あらすじ売れなかったら最終刊! 作者と編集の願いを込めた単行本第4弾! 愛娘の所蔵する暗黒文学に妄想速読術で挑む! 鹿の子ちゃんの得体の知れない蔵書群を変態侵入親父が速読術で次々と映像化! 限りない「肉愛」に溢れたオマージュ『ゆで理論殺人事件』、有名怪談の続きをスタイリッシュなアクションにした『続・耳なし芳一&続・平家物語』など、佐藤将の天才ぶりを存分に楽しめる1冊。
本棚に秘められた宇宙。 文字列がビジュアル化すると、個性的な本たちの一群はカオスと化す。 最近、会話もなくなった娘の趣向をしろうと部屋に忍び入り、本を読む父。 タイムリミットは娘の帰宅時間。 大丈夫、父にはビジュアル化されるタイプの速読術がついている! 休日なのか平日なのかわからないけれど、娘より帰宅が早いタイプの父らしい。 ちょっと癖のある趣向を持つ娘の本棚が、父によって次々とビジュアライゼーション! というかたちで、突拍子もない一話完結型短編が次々と現れる。 いやほんとに突拍子もない設定&展開で、読んでいると自分がおかしいような気がしてくる。 『マチ姉さんの妄想アワー』もマチ姉さんの妄想ということで、突拍子もない昔話やおとぎ話が繰り出されていたけど、本作は舞台が世紀末からSFから恋愛モノから推理モノから色んな方向から小話がやってくる。 理解が追いつかず、99話の龍造寺先生よろしく、「っひゃっひゃっひゃ」と言う気持ちになる。 毎話毎話、発想力がすごい。 ちなみに私は、世紀末世界を舞台にした「93話」のトニオバギーの話が好きだ。