少年マンガの感想・レビュー7875件<<179180181182183>>藤本タツキのまんが道は辛くて愛しい #読切応援ルックバック(読切) 藤本タツキたか最初の扉絵に143ページとあってあまりの長さにビビリつつ読んだらすごかった。なんで藤本タツキの書く少女ってこんなに純粋で愛しいんだろう……胸が苦しい。 超画力の京本とセンスとスピードの藤野。 藤野がクラスメイトに言った「5分で描いた」はフカシではなく本当で、よそんちの廊下でサラッと一瞬で4コマを書き上げる。が、うっかりそれが京本の部屋に滑り込んでしまう。 尊敬する先生の見たことない描き下ろしが突然部屋に現れたときの京本の気持ちを考えるとたまらなくなる。 そしてあの事件のあと、今度は藤野の元に京本が描いた藤野の作風をリスペクトした4コマ「背中を見て」が届く……。 京本の背中には小学生のときに描いた藤野のサインがあり、藤野の背中は、ずっと京本が見ている。 ……。 ……。 話の大筋は「田舎の小学生2人がお互いの才能を見出し漫画家を目指す」というまんが道スタイルでありながら、キャラの造形・演出・話の展開は完全に藤本タツキ味に仕上がっているものすごい作品。 2021年一番心に残った読切でした。 【追記】 京本が家にいるときに鍵を掛けてなくて、藤野が鍵開いてるな〜中に人いるんじゃんって玄関まで入っちゃうとこ田舎あるあるで笑った。自分が子供の頃(20年くらい前)はこんな感じだったけど今もそうなんだろうか。 あのコンビニはあるにはあるけど雪深いところとか、窓から山が見えるところとか……自分の地元と重なる部分が多くて、だからこそ2人が出会えたことの得難さを噛み締めてしまう。 たとえどれだけ辛い別れになったとしても、2人が唯一無二の関係としてともに時間を過ごすことが出来て本当に良かったなと思う。意外と少年漫画的ビリヤード漫画ミドリノバショ 岡Q六文銭ビリヤード漫画なんで「Mr.FULLSWING 」の鈴木先生が読み切りで書いた「pool shooter」くらいしか読んだことなくて、 そういえば、なんでビリヤード漫画ってないんだろ?と、思わず考えてしまった。 個人的に ・細かいルールがよくわからない ・スポーツよりもやっていることが地味 そして、何より ・おっさんが球ついても面白くない これだ!!!!!!!! って本作読んで思いました。(身も蓋もない) とにかく、本作のミドリちゃんが魅力的。 天才なのに、真面目で素直で、孫娘みたいなポジションなのが、すごくいい。 それでてい、ビリヤードのこととなると、かなりアツく負けず嫌いな感じが、よりよい。 自分も、本作に出てくる、応援している地元のおっさんの一人になった気で見守っております。 ただの可愛い天才女子中学生がビリヤードやっているだけでなく、 成長という変化を描いているのが、少年漫画そのものです。 また、主人公だけでなくにも、全体的にキャラが魅力的なんですよね。 特2巻で明らかになる菅さんと沖田プロの師弟関係とか、読んでいて胸アツでした。 初める動機も続ける情熱も、丁寧に描いていて、作品へのハマリ具合を加速させます。 また、書誌内容に >ビリヤード専門誌で約7年連載していた著者がおくる と記載ありますように、ビリヤードに関してはふんだんに豆知識もあるので、そもそもビリヤードに興味がある人も納得できる内容だと思います。 3巻では、現役プロの女王的な存在と戦うことになりますが、 ここから百合展開になるのかも気になるところです。 新世界漫画賞受賞作!おもしろかった!呪神ミーシャ ATSUX名無し※ネタバレを含むクチコミです。阿部共実のダークなところを潮が舞い子が舞い 阿部共実狐優曇華阿部共実といえば、たいていダークな内容だという印象だったのですが、こちらの作品に関してはダークな部分は影に隠れているかのように表出せず、会話の妙や展開の楽しさに青春の苦みをふりかけて夕焼け当ててみた、みたいなそんな素敵な内容。