部長と2LDK

上司と部下のドタバタ二人生活! #1巻応援

部長と2LDK おりはらさちこ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

女性二人の同居を描く本作ですが、この二人の関係は、職場の「上司と部下」。しかも立場にかなり隔たりがあります。 ●三十代にして部長を任される、頼れるけれど真面目で堅い東(あずま)さん ●新入社員の明るくゆるふわな西さん どう見ても性格が正反対の二人が、たまたま同居する事に。険悪にならないの?と心配になりますが、実はこの二人、共通点があります。それは…… 生活力が、無い。 驚く程何もできない二人が一緒に住むと、0からじゃなくてマイナスからのスタートになるんですね。最初は結構、酷い日々。 でもそこから、協力しながら生活を共にし、上司の東さんが引っ張るようでいて部下の西さんがいろいろ教えたり、そのうち二人には連帯感が生まれ……。失敗ばかりの日々も、冒険じみていて楽しそう! 西さんのキャラクターが本当に素敵です。普通「部長」に、あんなにフレンドリーに出来ませんよ……「ぶちょー♡」って甘える女子新しいな……。その明るさで、ちょっとぼっちを拗らせ気味の東さんは救われている。 笑いも温かさも沢山の、二人のドタバタ生活は始まったばかり!

金沢シャッターガール

一期一会を撮った夏

金沢シャッターガール 桐木憲一
名無し

金沢で生まれ育った女子高生・花菜は高校では写真部所属。 写真が好きだが将来は写真の道へ、と決心しているわけではない。 母親が反対しているから、というより、結論を先送りにして、 母親と本気で向かい合わない中途半端な状態だった。 夏休み、花菜はドイツから来た写真家・ユーリと知り合い、 撮影の手伝いをすることになる。 ユーリは父がドイツ人、母が日本人。 ユーリが物心つく前に離婚した母は 故郷の日本の古都、ここ金沢にいるらしい。 ユーリの来日・金沢訪問は母親を探すのも目的だった。 だがユーリは必死にガムシャラに母を探すつもりはないらしい。 「写真も出会いも偶然の産物」と。 そんなユーリに花菜は、金沢出身の文豪・室生犀星の詩、 「誰かをさがすために」を読み伝える。 この漫画は北陸新幹線の金沢開通を記念し連動した、 タイアップ的な漫画らしい。 だからだろうけれど、金沢観光案内的に、 写真撮影スポットを巡り紹介する面が盛り込まれた ストーリーになっている印象を受けた。 観光案内漫画としても良く出来た漫画だと思う。 しかしカメラや写真撮影に知識がない自分には、 この漫画を写真や撮影が好きだ、という人からみたら どう評価するかは判らなかった。浅いのか深いのか。 良く言えばライト感覚での金沢紹介漫画、 悪く言えばインスタ映え撮影スポット紹介漫画、 そんな漫画かな、と思いながら読んでいった。 だが外国人とのハーフでありながら金沢の文化や街並みを愛でて、 それでいて母親に焦がれ、慕いながらも自然体でいるユーリ、 普通の女子高生だが、それだけに、そしてそれ以上に 思春期的な悩みを持っていた花菜とのストーリーが だんだんと面白く、考えさせられる話になっていった。 ユーリ自身は自然体で写真を撮っているが、 それは漠然と撮っているというのとは違うらしい。 一方、この漫画にはユーリや花菜以外の写真家も登場する。 最初からモデルを使いアングルを決めて撮影する写真家とか。 それはそれで価値を認めている感じがした。 けして、自然体が良い、演出は駄目、というものでもないよ、と。 どうやら写真撮影にも色々な価値感やスタイルがあるのだな、 人それぞれの人生や情愛や価値観もいろいろあるように、 読み終えて、そういうことが判ったようなつもりになった。