青年マンガの感想・レビュー15382件<<139140141142143>>擬似家族×クリエイター論 #1巻応援突発的クリエイトファミリー 玉置勉強兎来栄寿昭和の終盤に生まれた中年と、平成後期に生まれた若者が織りなす不思議なハーモニーがクセになる作品です。 本作は行きずりで関係を持った背中にタトゥーのある怪しい女性から高校1年生の息子・鷹斗を押し付けられ、仕方なく一緒に暮らすことになった45歳の物書き・清志の奇妙な新生活を描いた物語。 エロゲーのシナリオライター等を経て、かつてはそこそこに売れたライトノベル作家として活動し中古マンションを買える程度には活躍しながらも、今はソーシャルゲームのシナリオやフレーバーテキストから匿名コラムのエッセイ、エロ記事など雑多に仕事をしている清志と、イラストレーターを真剣に志す15歳の鷹斗。ジェネレーションギャップはありながらも、創作者として通じ合う部分もあり、ときに清志が先達として有用なアドバイスをすることもあれば幻滅する部分もある。何とも言えない関係の二人のやり取りだけでも永遠に見ていたくなる面白さがあります。 そんな中で、清志が語る「かつてクリエイターはなるのは簡単だった。続けることが難しい」「歳を重ねると周りの同業者がひとりまたひとりとさまざまな理由で消えていく」といった件が非常に実感として解ります。たとえ仕事を変えたり辞めたりしたとしても、生きていて欲しいとささやかな願いを持ちます。 昨年の11月が初出の8話のエピソードでは、AIによる絵や文章の話も出てきていますが、数ヶ月でChatGPT4が登場して一気に状況も変わってきてしまったなぁと世の中の速度に思いを馳せました。まさに、フレーバーテキストや匿名コラムなどはAIでも量産できる世界に入ってきてしまったとき、清志のような人はどうやって生きていくのか。 30歳違いのふたりの語る創作論も面白ければ、少年である鷹斗が成長していくにあたって立ち向かうことになる女性関係の動向も気になります。 見所がたくさんあり、今後も楽しみな作品です。芸術の必要性を問うかけ足が波に乗りたるかもしれぬ 菅野カランstarstarstarstarstar野愛文学や芸術が腹を満たすことはない。理不尽をぶん殴ってもくれない。でも日常を彩るし、心を強くしてくれる。 おばあちゃんは寂しいだけだよみたいな文脈で片付けようとして娘を強く引き止めようとしない母ももちろん祖母も父も最悪だけど、このハードな宿題を出した先生は素敵な大人だなあと思った。初台時代の貴重なエピソード #お買い得本ボクの手塚治虫先生 古谷三敏starstarstarstarstarひさぴよトキワ荘や練馬の富士見台のエピソードは数多くあれど、その間にある渋谷区初台の頃のエピソードは意外と少なく…そういう意味ではとても貴重な時代性を持った作品です。古谷三敏が手塚のアシスタントとして過ごした時期の出来事だけでなく、名物編集・壁村耐三の若き頃の姿や、古谷三敏と赤塚不二夫の思い出など見所満載の一冊。ちなみに電子書籍の価格でいうと、双葉社のKindle版を定価で買うよりも、ebookjapanで販売されてる「ファミリー企画版(古谷先生の設立会社)」なら、300円という定価よりお得な価格で購入できます。紙書籍版の方は装丁がけっこう凝ってますのでそちらを選ぶも良し。嗚呼ニッポン活動大写真の感想 #推しを3行で推す嗚呼ニッポン活動大写真 くぼたかつひこ 加藤真五starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ なんとなく聞いたことあるような役者や監督が主人公になってるのか。それにしても人が区別つきにくいな。山中貞雄はわかりやすいが他のはなかなか難しかった 映画製作のモットーの「1.スジ、2.ヌケ、3.ドウサ」の話は面白い ・特に好きなところは? 