女に振り回されるお話は最後まで見てスッキリしないと気がすまなくなってしまいます。 という訳で読んでみました。 SNSを通じて高校時代の友人と会ったらヤバ女で男取られた、乱暴に言ったらそんな話です。身も蓋もない話のようですが、真奈と妃乃の人物像の解像度の高さに引き込まれてしまいました。 人を疑うことを知らない純粋無垢なお人好し・真奈。 人の男を寝取るためなら手段は惜しまない悪女・妃乃。 善人と悪人のコントラストが過剰に描かれているようでありながら、どちらも絶妙に「いる」んです。 真奈を見下し、彼女の恋人をあの手この手で奪おうとする妃乃が許せないのはもちろんですが、妃乃を疑いもせず最後まで親友であろうとする真奈にも苛立ちを感じてしまいます。真奈の純粋さを受け入れられない自分に気づくと、なんとなく妃乃の気持ちも見えてくるような…。 本音を言えば、妃乃の過去や心のうちを深追いしたらもっと面白くなりそうな気はしますが、短くてスピーディーな物語の中に人間のいいとこやなとこがちゃんと凝縮されています。 単純なハッピーエンドではない終わりかたもわたしは好きです。最後まで真奈は真奈だし妃乃は妃乃らしくて素敵だなと思います。<<8283848586>>
作者の「一人交換日記」のファンです。エッセイとして読み応えがあって面白いのですが、初めて外出許可がおりたシーンで筆者の顔が「ねじ式」になっていたのがいちばんツボでした。