一生続くといいな 欲望の化身、巨大馬ボンバが次々と人を襲う! #完結応援ボンバ! 手塚治虫一日一手塚『シュマリ』を最近読みまして、近い時期に描かれた『ボンバ!』もハードだよというのを見かけたので読んでみました。 『シュマリ』と同じく『ボンバ!』も復讐から物語が始まりますが男らしいシュマリに対して本作の主人公男谷はかなり暗い男。今の言葉で言えば陰キャです。この男谷の嫉妬心や欲望が、戦時中に父が世話をしていた軍馬ボンバの形を取り、邪魔だと思う相手を殺すようになります。 男谷が恋心を抱いていたヒロインの水島先生はとってもかわいく描かれるのですが、劇中で迎える結末はかなり唐突かつ悲惨なもの。この冷や水を浴びせるかのようなあっけなさ、あまり現代の作品には無いなと思ったり。あっさりと描かれているからこそ些細な運命の悪戯が誰かの人生を狂わせるもどかしさと切なさを強く感じます。 水島先生を失った男谷は社会を憎み、逆恨み的にボンバで人を襲うようになります。復讐心がコントロールを失い暴走するのはのちの『鉄の旋律』にも引き継がれているような。巨大なボンバが暴れ回る画面は怪獣映画さながらで迫力満点です。 暴走したボンバを抑えこむための決着は少々強引な気もしますが、負の感情をどう克服するか、というテーマに対しては美しい終わり方だと思いました。やはり最後は愛。BLEECHBLEACH モノクロ版 久保帯人名無しとってもおもろいです。キャラの絵が良く戦闘シーンもかっこいいです残酷でオモシロイ!!進撃の巨人 attack on titan 諫山創T.Tまわりの友達がみんな読んでいたので読み始めた。想像以上に残酷な話だったけどオモシロイです。 主人公エレンを中心に、人類が巨人と戦い続ける話。エレンの「駆逐してやる!!この世から一匹残らず!!」というセリフがアツいです。 面白い!からかい上手の高木さん 山本崇一朗えいた友だちに勧められたので読んでみた。高木さんという女生徒が同級生の西片くんをずっとからかう話。 たまに際どいからかいがあったり、いつも学校から一緒に帰るところが好きです。 からかう高木さんもかわいいし、からかわれたときの西片の反応もかわいい。誰も並んでないのである!本当にあった怖い話 サイン会0人全真相 徳光康之名無し「サイン会0人」がこれほど似合う男はいないだろうし、ネタにできる徳光康之はやはりタダ者ではない。本人には悲劇でも、周りにとっては最高の喜劇であることを体現している。表紙のなんとも言えない表情が素敵。短くてびっくりした彗星のレミィ がぶと名無しでも短いからこそいろんな想像が膨らむ。 棒アイスみたいなシルエットのいきもの?スーミィさんと、可愛い女の子のレミィさん。滅びた地球を観測して、それをレミィさんのお父さんに報告しているみたい。でももしかしたらスーミィさんはレミィさんの想像上の生き物かもしれないし、本当は観測もしてるふりかも、お父さんなんていないかも、とか…? いい話。ふしぎな鳥のヤッキ 百々瀬新 へじていと名無し※ネタバレを含むクチコミです。プロレスと一切接点を…プロレススーパースター列伝 梶原一騎 原田久仁信名無しプロレスと一切接点を持たずに生きてきたアラサーの平成生まれが1巻を読みながら思ったことメモです。知り合いが読んでたので気になって読んでみました。 ……… 1話 表紙めくってすぐ出てくる扉絵の猪木の横顔草 タイガーマスクより段違いに読みやすいけど、1話目からデカパンみたいな黒人のずんぐりしたおっさんとは タイガーマスクといい悪役レスラー金的しすぎでは?あぶな 突然の猪木解説草 「わたしがあいたかったのは作家ではなく、空手界の大物としてのミスター・カジワラだった」 いきなりの作者登場すげえ 「ランチをおごっただけで半生を語ってくれた」 「ユーとカラテのめぐりあいを話してくれないか?」 マジで突然何が起こってるんや… 2話 観客が黒人レスラーのブッチャーを平然と「二グロ野郎」呼ばわりするのビビる… 「サンキュー・ベリマッチ!!」