稲垣浩が阪東妻三郎に『無法松の一生』の松五郎役を依頼した際にエピソードとサイレント映画からトーキー映画に変わる際に阪東妻三郎の声が想像と違い高い声で人気がなくなってから復活までのエピソードというか阪東妻三郎のエピソードがどれもいい ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 絵にはかなりクセがあるので多少の読みづらさはあるが慣れれば面白いとは思う。ただ電子書籍になっていないので入手は困難だとは思う。 仄暗い義姉妹NTR戦争の底で #1巻応援這い寄るな金星 華沢寛治兎来栄寿「さくらの森の満開の下」でヤングマガジン第461回月間賞 佳作&TOP賞を、「蒼く濃くなるスターライト」でちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞を獲り、その後『スペリオール』などを中心に読切を発表していた新鋭・華沢寛治さんによる連載作品です。 2日連続で『スペリオールダルパナ』作品について書いていますが、私も大概こういう作品が好きです。 第1話目から地獄の釜の蓋が開いていきますが、その裏にはさらなる深淵の煮凝りが待ち受けているという素敵な構成です。どんな地獄が待っているかは、あえて語らないので読んで確かめてみてください。人によっては病みつきになる地獄でしょう。 金星といえば宵の明星であり明けの明星で、ルシフェル。最も美しく最高位の天使でありながら、やがて神と敵対し堕天使、悪魔となってその頂点に立つ者。そんなルシフェルが、神に反逆したのは人間であるアダムとイヴに仕えるように命じられたから。傲慢や嫉妬という感情に駆られたのも無理はないと思います。しかし、なぜ神はわざわざそんな理不尽な命を下したのか? もしかしたら、そこにはこの作品の彼女の中に存在するような感情があったことを否定できないのではないか……そんなことを考えてしまいました。 ドロドロした話、人間の闇の部分を描いた話が好きな方にお薦めです。 出版社をまたがっていますが、ぜひ短編集も出して欲しいですね。個人的には「眠たい浅瀬」が特に好きでした。たしかにただれてる川尻こだまのただれた生活 川尻こだまstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ酒のんで、あぶらっこいもの食べて、甘いものを食べて、「あたしゃ✕✕がすきだよ。✕✕だからね」とTwitterで突然呟いて。仕事に追われて。 最近のTwitterは、まとめ漫画初期にあるような、人としていかがなものかと思う生活が流れてこないぞと思っていたら(タイムラインへ流れてこなかっただけ?)、がっつりマイクラにハマって浮き沈みしていたという新刊が出ていて、相変わらずの生活だったようでなんだか安心した。 ちなみに、アニメ化もされて、ゲーム化もされているこの方。 本職は一体何なのか、川尻こだまと呼ばれて話題に登る前の存在は相変わらずわからない。 いや、わからないくらいが漫画を楽しめてちょうど良いのかもしれない。感想片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~ 鍋島テツヒロ 乍藤和樹 佐賀崎しげる名無し無料なので1巻読んだら、予想以上に絵が上手くて迫力があって面白かった。剣術のかっこよさやスピード感がしっかり表現されてて、アイシールドのデビルバットゴースト思い出した。出てくる弟子が全部女の子なのが笑える。男の弟子も出てくるのか気になる。 激坂とテルの顔を交互に貼って、テルはまだ坂を上り続けている感覚を味わうトピシャカリキ! 曽田正人ノノノノ村坂ゲーム依存と依存させる仕掛けがよくわかるゲーマーズ×ダンジョン 僕はゲーム依存じゃない ナナトエリ 亀山聡六文銭自分もゲーム大好きマンで、小さい頃『信長の野望』にハマって、夏休みとか寝ずに鼻血出して失神するまでやってました。 今でもゲームが好きだし、時間を忘れてゲームの世界に入り込む、プレイしている時の非現実的な感覚の楽しさは中毒になるのも頷けます。 だから主人公のゲーム好きに共感できました(特に、子供の頃友達とロッ○マンを1機交代で~とか自分もやってたから懐かしい) が、やっぱりソシャゲーのハマる部分だけは理解できなかった。 