青年マンガの感想・レビュー15399件<<413414415416417>>この時期になると読んでしまうちばてつや短編集 エッセイマンガ編 ちばてつや霧兵衛良かった点 ・「屋根うらの絵本かき」はちばてつやが漫画家になったきっかけをテーマに書いた短編 ・「家路1945-2003」は第二次世界大戦直後の中国からの引き上げ体験が元に書いている 総評 ・この二つに関しては感想が書こうにも何を書いてもこの漫画を読む以上の説得力が出せないので読むのが一番だとおもう。 ・ちばてつやのエッセイ漫画は面白いのが多いのでもっと単行本にして出して欲しい 麻雀って奴の凄さを判るのが、貴方にとって良いか悪いか、判断はご自身で!雀鬼 いつきたかし 志村裕次 南波捲名無し主人公である実在の麻雀の鬼「櫻井章一」氏を知る術は色々あるでしょうが、この「雀鬼」を通して知る麻雀は、決してお遊びでなかった事を知らされます。残念ながら雀荘を知らずして育った現在の社会構成のど真ん中の一般人に、多少なりとも理解させてくれたことに感謝したい。ゲーム内の麻雀でなく、麻雀を使い様々な勝負が展開された事実も知っておくべきでしょう。そんな世界をあからさまにしてくれるこの作品を読めば、己の人生を見直してみたくなる気に成りますよ。文豪が残した言葉の謎から得られる教訓ゆらぎ 山口譲司名無しかの有名な文豪「川端康成」が自身の日記に頻繁に記していた「保身」という言葉の解釈を巡って起こった騒動をもとに、とある大学で行われる講義を描いた読切です。 川端康成のことならなんでも分かると豪語していた評論家が川端康成本人の発言に基づいて解釈した「保身」が、実は全く当てはまらなかったという顛末から、自分を過信しずぎて失敗してしまわないようにという教訓に繋がります。 では実際の「保身」はどのような意味で使われていたのか? これもあくまでも解釈に過ぎないと思うのですが、文豪と呼ばれる人を少し身近に感じられるかも知れません。超能力ヒロインのバトルが面白い最果てのサイクロプス 鈴木マサカズ名無し昔流行ったESPでバトルロワイヤルものですね〜。世界を巻き込んでの謎の事件を追い、囚われた妹を助けるために主人公ヒロインが超能力を駆使して戦う物語。 派手なサイコアクションがメインの見どころとなりますが、ヒロインたちキャラクターの内面に迫る人間ドラマも緻密に描写されています。 懐かしくも新しくも感じる不思議な作品空樹国物語 つかさつよしさいろくマンガにおける「間」って ・わざと取られているもの ・画力の問題でそう見えてしまい(躍動感がないとか)もの ・画風でそれが滲み出ていて作風になっているもの とか色々あると思っていて(この作品はどれだか判断しづらいんですが) 本作はよく言う「間が独特」な感じがあり、 AKIRAのような雰囲気+理不尽さと 少女漫画のようなコマ割(disではない)と テンポよく進む物語の裾の広がり方で 読む手が止まらないディストピア系 だと思います。 サバイバル系というとちょっと違うのでディストピア系でいいと思うんだけど違うかもと思ったら教えてください(切に) ちょっと読むだけでスイスイーっと読めるのと、下手に凝ってない描写が逆に新しく感じてしまって、昔の作品でよくあった行間を自分で想像するんだけど説明は十分なされている、という感じの展開が多いです。 面白いと思います!卓上の舞姫の自伝的漫画aki 大崎充 二階堂亜樹名無し読んでいてかなり重い内容だったが面白くて一気に読んでしまった。確かにサクセスストーリーなのかもしれないが、そこに至るまでの壮絶な人生は、目を覆うものばかり。でもこんな人生もアリといえばアリなのかもしれない。実話を元にしているそうで、調べてみたら主人公がほぼ同世代で勝手に親近感が湧き、応援したくなった。 自分だったらこんな人生を歩んでいるうちに、そのまま自暴自棄になってしまっただろうと思う。 瑠美お姉さんの先輩のマコトさんがカッコ良い。麻雀のルールを知らない私でも十分楽しめました。 麻雀を題材とした漫画は多いですが、これほどまでにヒロインが可愛い作品があったとは知らなかった。一回5万円で彼女が作れるガチャガチャ彼女ガチャ 吉宗名無し設定が凄く面白いと思いました。一回たったの五万円で本当の人間である彼女が手に入るなんて現実ではありえないけど非モテ男の理想のひとつだと思います。