ジワジワくるのすこ 「ガマ電話オテナは大山倍達の20年来の親友」 マジどこからどこまで本当で嘘なのか微塵もわからん 3話 「パンチで殴るのは反則だが突きはオーケー」は正しそう 巻き藁で貫手の練習をするブッチャー 「指がくだけてもいいとこみせにゃ……」いきなり弟子力高いムーブをするブッチャーかわE 小石炒飯wwwwスピードがあれば熱さを感じないww 4話 「ああ、人間は信じられねえ!」のブッチャーいい顔してる… 5話 「アトミック・ボムズ・アウェー!!」 「千ドル……ステーキ!」😭 カール・ゴッチさんは実在してそう 今更だけど「レスラーは本物(実在)するけど、ストーリーがフィクション」という解釈であってる?猪木さんが言ってることは本当なんだろうか… 6話 大木さんのパイナップルみたいな帽子なんなの?🍍 「鉄柱に叩きつける頭脳作戦」 いうほど頭脳作戦か…??どちらかというと「頭脳作戦(物理)」じゃねえか 普通にブッチャー死んだかと思って心配しちゃった 7話 奥さんへのお土産に日本人形はセンスねえな…ありがた迷惑 普通にブッチャー可哀想……でも日本人形買うような男だしな… 「こんなにオデコもキズだらけになってるときに」草 8話 白人プロモーターも惚れるブッチャーさんのガッツ 「ゼニになればどこへでもいきますぜ」すこ ケージ・デスマッチからの「おばけカボチャ!! 人間空母、デブ世界一!!」で大草原 275kgはやばい 9話 そのオーバーオール絶対1人で着れないでしょ ブッチャー「頭にくるクソデブめ!!」草 また金的かよ そうか…突きの弱点は分厚い脂肪なんだな 肉弾重爆撃の落下エネルギーを使った首への突き 「ファイトさえありゃ、世のなかなんとかなるもんだぜ〜〜ッ!!」かっけえ… 「ファイト・マネーはヒフティティー・ヒフティーが条件だ!」 ヒフティーは草 ……… タイガーマスクと比べると漫画の技術が進化してて格段に読みやすい。 どこまで本当なのか全く判断できないとこが最高に面白い。 すでに1巻で小石炒飯なんておもしれー修行出てきたんだから続きは絶対面白いじゃん。気になる。 ダークファンタジー、だけどほのぼの日常系。 #1巻応援ヨルとクロ 雨沢もっけsogor25この作品はカフス国という国で時計やを営んでいるヨルという青年と、彼と一緒に暮らす少女・クロの日常を描く物語です。 呪われた一族に生まれたヨルは真っ黒な毛むくじゃらの見た目をしており、その見た目のせいで辛い思いもたくさんしてきたのですが、今は優しい住人に囲まれ穏やかに過ごしています。 また、クロのほうも出生に秘密を持っていて、雪の中で血まみれで倒れているところをヨルに助けられ、それをきっかけにヨルの元で暮らしているという経緯があります 作者のあとがきにもある通り「人間だけど人間じゃない」2人を主人公にしたダークファンタジーの形式を取りつつ、実際に描かれているのはほのぼのとした日常という不思議な読み口の作品です。 1巻まで読了 人生の問題は大体筋肉で片づくダンベル何キロ持てる? サンドロビッチ・ヤバ子 MAAM六文銭筋肉があれば、なんでもできる そう思っていた時期がありました。 否、現在進行形で思っています。 筋肉があれば代謝があがるので太らないし(※諸説あります) 体調だってよくなる。 寝起きも良い。 ストレスもなくなる。 体がしまるからモテるし、重たいものだって持てる。 ※モテるのは、個人差あります 本作は、痩せたい思いでスポーツジムに通う女子高生の話。 イイことである。 思春期の女子は、何かとすぐ食べる量を減らすことで事なきを得ようとしますが、論外である。 そもそも、やせたければ運動すればいいだけの話なのだ。 運動、そう筋トレで良いのである。 なので、本作の主人公は、誠に良い心がけである。 全体的に日常系の部活モノっぽい雰囲気があるが、 部活ではなくジムなので、やっていることはガチなのが良い。 (最新刊では部活をつくっていますが) 筋トレ方法や健康維持のちょっとした豆知識がつくのも魅力。 