自分が据え置き中心で、そこまでゲーマーじゃないと言われればそれまでですが、ソシャゲー特有の 基本無料で課金して強くなる とか レアアイテムひかせるガチャ とか 終わりのないストーリー、イベントによるランキング制度とか、やっぱりよくわかないんですよね。 ゲーム世界以外の雑音が多くて、ゲームに集中しているのか、システムに翻弄されているのかわからなくなる感じ。 特にお金で強くなる(強キャラをお金で当てるのも含)のも違和感があって、ゲームの醍醐味ってストーリーやキャラの魅力だったり、マリオとかに代表される自分のプレイスキルが上がることでクリアする爽快感が大事だと思うんですよ。 なんで、自分は主人公のように親の財産をつぎ込んでまで課金するほど依存症にはならなそうなだと思いつつ、本作は、そんな依存症の人たちの対処法を描くのと、どうしてそうなってしまうのか?という理由まで描いているのが大変参考になりました。 特にソシャゲにハマる仕掛けの部分は、すごく納得してしまいました。 「コンプガチャ」とか計算しつくされた設計に恐怖すら覚えます。 ゲームって本来エンタメのはずなのに、こんな形のものが出てくるのはなんとも悲しいものですが、理由がわかれば対策できそうなので、是非読んでほしいし、むしろ子供とかにも読んでほしい。独白できない、歪みとされる感情と関係 #1巻応援毒白-ドクハク- 叶齊兎来栄寿作者の叶齊(かなえいつき)さん自身がLGBTQのQであり、実体験を礎として描かれているという作品です。 かわいいクラスメイトの佐山さんに土下座し罵られながら足蹴にされているシーンが序盤から繰り広げられますが、その行為によって覚える感情はむしろ快感や背徳感の類であるという業の深さ。主人公の高校生・麻倉将太は学園トップの真面目な少年なのですが、本当は幼いころから女の子の格好をしたい、そしてその姿で詰られ虐められたいという誰にも言えない欲望を抱えているのです。 正に『スペリオール ダルパナ』という感じの作品です。 将太という名前からしても、親からは男らしくあるようにと願われて育てられていそうな将太の不遇を思うと居た堪れません。そんな将太の本質に気付いてしまった、2人きりで演劇部の活動を共にする佐山さんとの関係性が大きな見所です。 個人的に、第一話終盤のとある描写の解像度の高さに惹かれました。この所作をしっかりマンガで描いている作品は非常に稀有であると思います。 美少女に罵られたり蔑まれたりしたい方にとっては、特に隠れ眼鏡っ子にそうされたい方にとっては大いにご褒美となり得る作品ですし、世界の片隅で同じような悩みを持つ誰かを救う力のある作品であると思います。 狩猟のユメカの人の新作スカベンジャーズアナザースカイ 古部亮名無し今更マンバで新作書いてるの知って1話読んだけど前作からのパワーアップ具合が凄い! キャラクターも画面作りも更に上手くなっている。 続きが見たいから電子書籍で1話売りしてほしい。 我々はどこから来たのか可愛い水 菅野カランstarstarstarstarstar野愛ゴーギャンの絵にもあるように我々はどこから来てどこへ行くのか結局よくわからない。 蛇口をひねったら水は出るし、気づいたら自分という存在が在った。 飲むと妊娠する水を飲んだからお前が産まれたと父に言われた不眠症の男と、飲むと妊娠する水が流行りだした世界。 どっちも嘘だろと思ってしまうが、どっちも嘘ではなさそうな世界で物語は進んでいく。 現実離れしているのに、へぇそうなんだと流してしまいそうなリアリティがある。誰もが抱えていそうな、でも自分だけしか抱えていないような不安や葛藤が確かに描かれている。 考えても仕方ないことは考えなくていいかもしれないし、言わなくてもいいことは言ってしまったほうがいいかもしれない。 水がどこからやってきたのかわからなくても、そこに在ることだけは確かなんだなあとぼんやり思った。シンパパたちの奮闘記!Daddy Steady Go! シマ・シンヤnyaeシマ・シンヤさんによる、ハートフルなコメディです。 