青年マンガの感想・レビュー15392件<<302303304305306>>美しすぎる日本代表の、重責と苦闘。シャトル・プリンセス 咲香里あうしぃ@カワイイマンガ【世界と戦うアスリート漫画③〜スポーツコラム風に】 2020年3月17日現在、バドミントン女子ダブルスの世界ランキング十傑には、日本ペアが三組入っている。永く日本のトップであった福島×廣田組を、永原×松本組が猛追。そして2016リオ五輪金の髙橋×松友組は、2020東京五輪代表の二枠から遠ざかりつつある。 (2021.7.29追記あり) 新勢力の後塵を拝している髙橋×松友組も、かつては2012ロンドン五輪銀の藤井×垣岩組を乗り越えてきた。 世界レベルの国内選手と争い、乗り越える事で進化してきた、日本バドの女子ダブルス。その源流には、小椋×潮田組という伝説がいた。ルックスと実力を兼ね備えた二人には、余りにも過剰な期待と注目が集まったものだった。 ★★★★★ 『シャトル・プリンセス』の主人公は、日本トップクラスの女子バドミントン選手達。 インターハイを制して高校を卒業した有沢は、勝ち続ける事の重圧からバドミントン自体を辞めたいと考えるが、気迫で圧倒してくる西条に惹かれ、西条とのダブルスを申し入れる。 二人はすぐに頭角を現し、日本の頂点を獲ると世界への挑戦を始める。 界隈からの期待とやっかみ、ビジュアル面での過剰な人気、それに反して結果を残せないことへの批判、そして世界の壁。……2013年発表のこの作品は、恐らく2008年迄に小椋×潮田組が通ってきたと思われる苦闘の歴史をなぞる。 その上で、勝気で正直な西条がストレートに状況への違和感を表明するのを、若いのに落ち着いた有沢が冷静に受け止める、というやり取りで、過剰な重圧を二人で乗り越える過程が描かれ、この二人なら……という期待感が高まる。 長年『スマッシュ!』で高校生のバドミントン競技を描いてこられた咲香里先生が、この世界を見てこられた知見が詰まっているのだろう。観戦者の私が感じていた「オグシオ・フィーバー」への違和感も、当事者達の「それでも競技が注目されたい」という願いも、選手達の複雑な思いも……様々な思惑の絡んだ「女子ダブルス」が描かれていて、これは相当な問題作となるかも、と期待しながら次巻を待っていた。 ……残念ながら1巻で(中途半端な状態で)打ち切りのようだが、今後も各競技で現れるだろう「美しすぎる○○選手」を考え、日本代表の重責に思いを馳せるために、続刊は無いことを念頭に置いて、読んでみてもいいかもしれない。バカ主人公と愉快なクズ仲間たちって話終園地 本田真吾名無し※ネタバレを含むクチコミです。登場作家がとにかく豪華すぎる。漫画家さん いらっしゃい! R's Bar ~漫画家の集まる店~ 黒澤Rnyae金魚妻などエロめの漫画のイメージが強い黒澤R氏ですが、この漫画では冒頭から双子の赤ちゃんを連れて登場。いや2児の母…というか女性だったんかい。 これはその黒澤氏がバーのママに扮して、毎話ゲスト漫画家を迎え経歴や創作秘話などなど、いろんな話をしていくという漫画です。 この漫画の何がすごいって、登場する漫画家がとにかく豪華。今をときめく大物売れっ子漫画家ばかりです。 まず羽海野チカからはじまり、押見修造、花沢健吾、古屋兎丸、浅野いにお、すえのぶけいこ、若杉公徳、などなどなど。 連載されていたのが少し前なのもあり情報が若干古いものの、漫画好きはもちろん、いかにしてデビューしたかや、デビュー後の苦労、ヒット作の創作裏話も赤裸々に語られているので「漫画家志望」の方が読んでもすごく参考になるエピソードが満載です。 お気に入りは作者が羽海野チカの頭にカニの爪を突き刺した話。 あとは押見修造は自分含め実在の人物をモデルにしすぎなところ(それが愛娘にも及んでいたのには驚き)。 そして浅野いにおの元妻は漫画編集者だったこと(この漫画ではまだ元ではなかったけど)。 古屋兎丸式ネームと作画がどんどん進む生活習慣、とか。 全漫画好きにすすめたい1冊でした。 「恥ずか死」じゃ労災おりないは名言がんばれ★ともか 籾山果音名無しこの人の漫画、読む度に私が好きな方に進化している気がする。 漫画家になる夢を諦めて何者でもない30歳になった女・ともかのしょうもない自意識が面白すぎます。作中、教訓になるようないいことたくさん言ってるんですけど、ともかが面白すぎてあまり印象に残らない。 