煩悩寺

オトナの秘密基地、煩悩寺。

煩悩寺 秋★枝
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

小山田君の部屋は、ヘンテコグッズでいっぱい!恋に仕事に疲れた小沢さんは、今日も彼の部屋でダンボール箱を開ける。中身に驚き、笑って飲んで元気になれるこの部屋、通称「煩悩寺」で、今日は何して遊ぼうか? 小山田、小沢と小山田の友人・島本の3人は、部屋にあるグッズで遊んだり、それをネタに笑い転げたりと、あまり社会人っぽくない遊びに興じる(酒は飲む)。その日の遊びは、開封する段ボール箱任せ!という博打感を楽しむ、彼らの力の抜け具合がいい。 煩悩寺にあるグッズはとにかく悪趣味、煩悩丸出しで、くだらないものが多い。しかしそれらは裏を返せば、欲望に忠実で、隠し事がないということ。小山田の基本ウェルカムな性格もあって、小沢にとって煩悩寺は、素の自分のままでいられる、寛げる場所のようだ。こんな秘密基地、私も欲しい。 失恋の痛手や仕事のストレスを癒してくれる煩悩寺は、小沢にとって、次第に大切な存在になってゆく。そしてそんな場を創り出す「変人な善人」小山田との関係も……。 煩悩寺のグッズ達をゲラゲラ笑いながら遊び、受け入れる小沢は、島本に言わせれば「素質あり」。部屋の主との相性はいいんじゃないの?ということで、いつも楽しそうな息のあった二人の関係を、島本と一緒にいじりながら眺めていたい、そんなお話。

トッケビ

韓国の心霊怪奇譚…!

トッケビ モス
たか
たか

マンバでサムネを見た時からメチャクチャ面白そうだな〜と思って読んだ作品。マジで超よかったです…! 息子が奴隷女の霊に取り憑かれているチェ家の元に、歳もとらず病気にもかからぬキム・ソバンという男が訪れる。男は人や人でないものが死に際に“恨”を持つことで生まれる存在のことを「トッケビ」と呼び、それを祓ってやると家の主に伝えるが…。 自分の知らない、外国の民俗文化が反映された心霊話がテーマというだけでもおもしろいのだけど、それ以上に絵と演出がメチャクチャよかった! コマが物語に合わせてダイナミックに割られていたのが雰囲気を高めていたり、見開きシーンでは水墨画のタッチを活かしたり。そしてソバンの吹き出しの枠が人魂のように揺らめき、尾を引くことでセリフの順番を示していたのが面白かった! https://i.imgur.com/DsCvZXF.jpg (『トッケビ』モス) これ、1話完結でソバンが旅しながら各地のトッケビを祓う話にならないかな…この絵のクオリティを保つためにアフタヌーンとか月刊誌とかで連載化してほしい…!! 【DAYS NEO×ヤングマガジン「弾丸掲載権獲得杯」】 https://daysneo.com/info/yanmagayomikiriresult.html 【ヤングマガジン 2019年48号】 https://comic-days.com/magazine/10834108156684697908 【元掲載ページ】 https://daysneo.com/works/cd6a1c866a26592f1010cb1adf397f75/episode/4a1295ca60dabe8651ae43fda81c9d08.html

カッコイイ男キャラクター漫画教室!

Boichi先生の絵の極意…!

カッコイイ男キャラクター漫画教室! Boichi
ましゅまろ

『カッコイイ男キャラクター漫画教室!』のタイトルに惹かれ、男前がいっぱい見れることを期待して読んだら、想像を遥かに超えるすごい技術書でした…!「え…Boichi先生の漫画づくりの秘密、こんなに描いちゃっていいんですか!?」という感じ。 「カッコイイ男」を描くためには、カッコ悪い・気持ち悪い男・女も描けなくてはならない。また同じ「カッコイイ男」でも、主人公の属性と対比させてキャラクターに幅をもたせたりたり、場面によってカメラアングルで使い分ける必要があることなどを、毎回1つのテーマに絞り順序立てて説明していく構成になっています。 まるで先生の頭の中を見せてもらっているようで、ただただ夢中になって読んでしまいました…! カメラ、顔のパーツ、光の加減の暗喩などは昔からある物語作りの技術書には描いてあることかもしれません。が、**実際に第一線で活躍されている漫画家の方が、自らの絵で「この技術はこのキャラに実際にこう使っています」と提示してくれるので最高にわかりやすい!** https://i.imgur.com/x1gNpm0.png https://i.imgur.com/wBC4ZR0.png (『カッコイイ男キャラクター漫画教室!』Boichiより) そして漫画の内容自体も素晴らしいのですが、自らの技術を伝えるこの本を書こうと思ったキッカケがまた素晴らしくて…序文から胸が熱くなりました。https://i.imgur.com/78k6j9W.png (この部分は試し読みで読めるのでぜひ…!) 印象に残っているのが、「ハイタッチは伝説の演出以来『無音』が標準になった」という先生の言葉。確かに…! Boichi先生のファン、そして漫画家を目指している人は一読ならぬ百読の価値ありの1冊です。