一話一話も短く短編集みたいになっているので読みたいときだけちょっと読むというのが出来ていいと思いました。オチもしっかり付いていますし展開がスピーディー。 不条理な運命に切なさが残る作品悪女 滝沢解 川崎三枝子名無し15歳で母親の恋人に暴行され、その男を殺してしまったことにより、悲運で過酷な人生を歩むことになってしまう純子。女性なら誰もが夢見る結婚も諦めて、情婦として生きていきます。道徳的には決して許されないことに手を染めている純子だとは言え、その中に女性としての愛らしさや優しさを垣間見ることができ、心の奥深くでは女性としての幸せを望んでいることがひしひしと伝わってくるので、本当に切なくなってしまいました。純子が妹のように可愛がっていたツネ子も情婦でありながらとてもけなげで可愛い女の子。それなのに彼女も悲しい人生を歩むことを強いられる場面に運命の不条理さを感じました。 「漫画という創作の話なのだから、そこまで感情移入することもないのに」と自分自身に可笑しくもなりましたが、やはり同じ女性としてやりきれない気持ちになったのは、作者の漫画家としての手腕の成すところでしょう。これまでたくさんの漫画を読んできましたが、その中でも心に残る作品の一つになりました。「叩き上げ」が生まれる瞬間を眺めるのは楽しい!アニメタ! 花村ヤソたか2年ぶりに新刊が発売されていることに昨日気づいたのでまとめて一気読み。やっぱめっちゃ面白れ〜〜!!目が良くて立体を意識して描ける貴重なセンスを持つものの、技術は完全ド素人のユキムラが、1年バチバチにしごかれてものになっていく様が最高! https://comic-days.com/episode/13932016480030302093 小手先の技術を教えた方がすぐに使えるようになり、ユキムラ自身も周囲も楽なのだけれど、監督の希望は「ユキムラの才能を殺さずに、(ベテラン同様)動画の本質を正しく理解したアニメーターに育てる」こと。 監督はユキムラが辞めるかもしれないリスクを理解したうえで、普通より厳しく指導し育てることを選ぶ…。 もしこれが今現在の現実世界を捉えたドキュメンタリー映像だったら、法律やパワハラが気になってしまうかもしれない。 しかし、これは若者の明るい成長物語漫画なので、「上司のしごきは間違いなくストーリー上で、主人公の成長に必要な・正しいことである」と100%安心して読むことができるところが好き。 技術はド素人だけど、アニメへの情熱があり、(新人にはわからない)センスがあるユキムラ。 超有名漫画家の娘で技術はピカイチだけど、アニメへの思いはいまひとつのまりあ。 原画に憧れていたが、九条監督に動画の腕を評価されたことで動画検査を務める富士先輩。 かつて監督と副監督の間柄だった九条と芹澤。 何より花村ヤソ先生自身が元アニメーターで、2003年頃Production IGで働いてらしたということで、実際に登場する人物の言動の説得力がすごい。そしてキャラ同士がお互いに抱く複雑な感情は傍から見ていて本当におもしろい…! こういう若者が厳しい訓練を通じて一人前になる話は、読むと元気が出るのでどんどん読みましょう! https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1705/06/news015.html時代劇にも通じる梶原ワールド斬殺者 梶原一騎 小島剛夕名無し非常に珍しい、原作:梶原一騎、画:小島剛夕というコンビの宮本武蔵を題材とした作品です。 小次郎を倒した武蔵を討つ事を命題とした主人公が、どんな方法であれそれを成し遂げようとする主軸の話とは別に、武蔵を取り巻く様々な人物も描いて物語の厚みを増しています。小説家志望であった梶原氏の原点が垣間見られる作品なのかも知れません。 圧倒的な力強い絵力を持つ小島剛夕氏の画だからこそ表現出来た梶原ワールドを堪能できます。 宝物のような思い出が蘇る #1巻応援姉の友人 ばったんnyae1話の時点ではとくに思うことはなく。しかし2話を読み全身に鳥肌が立ち、3話では心でスタンディングオベーション!読んでよかったと心から思えました。 物語の中心にいるのが表紙に描かれる艷やかな美女・今日子です。彼女とすごした日々を、彼女を取り巻く人々の目線で4編描かれてます。 今日子という女性は美しく色気もあり、自立した大人としてまわりから羨まれる要素をたくさん持っていますが、それ故に人の心を揺るがすことも多い。