EDの黄門様が“アモーレ”を探す旅へ!ヤンキー水戸黄門 和田洋人名無しファラ夫、殿さまとスティッチの和田洋人の新連載の主人公は水戸光圀公。実話に基づいて黄門様を新解釈する非常にロックな作品。(※肝心のEDの部分は実話ではなく「検証中」とのこと) 気のいいおじいちゃんのイメージがある黄門様が辻斬りしてたとは知らなかった。相変わらずの画力で勢いがすごいので続きが楽しみ。夢絶たれた春画絵師が現代で漫画アシに…!!武士スタント逢坂くん! ヨコヤマノブオ名無し最高の新連載がスピリッツで始まってしまった…!! カラー表紙のケバケバしい色使いが格好いい!絵がめちゃくちゃ上手い!!絵柄や線の味が江戸を描くのに合ってるし、描き込みに迫力がある。そして作中の絵も絵図や春画も、すごく見応えがあって面白い…! https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/board/thumbnail/112360/5f9844fe-c214-4917-aa52-b491ddab1065.png 主人公の逢坂は江戸の春画絵師。幼い頃に見た「龍と女人」の絵に衝撃を受け、それを超える作品を描きたいと思っているが、なぜか春画(しかも似たような作品)しか描けなくなってしまう。ともかく今の自分にできることを頑張ろうと制作に励むが、お上にバレて死罪となってしまう。まさに首が刎ねられようとしたその時、逢坂の体は現代の漫画家の作業場に居て…というあらすじ。 逢坂がタイムスリップすることでシリアスな笑いになってるのが最高。そもそも江戸時代の逢坂のモノローグがシグルイっぽくてめちゃくちゃ好きwww これから逢坂がどんなふうに現代で活躍するのか楽しみ…!! 【週刊ビッグコミックスピリッツ公式】 https://bigcomicbros.net/comic/bushistunt_aisakakun/紙版を買うか、電子版を買うかたそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集 赤井さしみ名無し可愛らしいクリーチャーや女の子イラストを描かれているイラストレーター・赤井さしみ氏のショート短編集。Pixivで公開されているような1p〜2pの漫画が40本以上収録されています。 https://www.pixiv.net/users/2288819/manga 紙版を買うか、電子版で買うかですが、よほどの理由がない限りは紙版を買うのがいいのではないかと。あらすじの紹介時点で、紙で買われることが前提の説明になってますからね…。ハードカバーの装丁にはこだわりが感じられ、手触り感が素晴らしく、カラー印刷も美しい。まさに本棚に飾りたくなる一冊になると思います。その代わり値段は¥1300と少々お高めですが。同じ値段で電子版を買うくらいなら、紙で手に入れる方が幸せになれると思います。 後半の表現がむちゃくちゃ好き地獄星レミナ 伊藤潤二starstarstarstarstarマンガトリツカレ男表題の地獄星レミナは謎の星を発見して娘の名前である「レミナ」をつけたりと微笑ましい感じだったが動きを確認していたら星側が見られていることに気づいて地球に向かってくるという感じで話が始まる。この辺に関してはなんとなく面白いなと思うぐらいだったが「地獄星レミナ」が地球に来たあたりから最高に面白くなる。星が地球を見る描写や地球を舐めた後の壮大な表現とかがむちゃくちゃ好き。 復讐は何も生まない、とは限らない。復讐の未亡人 黒澤Rポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。予想外の展開が心地よく連続していく #読切応援サウナしか俺を救わん 電気街名無し非常に面白い読切でした! 大学でサークルに入りそびれた主人公が勉強するしかなくて、唯一話せる女性が宗教学のアシスタントをする院生で、彼女に誘われてサウナサークルに入るところから始まる。 https://comic-days.com/episode/3269754496380389017 読切でもサウナ漫画あるんだ、流行ってるなーという序盤での感想を軽く覆して思ってもみなかった展開へ行くかと思ったら、あれれ?な漫画で、こういうの好きな人は好きでしょう! 力技な展開にも思えるんですが、着地点を見ると全く強引でもなく、結局はサウナを楽しめたんだなと分かるあたりかなり面白いですね。 