1話目の主人公・ジョーは「料理は男の仕事じゃない」という化石のような考えの持ち主で、数ヶ月前に息子と二人きりの家族になってしまった新米シングルファーザー。朝ごはんすらまともに作ってくれないジョーに息子のタイラーは不満を漏らすも、料理なんてしたことのないジョーはどうすれば良いのかわからずシンパパ仲間に悩みを打ち明ける…というものです。仲間にサポートされながら古い価値観からアップデートしようとする姿に思わず頑張れ!と応援してしまう…見た目がごっついから尚更。次の更新が待ち遠しい。 うーん(゜-゜)僕の部屋のユウ子さん 武川展子名無し・読んだ直後に思ったこと 本屋で推し台に並んでたから、何も考えずに買った~。読んで見たら、何かどこかで読んだことあるわって、思った。 モリコロスさんの、のぼさんとカノジョに内容が瓜二つ!! まぁ、細かい部分はもちろん違うけどね😅奇想から情緒まで #1巻応援足が早いイワシと私 ~河野別荘地短編集~ 河野別荘地兎来栄寿河野別荘地さんが大学生の頃に初めて描いた作品から、オモコロ 、『フォアミセス』、『モーニング』などに掲載された近年の作品までを10作品を収録した作品集です。 『足が早いイワシと私』というタイトルの本で、一番最初に載っているのが「足を洗う」、一番最後がそれを後年にセルフリメイクした「ネオ足を洗う」という構成なのが何とも面白いです。 大学時代に初めてまともに原稿用紙に描いた作品であるという「おばあちゃんのほほ袋」からして、不思議な作家性が滲み出ています。他の大学生時代に描いた「足を洗う」、「爪の垢」も画的にはまだ洗練されていないものの独特の雰囲気をまとった面白い作品です。この1冊で、その後の画力の大きな向上のビフォーアフターも楽しめます。 表題作の「足が早いイワシと私」や「冬眠休暇」、「労働監督」などは『世にも奇妙な物語』な星新一さんのショートショートを髣髴とさせるような、設定に面白さのある作品。 「Fly me too the moon」や「私の先輩」では非常に良い情緒を味わえます。個人的にはこの本の中でも特に好きなお話です。 1冊を通して、フレッシュで奇抜な作品から円熟味を感じるヒューマンドラマまでバラエティ豊かに楽しめるお薦めの短編集です。アリエナイ?アリエール?コタローは1人暮らし 津村マミstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ「アパートの清水」に越してきた男の子・コタロー4歳。 おそらく、前作の『コンビニの清水』をやっていたおじーちゃんおばーちゃんが大家さん。 あの夫婦なら4歳児の一人暮らしでも、「しっかししてるから大丈夫ね~」「子供は元気が一番ね〜」と住まわせそうな気がする。 そもそもあの年代は、4歳児が一人で公園に行くこともあった時代だろう。 ドラマ化もアニメ化もされているので、知っている人は知っているだろうけども、本作はアリエナイが多発する。 多発しすぎて、ティッシュを食べるのは、アリエナイのか、アリエルのか、悩んでしまう。 研究室の「キムワイプ」でもなく、ネタで聞く「ティッシュの天ぷら」でもなく。 しっとりしている高級ティッシュはグリセリンが入ってるから甘いそうだけど、うーん。 取材でそういう話を聞いたんだろうか。 暗号解読の天才とその家族λの箱舟 秦和生starstarstarstarstar_borderゆゆゆ登場人物はボーン親子と住み込みの秘書。 父のほうは古い文字を解読する、言語学の教授。 天才的なセンスを持ち、その言語解読能力は暗号にも通づる。 一方、息子は父と正反対の体育会系。 住み込みの秘書は教授の研究補佐をしたり、男所帯で家事をしたりする修道院出の女性。 ボーン教授は軍で暗号解読をしていた経歴を持つ。 このために、親子+秘書はいろいろなトラブルに巻き込まれることに‥。 舞台は1920年代のイギリスとあるので、作中で話題に登る戦争は第一次世界大戦のことだろう。 