コロナによって、ステイホーム、ステイハングリーだから、 ノー運動にも関わらずノーリミットで食べまくっている人の処方箋になる作品だと思う。 筋トレだ、筋トレしよう。そういう気になる。 ただ、12巻まで続いていて、結構な運動量をしているのに、キャラたちが全然マッチョにならないのが不思議である。 とまぁ、偉そうに色々言いましたが、私は、ガリガリでもメタボでもない、一番面白みのない中肉中背です。 まずは、これ読みなおして自分が運動しようと思います。プロレスと一切接点を…タイガーマスク 梶原一騎 辻なおき名無しプロレスと一切接点を持たずに生きてきたアラサーの平成生まれが1巻を読みながら思ったことのメモ。タイガーマスクって親世代にとっては常識みたいな作品でどんなんなんだろうとずっと気になってたので読んでみました。 ……… 物語は1967年のアメリカからスタート 子供向けに描いているためかひらがながやたら多く簡単な漢字しか出てこない まだリモコンがない頃のテレビとか割れた窓ガラスをくっつけるテープとかに時代を感じる 「対戦相手の腹の上でゴーゴーを踊る」とか「猪木とのタッグマッチ中に頑張ってる猪木を尻目にロープの上で昼寝」とか最高すぎる タイガーマスクってゴリゴリのヒールだったんだなー 虎の穴の訓練ヤバすぎて大好き ・五年半の間に2/3が死亡 ・コールタールと重油のプールで50メートルの力泳 ・猛獣との格闘 ヘタレを装って同士討ちさせるタイガーマスクさんかっこいい 説明セリフを言いすぎなのが気になる…モノローグですら説明してて違和感。これも子供向けに書いてるせい? 会場に置いてあるテーブルが足まで木製なのなんかすごい 台所のテーブルみたい ブラック=バイソンのビール瓶手刀で切ってワイングラスみたいにして飲むの最高すぎる ブラック=バイソンvsタイガーマスク 【使用した技】 ブラック=バイソン ・急所蹴り ・メリケンサック ・首締め タイガーマスク 噛みつき つま先蹴り 1巻から戦いがダーティすぎる …… 漫画の書き方がとにかく古くて読むのがすごく疲れた。 タイガーマスクが清々しいほどのヒールなのは今読んでも面白い。 けどとにかく疲れたので全部読める気がしない。 ぶっ飛ばしてくれてて気持ちのいい読切 #読切応援タッキュウガイ 後藤逸平名無し後藤逸平先生の6年ぶりくらい、『ハイファイクラスタ』以来のジャンプ掲載なんじゃないでしょうか。 ショート読切でしたが、その中にギュギュっと面白さが詰まっていて超好きでしたし、続きを読みたくなりました! ただ、続けようとしたらすぐインフレしちゃってめちゃくちゃ大変なことになるはずですが! 一本の読切の中でそこまでぶっ飛ばせるのはすごいなと思いました。 あと、スマホの単ページ表示にも気を使ってそうなページがあって、見やすくて迫力ありました。 また何かの作品で読みたいです。 映像化希望ですね #読切応援タッキュウガイ 後藤逸平名無し※ネタバレを含むクチコミです。絶対に好きにさせてくる幼馴染幽霊との戦い #1巻応援幽霊になったからパンツ見せてもバレないよね!? ゆとりーぬANAGUMA個人的な2021年度上半期そうはならんやろタイトル賞受賞作品です。 幽霊になってしまった魂野こわたちゃん、恋の未練をはらすため幼馴染の健太にここぞとばかりにパンツ見せたり猛アピール開始!!(豪速球すぎる) 一方の健太も満更でもないのですが、魂野ちゃんを好きになると成仏して一緒にいられなくなってしまうので絶対に好きになるわけにはいかないという旨の業を背負うことになります。でももう好きじゃん、それは!!! 別れのときがいつか来るのかなと思うと切なくなっちゃいますが、それを感じさせないくらいいつもアホ明るくてカワイイのがよいです。 「結ばれてほしいけど結ばれてほしくね〜!」って一生言い続けたいですね。鬼爆コンビの中学時代編だよBAD COMPANY 藤沢とおるstarstarstarstarstarウマタロ湘南純愛組!