あと作者さん、いい意味でチェンソーマン好きそう。 【2021年前期・第79回ちばてつや賞一般部門】佳作受賞作品 猫奥2巻に収録こまとちび 山村東starstarstarstarstarひさぴよ「猫奥」連載前の読切で、猫奥2巻に収録されている。 読切版は大奥が舞台ではなく、江戸庶民の中に暮らす2匹の猫を主軸とした物語となっている。(漫画内でネコ同士の会話もある) ゴージャスさはない代わりに市井の姿が丁寧に描かれていて、これを見るともっと大奥以外の江戸漫画も読みたくなってしまう。変わる視点と真の動機adabana 徒花 NON六文銭短くまとまって読みやすく、かといってライトというほど簡素でもない、良いサスペンスものでした。 こういう系ってモノローグによる「文字の説明」がやたら長かったりするので、漫画なら絵だけで表現してほしいとか思っちゃうのですが、それはそれで難しいんでしょうね。 伏線回収されても、私の読解力のなさであまりピンとこなかったりする作品が多い中で、本作は非常に、わかりやすかったです。 さすがNON先生といったところです。 芥川龍之介の「藪の中」のような、 人によって証言(そこから描かれる状況)が異なり、ミスリードさせつつ真意を徐々に明らかにさせていくのが、読んでいて先が気になり、あっという間の3巻でした。 ネタバレなので詳細は割愛しますが、 嘘ついてまで復讐を成就させようとした主人公は、なんともやるせなく、切ないです。 が、不思議と読後感は悪くないので、 少女の美しくも悲しい復讐劇をご堪能いただければと思います。癖しかないはみ出し警察官たちのクライムドラマPS-羅生門- 矢島正雄 中山昌亮名無し「2年間くらい一緒に昼食ってた同僚の嫁の話が面白くて好きだったんだけど、嫁も彼女もいないって他の人から聞いて仕事が手につかない」というまとめを読んでたら、その中に「PS-羅生門-みたいだな」というコメントがあって気になって1巻を読んでみた。 https://togetter.com/li/1748063 とにかく絵がメチャクチャうまい!!キャラデザもコマ割りも演出もすごく良くてアニメ映画を観てるみたいな格好良さがあって、現代が舞台のはずなのになぜか近未来感がする。 羅生門と呼ばれる署は、警察官としてどころか一般人として社会不適合な人間ばかりで構成されている。 借金がやめられない男、死んだ息子の死に苦しみ続けている男……。 普通だったら集団から排除されてしまうような人間たちが、受容されているところが本当に懐深くて好き。 ハッキリ言って長所と短所を比べると遥かに短所(とそれによって周囲にかける迷惑)は大きいんだけど、それをみんなが全く気にせず飲み込んでいるところがいい。 こういうそれぞれが好き勝手に生きて、それを互いに受け入れあってるのを見るのは気持ちがいいですね。 1話ごとにそれぞれの事件が解決するショートショートスタイルなのも読んでて楽しい。 読んでよかった。なんで今までこの作品のこと知らなかったんだろう。 コロナ禍に読む億万ぼっち地獄星レミナ 伊藤潤二名無しアイズナー賞受賞作品ということで読んでみました。表題作の地獄星レミナと億万ぼっち、どちらも救いがなくて謎だらけで「え!ここでおわりなの…」という終わり方なのが印象的だった。 恐ろしい内容に反して、レミナの舞台がいかにも昔の人が考えた未来の世界なのがほっこりする。AppleWatchみたいな端末がいい。逃げる最中ずっとファイマーマンズキャリーで運ばれてるところもじわじわきた。 億万ぼっちはみんなが家の中でさえソーシャルディスタンスしてて今の時代を先取りしてるなと思った。集合遺体にはなりたくない…勝道上人の生き様とは!?SHODO 勝道上人伝 巻来功士 阿吽社 日光山輪王寺マンガトリツカレ男巻来功士のマンガはむちゃくちゃ好きというわけではないが何故か読んでしまう。多分単行本になっているのは全部読んでいるんじゃないかな。これは発売当時買って読み返したので感想を書く。ちなみに勝道上人については全く知らない状態で一回読んでいるはずなんだが全く覚えていなかった... 奈良時代から平安時代初期の有名な僧である勝道上人の話で生涯を描いているがいまいち理解しきれず読んでしまった感はある。途中に登場する弟子の区別もつかなかったし。ただやはり疫病のシーンとかはさすが巻来功士だという迫力で良かった。