彼女と共有したものや時間は、誰の記憶にもいろんな形で残り続ける、というようなお話です。 なにより、彼女の美しさをこれでもかと引き立てている描写力はこの著者の為せるワザ。 当時は気持ちの正体がわからなかったり、苦い思いをしていても、時間が立つと気付けば宝物のような思い出に変わっている、この漫画を読んでいるとそれが記憶の底から蘇ってくるような感覚があります。 「もう会えないし会うこともないけど、かつて一緒に過ごした時間は一生忘れたくない宝物になっている」というものを持っている人にはとても心に響く1冊となるのではと思います。亡くなった妻の隠された「秘密」を夫は何も知らない...オレは妻のことをよく知らない 八月薫 ロドリゲス井之介名無し主人公の男は自分勝手な男ですね。好き放題浮気をしておきながら、奥さんが亡くなった途端に不倫をしていたのではないかと怒るところが情けなく感じました。 物語としては表紙のイラストのイメージではセクシー路線の漫画なのだと思っていましたが、次話が気になるミステリー路線が素晴らしいと感じました。「本当に大切なものは失って初めて気づく」といいますが、まさに主人公にうってつけの言葉だと思います。 読みだしたら先が気になって仕方がない秀作です。梶原一騎原作漫画のファンならば必読の作品ですおとこ道 梶原一騎 矢口高雄 高森敦子名無し主人公の父である相馬銀次郎が、入営した軍隊で激しい拷問を受け続ける所から始まる物語は、終戦後の混乱期に繋がり、そこでも銀次郎の持つ正義感が爆発します。梶原一騎原作ならではの「男」が其処に居るのだ。この男が殺され残された一人息子富士男の親譲りな生き様を描く傑作を読まない手はない。梶原ファンならば是非読んで頂きたい作品です。 続いてますシガレット&チェリー 河上大志郎名無しシガレット&チェリーは後輩くんと美人先輩のキャンパスでの不思議な関係を描いたラブコメです。この作品は上記のように登場人物に固有名詞の名前が出てこないことが特徴です。 7巻で完結したと思っている人が多いかも知れませんが、場所を変えて現在も連載しています。全てのキャラが独り言で会話するラブコメディイエスタデイをうたって 冬目景TKD@マンガの虫デッサン風で統一された絵柄や 情感たっぷりのようでどこか乾いた 雰囲気作りは見事としか 言いようがありません。 ここまで自分の世界観を貫いて作品を 描いている漫画家も 珍しいのではないでしょうか? 連載後期になると羽海野チカや浅野にいお などの後輩漫画家の影響をダイレクトに 受けながらも自分の世界に咀嚼してから 出している辺りも素晴らしいと思います。 そして、なんといっても鬱々とした 若者の描写ですね。 ほとんど全てのキャラが若い自分では どうしようもできない問題を抱えていて、 それを消化できないまま他人と接するので、会話が一方通行を通り越してほぼ独り言に なっています。 しかし、そこが素晴らしい! 普通は会話として成立するようにセリフを 整理するのですが、あえてそれをやらない ことで青い時期を過ごすキャラたちを 描写しています。 そこに共感できてしまう人は この作品にとことんハマってしまう と思います。 あと、この作品を批判するコメントで よく見るのが「恋愛模様が進展しない」 というものです。 しかし、そんなことは当たり前です! どのキャラも自分のことで精一杯で 他人に構っている暇なんてないんですから。 それでも、好きな人と付き合いたいという 欲望は抑えられない。 そんな時期の若者を見事に描き切った 傑作だと思います。「コミック焦燥」は凄いな秘密 カイトモアキマンガトリツカレ男古本屋で「コミック焦燥」を見つけて買って読んだが、全く知らない作家でなんとなく読み始めたらむちゃくちゃよかった。 「コミック焦燥」に掲載されている押見修造の「真夜中のパラノイアスター」もむちゃくちゃなすごいけどこれは違うベクトルですごかった。開始2ページ目にあるフレーズ「思春期」とは「イキジゴク」と読むらしいという文言で一気に持ってかれた。最終的なオチも含めてすごいよかった。 300万部突破ってすごい売れてるよな…ギフト± ナガテユカ名無し臓器売買の闇を描いたマンガが300万部突破って改めてすごいことだなと。ウシジマくんの部数に比べたら落ちるけど、ドラマ化や映画化なしでこの数字は凄いのでは。