調べると、エニグマのせいか暗号というと第二次世界大戦の印象が強かったが、第一次世界大戦も通信と暗号は重要な立ち位置だったようだ。 アラン・チューリングとは年代も生まれも合わない教授だけど、第一次世界大戦時も、アラン・チューリングのような天才がいてもおかしくはない。 なお実際の物語は、そんな背景はつゆとも感じさせないし、知らなくても楽しく読める。 表紙のような親子+一人でほのぼのした感じとアクションが混じる、そんな漫画。タイトルも俳句になってるんだ!かけ足が波に乗りたるかもしれぬ 菅野カランstarstarstarstarstar_borderかしこ同居してるおばあちゃんとの仲が上手くいかなくて離婚して遠くに住んでいる母親に新幹線で会いにいく小学生の女の子の話なんですが、道中で学校の先生に出された俳句の宿題をやっているのが淡々としたストーリーにリズムが生まれるみたいで楽しいですね。なんとなく黒谷知也に似ているテイストを感じました。 両親は離婚したけどオンラインゲームの中で時々会ってるとか、あとはラストでの女の子のポジティブな心境の変化が読後感を明るくしてくれます。そういう重要なシーンを大げさに描いたりしてないところも好きです。でも心に残るから上手いな〜と思いました。「花と頰」にも通じるものがある気がするサムデイ・ネバー・カムズ イトイ圭かしこ「花と頬」で話題になったイトイ圭さんのエッセイ漫画です。美術系予備校に通っていた頃から始まって、東京でデザイナーとして就職したけど、色々あって地元の京都に帰ってきたり、すごく好きな人ができたりする話。本当に色々なことが起こるので読んで結構なショックを受ける人が多いかもしれない…。でも自分はふとした時にこの漫画のことを思い出します。大体それは人生が上手くいってない時なんですけど。これを読んだ後に「花と頬」のラストを読むと何だかすごーく感動します。 パンに支配されて米が消えた町で…填匝町都市パン化計画 不死デスクstarstarstarstar_borderstar_borderかしこ町おこしで巨大な顔つきパンを作ることになり町から米すらなくなった。しかも主人公は顔つきパンが苦手で、好きな女の子は町おこしの中心になっているパン屋の娘という…全体的に一筋縄ではいかない設定なんですが、ふざけた話を大真面目にやっているという面白みが最初から最後まで手抜かりなくあってクオリティ高いと思った。クライマックスの凧揚げのシーンなんかも「え?なんで急に凧揚げ?」とか思うんだけど感動しちゃったね。飲むと妊娠する水可愛い水 菅野カランstarstarstarstarstar_borderかしこ「昔お父さんが妊娠する水を飲んだから君は生まれたんだよ」と言われて育ったけどそのことを受け入れられずに大人になった主人公。現在は父親との関係も上手くいかず不眠症になっていた。この作品の世界では「飲むと妊娠する水」が実際にある設定なのでややこしいのですが、要は親子関係の話です。設定としては奇妙なんですけど、逆にごちゃごちゃした人間関係とか人生経歴の説明がないからテーマが直接伝わるので読みやすかったです。 ラストで主人公にも子供が生まれますがちゃんとパパやってましたね。ぐっすり眠れそうでよかったです。でもこの赤ちゃんは水を飲んだから生まれたのかそうじゃないのかがはっきり分からなかったのが気になった。あえてなのか…?心温まる鉄道人情マンガちゃぺ! 津軽鉄道四季ものがたり ひきの真二 川上健一starstarstarstarstarひさぴよストーブ列車で知られる「津軽鉄道」を舞台にした心温まる物語。2007年頃のビッグコミック増刊号に掲載されていた作品で、当時の青森の鉄道事情や人々の暮らしが描かれている。 東北の中でも最北に位置し、独自の文化を持つ青森を知るのに良い一冊かと。各地の観光名所の写真が載ってたり、観光PR的な側面はありながらも漫画の中の風景や人情から青森の良いところが自然と伝わってくる。それもこれも、ひきの真二先生の手腕による所が大きい。 やめよう殺人!