とりあえず断食を九日間過ごすと自分自身から死臭がしてくるのだけは印象に残ったなイケメンの身体をシェアするシェアバディ 吉田貴司 高良百名無し入れ替わるんじゃなくて1人の身体を2人でシェアするって斬新ですね。しかも生まれてから一度もモテたことがないような男が、曜日ごとに違う女の子を抱いてるようなモテ男の身体に居座るんですから、こりゃモテまくりのヤリまくりだぜ!と期待しますが全然上手くいきません。全てのチャンスを無駄にします。 ただ、失敗しまくっても身体をシェアしてる2人がどちらも性格が悪くないので、読んでて嫌な気持ちにならないのがいいですね。2人に男の友情が芽生えて双方が納得した上でシェアを解消するラストがとてもよかったです。 こんなことってあるんだなぁ!萩尾望都・田中アコ短編集 ゲバラシリーズ 菱川さんと猫 萩尾望都 田中アコ名無しAmazonレビューなんかを見てみるとみんな褒めてるけど、正直自分はあまりピンとくるものがなかった。もしかして原作を読んでからの方が面白いのかな?でもゲバラシリーズって聞いたことないぞ…と思って調べてみたら、青森のタウン誌で開催されている「ゆきのまち幻想文学賞」の審査員を萩尾望都先生がされていて、その受賞作「菱川さんと猫」を萩尾先生が気に入り漫画化したらしい。えーっ!!なんてドラマチックなきっかけ!!こんなことってあるんだ?!現金なものでそれを踏まえて読んでみるとすごく面白いような気がしてきました。ラッパーに噛まれてメンタルからラッパーになりたいラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画 インカ帝国野愛訳の分からない感染症が蔓延する漫画ではありますが、特に教訓になりそうなことは描かれていません。 タイトル通り、ラッパーに噛まれたらラッパーになります。ラッパーだらけになった世界で行方不明の兄を探すべく田舎から来た少女みのりが奔走する物語です。 ラッパーに噛まれてラッパーになっても別にいいんだけどなあと思いながらずっと読んでます。サイファーに混ざれたら楽しそうだけど素面だと無理だから感染してラッパーになりたい。 バカバカしいのにちゃんとパニックホラーっぽい感じもあり、肝心のラップ描写は適度に微笑ましく絶妙にゆるい気持ちで楽しめます。 どうせ噛まれるならR-指定さんみたいになりたいけどそこまでのレベルは望めなさそうだなあ。マスクが"常識"となった世界の少年少女の物語 #1巻応援ニューノーマル【単行本版】 相原瑛人sogor25この作品の舞台は"ある感染症"のパンデミックにより、人前でマスクをすることが常識であり文化となった世界。 そんな新しい価値観が広まった世界における思春期の少年少女を描く作品です 「マスクの着用が普通になる」という、現実に近い設定の作品のように視えるのですが、この作品が現実と大きく異なるのは、公共の場でマスクをすることが感染症対策という目的を越えた"常識"となっていること。 つまりマスクはほとんど衣服と同様の扱いになっていて、「マスクをしない時代」を知らない思春期の少年少女にとってはマスクの下の鼻や口を見られることは"恥ずかしいこと"なのです。 ただ、衣服と違ってマスクは食事のときなどには外す動作が必要なため、日常生活の中でマスクの下を見られる隙が生じるということ。 この作品では「マスクを外した状態の顔を見られる」という私達にとっては普通の出来事が、登場人物にとって極めて衝撃的でビビッドな瞬間として描かれています。 この作品は"マスクが常識となった世界"という設定で現代の情勢をSF的に組み込みつつ、その中で生きる思春期の少年少女を瑞々しく描いている、設定の新しさと思春期という普遍的なテーマの両方を兼ね備えた作品です。 1巻まで読了 すごい漫画だったア・ピリオド・イン・ウィンター 岩崎真nyaeスピリッツに載ってたからなんとなく読んでみたらすごい漫画でした。絵柄もコマ割りもシンプルなのにページをめくる手が止まらない。読ませる力がものすごくあるんだと思います。 親から子への身体的・精神的な虐待って漫画の題材としてよく描かれるけど、それとはまた違って、ここには今まで読んだことがないような母娘の確執が描かれてました。 読み終わった感想としていちばん強いのは、この人が次に描くのはどんな漫画だろうということ。次回作を心よりお持ちしております。