ネット広告で人気の善悪の屑も同じくらいの部数だったと思うが、ギフト±はまったくと言っていいほど話題になってない。人知れず売れてるならまだ伸びるポテンシャルがあるんじゃないだろうか。臓器売買、性描写などクリアしないといけないタブーが多すぎて厳しいだろうけど。18巻時点で、まだストーリーの終わりが見えてない。話が面白くなってきたところなので、連載中にもっとハネる可能性はあると思う。夜食の背徳感って最高トネリコ 粟屋汐里名無し世界観はファンタジーなんだけど、やってることは現代っぽい 寝すぎて夜中に起きちゃって、生活サイクル乱したくないから朝まで無理やり寝ようとするけど、夜食つくちゃった……。そんな背徳感にまみれたご馳走のようなチーズトーストはさぞ美味しかろうなぁ(◜◡◝) カイジよりもアクション派な頭脳ゲーム嘘喰い 迫稔雄名無し賭け事に限っている訳ではないですが、頭を使った騙し騙されの頭脳ゲーム漫画です。描写力があり、説得力もある作者なので読んでいて滅茶苦茶楽しいです。デスゲームの中でも戦略性においては一段上のクオリティを持っている漫画だと思います。ストーリーが気になって、読み始めたら止まらないタイプ。 バズってほしい、無職パパ貧民の食卓 おおつぼマキ野愛無職でパチンコばっか打ってる親父が男手ひとつで子育て…というと最近バズりまくった某パパを思い浮かべてしまいますが、こちらには貧乏ながらめちゃくちゃ幸せな家庭が描かれています。 見かねた女教師が家庭訪問に来るところでまた悪夢が過ぎるのですが、こちらでは美味しい手料理を振る舞い胃袋をがっちり掴んでいます。 ろくに働かなくても町のみんなに愛されて、貧乏だけど先生や娘の友達や歌姫にまで料理を作ってあげて、アホだけど元気な娘と息子がいて、貧民だけど最高に贅沢な暮らし!! 何しろ働かなくてもなんとかなるかも、って夢を見せてくれます。働くけど。 飯漫画としてもギャグ漫画としても楽しめるし、家族で食卓を囲む尊さもちゃんと感じられるので素晴らしい作品です。 クッキングパパやクレヨンしんちゃんなどのTHE憧れの家庭という訳ではないけれど、いつも笑いの絶えない赤柿家も素敵!! どうせならこの漫画にバズってほしい!「ボスの右腕=愛人」の極道コメディ!ボスとヤス さいのすけ名無し※ネタバレを含むクチコミです。犯罪者集団とダメ警官が組んで秩序を守る!?ジョーカーセブン まさゆみ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 4千年前の設計士って、凄いと思う!バベルの設計士 芦藻彬starstarstarstarstar干し芋戦場で設計士の役割って何だろう? 機能的で、短時間で建てられて、相手に見破られない様々な工夫があって、・・・。 そんな、かなり高度な建物の設計図面を描き、建築できるように指示することかなぁ。 複雑すぎると、いざという時に機能しないし、建築にも時間がかかる! それも、4千年前・・・って。 今のような、CADも無いし、当時の設計士には、とてつもない才能が備わっていなければならない、選ばれし人の職業だったに違いない。 日本のお城も設計は、大変だったんだろうなぁ~としみじみ思う。 上巻では、まだまだ導入部分。 今後の展開が気になる。 早く下巻が読みたい!!桂正和先生の描く女性の美しさは必見!ZETMAN 桂正和名無し桂正和先生と言えば「電影少女」や「I"s 」などのちょっとエッチな作品で少年たちに夢をみせてくれましたが、 「ZETMAN」は少年誌では描写できない性描写や暴力表現を取り入れており当時の反響は物凄いものでした。 それでありながらストーリー展開は「善」と「悪」を徹底しています。 さすがは漫画界の巨匠の力作といったところです。 あくまで個人的な考察ですが、「ZETMAN」は作者自身が「本当に書きたかった作品」だったのだと思っています。 そうじゃないとここまで力の入った作品は完成しなかったと断言できます。<<413414415416417>>
良かった点 ・「屋根うらの絵本かき」はちばてつやが漫画家になったきっかけをテーマに書いた短編 ・「家路1945-2003」は第二次世界大戦直後の中国からの引き上げ体験が元に書いている 総評 ・この二つに関しては感想が書こうにも何を書いてもこの漫画を読む以上の説得力が出せないので読むのが一番だとおもう。 ・ちばてつやのエッセイ漫画は面白いのが多いのでもっと単行本にして出して欲しい