純真ミラクル100%

クサい台詞が芸能界を動かす!

純真ミラクル100% 秋★枝
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

弱小芸能事務所の所長・高杉は、新人ミュージシャン・木村の恥ずかしい顔、困った顔にゾクゾクする。変な芸名、衣装、仕事を木村に与えて楽しもうとするが、それが次第に妙な方向へ盛り上がりを見せ……。 この作品で常にネタなるのは「クサい」「恥ずかしい」という言葉。 例えば大人の高杉がわざと「恥ずかしさ」を木村に与えようとしているのに、それをポジティブに捉える未成年の木村=モクソンは、却って大人が吐くには「恥ずかしい」言葉を高杉に与え、狼狽させる。 登場する大人達は皆それぞれに、仕事でも恋愛でも何かを隠しながら、捻くれた行動しか取れないのだが、モクソンの才能と嘘のない真っ直ぐさには、照れながらも自然と心を寄せ、協力を惜しまなくなる。 時に彼女のパチモンとも心を通じ、ウザいっす、と言われながらも大切に思い合う関係を築き、友情のドラマを紡ぐモクソン。彼女は敵を作らずに、みんなを繋ぐ中心となる、タレントとしては最高の「人たらし」の才能を持ち、音楽の才能も相まって大きなムーブメントを形成していく。 モクソンの描く理想は「ずっと事務所のみんなと仕事したい」というもの。大人たちのグチャグチャの人間模様は、それを安易に許さない。しかしそれでも「モクソンのため」という大人達の思惑の一致がどのようなラストを見せてくれるか、最終5巻の最後の最後まで、目が離せない。

メリーちゃんと羊

全ての生物はカワイイろくでなし

メリーちゃんと羊 竹田エリ
名無し

メリーちゃんの世界は 人間系ー生物系ー人間系の 隔世遺伝で成り立っている。 ようするに、人間同士が結婚すると生まれた子供は 羊、ライオン、ヘビ、バッタ、などの各種生物系。 ただし知能や体格は人間並みで社会に溶け込んでいる。 その生物達が結婚すると生まれる子供は人間系。 なのでメリーちゃんの小学校の級友は 「父親がライオンだから怠け者で」とか 「父親がパンダで可愛さを利用して詐欺行為を」とか 悩んだりしている。 独特な世界を舞台にシュールなギャグが連発される。 どちらかというと「雄ライオン=怠け者」とか 「パンダ=可愛いが根は凶暴」とかの 色々な生物のネガティブな印象を強調したギャグが多い。 人間と動物のギャップをギャグにした漫画というよりも、 動物を擬人化することで動物のろくでもない部分を 強調した漫画のようにも感じる。 そういう目で見ると、登場人物の殆どが 人間系とか動物系以前に、それぞれハタ迷惑で かなり「ろくでなし系」に見えてくる。 雄ライオンは警察官なんだけれど 「雄ライオンだから怠け者警官」だし、 カッコウは他所の家庭に乗り込んで 「カッコウだから乗っ取り託卵当たり前」だし、 バッタは殴る蹴るの暴行をはたらくも 「バッタ(仮面ライダーのモデル)だから正義」だし。 何らかの生物であること以前に ハタ迷惑なロクデナシなキャラばかりの漫画だ。 これはもう異生物の共棲をギャグにしたというより、 ろくでなしを動物化することでギャグに仕立て上げたような、 そんな感じの漫画でもある。 面白いからいいけれど(笑)。