高峰くんって何者!!??高峰くん ─伽藍のヤモリ─ ゆうち巳くみ 十十骨ちにく名無し※ネタバレを含むクチコミです。オリンピックのロゴはこれで決まりAKIRA 大友克洋pakiraだな! 説教とエンターテイメントの融合喝風太郎!! 本宮ひろ志starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男連載中もなんとなく読んでいたが単行本で読み返してみた。山奥の古寺にて修行を積んできた主人公喝風太郎が持っている板を振り回しつつ仏教と絡めながら人々の問題を解決していく話。これ単体でも充分楽しめるとは思いますが、過去の本宮ひろ志マンガを読んでいるとより楽しめると思う。 「まだ、生きてる…」「俺の空」「サラリーマン金太郎」「硬派銀次郎」「男樹」の懐かしい面々が登場している。あと何気なく検索したら映画化もしてるんだな https://www.youtube.com/watch?v=FeE9d1LHlj8 スケボーは自由の翼スケッチー マキヒロチさいろくさきほど「SK8R’S」のクチコミを書いたんですが、こちらは女子視点で、かつスケボーに惹かれて始めてみる女子達の話。 といっても「けいおん!」みたいな話とは全然違って、みんな理由は様々でキッカケまでのストーリーが深く描かれていく感じで、登場する女子一人一人にサイドストーリーが広がっていく…この繋がって広がっていく感じが気持ちよくもあります。 決して上手いとかプロになれるんじゃ!?とかそういう話ではなく、日本の今のスケボーシーン+女子目線でのシーン、キッカケのパターンがめっちゃバラバラで「自分もやってみりゃいいんじゃないか」って思わせてくれそうなパワーがもらえる話。 そして、描いてるのがマキヒロチ先生なのもポイントです。さすがです。 これは絶対流行る(売れて欲しい)と思うんだけどサブカル感も残っててメジャー受け狙ってなさそうなところもまた良さだったりするかも。<<302303304305306>>
【世界と戦うアスリート漫画③〜スポーツコラム風に】 2020年3月17日現在、バドミントン女子ダブルスの世界ランキング十傑には、日本ペアが三組入っている。永く日本のトップであった福島×廣田組を、永原×松本組が猛追。そして2016リオ五輪金の髙橋×松友組は、2020東京五輪代表の二枠から遠ざかりつつある。 (2021.7.29追記あり) 新勢力の後塵を拝している髙橋×松友組も、かつては2012ロンドン五輪銀の藤井×垣岩組を乗り越えてきた。 世界レベルの国内選手と争い、乗り越える事で進化してきた、日本バドの女子ダブルス。その源流には、小椋×潮田組という伝説がいた。ルックスと実力を兼ね備えた二人には、余りにも過剰な期待と注目が集まったものだった。 ★★★★★ 『シャトル・プリンセス』の主人公は、日本トップクラスの女子バドミントン選手達。 インターハイを制して高校を卒業した有沢は、勝ち続ける事の重圧からバドミントン自体を辞めたいと考えるが、気迫で圧倒してくる西条に惹かれ、西条とのダブルスを申し入れる。 二人はすぐに頭角を現し、日本の頂点を獲ると世界への挑戦を始める。 界隈からの期待とやっかみ、ビジュアル面での過剰な人気、それに反して結果を残せないことへの批判、そして世界の壁。……2013年発表のこの作品は、恐らく2008年迄に小椋×潮田組が通ってきたと思われる苦闘の歴史をなぞる。 その上で、勝気で正直な西条がストレートに状況への違和感を表明するのを、若いのに落ち着いた有沢が冷静に受け止める、というやり取りで、過剰な重圧を二人で乗り越える過程が描かれ、この二人なら……という期待感が高まる。 長年『スマッシュ!』で高校生のバドミントン競技を描いてこられた咲香里先生が、この世界を見てこられた知見が詰まっているのだろう。観戦者の私が感じていた「オグシオ・フィーバー」への違和感も、当事者達の「それでも競技が注目されたい」という願いも、選手達の複雑な思いも……様々な思惑の絡んだ「女子ダブルス」が描かれていて、これは相当な問題作となるかも、と期待しながら次巻を待っていた。 ……残念ながら1巻で(中途半端な状態で)打ち切りのようだが、今後も各競技で現れるだろう「美しすぎる○○選手」を考え、日本代表の重責に思いを馳せるために、続刊は無いことを念頭に置いて、読んでみてもいいかもしれない。