鬼爆コンビの中学時代の過去を描いた短編。「GTO」は知ってるけど「湘南純愛組!」は怖そうだから読んでないって人におすすめしたい。本編で語られている中学時代の設定と違い、仲良し不良グループの青春が中心にあるので怖い雰囲気はだいぶマイルドになっている。藤沢とおる先生が理想とする不良の青春が投影されてるそうで、あとがきでは「湘南純愛組!」より「BAD COMPANY」の方がお気に入り、と書かれていた。個人的に湘南後期、BADCOMPANY、GTOの初期までは藤沢とおる先生の黄金期だと思っていて、一番ノリに乗って面白い漫画を描いてたと思う。誰も気付かないようなコマの片隅にまでギャグを差し込むなど、細かいところまでサービス精神が旺盛だった。ちなみに、おまけとして作者ロングインタビューも収録されていて今読むと結構面白い。過去の苦労話や、自身のヤンキー観など、意外と知られてない事実も多い。他所の大手出版社の暴露話も書いてあるのだが、なかなか凄い話が書かれていて苦笑した。 厳しいかなあ……クーロンズ・ボール・パレード 福井あしび 鎌田幹康neko※ネタバレを含むクチコミです。楽しくてかわいい宅飲みのお話たくのみ。 火野遥人野愛女子4人がシェアハウスでただただお酒を飲むだけのお話。 文句とか愚痴なんて一切ない、ひたすら平和で楽しくかわいい。こういう世界でお酒を飲みたい…! 女の子がお酒飲んでるところを見ているだけでももちろん楽しいけれど、登場するお酒とおつまみも多種多様で楽しいです。 甘いのもお洒落なのも定番のビールや焼酎も、なんでも美味しく楽しく紹介してくれるので「今度これ飲んでみよ」って思えます。 4人と一緒に宅飲みしたい…!色んな作品の着想源になっていそう魔獣戦線 石川賢名無し『ゲッターロボアーク』がアニメ化したり『ゴジラVSコング』で地球空洞説が取り上げられたり『エヴァンゲリオン』が完結したりFGO7章のアニメをようやく見たりなど、巡り合わせがいくつか重なって本作を手に取りました。 迫力ある魔獣のデザイン、バイオレンスな復讐譚など普遍的な魅力が詰まっていて数多くの作品に影響を与えた理由が一発で理解できるパワフルな作品です。 後世への影響という点に絞ると、やはり一番の見所は聖書をモチーフとした神話の再構成にあるかと思います。13人の使徒、箱舟計画、人類のアップデート、母親の守護、父と息子の対立…などなど25年間親しまれてきたエヴァの題材がさらにその20年前に大方まとめられていたのは素直に感動しました。 FGO7章の話で影響源としてよく名前が上がるのは同じく庵野監督の『シン・ゴジラ』ですが「絶対魔獣戦線」という章タイトルに本作へのオマージュが捧げられていています。 『魔獣戦線』→『エヴァ』→『シン・ゴジラ』→『絶対魔獣戦線』と自分の好きな作品に流れているエッセンスが繋がっていると思うとなんだか嬉しくなってしまいました(乱暴ですが)。 クライマックスで満を持して巨大な神の尖兵イブとアダムが現出し、一体どうなるのかと思っていたら出てきたところで最終回というのもパワフル。そんなことって…と呆気に取られたのですが『エヴァ』も大概そういう決着が多かったかもしれんと妙に腑に落ちたり。 本作そのものの面白さはもちろん、読めば他の作品ももっと楽しめるようになると思います。今読んでよかったです!(でもちゃんと完結はしてほしかった…) リアルタイムで読みたかった #完結応援龍神沼 石ノ森章太郎名無しマンバ通信の記事で知った作品。最近山田五郎が配信のなかで「龍神沼は石ノ森章太郎先生の少女漫画時代の隠れた名作」と言っていたので読んでみた。 東京から田舎に来た少年が美しい龍神様にひと目会い別れる…という儚く美しいストーリーが、これまた美しい筆致で描かれていて素晴らしかった。これを19歳で描いたなんて信じられない。 「少女モノらしくない少女モノを描きたかった」 「高校時代から温めていた大長編作品で、上京後で“青春ド真ン中”の1957年に描いたもの」 という文章を読み、この作品は生まれるべくして生まれたんだな…と納得した。 