小悪魔教師サイコ 合田蛍冬 三石メガネ peepstarstarstarstar_borderstar_border酒チャビン小悪魔というよりかなりもっとヤバい方でした。この表紙に写ってる方が主人公なのですが、結構ヤバいです。 殺人は良くないので(特に知り合いを殺す行為)、あまり賛成できないのですが、ですがつい読み進めてしまいます。3巻まで刊行中ですが、がっつり3巻まで読了しました。好きかと言われると、殺人に反対なので、そこが微妙なのですが、おそらく4巻も買うと思います。3巻がすごいいいところで終わってたので。 みなさんも読み始めてしまったら、ついつい全部読んでしまう。そんな不思議な魅力がある作品だと思います。なのでついつい全部読んでしまうのが怖い方は試し読みもしない方がいいと思います。木更津ものサポルト!~木更津女子サポ応援記 高田桂starstarstarstarstar_border酒チャビンいわゆるジモマンです。わたし出身が木更津まで電車で15分くらいのところなので、気になりすぎて読みました。 結果ですが、めちゃ面白かったです!わたし爽やか青春部活ものが好きなのですが、こちらの作品は厳密には部活ものではないですが、それに近いものを感じました。好きなものに熱中するところが似てると思います(あと学生というところ)。 かけがえのない友情と、青少年特有の悩みと、若さゆえの失敗等がテンポよく描かれます!!地味めのキャラが主人公というところもいいですし、主人公の友達でメインキャラの一人が少し紺野に似てるところも良かったです! 仮に舞台が木更津ではなかったら、まず間違いなく読んでないのですが(というか売ってるの見たことないですからね)、これは木更津ヌキにしてもそこそこオススメできる作品となっています!ぜひ木更津関係ない人(大多数だと思いますが)も手にとっていただき、聖地巡礼として木更津においでくださいませ!! ちなみにラーメンでしたら、少し離れますが、君津の大ちゃんラーメンか五井の富士屋がオススメです!帰りはアクアラインが混みますので、龍宮城で20時くらいまで湯ったりするといいと思います!<<139140141142143>>
昭和の終盤に生まれた中年と、平成後期に生まれた若者が織りなす不思議なハーモニーがクセになる作品です。 本作は行きずりで関係を持った背中にタトゥーのある怪しい女性から高校1年生の息子・鷹斗を押し付けられ、仕方なく一緒に暮らすことになった45歳の物書き・清志の奇妙な新生活を描いた物語。 エロゲーのシナリオライター等を経て、かつてはそこそこに売れたライトノベル作家として活動し中古マンションを買える程度には活躍しながらも、今はソーシャルゲームのシナリオやフレーバーテキストから匿名コラムのエッセイ、エロ記事など雑多に仕事をしている清志と、イラストレーターを真剣に志す15歳の鷹斗。ジェネレーションギャップはありながらも、創作者として通じ合う部分もあり、ときに清志が先達として有用なアドバイスをすることもあれば幻滅する部分もある。何とも言えない関係の二人のやり取りだけでも永遠に見ていたくなる面白さがあります。 そんな中で、清志が語る「かつてクリエイターはなるのは簡単だった。続けることが難しい」「歳を重ねると周りの同業者がひとりまたひとりとさまざまな理由で消えていく」といった件が非常に実感として解ります。たとえ仕事を変えたり辞めたりしたとしても、生きていて欲しいとささやかな願いを持ちます。 昨年の11月が初出の8話のエピソードでは、AIによる絵や文章の話も出てきていますが、数ヶ月でChatGPT4が登場して一気に状況も変わってきてしまったなぁと世の中の速度に思いを馳せました。まさに、フレーバーテキストや匿名コラムなどはAIでも量産できる世界に入ってきてしまったとき、清志のような人はどうやって生きていくのか。 30歳違いのふたりの語る創作論も面白ければ、少年である鷹斗が成長していくにあたって立ち向かうことになる女性関係の動向も気になります。 見所がたくさんあり、今後も楽しみな作品です。