あらすじ基本的に食欲をそそるような内容ではないことを百も承知でつけたサブタイトルの「本田鹿の子の本棚~週刊少年カリー篇~」は単行本第9弾!メニューが多すぎて店の奥行きが異次元の深さの料理店/もしも世界がカレーでできていたら?/髪の毛入りチョコレートを贈ってきたストーカーへの対処法…などなど、鹿の子ちゃんの蔵書がますますカオスになった読書の冒険の物語。
本棚に秘められた宇宙。 文字列がビジュアル化すると、個性的な本たちの一群はカオスと化す。 最近、会話もなくなった娘の趣向をしろうと部屋に忍び入り、本を読む父。 タイムリミットは娘の帰宅時間。 大丈夫、父にはビジュアル化されるタイプの速読術がついている! 休日なのか平日なのかわからないけれど、娘より帰宅が早いタイプの父らしい。 ちょっと癖のある趣向を持つ娘の本棚が、父によって次々とビジュアライゼーション! というかたちで、突拍子もない一話完結型短編が次々と現れる。 いやほんとに突拍子もない設定&展開で、読んでいると自分がおかしいような気がしてくる。 『マチ姉さんの妄想アワー』もマチ姉さんの妄想ということで、突拍子もない昔話やおとぎ話が繰り出されていたけど、本作は舞台が世紀末からSFから恋愛モノから推理モノから色んな方向から小話がやってくる。 理解が追いつかず、99話の龍造寺先生よろしく、「っひゃっひゃっひゃ」と言う気持ちになる。 毎話毎話、発想力がすごい。 ちなみに私は、世紀末世界を舞台にした「93話」のトニオバギーの話が好きだ。