巻末に収録されている石ノ森先生のコメントはどれもいいが、 「マンガというものは、性別や年齢に限定される読まれるべきものである、というのが信念だった」 という一文が特にいい。 リアルタイムに読めたらどれだけ感動しただろうか……。 物凄く美しい作品だったけど、これを心の奥で少しでも「(なんだ…こんなもんか…)」と思ってしまったことが悲しい。 (AKIRAやスター・ウォーズの凄さがわからないってこんな気持ちなのかもしれない) 今まで自分が読んできた全ての少女漫画はこの名作があってのもので、2021年の読者が「当たり前」「普通」と感じるような作品を1957年に描き上げているという「とんでもなさ」をしっかり理解して噛み締めたい。体を動かすためには"接触"しなければいけない!?ラブコメマンガ #1巻応援きみのご冥福なんていのらない 松尾あきsogor25仲はいいけども付き合っているわけではない、"友達以上恋人未満"な関係の高校生・小野と篠原。 ある日、何気ない会話の流れから小野は篠原に告白してしまうのですが、あまりに突然の告白だったために篠原はその場を逃げ出してしまいます。 次の日、小野に合わせる顔がないと思いながらも学校に向かった篠原なのですが、そこで彼女は小野が交通事故で亡くなってしまったことを知ります。 その後、悲しみに暮れていた篠原が小野の眠るお墓を訪れるのですが、そこでなぜか彼が"ゾンビ"として蘇ってしまいます。 ゾンビではあるもののちゃんと自分の意思を持って蘇った小野なんですが、どうやら一定時間が経過すると身体が動かなくなってしまうようで、再び身体を動かせるようにするには 篠原と接触して"胸を鳴らす"必要があるらしいということが判明します。 この"胸を鳴らす"という設定が絶妙で、小野が活動を続けるために必要な"身体的接触"がそのまま"恋のドキドキ"へと結びついていくという、実は最高にラブコメしてる作品です。 もちろん小野はゾンビであり、今の身体の状態がずっと続くという保証はないのですが、それはある意味では「思春期の淡い恋模様」と同じだと捉えることもできると思うので、純粋にこの2人の関係を見守っていきたい、そんな作品です。 1巻まで読了<<179180181182183>>
最初の扉絵に143ページとあってあまりの長さにビビリつつ読んだらすごかった。なんで藤本タツキの書く少女ってこんなに純粋で愛しいんだろう……胸が苦しい。 超画力の京本とセンスとスピードの藤野。 藤野がクラスメイトに言った「5分で描いた」はフカシではなく本当で、よそんちの廊下でサラッと一瞬で4コマを書き上げる。が、うっかりそれが京本の部屋に滑り込んでしまう。 尊敬する先生の見たことない描き下ろしが突然部屋に現れたときの京本の気持ちを考えるとたまらなくなる。 そしてあの事件のあと、今度は藤野の元に京本が描いた藤野の作風をリスペクトした4コマ「背中を見て」が届く……。 京本の背中には小学生のときに描いた藤野のサインがあり、藤野の背中は、ずっと京本が見ている。 ……。 ……。 話の大筋は「田舎の小学生2人がお互いの才能を見出し漫画家を目指す」というまんが道スタイルでありながら、キャラの造形・演出・話の展開は完全に藤本タツキ味に仕上がっているものすごい作品。 2021年一番心に残った読切でした。 【追記】 京本が家にいるときに鍵を掛けてなくて、藤野が鍵開いてるな〜中に人いるんじゃんって玄関まで入っちゃうとこ田舎あるあるで笑った。自分が子供の頃(20年くらい前)はこんな感じだったけど今もそうなんだろうか。 あのコンビニはあるにはあるけど雪深いところとか、窓から山が見えるところとか……自分の地元と重なる部分が多くて、だからこそ2人が出会えたことの得難さを噛み締めてしまう。 たとえどれだけ辛い別れになったとしても、2人が唯一無二の関係としてともに時間を過ごすことが出来て本当に良かったなと思う。